| 【発明の名称】 |
除草性乳剤組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹中 潤治
【氏名】高木 佳代子
【氏名】加藤 祥三
|
| 【要約】 |
【課題】長期間保存しても薬害軽減剤の分解と結晶析出がない保存安定性の良好な除草性乳剤組成物を提供する。
【解決手段】除草活性成分として一般式1のエテニルアミド系化合物、薬害軽減剤として一般式2または3のジクロロアセトアミド系化合物を含有する除草性乳剤組成物であって、アミノアルコールを加え、更に溶剤として非水極性溶剤を使用した除草性乳剤組成物。一般式1,2,3の化合物の具体例には、それぞれ化合物No.1、化合物A(2,2,5−トリメチル−3−ジクロロアセチルオキサゾリジン)、化合物Fがある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】
(式中、R1は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2及びR3は相互に連結して環を形成していてもよく、R4は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜12のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基、置換若しくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜6のシクロアルケニル基、又は置換若しくは非置換の炭素数4〜5のヘテロシクロアルキル基であり、R5は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基、置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基である。)で表されるエテニルアミド系化合物からなる除草活性成分、下記一般式(2) 【化2】
(式中、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R8は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基である。)又は下記一般式(3) 【化3】
(式中R9、R10、及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であり、nは2又は3であり、mは0又は1である。)で表されるジクロロアセトアミド系化合物からなる薬害軽減剤、アミノアルコール、及び非水極性溶剤を含有することを特徴とする除草性乳剤組成物。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、除草活性成分としてエテニルアミド系化合物、薬害軽減剤としてジクロロアセトアミド系化合物を含有する除草性乳剤組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】エテニルアミド系化合物は優れた除草活性があることが知られており(特公平5−15699号公報)、中でもエテニル基の1位にアリール基又はヘテロアリール基を有するエテニルアミド系化合物は、大豆、綿、ビート等の広葉作物、及び小麦、大麦、トウモロコシ、陸稲等のイネ科作物用除草剤として使用することができる。しかしながら、作物栽培地の土壌の種類、水分量、あるいは温度等によっては、栽培作物の葉が枯れる、黄化する、生育が抑制される、あるいは収穫量が減少する等の薬害を起こす場合がある。 【0003】このような薬害を軽減する方法として、薬害軽減剤を使用することが知られており、上記エテニルアミド系化合物についてもジクロロアセトアミド系化合物からなる薬害軽減剤と併用することにより薬害の発生を防止することができることが知られている(特開平11−79906号公報)。 【0004】一般に、除草剤においては、散布者の作業簡素化を図るために除草活性成分を始めとする有効成分を散布し易い形態に製剤化したものが使用されている。中でも、有効成分、界面活性剤(なお、界面活性剤は乳剤を水で希釈する時に添加することあるので乳剤組成物に含まれないこともある。)、溶剤から構成される均一な液体である乳剤は、使用時に水で希釈して乳化させて使用するものであるが、製造工程が単純であり、価格も安いという特徴があるため、現在、広く使用されている製剤である。従って、優れた除草活性を有するエテニルアミド系化合物と薬害軽減剤であるジクロロアセトアミド系化合物とを組合わせた除草剤においても、この2成分を同時に含有する乳剤とすることが望まれている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エテニルアミド系化合物及びジクロロアセトアミド系化合物、界面活性剤を溶剤とともに混合するという一般的な方法で乳剤とした場合には、長期間保存すると薬害軽減効果が低下するという問題があることが明らかになった。 【0006】本発明は、上記の問題を解決すること、即ち、除草活性成分及び薬害軽減剤としてそれぞれエテニルアミド系化合物及びジクロロアセトアミド系化合物を含有する除草性乳剤組成物であって、長期間保存しても薬害軽減効果が低下することのない、保存安定性の良好な除草性乳剤組成物を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために、まず、薬害軽減効果が低下する原因について検討を行なった。その結果、エテニルアミド系化合物中に不純物として微量に存在する酸性成分によって、薬害軽減剤であるジクロロアセトアミド系化合物が分解し、薬害軽減効果が低下することが明らかになった。 【0008】そこで、ジクロロアセトアミド系化合物の分解を抑制することを目的とし、アルキルアミン等の塩基性化合物を添加することによって酸性成分との間に塩を形成させたところ、ジクロロアセトアミド系化合物の分解を防止できることが明らかになった。