| 【発明の名称】 |
抗菌剤、その製造方法、樹脂組成物、及び成形品並びに塗料 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 由和
【氏名】石田 昌也
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| 【要約】 |
【課題】樹脂配合時の変色及び経時による変色傾向が少ない、銀担持不定形シリカ系抗菌剤及びその樹脂組成物を提供するにある。
【解決手段】不定形シリカの少なくとも一部が亜鉛及び銀成分である抗菌性金属イオンを担持し、一次粒子径が0.1〜100nmの範囲にある不定形粒子からなる。BET法による比表面積が70〜100m2/gであることを特徴とする透明性及び耐変色性に優れた銀担持不定形シリカ系抗菌剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属成分を含有することを特徴とする不定形シリカ系抗菌剤。 【請求項2】 抗菌性金属成分が銀単独、或いはCu、Ca、Ba、Mg、Ni、Coからなる群から選択される他の金属成分と、銀成分との組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の不定形シリカ系抗菌剤。 【請求項3】 不定形シリカに少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属イオンを担持させ、100℃以上の温度で焼成することを特徴とする不定形シリカ系抗菌剤の製造方法。 【請求項4】 請求項1〜2の何れかに記載の不定形シリカ系抗菌剤を含有してなる樹脂組成物。 【請求項5】 請求項4記載の樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。 【請求項6】 請求項4記載の樹脂組成物することを特徴とする塗料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐変色性に優れた不定形シリカ系抗菌剤及びその製造方法、並びにその応用製品に関するものであり、より詳細には抗菌性金属成分として銀成分を含有するにも係わらず、経時による変色傾向が少なく、また低水分含有量で定形粒子構造を有し、樹脂等への配合も容易である不定形シリカ系抗菌剤及びその樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】銀、銅、亜鉛等の金属イオンは抗菌性を有することが古くから知られており、これらの抗菌性金属成分を無機物粒子に担持させたものが抗菌剤として従来使用されている。 【0003】公知の銀含有無機系抗菌剤は変色傾向を有する点でも未だ改善すべき余地がある。即ち、種々の抗菌性金属成分の内でも、銀成分は抗菌作用や人体に対する安全性に優れたものであるが、経時により、或いは光や熱の作用により、次第に黄色して褐色に変色する傾向があり、この改善が求められている。 【0004】また、ゼオライトは高いイオン交換性を持つため、高濃度に銀イオンを担持させることができる特性があるが、ゼオライトに銀をイオン交換した銀ゼオライト系抗菌剤は、典型的な吸着剤であって比較的多量の水分を吸着しており、樹脂に配合して溶融混練等を行った場合、水分を放出して樹脂を発泡するということと、ゼオライトのもつアルカリ金属成分により樹脂添加剤を分解変色するという問題も有している。 【0005】本発明者らは、積極的にイオン交換する座位がない不定形シリカが、驚くべきことに抗菌性金属成分でイオン担持処理・水洗・濾過して、次いで乾燥熱処理することにより、イオンを担持し、しかも前述した問題点、即ち、発泡の問題、分散不良、変色の問題の全てが解消された抗菌剤を得られることを見出したものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的は、抗菌性金属成分として銀成分を含有するにも係わらず、経時による変色傾向が少なく、また低水分含有量で、不定形粒子構造を有し、樹脂等への配合も容易である不定形シリカ系抗菌剤及びその製造方法、ならびにその応用製品を提供するにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属成分を含有することを特徴とする不定形シリカ系抗菌剤である。 【0008】また、本発明は、この不定形シリカに少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属イオンを担持させ、100℃以上の温度で焼成することを特徴とする耐変色性に優れた不定形シリカの製造方法である。 【0009】更に本発明は、上記不定形シリカ系抗菌剤を含有する樹脂組成物、樹脂成形品や塗料である。 【0010】 【発明の実施形態】本発明の抗菌剤は、(1)不定形シリカ系粒子からなること特徴として有するものであるが、好ましい態様として、(2)粒子径が0.1〜100nmの範囲にある不定形粒子構造を有すること、(3)BET法による比表面積が70〜100m2/gに制御されていることを特徴として有するものである。 