| 【発明の名称】 |
抗菌性コーティング剤及び抗菌性シート |
| 【発明者】 |
【氏名】末永 修也
【氏名】平沢 栄作
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】合成樹脂のエマルション又は水性ディスパージョンと、タンニンとを含有してなることを特徴とする抗菌性コーティング剤及び該抗菌性コーティング剤をシート状基材に塗布してなることを特徴とする抗菌性シート。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂のエマルション又は水性ディスパージョンと、タンニンとを含有してなることを特徴とする抗菌性コーティング剤。 【請求項2】 上記タンニンが縮合型タンニンである請求項1記載の抗菌性コーティング剤。 【請求項3】 上記タンニンがカキタンニンである請求項1又は2記載の抗菌性コーティング剤。 【請求項4】 上記タンニンが上記合成樹脂100質量部に対して15〜100質量部の割合となるように配合された請求項1、2又は3記載の抗菌性コーティング剤。 【請求項5】 上記合成樹脂が不飽和カルボン酸をモノマー成分として含むオレフィンとの共重合体及び該共重合体の金属イオンによる部分又は完全中和のアイオノマーよりなる群から選ばれる一種以上の合成樹脂である請求項1乃至は4のいずれか1項記載の抗菌性コーティング剤。 【請求項6】 上記合成樹脂がエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体及び該共重合体の金属イオンによる部分又は完全中和のアイオノマーよりなる群から選ばれる一種以上の合成樹脂である請求項1乃至は5のいずれか1項記載の抗菌性コーティング剤。 【請求項7】 上記合成樹脂がアクリル酸又はメタクリル酸をモノマー成分として含むアクリル系樹脂である請求項1乃至は6のいずれか1項記載の抗菌性コーティング剤。 【請求項8】 請求項1乃至は7のいずれか1項記載の抗菌性コーティング剤をシート状基材に塗布してなることを特徴とする抗菌性シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性を有する抗菌性コーティング剤及び抗菌性シートに関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】タンニンは、植物のさまざまな組織・器官に含まれ、また、海草から高等植物まで分布している。タンニンは大きく分けると、加水分解型タンニンと縮合型タンニンとに分けることができる。加水分解型タンニンの分布は、比較的限られており、離弁花植物に存在し、一方、縮合型タンニンの分布は、リグニン生産能と相関があり、ほとんどの樹木植物で発現されている。 【0003】このように自然界に広く存在するタンニンを利用して抗菌性を付与させる方法として、例えばタンニン水溶液を繊維や木質系基材への塗付又は含浸処理によって固定させ、抗菌性を付与する方法が採用されている。 【0004】ところで、タンニンは主成分がセルロースであるものに対しての密着性は良好であるが、繊維や木質系基材は、熱可塑性や熱溶着性がないので、加工性には難点があった。そのような観点からは、合成樹脂基材にタンニンを塗布することが望まれるが、合成樹脂基材に対しては、タンニン水溶液そのままでは塗付することが難しく、合成樹脂基材との密着性に問題があった。 【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、合成樹脂基材に対して良好な密着性を有すると共に、耐水性に優れる水性の抗菌性コーティング剤及び該コーティング剤を塗付した抗菌性シートを提供することを目的とするものである。なお、本発明において、「シート」は、幅、長さ、厚みが何ら制限されるものではなく、テープ、フィルム、板も含まれるものである。 【0006】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、タンニンを合成樹脂のエマルション又は水性ディスパージョンに混合することで、合成樹脂基材に対して良好な密着性を示す水性の抗菌性コーティング剤が得られ、該コーティング剤をシート状基材に塗付することで抗菌性シートが得られるとの知見を得て、本発明をなすに至った。 【0007】即ち、本発明は、(1)合成樹脂のエマルション又は水性ディスパージョンと、タンニンとを含有してなることを特徴とする抗菌性コーティング剤及び(2)上記(1)記載の抗菌性コーティング剤をシート状基材に塗布してなることを特徴とする抗菌性シートを提供する。 【0008】ここで、上記タンニンが縮合型タンニンであると好適であり、カキタンニンであると、より好適である。