しかしながら、該塩は乳剤中に溶解せず、それが核となってエテニルアミド系化合物あるいはジクロロアセトアミド系化合物が結晶化してしまうという新たな問題が発生することが明らかとなった。なお、結晶析出が起こった場合には、該乳剤を水に希釈し、噴霧器を用いて散布した場合に目詰まりを起こして処理不能となる問題を生じる。 【0009】そこで、上記新たな問題を解決すべく鋭意検討を行なったところ、塩基性化合物としてアミノアルコールを用い、溶剤として非水極性溶剤を用いた場合には形成された塩が乳剤中に均一に溶解するため、結晶析出を起こすことなく薬害軽減剤の分解を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0010】即ち、本発明は、下記一般式(1) 【0011】 【化4】
【0012】(式中、R1は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2及びR3は相互に連結して環を形成していてもよく、R4は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜12のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基、置換若しくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜6のシクロアルケニル基、又は置換若しくは非置換の炭素数4〜5のヘテロシクロアルキル基であり、R5は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基、置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基である。)で表されるエテニルアミド系化合物からなる除草活性成分、下記一般式(2) 【0013】 【化5】
【0014】(式中、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R8は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基である。)又は下記一般式(3) 【0015】 【化6】
【0016】(式中R9、R10、及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であり、nは2又は3であり、mは0又は1である。)で表されるジクロロアセトアミド系化合物からなる薬害軽減剤、アミノアルコール、及び非水極性溶剤を含有することを特徴とする除草性乳剤組成物である。 【0017】本発明は論理に拘束されるものではないが、本発明の除草性乳剤組成物においては、アミノアルコールが、エテニルアミド系化合物中に不純物として微量含まれ、ジクロロアセトアミド系化合物の分解を引き起こす酸性成分と反応して、ジクロロアセトアミド系化合物の分解には関与しない塩を形成し、更に、該塩は非水極性溶剤に完全に溶解するため所期の効果が得られたものと思われる。 【0018】上記本発明の除草性乳剤組成物の中でも前記一般式(1)において、R1が置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基であり、R2及びR3がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2及びR3は相互に連結して環を形成していてもよく、R4が置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基であり、R5が置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基であるエテニルアミド系化合物を使用するものは、除草活性が高く、しかも該化合物を製造する際の原料入手がし易く製造自体も容易であるという特徴を有するため好適である。又、前記一般式(2)において、R6、R7、及びR8がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であるジクロロアセトアミド系化合物、前記一般式(3)において、R9、R10、及びR11がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であるジクロロアセトアミド系化合物を使用するものは、薬害軽減効果が高く、しかも該化合物を製造する際の原料入手がし易く製造自体も容易であるという特徴を有するため好適である。更に上記した特定のエテニルアミド系化合物と上記した特定のジクロロアセトアミド系化合物とを組合わせ使用した場合はその両方の特徴を併せ持つため特に好適である。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明の除草性乳剤組成物は除草活性成分として前記一般式(1)で表されるエテニルアミド系化合物を含有する。ここで、前記一般式(1)で表されるエテニルアミド系化合物が除草活性を有することは公知である(特公平5−15699号公報)。以下、前記一般式(1)で表されるエテニルアミド系化合物について説明する。 【0020】前記一般式(1)中、R1は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基である。但し、ここでいう各基の炭素数には当該基に置換している置換基中の炭素数は含まない(以降、他の基について炭素数を言う場合も同様である。)。 【0021】上記の非置換のヘテロアリール基としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、キノリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基等が例示され;非置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスレニル基等が例示される。 