| 【発明の名称】 |
害虫忌避組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】牧田 光康
【氏名】渡辺 敬介
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| 【要約】 |
【課題】長期間にわたる害虫忌避効果はもちろん、塗布初期における効力も優れた害虫防除剤を提供する。
【解決手段】(1)1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオールおよび(2)25℃における蒸気圧が0.001〜0.3mmHgであり、一般式1のモノ置換アルキレングリコール化合物を含有する害虫忌避組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(1)1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオールおよび(2)25℃における蒸気圧が0.001〜0.3mmHgであり、かつ一般式(1) R1−O−(CH(R2)CH(R3)O−)n−H (1) (式中、R1はC3〜C8のアルキル基、フェニル基またはC7〜C8のフェニルアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わす。R2およびR3は同一または相異なって水素原子またはメチル基を表わすが、R2およびR3のいずれもがメチル基であることはない。)で示されるモノ置換アルキレングリコール化合物を含有する害虫忌避組成物。 【請求項2】1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオールの含有量が0.1〜40重量%である請求項1に記載の害虫忌避組成物。 【請求項3】モノ置換アルキレングリコール化合物(1)の含有量が0.2〜60重量%である請求項1または2に記載の害虫忌避組成物。 【請求項4】モノ置換アルキレングリコール化合物(1)の25℃における蒸気圧が0.002〜0.2mmHgである請求項1〜3のいずれかに記載の害虫忌避組成物。 【請求項5】モノ置換アルキレングリコール化合物がジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル及びジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の害虫忌避組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は害虫忌避組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ある種のモノテルペンジオール系化合物を含有する害虫忌避剤が吸血害虫および衛生害虫等に対して優れた忌避効力を有することが特開平5−4901号公報に開示されている。該公報にはかかるモノテルペンジオール系化合物のなかでも好ましい化合物の1種として、1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオールが挙げられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオールを含有する組成物は前記の如く優れた忌避効果を有しているものの、該組成物を処理してから短時間(15分あるいは30分)経過時点で一時的に忌避効果が低下する現象が生じることが判明した。このような処理後の一時的な忌避効果の低下によって、実用場面においては、忌避剤処理後の初期時点で蚊に刺されてしまうという結果を招くことにもなりかねないため、かかる問題の解決が望まれていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる状況下鋭意検討した結果、1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオールおよび特定のモノ置換アルキレングリコール化合物を含有する組成物が、上述の問題点を解決し得ることを見出し本発明に至った。 【0005】即ち本発明は、(1)1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオール(以下、本化合物と記す。)および(2) 25℃における蒸気圧が0.001〜0.3mmHgであり、かつ一般式(1) R1−O−(CH(R2)CH(R3)O−)n−H (1) (式中、R1はC3〜C8のアルキル基、フェニル基またはC6〜C8のフェニルアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わす。R2およびR3は同一または相異なって水素原子またはメチル基を表わすが、R2およびR3のいずれもがメチル基であることはない。)で示されるモノ置換アルキレングリコール化合物(以下、本グリコール化合物と記す。)を含有する害虫忌避組成物(以下、本組成物と記す。)を提供する。 【0006】 【発明の実施の形態】本組成物における害虫忌避活性成分である本化合物は、例えば特開平5−4901号公報に記載の方法により製造することができる。本組成物中の本化合物の含有量は、通常0.1〜50重量%であり、好ましくは0.2〜40重量%である。 【0007】本発明において、本グリコール化合物の蒸気圧は、Stephen F.DonovanによりJounal of Chromatography A.749(1996)123−129に記載された方法に準じて測定した昇温ガスクロマトグラフ法により求められる値である。本グリコール化合物の25℃における蒸気圧は0.001〜0.3mmHgであり、0.002〜0.2mmHgの範囲のものが好ましい。 【0008】本グリコール化合物としては、例えばジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(0.16mmHg)、2−フェノキシエタノール(0.11mmHg)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(0.073mmHg)、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(0.064mmHg)、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(0.057mmHg)、2−ベンジルオキシエタノール(0.043mmHg)、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(0.039mmHg)、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル(0.0097mmHg)、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル(0.0025mmHg)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(0.002mmHg)等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上の混合物で用いることができる(なお、本グリコール化合物例の後ろの括弧内の数値は25℃におけるその化合物の蒸気圧を示す。)