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【発明の名称】 均一拡散性粒状農薬製剤およびその散布方法
【発明者】 【氏名】藤田 茂樹

【氏名】加藤 進

【要約】 【課題】例えば藻類等が吹き寄せられ、水田等の水面を覆う状態となっていても、農薬活性成分の拡散性が良好であり、所期の農薬処理効果が得られる局所的な散布を前提とした均一拡散性粒状農薬製剤及びその製剤の散布方法を確立すること。

【解決手段】農薬活性成分を含有し、粒径3mm以上のものが80%である粒度分布と水面に浮遊する性質を有し、かつ30分以内に水面で崩壊する均一拡散性粒状農薬製剤および当該製剤を、湛水下の水田の畦畔から1m以上の距離に、全水田面積の5%〜50%の面積にばら撒いて散布する均一拡散性粒状農薬製剤の散布方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農薬活性成分を含有し、粒径3mm以上のものが80%以上である粒度分布と水面に浮遊する性質を有し、かつ30分以内に水面で崩壊することを特徴とする均一拡散性粒状農薬製剤。
【請求項2】 界面活性剤を含有するものである請求項第1項記載の均一拡散性粒状農薬製剤。
【請求項3】 製剤100重量部に対して0.3〜6重量部の水を含有する請求項第1項または第2項記載の均一拡散性粒状農薬製剤。
【請求項4】 農薬活性成分を含有し、粒径3mm以上のものが80%以上である粒度分布と水面に浮遊する性質を有し、かつ30分以内に水面で崩壊する均一拡散性粒状農薬製剤を、湛水下の水田の畦畔から1m以上の距離に、全水田面積の5%〜50%の面積にばら撒いて散布することを特徴とする均一拡散性粒状農薬製剤の散布方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば水田等の水面に部分的に直接散布することで、農薬活性成分を均一に拡散することのできる粒状の農薬製剤およびその散布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水田等で用いられる農薬製剤は、粒剤、粉剤、乳剤、水和剤、及びフロアブル剤が一般的である。これらの農薬製剤のなかで粒剤及び粉剤は、通常10アール当たり3〜4kgを水に希釈しないで直接散布されてきたが、近年、農薬散布の省力化が叫ばれており、これに対応するために、製剤中の農薬活性成分含有量を高めて製剤としての散布量を低減することや、あるいは水田に入らずに畦畔から投げ込むだけで散布可能な農薬製剤が検討されている。
【0003】このような要求に対して種々の農薬製剤が検討され、その技術が公開されている。例えば、農薬活性成分を比重が1以下のロウ状物質に溶解あるいは分散し、水溶性増量剤に被覆あるいは含有させた農薬粒剤(特開昭55−154902号、特開昭56−30901号、特開平7−101805号)、軽石あるいはパーライトなどの水面浮遊性担体に殺菌成分を担持させた組成物(特公昭48−1179号)、パーライトにパラフィン石油樹脂等を用いて殺虫成分を付着させた組成物(特公昭48−1181号)、パーライトなど水に浮く無機担体に殺草成分を担持させた組成物(特公昭48−1182号)、48メッシュ以下の鉱物質粒状担体に農薬活性成分と撥水性物質を担持させた粒状農薬製剤(特開昭48−56831号)、比重1以下で粒径5mm以下の中空体に農薬活性成分を担持し成形した組成物(特開昭58−65203号)等が開示されている。
【0004】しかし上記の農薬製剤は、いずれも農薬活性成分を含んだロウ状物質や農薬活性成分を担持した粒核が長時間水面に浮遊するため、風による吹寄せで水田中の農薬活性成分の濃度むらが生じ薬効不足や薬害の発生原因となる問題があった。
【0005】また、農薬活性成分と特定の界面活性剤、ベントナイト、水浮遊性中空粒子を含有する組成物(特開平7−82102号)や、農薬活性成分と250μm以下のガラス質中空体と特定の界面活性剤を含有する組成物(特開平6−345603号)が開示されているが、良好な崩壊性を得るためには、実質上、粒の大きさを2mm以下とする必要があり、散布時に風の影響を受け支障を来す。更に、農薬活性成分と比重が1以下の粉末基剤、特定の性質を有する界面活性剤より成る組成物で粒径1mm〜5mmの水面浮遊性粒剤が開示されているが(特開平7−233002号)、これは、比重が1以下の粉末基剤の配合量が多く脆いため、散布する際散布者が農薬に被曝したり、周辺環境へ飛散する問題があった。
【0006】更にまた、特開平6−336403号には農薬活性成分と焼成バーミキュライトあるいは発泡パーライト、発泡シラス、コルク及びアセチレン系界面活性剤を含有する製剤を水溶性フィルムに包んだ組成物が開示されている。このものは水面浮遊性を付与するための焼成バーミキュライトあるいは発泡パーライト、発泡シラス、コルクの配合量が多いため、圧縮崩壊強度が非常に低く、水田に直接散布すると農薬の被曝及び周辺環境への影響があるため、水溶性フィルムに包装して投げ入れることを前提としているものである。このような水溶性フィルムに包装した製剤、所謂ジャンボ剤は、通常、10a当りの水田に数個から20個程度を、畦畔から投げ入れる製剤であり、省力的な農薬散布が可能であるが、区画整理された近年の広大な水田に対して、あるいは藻類等が水面を覆う水田に対しては十分な農薬成分の拡散が得られず、所期の効果が得られないのが実情である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来提供されていた農薬製剤の問題点を解決しようとするものであり、例えば藻類等が吹き寄せられ、水田等の水面を覆う状態となっていても、農薬活性成分の拡散性が良好であり、所期の農薬処理効果が得られる局所的な散布を前提とした均一拡散性粒状農薬製剤及びその製剤の散布方法の確立を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手投】本発明者らは、農薬活性成分を均一に拡散させるための水面浮遊性粒状製剤について、特にその好適な物理的性状について鋭意研究した結果、粒状製剤の物理的性状を特定の範囲とすることにより、前記の課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、農薬活性成分を含有し、粒径3mm以上のものが80%以上である粒度分布と水面に浮遊する性質を有し、かつ30分以内に水面で崩壊することを特徴とする均一拡散性粒状農薬製剤を提供するものである。