【0022】前記の置換ヘテロアリール基及び置換アリール基としては、上記の非置換ヘテロアリール基及び非置換アリール基にメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等のアルキルチオ基;シアノ基;ニトロ基;及びアミノ基等の置換基が置換したもの挙げられる。これら置換アリール基及び置換ヘテロアリール基を具体的に例示すれば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ジメチルフェニル基、メチル(エチル)フェニル基、エチル(プロピル)フェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、クロロ(メチル)フェニル基、メトキシ(メチル)フェニル基、メチルチオフェニル基、(トリフルオロメチル)フェニル基、(アミノ)ジメチルフェニル基、クロロ(ニトロ)フェニル基、メチルナフチル基、クロロナフチル基、メトキシナフチル基、ジメチルナフチル基、メチルフリル基、メトキシチエニル基、クロロチエニル基、メチルチエニル基、メチルピロリル基、クロロピロリル基、メチルピリジル基、クロロピリジル基、ジメトキシピリミジニル基、メチルピリミジニル基、クロロピリミジニル基、メチルベンゾフリル基、メトキシベンゾフリル基、クロロベンゾフリル基、メチルベンゾチエニル基、メチルインドリル基、メチルキノリル基、メチルチアゾリル基、メチルピラゾリル基、メチルオキサゾリル基、メチルベンゾオキサゾリル基等が挙げられる。 【0023】前記一般式(1)中、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2及びR3は相互に連結して環を形成していてもよい。 【0024】上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。R2及びR3が相互に連結して形成する環としてはシクロペンタン環、シクロヘキサン環等のシクロアルカン環が挙げられる。 【0025】前記一般式(1)中、R4は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜12のアルケニル基、置換若しくは非置換の炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基、置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基、置換若しくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数4〜6のシクロアルケニル基、又は置換若しくは非置換の炭素数4〜5のヘテロシクロアルキル基である。 【0026】上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が例示され、アルケニル基としては、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等が例示され、アルキニル基としては、プロピニル基、ブチニル基が例示される。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンスレニル基が例示され;ヘテロアリール基としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、キノリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基等が例示され;シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が例示され;シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が例示され;ヘテロシクロアルキル基としては、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリジル基等が例示される。 【0027】置換アルキル基、置換アルケニル基及び置換アルキニル基の置換基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等のアルキルチオ基;シアノ基;ニトロ基;及びアミノ基が挙げられる。 【0028】具体的な上記置換アルキル基としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、クロロエチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、クロロヘキシル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、ブトキシメチル基、ブトキシエチル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、シアノプロピル基、シアノブチル基、ニトロエチル基、ニトロプロピル基、エチルチオメチル基、プロピオチオメチル基、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、N、N−ジエチルアミノエチル基、N、N−ジエチルアミノプロピル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、メトキシチエニルメチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基等が例示される。具体的な置換アルケニル基としては、クロロプロペニル基、シアノブテニル基、メトキシペンテニル基等が、置換アルキニル基としては、クロロペンチニル基、エトキシブチニル基、ニトロヘキシニル基等が挙げられる。 