【0011】不定系シリカ系粒子における抗菌性金属成分の担持は、不定形シリカが有する負の帯電性に基づくものであるが、本発明の抗菌剤では、不定形シリカが有する比表面積を利用して、抗菌性金属成分の担持が安定に且つ確実に行われながら、不定形シリカの粒子構造が実質上そのまま維持されるという極めて好都合な作用が達成されるのである。 【0012】本発明では、抗菌性金属成分による担持及びその後の熱処理が不定形シリカ中の銀イオンを安定化する作用を利用して、不定形シリカ系抗菌剤の製造に成功したものである。 【0013】本発明の抗菌剤では、抗菌性金属成分がシリカアルミナ系粒子中に電気的に確実に担持されているため、抗菌作用が長期にわたって安定に持続され、また、電気的に中和されているため粒子自体の2次凝集の程度も少ないため、粉体としての取り扱いも容易で、樹脂等への分散性にも優れている。 【0014】本発明によれば、かくして不定形シリカ系抗菌剤は大気中に放置した場合にも吸水することが殆どなく、従って高温においても水分の放出がなく、樹脂中への配合添加に特に適している。 【0015】更に、抗菌性金属成分として、銀成分は、抗菌作用に特に優れているが、一方変色しやすい傾向もあることは既に指摘したところであるが、本発明の不定形シリカ系抗菌剤は、抗菌性金属成分の少なくとも一部として銀成分を含有するにもかかわらず、耐変色性に優れているという利点がある。 【0016】[不定形シリカ系抗菌剤]本発明の不定形シリカ系抗菌剤は、酸化物基準で換算算出した構成金属の量としては、SiO2量としては、10〜80重量%が好ましく特に好ましくは、30〜60重量%の範囲で、銀担持量としては、0.1〜3.0重量%が好ましく、特に好ましくは、0.5〜1.5重量%の範囲である。また、亜鉛担持量としては、10〜70重量%、好ましくは、40〜60重量%の範囲である。 【0017】抗菌性金属成分はAg単独、或いはAgとZn、Cu、Ca、Ba、Mg、Ni及びCoからなる群より選択された少なくとも1種の他の金属成分との組み合わせであることが好ましく、他の金属成分との組み合わせ使用では、銀成分の量を少なくしながら、満足すべき抗菌作用が得られるという利点がある。 【0018】更に、この不定形シリカ系抗菌剤の粒子径は、0.1〜100nmが好ましく、更に好ましくは1〜10nmの粒径を有するのがよい。0.1nm以上で、粒子の凝集が抑えられ、100nm以下で抗菌作用が高い傾向があり、更に樹脂への分散性も良好だからである。 【0019】[製造方法]本発明の不定形シリカ系抗菌剤は、不定形シリカを少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属イオンでイオン交換した,銀担持不定形シリカ系抗菌剤を、100℃以上の温度で焼成することにより製造される。 【0020】原料となる不定形シリカとしては、SiO2の含有量90%以上ものが好ましく、これらの不定形シリカは前述した粒径範囲の不定形構造を有するものが好ましい。これらの不定形シリカは、一般に70〜100m2/gの比表面積を有することが好ましい。 【0021】不定形シリカに水を加えて5〜35%濃度の水性スラリーとし、抗菌性金属イオンでイオン担持する。 【0022】これらの金属成分は、水可溶性塩として用いることが好適であり、一般工業薬品や錯体化合物から選ぶことができる。その例としては、銀イオンの場合、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸塩、アンミン銀硫酸塩等;銅イオンの場合、硝酸銅、過塩素酸銅、酢酸銅、硫酸銅等;亜鉛イオンの場合、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、過塩素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等を挙げることができる。 【0023】両者を接触させる条件は、特に制限はないが、一般に温度は10〜90℃、接触は一段でも多段でも行うことができ、例えば、順次高濃度の塩溶液と接触させる方法等が採用される。この時の塩濃度は一般に金属として1〜5g/Lの範囲が適当である。また、接触方法は、不定形シリカスラリー撹拌下に金属塩溶液を接触させる方法や不定形シリカスラリー充填層(床)に塩類溶液を通過させる方法が採用される。 【0024】得られる担持体を必要により水洗、乾燥した後、100℃以上の温度、好適には200〜300℃の温度で焼成して抗菌剤とする。 【0025】本発明の不定形シリカ系抗菌剤はまた、少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属イオンでイオン担持し、金属イオン担持不定形シリカを200℃以上の温度で焼成することによっても製造することができる。 【0026】[用途]本発明の抗菌剤は、種々の形態で抗菌性を必要とする用途に使用できる。この抗菌剤は、その効果性能を損なわない範囲で、公知の改質剤、例えば分散剤〜分散助剤、界面活性剤、カップリング剤、流動性向上剤、変色防止剤、抗酸化剤、マスキング剤、紫外線吸収剤、着色剤、脱臭剤、防かび剤、香料、その他の添加剤等で表面処理を行うことができる。 【0027】特に耐変色性を更に高めるために、本発明の抗菌剤表面にリン酸塩や無機変色防止剤を粉末または水溶性塩として被覆、添着、吸着等させることが好ましい。リン酸塩としては、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩のいずれでも良く、例えばリン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸バリウム、リン酸マグネシウム、リン酸アンモニウム、リン酸アルミニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸銀、リン酸クロム、リン酸コバルト、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸ニッケル、リン酸水素亜鉛、リン酸水素カルシウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸水素アルミニウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素バリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸水素リチウムが挙げられ、中でもリン酸カルシウムが好ましい。 【0028】無機変色防止剤としては、例えばハイドロタルサイト類、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、含アルミニウムフィロケイ酸塩、アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩等が挙げられる。 【0029】分散剤〜助剤としては、特に制限されないが、例えば、下記のワックス類や低融点樹脂類が使用される。 (1)脂肪酸及びその金属塩:高級脂肪酸;動物または植物油脂から得られた脂肪酸およびそれらの脂肪酸を水素添加したもので、炭素数が8〜22のもの。上記脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、Zn塩、Al塩。 【0030】(2)アマイド、アミン:高級脂肪酸金属塩高級脂肪酸アマイド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアマイド、ステアリルエルカミド、2−ステアロミドエチルステアレート、エチレンビス脂肪酸アマイド、N,N’−オレオイルステアリルエチレンジアミン、ジエチルトルアミド、N,N’−ビス(2ヒドロキシエチル)アルキル(C12〜C18)アマイド、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)ラウロアマイド、N−アルキル(C10〜C18)トリメチレンジアミンと反応したオレイン酸、脂肪酸ジエタノールアミン、ジ−(ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミンモノアセテートのジステアリン酸エステル。 【0031】(3)一価、多価アルコールの脂肪酸エステル:ステアリン酸n−ブチル、水添ロジンメチルエステル、セバチン酸ジブチル〈n−ブチル〉、セバチン酸ジオクチル〈2−エチルヘキシル、n−オクチル共〉、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリト−ルテトラステアレート、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールヤシ油脂肪酸ジエステル、ポリエチレングリコールトール油脂肪酸ジエステル、エタンジオールモンタン酸ジエステル、1,3ブタンジオールモンタン酸ジエステル、ジエチレングリコールステアリン酸ジエステル、プロピレングリコール脂肪酸ジエステル、トリグリセライドワックス、水添食用油脂、12−ヒドロオキシステアリン酸のグリセリンエステル。 【0032】(4)ワックス類:スパームアセチワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、蜜蝋、木蝋、一価脂肪族アルコールのエステル、〈例:硬化鯨油ラウリルステアレート、ステアリルステアレート〉、ラノリン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸変性ポリオレフィンワックス、エポキシ変性ポリエチレンワックス、石油系ワックス。 【0033】低融点樹脂としては、融点或いは軟化点が40〜200℃、特に70〜160℃である各種樹脂、例えば、エポキシ樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン系樹脂、クロマン−インデン樹脂、その他の石油樹脂、アルキッド樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、低融点アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、低融点コポリアミド、低融点コポリエステル等を挙げることができる。 