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【発明の名称】 害虫忌避剤の製造方法
【発明者】 【氏名】加々美 憲二

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】酢酸水溶液に少なくとも一種以上の植物を漬け込み該植物の害虫忌避成分を抽出せしめるとともに、植物の抽出成分により酢酸溶液の水素イオン濃度値(PH値)を高めるようにした園芸用害虫忌避剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は園芸用の害虫忌避剤に関し、特に1種以上の天然植物の成分により作られ環境と使用者の健康に配慮した園芸用害虫忌避剤に関する。
【0002】
【従来の技術】園芸用に使用される害虫忌避及び殺虫剤は、例えば果樹類に使用されるアミトラズ剤、豆類などの害虫に使用される有機リン系のECP剤、EPN剤、ESP剤、MEP剤、MPP剤、クロロピリホスメチル剤、稲の害虫に使用されるカルバメート系のMIPC剤、MPMC剤、MTMC剤、NAC剤、エチオフェンカルプ剤、の他カルバミン酸系のカーバム剤、塩素系のクロロピリホス剤、クロロピクリンくん蒸剤、クロロベンジレートくん煙剤、有機スズ系の酸化フェンブタスズ剤等の合成薬剤が多量に使用されている。これらの薬剤は安価で効果が高く、又安定で持続性がある事から長期に渡り使用されてきた。近年これらの農薬が栽培土壌に残留し土壌中のバクテリアをも死滅させ土地が痩せたり、残留する農薬が食物中に取り込まれたり又洗っても十分落ちないために一般消費者や取り扱う農業従事者への健康の問題が提起されている。更に土壌だけでなく河川や海などの周辺環境への影響など社会問題化している。その事から比較的安全といえる天然物、例えば木酢液や竹酢液を使用した防虫自然農法が広がりつつある。ところがこれらの自然生産物は原料素材、製造条件、精製度などにより効果にバラツキを生じたり微量に混入するベンゼン系化合物により薬害を起こす問題があり一般に十分使用されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を解決するために成されたものでありその課題は以下に示すものである。■健康や環境への影響を極力軽減し分解性の早い水溶性の害虫忌避剤を提供することにある。■取り扱いが容易で忌避効果が一定な害虫忌避剤を提供することにある。■製品の価格が安価で誰にも使用出来る害虫忌避剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するため手段】本発明は酢酸水溶液に少なくとも1種以上の植物の害虫忌避成分を抽出させ、更に抽出植物成分により酢酸水溶液の水素イオン濃度値(PH値)を高める事により達成される。
【0005】本発明における酢酸水溶液は特に製造法によって限定される事はない。又醸造酢としてクエン酸等の他の有機酸や溶解した無機金属化合物が含まれていても本発明に有用である。その具体例としては化学工業用に製造される工業用酢酸、米や麦等の穀物をアルコール発酵させ酢酸菌によって生産するアルコール酢、黒麹黴を使用して発酵させた黒酢、大麦、小麦、トウモロコシ等の澱粉原料を麦芽で糖化して造る麦芽酢、ブドウやリンゴ等の果実をした果実酢が挙げられる。
【0006】本発明の有用な酢酸抽出成分を含む植物は、樹木、草類、海草、苔類全てが含まれ実際に抽出した酢酸水溶液を害虫散布しその忌避殺虫効果により選択されその好ましい具体例としては、樹木類としてマツ、ツゲ、ヒノキ、アスナロ、月桂樹、キハダ、南天、アベマキ、ヤマアジサイ、モクレン、ネム、ムクゲ、山椒、アセビ、センダン、シラガシ、ビワ、アオキ、マサキ、スギ、モモ、キササゲ、ウコギ、ツバキ、タラノキ、クルミ、クワ、コノテガシワ、イチイ、ヤツデ、竹等の主として枝葉、草類の具体例としてはタンポポ、ゴボウ、ツメクサ、ナズナ、モロコシの毛、ホウチャクソウ、ギシギシ、ナス、リュウゼンギク、ドクダミ、カラスウリ、ノビル、アマチャズル、ワラビ、ヨロイグサ、イネ、ガガイモ、ササ、ミズヒキ、クララ、ツリガネニンジン、タケニグサ、アカジソ、コスモス、マリーゴールド、ジャコウソウ、タデ、アサガオ、コギク、コゴミ、ツワブキ、オナモミ、ワサビ、メナモミ等の主として枝葉、海草類としてはホンダワラ、ワカメ、ヒジキ、アナアオサ、ミル、アミジグサ、アサクサノリ、テングサ等の全草、苔類としてはゼニゴケ、スギゴケ、ヒノキゴケ、タケゴケ、ジンガサゴケ等の地上部を挙げる事が出来るが本発明がこれらの植物に限定されるものではない。