【0029】置換アリール基、置換ヘテロアリール基、置換シクロアルキル基、置換シクロアルケニル基及び置換ヘテロシクロアルキル基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等のアルキルチオ基;シアノ基;ニトロ基;及びアミノ基が挙げられる。 【0030】置換アリール基、置換ヘテロアリール基、置換シクロアルキル基、置換シクロアルケニル基及び置換ヘテロシクロアルキル基を具体的に例示すれば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチル(メチル)フェニル基、エチル(プロピル)フェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、クロロ(メチル)フェニル基、メトキシ(メチル)フェニル基、メチルチオフェニル基、(トリフルオロメチル)フェニル基、(ジメチル)アミノフェニル基、クロロ(ニトロ)フェニル基、メチルナフチル基、クロロナフチル基、メトキシナフチル基、ジメチルナフチル基、メチルフリル基、メトキシチエニル基、クロロチエニル基、メチルチエニル基、メチルピロリル基、クロロピロリル基、メチルピリジル基、クロロピリジル基、ジメトキシピリミジニル基、メチルピリミジニル基、クロロピリミジニル基、メチルベンゾフリル基、メトキシベンゾフリル基、クロロベンゾフリル基、メチルベンゾチエニル基、メチルインドリル基、メチルキノリル基、メチルチアゾリル基、メチルピラゾリル基、メチルオキサゾリル基、メチルベンゾオキサゾリル基、クロロエテニル基、ブロモエテニル基、クロロプロペニル基、クロロヘキセニル基、メチルシクロプロピル基、エチルシクロプロピル基、クロロシクロプロピル基、メトキシシクロプロピル基、メチルシクロペンチル基、クロロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロペンテニル基、クロロシクロヘキセニル基、メチルシクロヘキセニル基、N−メチルピロリジル、N−エチルピロリジル基等が挙げられる。 【0031】前記一般式(1)中、R5は酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基、置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基である。 【0032】上記置換若しくは非置換のヘテロアリール基、置換若しくは非置換のアリール基又は置換若しくは非置換のアルキル基としては、前記R4で列挙したものと同じものが挙げられる。 【0033】以上列記した基を有する化合物には多くの場合、種々の位置異性体が存在するが、これら異性体の全てが特に限定されず本発明に供することができる。例えばある基がメチルフェニル基である場合、該基はo−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基の何れでもよく、又、ある基がブチル基である場合、該基はn−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基の何れでもよい。前記一般式(1)で示されるエテニルアミド系化合物は、様々な方法で製造することができる。例えば、下記一般式(4) 【0034】 【化7】
【0035】で示されるシッフ塩基と、下記一般式(5) 【0036】 【化8】
【0037】で示される酸ハライドとの間の付加反応及びそれに続くハロゲン化水素の脱離反応により製造されるが、通常、原料として使用する酸ハライド、又は製造過程で副生するハロゲン化水素が不純物として微量(具体的にはエテニルアミド系化合物中に0.01〜2重量%程度)含まれる。入手可能なエテニルアミド系化合物中に含まれる該酸性成分の種類や量は反応系によって異なるため、一概に特定することはできないが、酸性成分が存在することはpHを測定することによって容易に確認することができ、その量は中和滴定によって定量することができる。又、本発明においては、このような酸性成分を不純物として含むエテニルアミド系化合物を用いた時に、その効果がもっとも発揮できるので好適である。なお、精製を行なうことにより酸性成分を完全に除去すれば保存安定性の高い乳剤を得ることが可能と思われるが、精製時にエテニルアミド系化合物のロスが発生する。本発明によれば精製を行わないエテニルアミド系化合物を用いても第三成分を添加するという簡単な方法で高い保存安定性を有する乳剤を得ることができる。 【0038】本発明において好適に使用できるエテニルアミド系化合物を例示すれば、2−クロロ−N−(2−エトキシエチル)−N−(2−メチル−1−フェニル−1−プロペニル)アセトアミド(後述する実施例のNo.1の化合物、以下、括弧内のNo.の数字は実施例の化合物No.を表す。)、2−クロロ−N−(2−メトキシエチル)−N−(2−メチル−1−フェニル−1−プロペニル)アセトアミド(No.2)、2−クロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(1−フェニルエテニル)アセトアミド(No.3)、2−クロロ−N−(2−エトキシエチル)−N−(1−フェニル−1−プロペニル)アセトアミド、(No.4)、N−(3−メトキシプロピル)−N−(2−メチル−1−(4−メチルフェニル)−1−プロペニル)アセトアミド(No.5)、2−ブロモ−N−ペンチル−N−(1−(3−クロロフェニル)エテニル)アセトアミド(No.6)、2−メチル−N−(3−エトキシプロピル)−N−(2−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−1−プロペニル)プロピルアミド(No.7)、2−クロロ−N−フェニル−N−(