【0010】また本発明は、農薬活性成分を含有し、粒径が3mm以上のものが80%以上である粒度分布と水面に浮遊する性質を有し、かつ30分以内に水面で崩壊する均一拡散性粒状農薬製剤を、湛水下の水田の畦畔から1m以上の距離に、全水田面積の5%〜50%の面積にばら撒いて散布する均一拡散性農薬製剤の散布方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本明細書中において、「均一拡散性」とは、散布すべき水面の面積の一部、例えば5%から50%程度の範囲に散布したにもかかわらず、所定時間後には散布すべき面積全体に実質的に有効成分が均一に拡散されている状態をいう。
【0012】本発明の均一拡散性粒状農薬製剤(以下、「拡散性粒状製剤」という)において、原料として用いることのできる農薬活性成分は、一般に農薬として用いられるものであれば特に限定されず、固体あるいは液体状の何れでも用いることができる。また、この農薬活性成分は水に難溶性あるいは易溶性であってもよく、例えば、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、植物成長調節剤が用いられるが、とりわけ水面施用において有用な農薬活性成分が好適である。
【0013】本発明において用いられる農薬活成分の例としては、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、植物成育調節剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】これら農薬活性成分のうち、除草剤の具体例としては、例えば、2,4,6,−トリクロルフェニルー4'−ニトロフェニルエ−テル(CNP)、2−メチルー4−クロロフェノキシチオ酢酸−S−エチル(フェノチオール)、α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド(ナプロアニリド)、5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル(ビフェノックス)、S−(4−クロルベンジル)N,N−ジエチルチオカ−バメ−ト(ベンチオカーブ)、S−べンジル=1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカルバマート(エスプロカルブ)、S−エチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−カーボチオエート(モリネート)、S−1−メチルー1−フェニルエチル=ピペリジン−1−カルボチオアート(ジメピペレート)、O−3−tert.−ブチルフェニル=6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカルバマート(ピリブチカルブ)、2−クロロ−2',6'−ジエチル−N−(ブトキシメチル)アセトアニリド(ブタクロール)、2−クロロ−2',6'−ジエチルーN−(2−プロポキシエチル)アセトアニリド(プレチラクロール)、(RS)−2−ブロモーN−(α,α−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチルブチルアミド(ブロモブチド)、2−ベンゾチアゾ−ル−2−イルオキシーN−メチルアセトアニリド(メフェナセット)、1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−(バラトリル)尿素(ダイムロン)、メチル=α−(4,6一ジメトキシピリミジンー2−イルカルバモイルスルファモイル)−O−トルア−ト(ベンスルフロンメチル)、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジンー2−イル)尿素(イマゾスルフロン)、エチル=5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾ−ル−4−カルボキシラート(ピラゾスルフロンエチル)、2メチルチオー4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン(シメトリン)、2−メチルチオ−4,6−ビス(イソプロピルアミノ)−s−トリアジン(プロメトリン)、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン(ジメタメトリン)、2,4−ジクロロフェニルー3'−メトキシー4'−ニトロフェニルエーテル(クロメトキシニル)、5−タ−シャリ−ブチル−3−(2,4−ジクロロ−5−イソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オン(オキサジアゾン)、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル−P−トルエンスルホネ−ト(ピラゾレート)、2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾ−ル−5−イルオキシ]アセトフェノン(ピラゾキシフェン)、(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド(クロメプロップ)、2−[4−[2,4−ジクロロ−m−トルオイル)−1,3−ジメチルピラゾ−ル−5−イルオキシ]−4'−メチルアセトフェノン(ベンゾフェナップ)、S,S'−ジメチル=2−ジフルオロメチル−4−イソブチル−6−トリフルオロメチルピリジン−3,5−ジカルボチオア−ト(ジチオピル)、2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2',6'−ジメチルアセトアニリド(テニルクロール)、n−ブチル−(R)−2−[4−(2−フルオロ−4−シアノフェノキシ)フェノキシ]プロピオネート(シハロホップブチル)、3−[1−(3,5−ジクロルフェニル)−1−メチルエチル]−2,3−ジヒドロ−6−メチル−5−フェニル−4H−1,3−オキサジン−4−オン(オキサジクロメホン)、3−(4−クロロ−5−シクロペンチルオキシ−2フリオロフェニル)−5−イソプロピリデン−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン(ペントキサゾン)、1−(ジエチルカルバモイル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルフォニル)−1,2,4−トリアゾ−ル(カフェンストロール)、N−{[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]}−1−メチル−4−(2−メチルー2H−テトラゾ−ル−5−イル)(アジムスルフロン)、メチル 2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]−6−[(E)−1−(メトキシイミノ)エチル]ベンゾエイト(ピリミノバックメチル)等が挙げられる。
【0015】また、殺菌剤の具体例としては、O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチオフォスフェート(IBP)、3'−イソプロポキシ−2−メチルベンズアニリド(メプロニル)、α,α,α−トリフルオロ−3'−イソプロポキシ−O−トルアニリド(フルトラニル)、3,4,5,6−テトラクロロ−N−(2,3−ジクロロフェニル)フタルアミド酸(テクロフタラム)、1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニル尿素(ペンシクロン)、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン(ジクロメジン)、メチル=N−(2−メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−DL−アラニナート(メタラキシル)、(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾ−ル−1−イル−2−プロポキシエチリデン)−o−トルイジン(トリフルミゾ−ル)、カスガマイシン、バリダマイシン、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾ−ル−1,1−ジオキシド(プロベナゾール)、ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネ−ト(イソプロチオラン)、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾ−ル(トリシクラゾール)、1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(ピロキロン)、5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5−g]キノリン−7−カルボン酸(オキソリニツク酸)、(Z)−2'−メチルアセトフェノン=4,6−ジメチルピリミジン−2−イルヒドラゾン4,5,6,7−テトラクロロフタリド(フェリムゾン)、3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド(イプロジオン)等が挙げられる。
【0016】更に、殺虫剤の具体例としては、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホスフェ−ト(MEP)、(2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−6)−ジエチルチオホスフェ−ト(ダイアジノン)、1−ナフチル−N−メチルカ−バメ−ト(NAC)、O,O−ジエチルーO−(3−オキソ−2−フェニル−2H−ピリダジン−6−イル)ホスホロチオエ−ト(ピリダフェンチオン)、O,O−ジメチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート(クロルピリホスメチル)、ジメチルジカルベトキシエチルジチオホスフェート(マラソン)、O,O−ジメチルーS−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェ−ト(ジメトエ−ト)、O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオフェニルホスフェ−ト(プロパホス)、O,S−ジメチル−N−アセチルホスホロアミドチオエ−ト(アセフェート)、エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネ−ト(EPN)、2−セカンダリ−ブチルフェニル−N−メチルカ−バメ−ト(BPMC)、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ[b]フラニル=N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカルバマ−ト(カルボスルファン)、エチル=N−[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]−N−イソプロピル−β−アラニナ−ト(ベンフラカルブ)、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシラ−ト(シクロプロトリン)、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル=3−フェノキシベンジル=エ−テル(エトフェンブロックス)、1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩(カルタップ)、5−ジメチルアミノ−1,2,3