そして、上記タンニンが上記合成樹脂100質量部に対して15〜100質量部の割合となるように配合されることが好ましい。 【0009】また、上記合成樹脂が不飽和カルボン酸をモノマー成分として含むオレフィンとの共重合体及び該共重合体の金属イオンによる部分又は完全中和のアイオノマーよりなる群から選ばれる一種以上の合成樹脂であることが好ましく、更に、上記合成樹脂がエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体及び該共重合体の金属イオンによる部分又は完全中和のアイオノマーよりなる群から選ばれる一種以上の合成樹脂であると、より好ましく、そして更に、上記合成樹脂がアクリル酸又はメタクリル酸をモノマー成分として含むアクリル系樹脂であると、更に好ましい。 【0010】以下、本発明をより詳細に説明すると、本発明の抗菌性コーティング剤は、合成樹脂のエマルション又は水性ディスパージョンと、タンニンとを含有するものである。 【0011】ここで、タンニンは、ポリフェノール化合物の中の一群である。タンニンは、上述したように、大きく分けると、加水分解型タンニンと縮合型タンニンとに分けることができる。加水分解型タンニンは、単純型ポリフェノールカルボン酸のエステル縮合化合物であり、縮合型タンニンは、フラボノイド型ポリフェノールを構成成分とする共重合体である。縮合型タンニンのフェノール性水酸基と本発明で使用する合成樹脂共重合体のカルボキシル基との相互作用により、水中に均一分散され、水性コーティング剤として好適に使用することが可能である。一方、加水分解型タンニンは、多数のフェノール性水酸基を有し、そのフェノール性水酸基により合成樹脂が架橋してしまい、コーティング剤として使用することが困難となる場合がある。そのような事態を避けるためには、酸価の小さな合成樹脂を使用する必要がある。 【0012】本発明において使用するタンニンは、タンニンであれば、加水分解型、縮合型、あるいは天然物由来であって精製されたものや未精製のもの、更には、合成されたものなど、特に制限はないが、上述したように、本発明のコーティング剤においては、水に対する分散性を考慮すれば、上記タンニンが縮合型タンニンであることが好ましい。そして、縮合型タンニンの中でも、お茶や柿などに含まれる天然物由来のものは、人体や環境への影響が小さいことから、より好ましい。 【0013】そのようなタンニンを多量に含むものとしては、柿渋が良く知られている。柿渋は、例えば未熟な柿果実を砕いて搾汁した後に糖質分解酵素を持つ酵母を加えて、3〜10日間発酵させ、更に1〜4年間熟成させることにより得られる。柿渋には、縮合型タンニンの1種であるカキタンニンが多量に含まれている。カキタンニンは、エピカテキン、カテキン−3−ガレート、エピガロカテキン、ガロカテキン−3−ガレートを組成とする高分子のプロアントシアニジンポリマーである。柿渋は、古来、塗料、防水剤、防腐剤等に利用され、また、火傷やあかぎれの治療、毒蛇の中和、血圧降下等にも有効な生薬として利用されている。また、柿渋は、抗菌効果、消臭効果を有することが知られており、天然物由来であるため、有機系又は無機系の抗菌剤よりも環境や人体の健康への影響が少ないので、特に好適である。 【0014】本発明において使用するタンニンは、精製されたものを用いてもよいが、必ずしも精製されたものを用いる必要はなく、例えば、カキタンニンを含有する柿渋をそのまま、又は、水でタンニン含量を調整して用いることもできる。柿渋をそのまま用いると、タンニンを精製する工程を省略することができるので、経済的に優れたものとなる。 【0015】その場合、柿渋は、市販のものを使用することもできる。市販のものは、柿渋水溶液又は柿渋粉末として市販されている。水溶液のものは、通常、柿渋水溶液中のタンニン含有率が4〜7質量%程度であり、このまま使用することもできるが、タンニン含有量を調整するために必要に応じて希釈してもよい。粉末のものは、水で溶解し、タンニン含量5〜10質量%程度の溶液として使用すると、好適である。 【0016】本発明に用いられる合成樹脂は、エマルション又は水性ディスパージョンとなり、コーティング剤として使用できるものであれば、その種類は特に制限されないが、上記合成樹脂が不飽和カルボン酸をモノマー成分として含むオレフィンとの共重合体及び該共重合体の金属イオンによる部分中和又は完全中和のアイオノマーよりなる群から選ばれる1種以上の合成樹脂であると、合成樹脂シートとの密着性に優れ、形成された塗膜により熱溶着性が阻害されにくいので、好適である。 