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル−1−ブテニル)アセトアミド(No.8)、N−(3−プロポキシプロピル)−N−(2−メチル−1−(4−シアノフェニル)−1−プロペニル)ベンズアミド(No.9)、4−エチル−N−(2−チエニル)−N−(1−(1−ナフチル)−1−ブテニル)ベンズアミド(No.10)、4−メトキシ−N−エチル−N−(2−メチル−1−(2−ピリジル)−1−プロペニル)ベンズアミド(No.11)、2−メトキシ−N−ブチル−N−(2−メチル−1−(2−チエニル)−1−プロペニル)アセトアミド(No.12)、2−クロロ−N−(2−4−メトキシチエニル))−N−(2−メチル−1−(2−フリル)−1−プロペニル)アセトアミド(No.13)、2−クロロ−N−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(1−フェニルエテニル)アセトアミド(No.14)、2−ブロモ−N−メトキシメチル−N−(1−(2,4−ジメチルフェニル)−1−プロペニル)アセトアミド(No.15)、2−クロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(1−(N−メチルピリミジニル)エテニル)アセトアミド(No.16)、N−(1−ナフチル)−N−(2−メチル−1−(4−ブロモフェニル)−1−プロペニル)プロピルアミド(No.17)、2,2,2−トリフルオロ−N−(2−メチルチオエチル)−N−(1−(4−イソプロピルフェニル)−1−ペンテニル)アセトアミド(No.18)、N−(2−エトキシカルボニルエチル)−N−(1−(2−(4−メトキシチオニル))エテニルベンズアミド(No.19)、N−エチル−N−(1−(4−ニトロフェニル)−2−シクロヘキシルエテニル)チアゾアミド(No.20)等が挙げられる。 【0039】前記一般式(1)で表されるエテニルアミド系化合物のうち、除草活性の高さ、原料の入手のし易さ、製造のし易さ等の観点から、R1が置換若しくは非置換の炭素数6〜14のアリール基であり、R2及びR3がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であり、R2及びR3は相互に連結して環を形成していてもよく、R4が置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基であり、R5が置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基であるものを使用するのが好適である。 【0040】なお、除草活性成分としてのエテニルアミド系化合物は1種類のものを単独使用しても、複数の種類を混合して使用してもよい。 【0041】本発明の除草性乳剤組成物中におけるエテニルアミド系化合物の配合量は特に限定されないが、極端に少ない配合量では圃場に施用する乳剤の量が増大することになるため、エテニルアミド系化合物、ジクロロアセトアミド系化合物、アミノアルコール、および非水極性溶剤の総重量を基準として30〜90重量%、特に50〜80重量%とするのが好適である。 【0042】本発明の除草性乳剤組成物は、薬害軽減剤として前記一般式(2)又は(3)で表されるジクロロアセトアミド系化合物を含有する。ここで、薬害軽減剤とは、何らかの除草活性成分によってもたらされる薬害を軽減する効果を有する化合物であり、除草活性成分の効力を損なうことなく、薬害を軽減又は解毒し、栽培作物を保護する効果を有する化合物を意味する。従って、本発明で言う薬害軽減剤とは、いわゆる拮抗剤(counter-agent)、解毒剤(antidotes)、及び保護剤(safener)を含む概念である。 【0043】以下、前記一般式(2)および(3)で表されるジクロロアセトアミド系化合物について説明する。 【0044】前記一般式(2)中、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。具体的には、上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。 【0045】前記一般式(2)中、R8は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでなる置換若しくは非置換の炭素数3〜8のヘテロアリール基である。具体的には、上記アルキル基としては、前記R6及びR7で列挙したものと同じものが挙げられ、置換若しくは非置換のヘテロアリール基としては、前記R1で列記したものと同じものが挙げられる。 【0046】前記一般式(2)で表されるジクロロアセトアミド系化合物のうち、好適な化合物を例示すれば、2,2,5−トリメチル−3−ジクロロアセチルオキサゾリジン(後述する実施例のAの化合物、以下、括弧内の記号は実施例の化合物の記号を表す。)、2,2−ジメチル−3−ジクロロアセチルオキサゾリジン(B)、2−エチル−2−メチル−3−ジクロロアセチルオキサゾリジン(C)、2,2−ジメチル−5−(2−フリル)−3−ジクロロアセチルオキサゾリジン(D)、2−メチル−5−(2−(4−メチルフリル))−3−ジクロロオキサゾリジン(E)等が挙げられる。 【0047】前記一般式(2)で表されるジクロロアセトアミド系化合物ののうち、薬害軽減効果の高さ、原料の入手のし易さ、製造のし易さ等の観点から、R6、R7、及びR8がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であるもの(具体的には、上記化合物A及びB)を使用するのが特に好適である。 【0048】前記一般式(3)中のR9、R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基、すなわちメチル基又はエチル基であり、nは2又は3の整数であり、mは0又は1の整数である。 