【0034】これらの分散剤・分散助剤は、単独或いは2種以上の組合せで使用できる。これらの分散剤・分散助剤は、その特性が損なわれない量で用いることができる。 【0035】一方、界面活性剤としては、(イ)第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、ピリジン誘導体等のカチオン系のもの、(ロ)硫酸化油、石ケン、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコール硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、(ハ)多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール等の非イオン系のもの、(ニ)カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等の両性系のものが一般に使用可能である。 【0036】繊維製品に含有した場合、併用して用いられる柔軟剤としては、脂肪酸とポリアルキレンポリアミン又はアルカノールアミンからなる脂肪酸アマイドをポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホネート等の乳化剤で水に分散させたもの;モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩;流動パラフィン、スピンドル油等の鉱物油、オレイン酸メチル、ジオクチルセバケート等のエステル系合成油及びポリシロキ酸誘導体を上記乳化剤で水に乳化分散させたもの;高級アルコールを上記乳化剤で水に乳化分散させたもの;多価アルコールを上記乳化剤で水に乳化分散させたもの;不飽和高級アルコール硫酸エステル塩の水分散したもの等が好ましい。 【0037】更に基体に含有させるバインダーとしては、ポリウレタン誘導体、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン脂肪、ポリシロキサン誘導体、多価フェノール類、エポキシ樹脂、ホルマリン樹脂類、グリオキザール樹脂類、ポリビニルアルコール、ケイ酸塩、スメクタイト等が用いられる。 【0038】カップリング剤としては、例えば次のものが使用可能である。 【0039】シラン系カップリング剤:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、などのアミノ系シラン。γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、などのメタクリロキシ系シラン。ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、などのビニル系シラン。β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、などのエポキシ系シラン。γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、などのメルカプト系シラン。γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、などのクロロプロピル系シラン。 【0040】チタネート系カップリング剤:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルバイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルバイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルバイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ポリジイソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ポリジノルマルブチルチタネート。 【0041】アルミナ、チタニア、硫酸バリウムこれらの複合物等の微粒子が使用され、特に気相法シリカ、気相法アルミナ、気相法チタニア等の微粒子が使用される。これらの微粒子は、有機シラン類等で疎水化処理されたものであってもよく、一般に外添により粒子表面に付着される。 【0042】他の配合剤は、更にその特性を損なわない量で無機系抗菌剤との併用もできる。それを具体的に例示すると、抗菌性金属イオン交換又は担持されたゼオライト、アパタイト、リン酸ジルコニウム、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ガラス等が挙げられる。 【0043】また、本発明の抗菌剤粒子は、他の抗菌性有機化合物、一般に当業界で使用されている殺菌剤、防腐剤と組み合わせて用いることもできる。その例として、ヒノキチオール等のトロポロン類;キトサン類;パラオキシ安息香酸エステル類;安息香酸、デヒドロ酢酸等の有機酸;これら有機酸の塩類;塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩類;第四級ホスホニウム塩類;ヨードホール類等を挙げることができる。 