【0017】本発明の場合、これらの中でも、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体の金属イオンによる部分中和又は完全中和のアイオノマーなどが好適であり、特に、アクリル酸,メタクリル酸及びその誘導体をモノマー成分として含む(共)重合体(アクリル系樹脂)などがより好適である。 【0018】これらの樹脂は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。なお、本発明において、「共重合体」とは、2種の単量体からなるものに限定されるものではなく、3種以上の単量体からなる三元共重合体なども含むものである。 【0019】上記合成樹脂の不飽和カルボン酸成分の含量は、特に制限されるものではないが、樹脂の耐水性を考慮すれば、不飽和カルボン酸成分の含量が1〜30質量%程度の合成樹脂が、より好適である。 【0020】本発明の抗菌性コーティング剤において、上記タンニン、上記合成樹脂の配合量は、特に制限されるものではないが、上記タンニン量が上記合成樹脂100質量部に対して15〜100質量部、特に30〜100質量部の割合となるように配合されていると、好適である。タンニンの量が、この範囲より少ないと、抗菌性が充分でない場合があり、この範囲より多くても、それ以上の抗菌性は向上せず、経済的ではない場合がある。 【0021】なお、本発明の抗菌性コーティング剤全体に対する上記合成樹脂、タンニンの配合量は、特に制限されるものではないが、コーティング剤としての取り扱い性、基材との密着性等を考慮すれば、通常コーティング剤全体に対して上記合成樹脂が0.1〜20質量%、特に1〜10質量%であることがより好ましい。上記合成樹脂量がこの範囲より多いと塗付作業が行いにくくなる場合があり、少ないと合成樹脂シートとの密着性が悪くなる場合がある。一方、上記タンニンは、通常コーティング剤全体に対して0.015〜20質量%、特0.15〜10質量%であることが、より好ましい。タンニンの量がこの範囲より少ないと抗菌性が充分でない場合があり、この範囲より多くてもそれ以上、抗菌性が向上せず、経済的ではない場合がある。 【0022】本発明の抗菌性コーティング剤は、分散助剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、アンモニア(NH3)等のアルカリを含むことができる。更に、本発明の効果を妨げない範囲で、上記成分に加えて通常コーティング剤に配合される各種成分を必要に応じて常用量配合することができ、このような成分として、例えば界面活性剤、増粘剤、紫外線吸収剤等を配合することができる。 【0023】本発明の抗菌性コーティング剤の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法に準じて製造することができる。例えば上記合成樹脂のエマルションを調製する方法としては、上記合成樹脂のモノマー成分と該モノマー成分に常用される重合触媒と適宜種類の界面活性剤と水とを加え、これを常法により乳化重合させる方法などが挙げられ、上記合成樹脂のディスパージョンを調製する方法としては、上記合成樹脂を水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)又はアンモニア水(NH4OH)等のアルカリの存在下、水中に投入し、例えばオートクレーブ内において100℃以上の加温加圧下で攪拌することにより樹脂を水中に分散させる方法などを挙げることができる。或いは、ザイクセン(住友精化株式会社製)、ケミパール(三井化学株式会社製)等の商品名で市販されている樹脂の水性ディスパージョンを使用することもできる。 【0024】そして、上記合成樹脂のエマルション又はディスパージョンとタンニンとを混合する場合、上記タンニンとしてカキタンニンを含有する柿渋を使用するのであれば、上記エマルション又はディスパージョンを攪拌しながら、柿渋を適宜濃度の水溶液とした柿渋水溶液を添加し、全体が均一になるまで例えばケミスターラ、マグネチックスターラ等を用いて該装置の通常の攪拌条件にて攪拌すると、好適である。また、コーティング剤を塗付したときの乾燥時間を短縮するために、上記コーティング剤の製造に用いる水にエチルアルコールなどの毒性の小さい溶剤を混合したものを用いることもできる。 【0025】本発明の抗菌性シートは、上記コーティング剤をシート状基材に塗付したものである。ここで、シート状基材としては、その種類が特に制限されるものではなく、例えば合成樹脂製シート、織布、不織布、アルミ箔、紙などを使用することができる。これらの基材の中でも、本発明のコーティング剤は、合成樹脂との密着性に優れていることから、合成樹脂シートがより好適である。合成樹脂として、具体的には、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などを挙げることができる。