【0049】前記一般式(3)で表されるジクロロアセトアミド系化合物のうち、好適な化合物を例示すれば、5−ジクロロアセチル−3,3,6−トリメチル−9−オキソ−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(後述する実施例Fの化合物、以下、括弧内の記号は実施例の化合物の記号を表す。)、4−ジクロロアセチル−5−メチル−9−オキソ−1,4−ジアザビシクロ[3.4.0]ノナン(G)、4−ジクロロアセチル−9−オキソ−1,5−ジアザビシクロ[3.4.0]ノナン(H)、5−ジクロロアセチル−6−エチル−9−オキソ−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン(I)、5−ジクロロアセチル−3,3,6−トリメチル−10−オキソ−1,5−アザビシクロ[4.4.0]デカン(J)等が挙げられる。 【0050】前記一般式(3)で表されるジクロロアセトアミド系化合物のうち、薬害軽減効果の高さ、原料の入手のし易さ、製造のし易さ等の観点から、R9、R10、及びR11がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であるもの(具体的には、上記化合物F)を使用するのが特に好適である。 【0051】なお、薬害軽減剤としてのジクロロアセトアミド系化合物は1種類のものを単独使用しても、複数の種類を混合して使用してもよい。 【0052】本発明の除草性乳剤組成物における上記ジクロロアセトアミド系化合物のエテニルアミド系化合物に対する混合割合は特に限定されず、用いる化合物の種類及び量、更には栽培作物や土壌等の栽培環境に応じて適宜決定すればよいが、一般的にはエテニルアミド系化合物1重量部に対して0.01〜1重量部使用すればよい。本発明の除草性乳剤組成物中におけるジクロロアセトアミド系化合物の配合量としては、エテニルアミド系化合物、ジクロロアセトアミド系化合物、アミノアルコール、および非水極性溶剤の総重量を基準として、3〜45重量%、特に5〜20重量%であるのが好適である。 【0053】本発明の除草性乳剤組成物は、上記除草活性成分及び薬害軽減剤に加えて、アミノアルコール及び非水極性溶剤を含有することを最大の特徴とする。これら成分を含有することにより、薬害軽減剤としてのジクロロアセトアミド系化合物の分解が防止されて、長期間保存しても薬害軽減効果が低下することなく、又結晶が析出することもない。 【0054】アミノアルコールとしては、従来公知のものが何ら制限されずに使用し得る。好適に使用できるアミノアルコールを例示すれば、エタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール(イソプロパノールアミン)、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。このうち、価格の点からエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノールアミン(イソプロパノールアミン)が特に好適である。これらアミノアルコールは1種類のものを単独使用しても、複数の種類を混合して使用してもよい。 【0055】本発明の除草性乳剤組成物で使用する上記アミノアルコールの配合量は特に限定されず、除草活性成分に含まれる酸性成分との間に塩を形成することにより、薬害軽減剤の分解を防止するのに十分な量、たとえば酸性成分1モルに対して0.1〜2モル、好適には0.5〜1.5モルであればよい。本発明の除草性乳剤組成物中のアミノアルコールの量としては、エテニルアミド系化合物、ジクロロアセトアミド系化合物、アミノアルコール、および非水極性溶剤の総重量を基準として、0.1〜5重量%、特に0.5〜2重量%とするのが好適である。 【0056】非水極性溶剤としては、従来公知のものが何ら制限されずに使用し得る。好適に使用できる非水極性溶剤を例示すれば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素含有溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸アミル、エチレングリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジエチル等のエステル類;メタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類等が挙げられる。なお、これら非水極性溶剤は1種類のものを単独使用しても、複数の種類を混合して使用してもよい。 【0057】これらのうち、エテニルアミド系化合物及びジクロロアセトアミド系化合物、更に酸性成分とアミノアルコールにより形成される塩を溶解する力が強く、高濃度な乳剤を得ることができる点から、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素含有溶剤を用いるのが特に好適である。 【0058】本発明の除草性乳剤組成物中における非水極性溶剤の配合量は特に限定されず、生成した塩を溶解するのに十分な量であればよいが、通常はエテニルアミド系化合物、ジクロロアセトアミド系化合物、アミノアルコール、および非水極性溶剤の総重量を基準として、5〜80重量%であるが、過剰に使用するとエテニルアミド系化合物あるいはジクロロアセトアミド系化合物の配合量が少なくなる分、圃場に施用する乳剤の量が増大することになるため、好適には10〜40重量%である。 【0059】本発明の除草性乳剤組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記必須成分以外の成分、例えば界面活性剤や非極性溶剤等を添加することもできる。 