−トリチアンシュウ酸塩(チオシクラム)、S,S'−2−ジメチルアミノトリメチレン=ジ(ベンゼンチオスルホナート)(ベンスルタップ)、2−タ−シャリーブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5,6テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−オン(ブプロフェジン)等が挙げられ、植物成育調節剤の具体例としては、4'−クロロ−2'−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコチンアニリド(イナベンフィド)、(2RS,3RS)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾ−ル−1−イル)ペンタン−3−オ−ル(パクロブトラゾ−ル)、(E)−(S)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾ−ル−1−イル)ペンタ−1−エン−3−オール(ウニコナゾール)等が挙げられる。
【0017】上記の農薬活性成分は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、これら農薬活性成分の配合割合の合計は、組成物100重量部に対して、通常、0.1重量部〜70重量部程度、好ましくは1重量部〜50重量部程度であり、より好ましくは2重量部〜25重量部である。
【0018】本発明の拡散性粒状製剤においては、水面で粒を30分以内で崩壊させ、農薬活性成分を水中に拡散させるために、界面活性剤を含有させるのが望ましい。用いることのできる界面活性剤としては、農薬製剤に一般的に用いられるものを使用することができる。
【0019】具体的な界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレート、アセチレンアルコールおよびアセチレンジオール並びにそれらのアルキレンオキシドを付加物等のノニオン性界面活性剤、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩およびその縮合物、アルキル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルアリール燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面活性剤等、さらにはシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。なお、液体の界面活性剤は、ホワイトカーボン、珪藻土、尿素等の固体担体に吸着して用いてもよい。また、これらの界面活性剤は単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0020】これらの界面活性剤の配合割合は、組成物100重量部に対して、通常、0.1重量部〜30重量部、好ましくは0.5重量部〜20重量部、さらに好ましくは2重量部〜10重量部である。
【0021】本発明の拡散性粒状製剤は、水面に浮遊することが必須である。この拡散性粒状製剤に水面浮遊性を付与する方法としては、例えば、真珠岩や黒曜石よりなるパーライト、シラスよりなる発泡シラス、アルミノシリケート系で焼成してなるフィライト、珪酸ソーダあるいは硼砂を発泡させたマイクロバルーン、軽石、粒状珪藻土、粒状活性炭、木粉、コルク粉、ケナフ片、フェノール樹脂よりなるフェノールマイクロバルーン、エポキシ樹脂よりなるエコスフェアー、ポリウレタンよりなるポリウレタンフォーム、ポリアクリロニトリルよりなるマイクロスフェアー、火力発電時の灰として産出するフライアッシュ等、独立した1個または複数個の気室を有する浮遊性担体を含有させる方法、ステアリン酸及びその塩、疎水性ホワイトカーボン等の撥水性物質を含有させる方法が挙げられるが、前者の独立した1個または複数個の気室を有する浮遊性担体を含有させる方法がより好ましい。
【0022】これら浮遊性担体ないし撥水性物質の配合量は、拡散性粒状製剤が水面浮遊性を得る量であるならば特に限定はされないが、必要以上に配合すると脆い粒となり、使用時に潰れたり粉塵発生量が多くなり好ましくないため、必要最少量を配合するのが望ましい。このため、浮遊性担体等の配合量の上限は、一般に製剤100重量部に対して30重量部程度までであり、一般には20重量部未満、好ましくは15重量部未満とすることが好ましい。また、下限は0.3重量部であり、0.5重量部以上であることが好ましい。
【0023】また、本発明の拡散性粒状製剤において、前出の浮遊性担体の効果を高めるために、製剤中に水を含有することが望ましい。この水の配合量は、製剤100重量部に対して0.3〜6重量部程度、望ましくは0.5〜5重量部程度であり、さらに好ましくは0.8〜3重量部程度である。水が0.3重量部以下の場合には、製剤内部に水が浸入しやすい構造となるため、水に製剤を投入すると、一旦は水面に浮遊するが、その後製剤内部の空気が抜けて沈降する場合があり、必要以上に前出の浮遊性担体を含有させなければならず、好ましくない。また、水が6重量部以上の場合、製剤が脆くなり、散布時に微粉が発生することがあるため好ましくない。
【0024】本発明の拡散性粒状製剤において、水を含有させる方法としては、一旦製剤を完全に乾燥させた後、噴霧して加える方法、あるいは、水分含有量を測定しながら乾燥し、所定量の水分含有量となった時点で乾燥を終了する方法があるが、特に限定されるものではない。なお、本発明の拡散性粒状製剤中の水の含有量は、例えばカールフィッシャー方式の水分測定装置や赤外線水分測定装置等を用いて測定することができる。