【0044】さらに具体的に例示すると、ヒノキチオール、キトサン、安息香酸、安息香酸塩類、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゾトリウム、塩化アルキルアミノエチルグリシン、塩化クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミン、クロロキシレノール、クロロクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸、サリチル酸塩類、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化ドミフェン、ソルビン酸および塩類、チモール、チラム、デヒドロ酢酸及び塩類、トリクロロカルバニリド、p−オキシ安息香酸エステル、p−クロルフェノール、ハロカルバン、フェノール、ヘキサクロロフェン、ラウロイルサルコシンナトリウム、レゾルシン、ポビドンヨード(ポリビニルピロリドン・ヨウ素錯体)及びそのシクロデキストリン包摂体、ヨウ素・アルキルポリエーテルアルコール錯体(G.S.I.)、ポリエトキシポリプロポキシポリエトキシエタノール・ヨウ素錯体(Iocline)、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール・ヨウ素錯体、ポリオキシエチレン付加植物油・ヨウ素錯体、ポリオキシエチレン付加脂肪酸・ヨウ素錯体、ポリオキシエチレン付加脂肪アルコール・ヨウ素錯体、脂肪酸アミド・ヨウ素錯体、第4級有機アンモニウム・ヨウ素錯体等を挙げることができる。 【0045】本発明の抗菌剤は、粉体の形で樹脂等への配合に用いられるが、必要に応じ、それ自体でもしくは無機系ないしは有機系バインダーを加えて、スラリー状、顆粒状、タブレット状、球状、直方体状、円柱状、ハニカム状、塊状等に成形して、用いることができる。この成形には、押出法、打錠法、転動法、噴霧法、加圧成形法等、公知の成形法を用いることができる。 【0046】本発明の抗菌剤は、抗菌作用とその持続性に優れていると共に、その形状が不定形粒子であって、更に粒度分布も一様であるため、粉体としての流動性や取り扱い性に優れている。このため、本発明の抗菌剤は、種々の材料への混合性、分散性に優れていると共に、材料への付着性やコーティング性にも優れており、種々の材料へ混合したり或いは付着させて、有効に抗菌性を発揮させることができる。 【0047】例えば、本発明の抗菌剤は、種々の重合体への分散性に優れており、しかも変色傾向も少ないので、各種重合体に配合して、抗菌性を有する樹脂組成物、重合体成形品、例えば繊維、フィルム、シート、パイプ、パネル、容器、建材、構造材等の分野に用いることができ、また、塗料等に配合して、抗菌性塗膜〜コーテイングの分野に用いることができる。重合体としては、熱可塑性樹脂、各種エラストマー、熱硬化性樹脂等が、制限なしに使用される。 【0048】熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、アクリロニトリルを40w重量%以上含有するアクリル系共重合体等、あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂でもよい。 【0049】エラストマー重合体としては、例えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIR)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。 【0050】一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は単独でも2種以上の組合せでも使用される。 【0051】本発明の抗菌剤は、これらの重合体100重量部当たり、0.01〜30重量部の量で配合するのがよい。 【0052】繊維やフィルムへの配合は、溶融成形の場合、本発明の抗菌剤を高濃度で含有する樹脂組成物、即ち、マスターバッチを調製し、このマスターバッチを樹脂に配合して、溶融混練を行い、所定の繊維或いはフィルム等に成形を行えばよい。本発明の抗菌剤は、溶融混練時に、水分の離脱により発泡を生じるおそれも全くなく、また熱履歴により着色することもないという利点を与える。 【0053】抗菌剤含有樹脂組成物を、ドープの形で繊維或いはフィルム等に成形する場合にも、本発明の抗菌剤は、有効成分が溶媒或いは分散媒中に溶出する傾向がなく、抗菌作用が低下する傾向がなく、また、成形性をも阻害しないという利点がある。これは、塗料やコーテイングの場合にも全く同様に当てはまる。 