【0060】本発明の除草性乳剤組成物に使用できる界面活性剤としては、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性及び両性イオン性のものが挙げられるが、通常は非イオン性及び(又は)陰イオン性のものが好適に使用される。好適な非イオン性界面活性剤としては、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレインアルコール等の高級アルコールにエチレンオキシドを重合付加させたもの;イソオクチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノールにエチレンオキシドを重合付加させたもの;ブチルナフトール、オクチルナフトール等のアルキルナフトールにエチレンオキシドを重合付加させたもの;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸にエチレンオキシドを重合付加させたもの;ステアリルリン酸、ジラウリルリン酸若しくはジアルキルリン酸にエチレンオキシドを重合付加させたもの;ドデシルアミン等のアミン又はステアリン酸アミド等の酸アミドにエチレンオキシドを重合付加させたもの;ソルビタン等の多価アルコールの高級脂肪酸エステル及びそれにエチレンオキシドを重合付加させたもの;エチレンオキシドとプロピレンオキシドを重合付加させたもの;ジオクチルサクシネート等の多価脂肪酸とアルコールとのエステル等が例示される。 【0061】また、好適な陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オレインアルコール硫酸エステルアミン塩等のアルキル硫酸エステル塩;スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム、2−エチルヘキセンスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩;イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、メチレンビスナフタレンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム等のアリールスルホン酸塩、トリポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。 【0062】本発明の除草性乳剤組成物中に界面活性剤を添加する場合におけるその配合量は特に限定されず、散布時に水に希釈した際に、安定な乳化状態を保つのに十分な量であればよいが、通常、エテニルアミド系化合物、ジクロロアセトアミド系化合物、アミノアルコール、および非水極性溶剤の総重量100重量部に対して2〜20重量部を配合するのが好適である。 【0063】また、溶剤として、非水極性溶剤に加え、除草性乳剤組成物を散布時に水に希釈した際の乳化状態の安定性を向上させる目的で、非極性溶剤を使用しても差し支えない。 【0064】非極性溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素;灯油(ケロシン)、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル等のパラフィン系若しくはナフテン系炭化水素等が使用できる。 【0065】本発明の除草性乳剤組成物中における非極性溶剤の配合量は特に限定されないが、通常はエテニルアミド系化合物、ジクロロアセトアミド系化合物、アミノアルコール、および非水極性溶剤の総重量100重量部に対して0〜50重量部、過剰に使用するとエテニルアミド系化合物あるいはジクロロアセトアミド系化合物の配合量が少なくなる分、圃場に施用する乳剤の量が増大することになるため、好適には0〜20重量部である。 【0066】本発明の除草性乳剤組成物の調製手順は、特に限定されるものではないが、具体的な調製手順を例示すると、それぞれ所定量のエテニルアミド系化合物、ジクロロアセトアミド系化合物、アミノアルコール、及び非水極性溶剤に必要に応じて界面活性剤を加え良く混合して乳剤とする方法が挙げられる。 【0067】圃場における施用に際しては、本除草性乳剤組成物を水で50〜2000倍に希釈し、必要に応じて界面活性剤を添加し、一般的に圃場全面に加圧噴霧することにより施用される。 【0068】本発明の除草性乳剤組成物の施用量は、一般に、エテニルアミド系化合物の施用量で表して1ha当たり2〜5000g、好ましくは10〜2000gとなる薬量で使用される。 【0069】 【実施例】次に、本発明の除草性乳剤組成物について、実施例を挙げてより詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0070】なお、実施例中、エテニルアミド系化合物としては表1および2に示した化合物No.1〜20を使用し、ジクロロアセトアミド系化合物としては表3及び表4に記号A〜Jで表した化合物を使用した。 【0071】 【表1】
【0072】 【表2】
【0073】 【表3】
【0074】 【表4】
【0075】実施例1〔製剤例1〕表1のエテニルアミド系化合物No.1 60重量部、表2のジクロロアセトアミド系化合物A7.5重量部、界面活性剤ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル10重量部、界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム5重量部、1−アミノ−2−プロパノール1重量部に、N−メチル−2−ピロリドン16.5重量部を加え良く混合して除草性乳剤組成物を調製した。 【0076】次に、上記除草性乳剤組成物について、以下に示す方法に従い物性を評価した。 【0077】<ジクロロアセトアミド系化合物の分解率>除草性乳剤組成物中のジクロロアセトアミド系化合物の含有率を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した(A%)。この除草性乳剤組成物を密栓容器に入れ、50℃の恒温槽で30日間保存した後、ジクロロアセトアミド系化合物の含有率をHPLCにより分析した(B%)。ジクロロアセトアミド系化合物の分解率を以下の式により算出した。なお、50℃で30日間という条件は、室温で3年間の保存を想定して設定している。 ジクロロアセトアミド系化合物の分解率(%)=(1−B/A)×100<結晶析出有無>除草性乳剤組成物を密栓容器に入れ、−5℃の恒温槽で30日間保存した後、結晶析出有無を目視により観察した。なお、−5℃という温度は冬期の保存を想定した温度である。 【0078】その結果を表5に示す。 【0079】 【表5】