【0025】更に、本発明においては、通常固体担体が配合される。固体担体としては、水溶性担体あるいは非水溶性担体を用いることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。水溶性担体は、例えば、硫酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の有機又は無機酸塩類、クエン酸、コハク酸等の有機酸類、蔗糖、ラクトース等の糖類、尿素等を挙げることができる。また、非水溶性担体は一般的には鉱物質微粉が用いられ、例えば、クレー類、炭酸カルシウム、ベントナイト、タルク、珪藻土、ステアリン酸カルシウム、ホワイトカーボン等を挙げることができる。これら固体担体の配合割合は、組成物100重量部に対して、通常、5重量部〜80重量部、好ましくは10重量部〜70重量部である。
【0026】本発明においては、その他成分として補助剤が必要により配合される。この任意の成分である補助剤の例としては、結合剤、有機溶剤等を挙げることができる。用いることのできる結合剤は農薬粒状組成物に一般的に用いられるものであり、水溶性の物質が好ましい。この結合剤の例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、デキストリン、水溶性デンプン、キサンタンガム、グアシードガム、蔗糖、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム塩、平均分子量6000〜20000のポリエチレングリコール、平均分子量10万〜500万のポリエチエレンオキサイド等を挙げることができる。これらの結合剤の配合割合は、組成物100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜6重量部である。
【0027】更にまた、農薬活性成分を溶解あるいは分散する場合に有機溶剤が用いられる。この有機溶剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、メチルナフタレン、アルキルピロリドン、フェニルキシリールエタン、グリセリン、アルキレングリコール、マシン油、メタン列炭化水素、脂肪酸エステル、多塩基酸、ヤシ油、大豆油、ナタネ油、シリコーンオイル等を用いることができるが、高沸点溶剤が好ましい。これら有機溶剤の配合割合は、農薬活性成分に対して、通常10〜200重量部である。
【0028】本発明の拡散性粒状製剤は、通常、以上説明してきた成分を含有して成る水面に浮遊する粒状製剤であるが、前述の各成分及び配合量は、粒径を3mm以上の製剤とした際、水面で30分以内で崩壊するように調整される。崩壊に要する時間が30分を越える場合、風で製剤が吹き寄せられるため好ましくない。さらに吹き寄せの影響を小さくするためには、製剤が水面に浮遊した際、水面上に露出した部分が、製剤全体の40%以下、望ましくは20%以下となる様に、上記の各成分の配合量を調整するのが望ましい。
【0029】上記の条件を満たすような本発明の拡散性粒状製剤の製造方法は特に制約されるものではないが、水を除く全原料を混合後、これに水を加えて混練し、一定の大きさの穴を開けたプレートから押し出して造粒する方法が好ましい。造粒物は適当な長さに裁断後、裁断した造粒物に転がる動きを与え、表面が滑らかな状態となった時点で動きを止める方法により成形する。この時の粒状の形状は、1粒の短径と長径の比率が1〜3であることが好ましい。成形された粒状物は、水の含有量が製剤100重量部に対して0.3〜6部の範囲となるように乾燥するか、あるいは、成形された粒状物を完全に乾燥させた後、製剤100重量部に対して0.3〜6部の範囲となるように水を噴霧して加え、本発明の均一拡散性粒状農薬製剤とすればよい。
【0030】本発明の拡散性粒状製剤の好ましい製剤例としては、例えば、成分として水面施用効果のある有効成分を含有し、その平均粒径が4mm〜10mm、比重が1以下であり、水面に散布した後、1分〜20分で崩壊するものが挙げられる。
【0031】前記したように、本発明の拡散性粒状製剤は粒径が3mm以上のものをより多く含むことが必須要件であり、更に3mm〜20mm程度のものをより多く含むこと、特に4mm〜10mm程度のものをより多く含むことが好ましい。製剤を上記の粒径とすることで、本発明の拡散性粒状製剤を畦畔から散布した場合でも、畦畔から1m以上の距離に、全水田面積の5%〜50%の散布面積を容易に得ることが可能となる。なお、粒径を3mm以上とする副次的な効果としては、粒径が通常0.8mm前後の水稲育苗箱施用粒剤と容易に判別ができるため、誤用を防止することが可能である点を挙げることができる。もし仮に水稲育苗箱に処理した後、誤用に気付いた場合でも、育苗箱ごと水につけることで本発明の製剤のみ水面に浮上するため、誤用の被害を最小限とすることも可能である。
【0032】以上説明した本発明の拡散性粒状製剤を、水田等の水面に散布する方法としては特に制約はないが、例えば、製剤をビニール手袋をして手で握って投げる方法、動力散布機を用い、連続的に噴頭から吐出させて散布する方法、あるいはシャッターレバーを瞬間的に開閉し、断続的に吐出させて散布する方法、柄杓を用いて投込む方法、筒状の容器を振って投げ入れる方法、手回し式散粒機を用いる方法、さらにはラジコンヘリを用いて筋状に、あるいはスポット的に散布する方法が挙げられる。
【0033】
【作用】水田における稲作において、移植時期が早い所謂早期栽培の場合は、移植後1〜2週間の期間内に水面浮遊性の農薬製剤を局所的に散布しても、水田に藻類の発生ははとんどなく、農薬活性成分の拡散性は良好であり、所期の効果が得られる。しかし、移植時期が5月以降となる所謂普通期栽培においては、水温が上昇し、農薬散布の適期には藻類が発生することが一般的であり、この藻類が農薬活性成分の拡散を著しく阻害するため、所期の農薬の効果が得られないことが多い。特に、藻類が風で吹き寄せられた水田に、水面浮遊性の農薬製剤を局所的に散布した場合、藻類が吹き寄せられた部分は、ほとんど農薬の効果が得られないのが実情である。また、移植数週間後、水稲の生育が進み、株が大きくなった後に水面浮遊性の農薬製剤を局所的に散布した場合においても、農薬活性成分の拡散が妨げられてしまう。このように、局所的散布が前提となる省力散布製剤は、従来、稲株が小さな時に散布される製剤であった。