【0054】本発明の塗料の材料としては、植物性、動物性、半合成、合成、無機、炭素、金属等の繊維類(例えば、木綿、麻、木材繊維、パルプ、絹、レーヨン、ビニロン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、塩化ビニリデン、ポリオレフィン、芳香族ポリアミド、硝子、石綿、岩綿、炭素繊維、ウィスカー、鋼、ステンレス、軽金属等)、天然、半合成、合成等の皮革、レザー、木材、竹材、籐、樹脂類、合成樹脂類、ゴム類、油脂類、鉱油類、可塑剤、溶剤、無機系結合材(例えば、セメント類、水硝子、石膏等)、無機質充填剤(例えば、微粉末シリカ、活性アルミナ、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛及びそのシリカ質複合体、フィロケイ酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、亜鉛変性ハイドロタルサイト、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩、タルク、クレー、ベントナイト、ドーソナイト、けいそう土、硅砂、炭酸カルシウム、石粉等)、顔料、体質顔料等を挙げることができる。 【0055】本発明の樹脂成形品としては、紙、織布、不織布、網布、編布等の製品、織物、衣類等の布製品、紙、フィルム、シート布等の包装材料、衛生材料製品、台所浴用製品、水処理用品、塗料、散布剤、スプレー剤、医療器具製品、建材製品等を挙げることができる。 【0056】本発明の樹脂成形品としては、例えば鮮度保持フィルムやシート(雰囲気殺菌、抗菌)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等の繊維製品、抗菌紙、ダンボール(防菌、抗菌、防かび)、壁材、天井材、敷物、床材、畳、屋根下地材等の建材製品、トイレタリー、化粧品、塗料(防菌、抗菌、防かび)、散布或いはスプレー防菌剤、台所浴用製品(袋、容器、まな板、スノコ等)、魚網、防藻剤等に利用することができる。またセメントモルタル、セメントコンクリートの混合物に混合して使用し、抗菌性のセメントモルタルやセメントコンクリートの製品(現場施工を含む)を造ることができる。その他抗菌を目的として種々の製品に応用することができる。 【0057】 【実施例】本発明を次の例で説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。尚、本実施例で採用した試験方法は下記の通りである。 【0058】PP樹脂100重量部に実施例及び比較例の試料粉末0.5重量部をヘンシェルミキサーでブレンド攪拌した。得られたブレンド品を2軸混練押出機により250℃で混練り押出し、試料粉末0.5重量部含有コンパウンドを得た。このコンパウンドを押出機で250℃で射出成形機により厚さ3mm、5cm角のサンプルを用いて変色性試験及び抗菌試験を行った結果を表に示した。 【0059】変色性:耐光促進試験機(キセノン型ウェザーメーター)により25時間後の色差ΔEを色差計により測定した。色差ΔEの値が大きいほど、変色が大きい。 ○:ΔEが0.1以上0.6未満△:ΔEが0.6以上1.1未満×:ΔEが1.1以上【0060】抗菌性:抗菌製品の抗菌力評価試験法(抗菌製品技術協議会)で制定された方法に準拠して評価した。 試験方法:フィルム密着法評価菌種:大腸菌、黄色ブドウ球菌菌液接種時間:24時間評価:抗菌剤添加樹脂成形品に菌液を接種して、フィルムでカバーして24時間後の菌数を測定する。 ○:接種菌液からの減少率が1/100以上△:接種菌液からの減少率が1/10以上、1/100未満×:接種菌液からの減少率が1/10未満【0061】 【表1】
【0062】 【表2】
【0063】 【発明の効果】本発明によれば、必要により不定形シリカをその比表面積が維持される範囲で、不定形シリカを少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属成分でイオン担持処理し、水洗濾過、熱処理することにより、少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属成分を含有し且つ電子顕微鏡法で測定した粒子径が0.1〜100nmの範囲にある不定形粒子からなり且つ関係湿度75%での水分吸着量が5%以下で、BET法による比表面積が70m2/g〜100m2/gである不定形シリカ系抗菌剤が得られる。この不定形シリカ系抗菌剤は、抗菌性金属成分として銀成分を含有するにも係わらず、経時による変色傾向が少なく、また低水分含有量で不定形粒子構造を有し、樹脂等への配合も容易であると共に、水分による発泡の問題もなく、長期にわたって、安定した抗菌作用を維持できるという利点を有している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000952 【氏名又は名称】カネボウ株式会社 【識別番号】000104294 【氏名又は名称】カネボウ化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月14日(2000.12.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−179515(P2002−179515A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−380759(P2000−380759) |
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