。中でもジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル及びジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルが好ましい。本組成物における本グリコール化合物の含有量は、通常0.2〜90重量%、好ましくは0.2〜60重量%、さらに好ましくは0.3〜50重量%である。 【0009】本組成物は、本化合物および本グリコール化合物の他、通常は溶剤を含有する。かかる溶剤としてはエタノール、各種変性エタノール、イソプロピルアルコール、フェネチルアルコール、桂皮アルコール等のアルコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;IP−1620、IP−2028、IP−2835(以上、出光石油化学株式会社の製品名)等のイソパラフィン、ノルパー15(エクソン化学株式会社の製品名)等のノルマルパラフィンなどの炭化水素類;スクワラン、テレビン油、テルピネオール、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、ヒマシ油、コーン油、アマニ油、ヤシ油、パーム油、ホホバ油、サフラワー油等の動植物油;イソプロピルミリステート、モノカプリル酸エチレングリコール、モノカプロン酸エチレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール等のモノエステル類、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル等の二塩基酸ジエステル類等のエステル類;アニシールアセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、パーフルオロポリエーテル等のエーテル類;メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリ(オキシアルキレン)メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン化合物等があげられる。本組成物が前記溶剤を含有する場合の含有量は、通常5〜99重量%である。 【0010】本組成物は、本化合物の各種異性体を含有していてもよく、さらに必要によりピペロニルブトキサイト(PBO)、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(MGK264)、オクタクロロジプロピルエーテル(S421)等の共力剤、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等のフェノール類、トコフェノール(ビタミンE)等の抗酸化剤、シノキサート、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤、グリセリン、尿素、乳酸塩等の保湿剤、アニスオイル、バジルオイル、シトロネラオイル等の天然あるいは合成香料、赤色2号、青色2号等の着色料、ディート、P―メンタン―3,8−ジオール、ヒソップオイル、KBR−3023(1−ピペリジンカルボン酸,2−(2−ヒドロキシエチル)−,1−メチルプロピルエステル)等の他の害虫忌避成分等を含有していても良い。 【0011】その他、本組成物施用における皮膚での均一な広がりを容易にする、本組成物からなる塗布膜の生成を容易にする等の目的で、例えばカプリル酸トリエタノールアミン、カプリン酸トリエタノールアミン、ピロリドンカルボン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン等の有機酸のアミン塩が本組成物中に含有されていてもよい。 【0012】本組成物は、本組成物及び本グリコール化合物、必要により溶剤、その他の成分を、通常は常温〜50℃程度で均一になるまで混合、攪拌することにより製造することができる。 【0013】本組成物は通常、そのまま腕、足、顔面等の人の皮膚や皮膚を被う衣服等に、塗布、噴霧塗布することにより害虫忌避剤として使用できる。また、本組成物及び噴射剤を耐圧容器中に封入してエアゾール剤とし、該エアゾール剤を同様に噴霧塗布することにより害虫忌避剤として使用できる。 【0014】本組成物により忌避しうる害虫としては各種の有害昆虫、ダニ類などの節足動物を挙げることが出来る。本組成物は特に、アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ヌマカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、チョウバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ノミバエ類、ヌカカ類等の双翅目害虫に代表される飛翔性害虫の忌避用途に適する。 【0015】 【実施例】以下に実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 実施例110mLメスフラスコに本化合物0.5gおよび2−フェノキシエタノール(関東化学株式会社製、試薬)0.5gを計量した。99%エタノール(関東化学株式会社製、試薬)を加え、均一に溶解し、更に99%エタノールで全量を10mLとして本組成物1(比重(20℃)=0.822)を得た。 【0016】実施例22−フェノキシエタノールに代えてジエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬工業株式会社製、試薬)を使用した以外は実施例1と同様にして本組成物2(比重(20℃)=0.814)を得た。 【0017】実施例3ジエチレングリコールモノブチルエーテルの量を1.0gとした以外は実施例2と同様にして本組成物3(比重(20℃)=0.829)を得た。 【0018】実施例42−フェノキシエタノールに代えてジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル(和光純薬工業株式会社製、試薬)を使用した以外は実施例1と同様にして本組成物4(比重(20℃)=0.810)を得た。 【0019】実施例5ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテルの量を1.0gとした以外は実施例4と同様にして本組成物5(比重(20℃)=0.838)を得た。 