【0080】〔試験例1(除草活性及びトウモロコシに対する薬害)〕次に上記除草性乳剤組成物について、調製後1日以内のもの(I)と50℃の恒温槽で30日間保存した後、更に−5℃の恒温槽で30日間保存したもの(II)のそれぞれについて、除草活性及びトウモロコシに対する薬害を以下に示す方法に従い評価した。 【0081】即ち、プラスチック容器(長さ35cm×幅18cm×高さ14cm)に畑土壌(砂を20%混合することにより、薬害の出易い条件とした)を充填し、トウモロコシの種子を3cmの深さに播種し、更に畑雑草の種子(メヒシバ、スズメノカタビラ、イヌビエ、シロザ、ハキダメギク)を1cmの深さに播種した。種子を土で覆った後に、エテニルアミド系化合物として1ha当たり1500g(ジクロロアセトアミド系化合物として188g)の量に相当する除草性乳剤組成物を、1000倍の水に希釈し、噴霧器を用いて土壌表面に噴霧処理した。処理後平均気温25℃の温室内で生育させ、2週間後に除草活性及び薬害の程度を0〜5の6段階評価で示した。即ち、評価5は100%の抑草率=完全枯死、4は抑草率99〜75%、3は74〜50%、2は49〜25%、1は24〜1%、0は抑草率0%=除草活性なしあるいは薬害なしを示す。なお、ここで示される対照1は、化合物No.1のみを含有し、薬害軽減剤を含有しない除草性乳剤組成物を施用した結果である。 【0082】その結果を表6に示す。表6に示されるように薬害軽減剤を含有しない対照1と比べて薬害が軽減されており、しかも長期間保存後もその効果が持続していることが分かる。 【0083】 【表6】
【0084】実施例2表1のエテニルアミド系化合物No.1 60重量部、表2のジクロロアセトアミド系化合物A7.5重量部、界面活性剤ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテル10重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム5重量部、エタノールアミン1重量部に、N−メチル−2−ピロリドン10重量部及びメチルナフタレン6.5重量部を加え良く混合して除草性乳剤組成物を調製し(製剤例2)、得られた除草性乳剤組成物について試験例1と同様の評価を行なった(試験例2)。その結果を表4及び5に併せて示す。本除草性乳剤組成物についても保存安定性が良好なことが分かる。 【0085】実施例3〜15表7に示す組成で製剤例3〜15の除草性乳剤組成物を調製した(製剤例3〜15)。 【0086】 【表7】
【0087】調製した各除草性乳剤組成物について試験例1と同様の評価を行なった(試験例3〜15)。その結果を表5及び6に併せて示す。いずれの除草性乳剤組成物も保存安定性が良好であることが分かる。 【0088】比較例1〜3表8に示す組成の除草性乳剤組成物を調製し、試験例1と同様の評価を行なった。その結果を表9及び10に示す。 【0089】 【表8】
【0090】 【表9】
【0091】 【表10】
【0092】比較例1は、製剤例1において、1−アミノ−2−プロパノールを使用せずに除草性乳剤組成物を調製した例であり、この場合にはジクロロアセトアミド系化合物Aが分解し、薬害軽減効果の低下が見られた。又、比較例2は、製剤例1において1−アミノ−2−プロパノールを使用せず、代わりにジ−n−プロピルアミンを使用して除草性乳剤組成物を調製した例であり、この場合には結晶が析出し、噴霧処理の途中で噴霧器に目詰まりが生じて処理不能となり、除草活性が低下した。又、比較例3は、製剤例1においてN−メチル−2−ピロリドンを使用せず、代わりにメチルナフタレンを使用して除草性乳剤組成物を調製した例であり、この場合も結晶が析出し、除草活性が低下した。 【0093】 【発明の効果】本発明によれば、除草活性成分としてエテニルアミド系化合物、及び薬害軽減剤としてジクロロアセトアミド系化合物を含有し、長期間保存しても薬害軽減剤が分解することがなく、又結晶が析出することもない保存安定性が良好な除草性乳剤組成物を得ることができる。即ち、本発明の除草性乳剤組成物は長期間保存してもそのままの状態で(例えば噴霧器の目詰まりをなくすために結晶を溶解する処理等をすることなく、)上記除草剤の効果を発揮することができる優れた除草性乳剤組成物であると言える。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003182 【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
|
| 【出願日】 |
平成13年1月29日(2001.1.29) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−220305(P2002−220305A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月9日(2002.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−19799(P2001−19799) |
|