| 【発明の名称】 |
抗菌剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 徹
【氏名】三原 由加里
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| 【要約】 |
【課題】ミツバチに対して安全で、ミツバチの感染症の予防、治療、及びダニの侵入の防止に有効な抗菌剤を得る。
【解決手段】(i)イソチオシアン酸化合物を含む抗菌成分、並びに(ii)有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びみつろうから選ばれた少なくとも1種の成分を配合してなる抗菌剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(i)イソチオシアン酸化合物を含む抗菌成分、並びに(ii)有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びみつろうから選ばれた少なくとも1種の担体成分を配合してなる抗菌剤。 【請求項2】 さらに、ゲル化剤を配合してなる請求項1の抗菌剤。 【請求項3】 さらに、植物精油を配合してなる請求項1の抗菌剤。 【請求項4】 請求項1〜4のいずれかの抗菌剤をミツバチの巣箱に配置してなるミツバチの病気の抑制法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の背景】本発明は、有効量のイソチオシアン酸化合物を含有する除放性の抗菌剤に関する。本発明の抗菌剤はミツバチの巣箱に用いることにより、抗菌成分であるイソチオシアン酸化合物が徐放されて、巣箱への細菌、真菌、ダニなどの侵入、繁殖が抑制されミツバチの病気を抑制する。 【0002】 【従来の技術】ミツバチのコロニー(群)が、チョーク病やバロア病、あるいはアカリンダニ症などの病原菌(Ascosphacraapisなど)に感染すると、その健康に重大な危機を招く。このような感染症により、蜂蜜の生産量や蜜質の低下を生じ、さらにはミツバチの死亡を招いて、養蜂業を営む上で大きな損害を生じる。このようなミツバチの感染症を防止するには、従来、ヒバ油や木酢などの薬剤をミツバチコロニーや巣箱に振りかけることなどが行われている。 【0003】 【発明の目的及び概要】しかしながら、前記方法では薬剤がミツバチに付着するため取扱い困難であり、未だ簡便かつ安全で、効果の高い方法は提案されていない。本発明の目的は、ミツバチに対する感染症の予防、治療、及びダニの侵入防止に有効な抗菌剤を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、(i)イソチオシアン酸化合物を含む抗菌成分、並びに(ii)有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びみつろうから選ばれた少なくとも1種の成分を配合してなる抗菌剤を提供するものである。 【0005】本発明の抗菌剤は、前記の病原菌に対して効果的であり、かつ、ミツバチの健康に影響を与えない抗菌成分濃度(1〜0.05ppm)を長期間(2ヶ月程度)にわたり維持することができる。 【0006】 【発明の詳細な開示】つぎに本発明を更に詳細に説明する。 (i)抗菌成分本発明の抗菌剤に用いられる抗菌成分としては、イソチオシアン酸アリル(AIT)などのイソチオシアン酸エステル、あるいはこれらを主成分とするわさび抽出物、からし抽出物などが挙げられる。 【0007】これら抗菌成分の配合量は、製剤全体に対して0.1〜70重量%(以下、単に%と表す)、好ましくは1〜15%である。抗菌成分の配合量がこれより多いと製剤がカプセルのようにコア−スキン構造とならない。一方、これより配合量が少ないと所望の抗菌効果が得られない。 【0008】(ii) 本発明抗菌剤の第2の成分は、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びみつろうから選ばれた少なくとも1種の担体成分であり、つぎに詳述する。 有機酸モノグリセライド本発明にて用いられる有機酸モノグリセライドは下記構造を有する。 【0009】 【化1】
上記式中、Rは炭素数9〜23のアルキル基であり、Xは酢酸、クエン酸、ジアセチル、酒石酸、乳酸、コハク酸である。したがって、上記の有機酸モノグリセライドとしては、具体的には酢酸モノグリセライド、乳酸モノグリセライド(例えば乳酸モノステアリン酸グリセリン)、クエン酸モノグリセライド(例えばクエン酸モノステアリン酸グリセリン)、コハク酸モノグリセライド(例えばコハク酸モノステアリン酸グリセリン)、ジアセチル酒石酸モノグリセライド(例えばジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン)などが挙げられる。 【0010】ポリグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルは、下記の構造を有する化合物である。 【0011】 【化2】
式中、Rは炭素数10〜23のアルキル基である。具体的には、ポリグリセリンオレイン酸、ポリグリセリンウンデシレン酸、ポリグリセリンステアリン酸などが挙げられる。 【0012】ショ糖脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルは、下記の構造を有する化合物である。 【0013】 【化3】