【0020】実施例62−フェノキシエタノールに代えてジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社、EHDG)を使用した以外は実施例1と同様にして本組成物6(比重(20℃)=0.810)を得た。 【0021】実施例7ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルの量を1.0gとした以外は実施例6と同様にして本組成物7(比重(20℃)=0.816)を得た。 【0022】比較例110mLメスフラスコに1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオール0.5gを計量した。99%エタノール(関東化学株式会社製、試薬)を加え、均一に溶解し、更に99%エタノールで全量を10mLとして比較組成物1(比重(20℃)=0.806)を得た。 【0023】比較例2本化合物の量を1.0gとした以外は比較例1と同様にして比較組成物2(比重(20℃)=0.814)を得た。 【0024】比較例310mLメスフラスコに2−フェノキシエタノール(関東化学株式会社製、試薬)0.5gを計量した。99%エタノール(関東化学株式会社製、試薬)を加え、均一に溶解し、更に99%エタノールで全量を10mLとして比較組成物3(比重(20℃)=0.800)を得た。 【0025】比較例42−フェノキシエタノールに代えてジエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬工業株式会社製、試薬)を使用した以外は比較例3と同様にして比較組成物4(比重(20℃)=0.807)を得た。 【0026】比較例5(00629−153) 2−フェノキシエタノールに代えてジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル(和光純薬工業株式会社製、試薬)を使用した以外は比較例3と同様にして比較組成物5(比重(20℃)=0.798)を得た。 【0027】比較例62−フェノキシエタノールに代えてジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(和光純薬工業株式会社製、試薬)を使用した以外は比較例3と同様にして比較組成物6(比重(20℃)=0.808)を得た。 【0028】比較例7(00630−156) ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルの量を1.0gとした以外は比較例6と同様にして比較組成物7(比重(20℃)=0.802)を得た。 【0029】実施例82−フェノキシエタノールに代えてジエチレングリコールモノフェニルエーテル(四日市合成株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様にして本組成物8(比重(20℃)=0.821)を得た。 【0030】実施例92−フェノキシエタノールに代えてプロピレングリコールモノフェニルエーテル(四日市合成株式会社製)を使用した以外は実施例1と同様にして本組成物9(比重(20℃)=0.821)を得た。 【0031】実施例1010mLメスフラスコに本化合物0.5g、2−フェノキシエタノール(関東化学株式会社製、試薬)0.3gおよびIP−2028(炭化水素類、出光石油化学株式会社製の商品名)0.3gを計量した。99%エタノール(関東化学株式会社製、試薬)を加え均一に溶解し、更に99%エタノールで全量を10mLとして、本組成物10(比重(20℃)=0.814)を得た。 【0032】実施例1110mLメスフラスコに本化合物0.5g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル0.9gおよびメチルフェニルポリシロキサン(、信越化学工業株式会社製、商品名:シリコーンKF−54)0.1gを計量した。99%エタノール(関東化学株式会社製、試薬)を加え均一に溶解し、さらに99%エタノールで全量を10mLとして、本組成物11(比重(20℃)=0.826)を得た。 【0033】実施例12ジエチレングリコールモノブチルエーテルに代えてトリエチレングリコールモノブチルエーテルを使用した以外は実施例3と同様にして本組成物12(比重(20℃)=0.827)を得た。 【0034】試験例180メッシュナイロンネットで覆ったケージ(48cm×48cm×48cm)中にネッタイシマカ(Aedes agipti)成虫約500頭を放飼した。ポリエチレン製使い捨て肘カバーに、これを人が腕に装着したときにその上腕部分に長方形(5cm×10cm)の開口部が形成されるように、肘カバーの一部を切り取る。この長方形の切り取って形成される開口部分に沿って巾約1cmの両面テープを肘カバーの内側に貼り付ける。該両面テープ付き使い捨て肘カバーを上腕部に当て、長方形部のみが露出するように両面テープで該上腕部に使い捨て肘カバーを貼り付ける。また、長方形開口部の周囲の境界部分に発泡スチロールテープ(厚さ3mm、幅1cm)を貼る。上腕の長方形開口部に表1および2に示す組成物150μリットルを均一に塗布し、塗布15分経過後に該上腕を前記ケージに挿入し、120秒間に露出した長方形開口部に誘引し、留った虫数(蚊融着数)をカウントする。また、120秒経過後該上腕をケージより出し、刺し跡数(蚊刺し数)をカウントする。刺し跡が2個以上となれば試験を中止する。組成物塗布後30分、1時間後に前記と同様の試験を行なった。結果を表1および2に示す。 【0035】 【表1】
1:2−フェノキシエタノール2:ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル3:ジエチレングリコールモノn−ヘキシルエーテル*4:ジエチレングリコールモノ2−エチルエキシルエーテル【0036】 【表2】
【0037】 【発明の効果】本発明によれば、長期間にわたる害虫忌避効果はもちろん、従来、本化合物を含有する組成物における問題であった塗布初期に効力が一時的に低下するという現象を防止できる優れた害虫防除剤を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月18日(2000.12.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−187802(P2002−187802A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月5日(2002.7.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−383419(P2000−383419) |
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