【0034】これに対し、本発明の拡散性粒状製剤は、藻類が発生した水田において、あるいは、ある程度稲株が成育した水田においても、農薬活性成分の拡散が良好で、所期の農薬の効果が得られる水面浮遊性の粒状農薬製剤ということができ、このものを水田の特定の位置に、且つ特定の面積内に散布することで、農薬散布時の省力性をほとんど妨げることなく農薬活性成分の均一散布を可能とすることができるものである。即ち、本発明の粒径が3mm以上のものが80%以上で、水面に浮遊し、かつ30分以内に水面で崩壊する拡散性粒状製剤は、湛水下の水田の畦畔から1m以上の距離に、好ましくは畦畔から2m以上の距離に、全水田面積の5%〜50%の面積、好ましくは10%〜50%にばら撒いて散布することにより、水田中に均一に農薬活性成分を散布することができる。
【0035】なお、本発明の拡散性粒状製剤を全水田面積の50%以上に散布しても何ら問題はないが、省力的な農薬散布という目的からは無意味であり、50%以下の面積に散布するのが望ましい。また、特開平7−233002号には、粒径1mm〜5mmである水面浮遊性粒剤を水田の畦畔から投込むことが可能であったとのみ記載されているが、具体性に欠ける記載であり、本発明のように均一な拡散が達成できたかどうか全く不明である。更に、当然のことながら、藻類の発生がない水田、移植前の水田、稲株が小さな水田においても、本発明の拡散性粒状製剤による農薬活性成分の拡散は良好であり、所期の農薬の効果が得られるものである。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例および試験例にて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例において、部は重量部を表す。
【0037】製 剤 例 1ピリミノバックメチル1.2部、ベンスルフロンメチル2.1部、メフェナセット9部およびポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル界面活性剤4部をホワイトカーボン4部に吸着させた粉末を調製した。この粉末と、アセチレンアルコール界面活性剤2.5部をホワイトカーボン2.5部に吸着させた粉末、ポリビニルアルコール1部、塩化カリウム10部および無水芒硝62部とを均一に混合した後、衝撃式粉砕により粉砕した。
【0038】得られた粉末と、マイクロスフェアー1部を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、5mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、10mmの長さに裁断した。得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、水分が0.7部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する粒状農薬製剤を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が85%以上であった。また、本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、全ての粒が浮遊した。なお、浮遊後の粒の崩壊時間は10分であった。
【0039】製 剤 例 2ベンスルフロンメチル1.5部、メフェナセット20部およびポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル界面活性剤3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末を調製した。この粉末と、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル燐酸エステル塩界面活性剤3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、アセチレンアルコール界面活性剤3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、デキストリン2部および塩化カリウム37.5部とを均一に混合した後、衝撃式粉砕により粉砕した。
【0040】得られた粉末と、発泡シラス18部を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、3mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、10mmの長さに裁断した。得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、水分が3部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する粒状農薬製剤を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が100%であった。また、本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、全ての粒が浮遊した。なお、浮遊後の粒の崩壊時間は7分であった。
【0041】製 剤 例 3ブロモブチド24部、ペントキサゾン8部、アルキルナフタレンホルマリン縮合物塩8部およびジアルキルスルホサクシネート3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、アセチレンアルコール界面活性剤3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、デキストリン2部および尿素25部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。得られた粉末と、フライアッシュバルーン18部を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、3mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、8mmの長さに裁断した。