【0007】本発明に使用される酢酸の濃度は特に限定されないが高濃度である必要はなく植物成分の抽出と使用濃度を考慮すれば25%以下特に10%以下が好ましい。
【0008】本発明に使用される有用な植物は取り入れた後日陰干しし、更に45℃以下の温度で強制乾燥させ含水量を10%以下にした物が好ましい。
【0009】本発明に於ける抽出媒体の酢酸と被抽出植物の比率は、酢酸水溶液量と酢酸濃度に依存しており、被抽出植物:酢酸水溶液=2:100から20:100(重量比)の範囲、又酢酸の最も実用上好ましい濃度は5%以下1%以上であり水素イオン濃度値(PH値)が2.0以上の溶液である。
【0010】本発明によって提供される害虫忌避剤は、酢酸の本来有する忌避効果を更に有効にするものであり、酢酸水溶液の水素イオン濃度値(PH値)を植物の塩基性物質により低下せしめて被散布植物への悪影響を無くするとともに植物の害虫忌避効果を十分に発揮せしむる事が出来る。
【0011】本発明の製造の例を以下に示すが、本発明がこの事例によって何ら制約される事はない。
【製造例】2リットルのホーロー容器に酢酸濃度10%の醸造酢を水で希釈して3%水溶液を1000mlを調整した。任意の乾燥させた有用植物100gを約5mmに刻み用意した酢酸水溶液中に浸けこんだ。室温暗所で1ヶ月放置した後100メシュのポリエステル袋に入れて植物を除去し、更に化学用濾紙(アドバンティック社製NO1)を使用して不要浮遊物を除き着色した透明溶液を製造する。
【0012】以下に本発明の実施例を記載するが、これ等は本発明の特許請求の範囲を何ら制約するものではない。
【0013】
【実施例1】交換水で希釈し酢酸濃度2%の醸造酢を10リットルを30リットルのプラスチック容器に用意した。更にこれを10等分しそれぞれ1リットルに9種の予め乾燥させた植物80g(内1つは比較のため植物を入れなかった。)を別々に漬け込んだ。室温暗所で1ヶ月放置後濾別して10種類の害虫防除試験溶液を作り更にこれを500倍に水で希釈し100平方センチメートルのガラス容器に入れたワタアブラムシ30匹に5ミリリットル噴霧して防除効果を比較した。表1に結果を示す。この結果から植物2,4,5,8,9が本発明に好ましい植物素材である事がわかる。
【0014】
【実施例2】工業用氷酢酸を交換水で希釈し3%の酢酸水溶液を1リットル作った。これを5等分してに4種の予め乾燥させた植物30g(内1つは比較のため植物を入れなかった。)を漬け込んだ。これを40℃に調温した振とう機付き定温水槽にかけ24時間振とうさせ成分を抽出させた。植物を濾別後それぞれの原液、100倍希釈液、1000倍希釈液の水素イオン濃度値(PH値)をはかった。更に100倍の希釈液をブロッコリーに5日間隔で12回一定量散布した。結果を表2に示す。水素イオン濃度値(PH値)の高いNO13、NO15は、異常が無かったがNO11、NO12、NO14は下葉が枯れたり葉に斑点を生じるなどの酸焼けを生じた。
【0015】
【実施例3】2.5%にした醸造酢(PH値2.5)10リットルに乾燥した5種の植物(イネ、ワラビ、ローズマリー、アカジソ、センダン、)をそれぞれ150gとホンダワラ50g、総量800gを漬け込んだ。室温暗所で1ヶ月間放置した後100メシュのポリエステル袋に入れ粗大な原料残査を除いた後、更に化学実験用濾紙(アドバンティック社製NO1)で濾過して不溶浮遊物を除いて水素イオン濃度値(PH値3.7)の赤褐色の透明水溶液を製造した。これを300倍に水で希釈し更に展着剤としてポリオキシエチレンヒマシ油(N:80)が0.005%に成るように溶解させ飼育していたアブラムシ、アオムシ、ケムシ類、テントウムシダマシに噴霧したところ全ての固体は死ぬか弱って動かなくなった。又これを10日間隔で2ヶ月キャベツに噴霧したところ作物に葉焼けも起こさず害虫の発生も認められなかった。
【0016】
【発明の効果】本発明は通常食用に使用されている酢を利用し、これに本来植物が持ち合わせる害虫忌避、防御物質を抽出して製造される園芸用散布剤の製造方法を提供するものであり、本発明によって消費者や従事者が安心して使用出来、周囲の環境にも配慮出来る害虫忌避散布剤を安価に提供出来る。

【出願人】 【識別番号】501022594
【氏名又は名称】加々美 憲二
【出願日】 平成12年12月7日(2000.12.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−179511(P2002−179511A)
【公開日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願番号】 特願2000−403984(P2000−403984)