これらの合成樹脂の中でも、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂層を少なくとも片面に有するシートであると、本発明のコーティング剤は、熱溶着性を阻害しにくいので、ポリオレフィン系樹脂同士を熱溶着して包装袋として使用することがきるので、特に好適である。この場合、上記合成樹脂が不飽和カルボン酸をモノマー成分として含むオレフィンとの共重合体及び該共重合体の金属イオンによる部分又は完全中和のアイオノマーよりなる群から選ばれる1種以上の合成樹脂であると、合成樹脂シートとの密着性に優れ、形成された塗膜により熱溶着性がより阻害されにくいので、更に好適である。 【0026】なお、ポリオレフィン系樹脂層を少なくとも片面に有するシートに、本発明のコーティング剤をコートしても、例えば柿渋中の糖質などの影響で、熱溶着性が阻害されて、充分なシール強度が得られない場合は、コーティング剤の塗布量を小さくしたり、熱溶着部には塗布しないようにするなどの工夫をすることが好ましい。 【0027】本発明の抗菌性シートにおける上記コーティング剤の塗布量は特に制限されず、任意の塗布量とすることができるが、乾燥後の塗膜厚さが通常1〜30μm、特に5〜20μmとなるように塗布すると好適である。塗膜厚さが薄すぎると、コーティングにムラができてしまい充分な抗菌性が得られない場合があり、厚すぎるとそれ以上の抗菌性の向上が得られず、不経済となる場合がある。 【0028】本発明の抗菌性シートの製造方法は、特に制限されないが、例えば上記コーティング剤をスプレーコーター、グラビアコーター、ロールコーター等によって上記シート状基材の表面に均一に塗布した後、必要に応じて80〜130℃の加熱条件下で、5〜10分間程度乾燥して、コーティング剤の水分を除去し、硬化させることによって、抗菌性シートを得ることができる。 【0029】 【発明の効果】本発明の抗菌性コーティング剤は、水性であるので、使用時や製造時に人体に有害な溶剤を使用せず、また、自然界に広く存在するタンニンを用いるので、人体や環境に及ぼす影響が小さく、シート基材との密着性に優れ、充分な抗菌性と消臭効果を有する。そして、本発明の抗菌性コーティング剤をシート状基材にコートした抗菌性シートは、枚葉で使用するほか、熱溶着性を残すことにより包装袋にすることもでき、食品などの包装に用いることもできる。 【0030】従って、本発明の抗菌性シートは、例えば食品、特に肉、魚等から分離、流出するドリップ液に対して細菌の増殖を抑制し、長期間に亘って食品の鮮度を保持する食品用シートや食品用包装袋等として有用である。 【0031】 【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。 【0032】[実施例1]メタアクリル酸共重合体(アクリル酸含量3.5質量%、「アルマテックスK271」、三井化学(株)製)を水に20質量%となるように、混合、分散させたアクリル系樹脂のエマルションを攪拌しながら、柿渋(カキタンニン含量5質量%)を濃度20質量%の水溶液に調整した柿渋水溶液をカキタンニン量が上記アクリル系樹脂100質量部に対して15質量部となるようにブレンドし、全体が均一になるまで攪拌してコーティング剤を調製し、このコーティング剤をポリエチレンテレフタレート製のシート基材(シート厚さ75μm)に乾燥後の塗膜厚さが7μmとなるように塗布し、130℃で10分間乾燥して、実施例1の抗菌性シートを得た。 【0033】[実施例2]上記実施例1において、上記アクリル系樹脂100質量部に対する上記柿渋水溶液の配合割合を30質量部とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の抗菌性シートを得た。 【0034】[実施例3]上記実施例1において、上記アクリル系樹脂100質量部に対する上記柿渋水溶液の配合割合を50質量部とした以外は、実施例1と同様にして実施例3の抗菌性シートを得た。 【0035】[実施例4]上記実施例1において、上記アクリル系樹脂100質量部に対する上記柿渋水溶液の配合割合を100質量部とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の抗菌性シートを得た。 