【0042】得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、乾燥入り口温度を65℃として、水分が3部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する農薬粒状組成物を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が85%以上であった。また、本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、割れていた1粒のみが沈降した。なお、浮遊後の粒の崩壊時間は8分であった。
【0043】製 剤 例 4ピロキロン48部およびポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル2.5部をホワイトカーボン2.5部に吸着させた粉末、アセチレンアルコール2.5部をホワイトカーボン2.5部に吸着させた粉末、酵素変性デキストリン1.5部、塩化カリウム8部および無水芒硝30部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。得られた粉末と、含水マイクロスフェアー10部(成分として1部)を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、5mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、10mmの長さに裁断した。
【0044】得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、乾燥入り口温度を65℃として、水分が1.5部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する農薬粒状組成物を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が95%以上であった。また、本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、全ての粒が水面に浮遊した。なお、浮遊後の粒の崩壊時間は6分であった。
【0045】製 剤 例 5メプロニル24部、アルキルナフタレンホルマリン縮合物塩8部およびジアルキルスルホサクシネート3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、アセチレンアルコール界面活性剤3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、デキストリン2部および粒状尿素31部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。得られた粉末と、発泡シラス20部を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、3mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、8mmの長さに裁断した。
【0046】得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、乾燥入り口温度を65℃として、水分が5.5部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する農薬粒状組成物を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が85%以上であった。また、本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、割れていた1粒のみが沈降し、他の粒は水面に浮遊した。なお、浮遊後の粒の崩壊時間は27分であった。
【0047】製 剤 例 6エトフェンプロックス8部とポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル4部を加温して得られる混合溶液をホワイトカーボン12部に吸着させた粉末、アセチレンアルコール2.5部をホワイトカーボン2.5部に吸着させた粉末、ポリビニルアルコール1部、塩化カリウム10部および無水芒硝57部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。得られた粉末と、含水マイクロスフェアー15部(成分として1.5部)を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、5mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、10mmの長さに裁断した。
【0048】得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、乾燥入り口温度を65℃として、水分が1.5部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する農薬粒状組成物を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が95%以上であった。本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、全ての粒が浮遊した。浮遊後の粒の崩壊時間は12分であった。
【0049】製 剤 例 7カルタップ塩酸塩24部、アルキルナフタレンホルマリン縮合物塩8部およびジアルキルスルホサクシネート3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、アセチレンアルコール界面活性剤3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、デキストリン2部および尿素31部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。得られた粉末と、発泡シラス20部を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、3mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、8mmの長さに裁断した。