式中、Rは炭素数5〜23のアルキル基である。具体的には、例えばショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等があげられる。 【0014】これらの担体成分のうち、有機酸モノグリセライドの配合量は、製剤全体に対し1〜99重量%(以下、単に%という)、好ましくは30〜60%である。これより配合量が多いと抗菌成分の放出量が少なくなりすぎ充分な効果が得られない。一方、有機酸モノグリセライドの配合量がこれより少ないと前記のカプセル様の構造が形成されず、所望の徐放性が得られない。 【0015】また、担体がポリグリセリン脂肪酸エステル、みつろうの場合、その配合量は製剤全体に対し1〜90%、好ましくは10〜50%である。さらに、担体がショ糖脂肪酸エステルの場合、その配合量は製剤全体に対し1〜90%、好ましくは5〜15%である。 【0016】(ゲル化剤)本発明の抗菌剤には、さらにゲル化剤を用いるのが好ましい。かかるゲル化剤としては、硬化ヒマシ油脂肪酸、オクチル酸アルミニウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミドなどが挙げられる。これらゲル化剤の添加量は1〜50%、好ましくは1〜15%である。 【0017】(精油)さらに、本発明の抗菌剤には、植物またはそのエキス成分から抽出される精油を添加するのが好ましい。このような精油としては、カプサイシン、ヒバ抽出物及びその成分のヒノキチオール、ハッカ油及びその成分のメントール、メントン、ユーカリ油及びその成分のシオネル、ピペリトン、フェランドレン、タイム油及びその成分のチモール、カルバクロールなどが挙げられる。 【0018】(製造法)本発明の抗菌剤を製造するには、例えば前記担体成分(有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びみつろう)を容器に入れ、これに必要に応じてゲル化剤を加え、70〜100℃にて加熱、溶解して液状にする。つぎに、抗菌成分及び所望により精油成分を加えた後、加熱を止め、得られた混合物を容器に取り冷却固化させる。溶融混合物は内部に抗菌成分の濃度の高いコア層を、一方、外側に濃度の低いスキン層を有するカプセルを形成する。本発明で用いる担体成分は、温度により抗菌成分に対する溶解度が大きく異なり、徐々に外側より冷却固化して内部に抗菌成分が集まり、内部に抗菌成分の濃度の高いコア層を有し外部に濃度の低いスキン層を有するカプセル状の固形物が得られる。 【0019】抗菌成分であるイソチオシアン酸アリル(AIT)など、イソチオシアン酸化合物は、非常に揮発しやすい物質であるが、放出にあたっては、これと適度の親和性を有するスキン層を通過するため蒸発速度が非常に遅くなる。この固形物はさらにポリエチレンフィルムなど種々のフィルムにより包装して揮発性成分の徐放性を調整することができる。なお、ミツバチヘの適用に際し、ミツバチが抗菌剤に触れることもあり得るが、本発明の抗菌剤は成分が全て食品添加物であり安全性が高い。 【0020】 【実施例】つぎに、本発明を実施例により更に具体的に説明する。 【0021】[実施例1]クエン酸モノステアリン酸グリセリン(サンソフトNo.621B、太陽化学(株)製)60gを容器に入れる。これに硬化ヒマシ油脂肪酸20gを加え、80〜85℃にて加熱溶解する。つぎに、からし抽出物17gとはっか油3gを加えた後、加熱を止める。得られた混合物を予め用意した容器に10gずつ入れ冷却固化させた。 【0022】得られた固形物をポリエチレン(厚さ30μm、7cm×7cm)の袋に包装して、容器(1リットル)中に入れ、30℃にて容器中に1時間で放出する濃度を経時的に測定した。 【0023】 【表1】
【0024】実施例1〜5の抗菌剤をミツバチの巣箱内に60日間にわたって置いたところ感染症に対して有効な予防、治療、効果が得られた。なお、この抗菌剤組成物は、みかん箱や椎茸などの青果物が納められているケースに入れると鮮度保持効果も示す。さらに、冷蔵庫内に設置することにより鮮度保持効果が得られる。 【0025】 【発明の効果】本発明の抗菌剤は、ミツバチに対する感染症の予防、治療、及びダニの侵入の防止に有効である。この抗菌剤はミツバチに付着することもなく取扱いが容易かつ安全で、ミツバチの巣箱内に置くと有効量の抗菌成分を継続して放出し、感染症の予防、治療に高い効果を示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595029222 【氏名又は名称】有限会社岡田技研 【識別番号】397004630 【氏名又は名称】三原 由加里
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| 【出願日】 |
平成12年12月28日(2000.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085202 【弁理士】 【氏名又は名称】森岡 博
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| 【公開番号】 |
特開2002−193717(P2002−193717A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月10日(2002.7.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−400023(P2000−400023) |
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