【0036】[実施例5]メタアクリル酸共重合体(アクリル酸含量3.5質量%、「アルマテックスK271」、三井化学(株)製)を水に20質量%となるように、混合、分散させたアクリル系樹脂のエマルションを攪拌しながら、縮合型タンニンのケブラチョ(タンニン分73質量%、「タンニン酸KT」、富士化学工業(株)製)粉末を上記アクリル系樹脂100質量部に対してタンニン量が30質量部となるようにブレンドし、全体が均一になるまで攪拌してコーティング剤を調製し、このコーティング剤をポリエチレンテレフタレート製のシート基材(シート厚さ75μm)に乾燥後の塗膜厚さが10μmとなるように塗布し、130℃で10分間乾燥して、実施例5の抗菌性シートを得た。 【0037】[比較例1]実施例1〜5で使用したアクリル系樹脂をポリエチレンテレフタレート製シート基材(シート厚さ75μm)に乾燥後の塗膜厚さが7μmとなるように塗布し、130℃で10分間乾燥して、比較例1のシートを得た。 【0038】[比較例2]上記実施例1〜5で使用したポリエチレンテレフタレート製シート基材のみを比較例2のシートとした。 【0039】[比較例3]上記実施例1で使用した柿渋水溶液をポリエチレンテレフタレート製シート基材に塗布し、130℃で10分間乾燥して、比較例3のシートとした。 【0040】[比較例4]上記実施例5で使用したケブラチョを濃度20%水溶液に調製し、ポリエチレンテレフタレート製シート基材に塗布し、130℃で10分間乾燥して、比較例4のシートとした。 【0041】上記実施例1〜5、比較例1〜4のシートについて、下記方法により抗菌効果の評価を行った。結果を表1に示す。 【0042】<抗菌効果の評価方法>抗菌効果を確認する実験に用いた試験菌種としては、・黄色ブドウ球菌 IFO 12732を用意した。まず、試験菌をNA培地(普通寒天培地)に移植し、35±1℃で24時間培養(前々培養)し、その試験菌を再度NA培地に移植して35±1℃で更に20時間培養した(前培養)。次に、培養した試験菌の1白金耳を1/500NB培地(普通ブイヨン培地)に移植し、均一に分散させたものを接種用菌液とした。 【0043】試料は、上記実施例1〜5、比較例1、2のフィルムを50mm角の正方形に切断し、コーティングした面(比較例2は一面)に上述の接種用菌液を0.3ml(約3×105の菌を含む)滴下した後、その上に滅菌したCPPフィルムを被せて密着させ、35±1℃、相対湿度90%以上の条件下で24時間保存した。保存後、試験片を被せたフィルムに付着している菌を十分に洗い出し、この洗い出した液1ml中の生菌数を、スタヒロコッカス培地「栄研化学(株)」を使用した寒天平板培地法により測定して生菌数を求め10倍し、求めた数値を試験面1枚当たりの生菌数に換算して24時間後の生菌数とした。 【0044】次に、上記実施例1〜5、比較例3,4のシートのコーティング付着性の評価を行った。結果を表1に併記する。 【0045】<コーティング付着性>JIS K 5400に記載のXカットテープ法により評価した。ここで、Xカットテープ法とは、試験片の上の塗膜を貫通して、素地面に達成するX状の切傷(Xカット)をカッターナイフで付け、その上にセロハン粘着テープを貼り付けて引き剥がし、素地又は塗膜間との付着性の優劣を調べ、下記評価基準に従って評価点数を求めた。 【0046】<評価基準>評価点数10=剥がれが全くない評価点数 0=Xカット部よりも大きく剥がれる【0047】 【表1】
【0048】<耐水性>上記実施例1〜5、比較例3、4のシートを20℃の環境で24時間、水に浸漬した後、各シートの外観を目視観察し、コーティング剤が剥げているか又は溶解しているかを確認した。上記実施例1〜5は、いずれも溶解及び剥がれは認められず、耐水性のあることが確認できた。一方、比較例3,4のシートは、コーティング層が膨潤し、24時間後にはコーティング層が溶解していた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000224101 【氏名又は名称】藤森工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月29日(2001.1.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079304 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 隆司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−220312(P2002−220312A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月9日(2002.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−20368(P2001−20368) |
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