【0050】得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、乾燥入り口温度を65℃として、水分が3部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する農薬粒状組成物を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が85%以上であった。本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、割れていた1粒のみが沈降し、他の粒は水面に浮遊した。なお、浮遊後の粒の崩壊時間は30秒であった。
【0051】製 剤 例 8カルタップ塩酸塩24部、アルキルナフタレンホルマリン縮合物塩8部およびジアルキルスルホサクシネート3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、アセチレンアルコール界面活性剤3部をホワイトカーボン3部に吸着させた粉末、デキストリン2部および尿素31部を均一に混合後、衝撃式粉砕した。得られた粉末と、発泡シラス20部を高速撹拌機中で均一に混合し、適量の水を加えて混練後、7mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、11mmの長さに裁断した。
【0052】得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、乾燥入り口温度を65℃として、水分が3部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する農薬粒状組成物を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子が100%であった。本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、割れていた1粒のみが沈降し、他の粒は水面に浮遊した。なお、浮遊後の粒の崩壊時間は15分であった。
【0053】比較製剤例 1水分が0.1部となるまで乾燥する以外は製剤例1と同様に粒状農薬製剤を調製した。得られた製剤100粒を水を張った容器に投入したところ、約50粒が浮遊しないで沈降した。なお、浮遊した粒は、30分を経過しても崩壊しなかった。
【0054】比較製剤例 2製剤例1の農薬粒状組成物について、造粒を1.5mmの孔を開けたプレートより押し出し造粒を行いながら、4.5mmの長さに裁断した。得られた造粒物を横置きにしたドラムに入れ、回転させながら造粒物に転がる動きを与えて成形した後、水分が0.8部となるまで乾燥し、水面浮遊性を有する比較製剤例2を得た。この粒状農薬製剤の粒度分布は、平均粒径3mm以上の粒子は認められなかった。本製剤100粒を水が張った容器に投入したところ、15粒が沈降し、他の粒は水面に浮遊した。この浮遊した粒も30秒以内に全て沈降し、底でしばらくしてから崩壊した。
【0055】実 施 例 1稲を移植して1週間後の、藻類が発生した図1に示す平均水深5cmの10aの湛水下水田に、製剤例1の粒状農薬製剤250gを、一握り当り8.3gに分けて、畦畔からばら撒いた。この時の粒の広がりの最短距離(散布した畦と散布時に粒が落下した位置との最短の距離をいう。以下同じ)は畦畔から2〜6mであった。投入直後に、数人で粒が落下した位置を確認し、ここにポールを立て、ポール問の距離を測定することで散布面積を算出し、全水田面積に対する散布面積の比率を算出した。この結果、散布面積比率は11.2%であった。
【0056】実 施 例 2稲を移植して1週間後の、藻類が発生した図2に示す平均水深5cmの10aの湛水下水田に、製剤例1の粒状農薬製剤250gを、柄の長さが40cmの柄杓に、一回当り10gに分けて、畦畔からばら撒いた。この時の粒の広がりの最短距離は畦畔から3〜8mであった。投入直後に、粒が落下した位置にポールを立て、ポール問の距離を測定することで散布面積を算出し、全水田面積に対する散布面積の比率を算出した。この結果、散布面積比率は15.8%であった。
【0057】実 施 例 3稲を移植して1週間後の、藻類が発生した図3に示す平均水深4cmの50aの湛水下水田に、製剤例1の粒状農薬製剤1250gを短管噴頭のみ装着した動力散布機に装填し、瞬間的にシャッターレバーを開閉する方法で、畦畔より製剤を断続的に飛ばして散布した。この時の粒の広がりの最短距離は畦畔から10〜15mであり、製剤1250gを42回で散布した。この時、粒が広がった位置にポールを立て、ポール問の距離を測定することで散布面積を算出し、全水田面積に対する散布面積の比率を算出した。この結果、散布面積比率は29.4%であった。
【0058】実 施 例 4稲を移植して1週間後の、藻類が発生した図4に示す平均水深4cmの50aの湛水下水田に、製剤例1の粒状農薬製剤1250gを短管噴頭のみ装着した動力散布機に装填し、シャッターレバーを調整して畦畔を歩きながら連続的に散布した。この時の粒の広がりの最短距離は畦畔から10mであり、最長飛距離は20mであった。この時の全水田面積に対する散布面積の比率を算出した結果、29.0%であった。
【0059】実 施 例 5稲を移植して1週間後の、藻類が発生した図5に示す平均水深5cmの10aの湛水下水田に実施例4記載の散布方法で畦畔を一周して製剤例6の粒状農薬製剤250gを散布した。この時の粒の広がりの最短距離は10mであり、最長飛距離は20mであった。この時の全水田面積に対する散布面積の比率を算出した結果、47.8%であった。粒状農薬製剤散布して1週間後、イネミズゾウムシの食害程度の観察を行った結果、本処理区では、イネミズゾウムシの食害は全く認められなかった。隣接する薬剤無処理区では、約半数の稲株にイネミズゾウムシの食害が認められた。
【0060】比 較 例 1稲を移植して1週間後の、藻類が発生した図6に示す平均水深5cmの10aの湛水下水田に、製剤例1の粒状農薬製剤250gをアルミ袋に入れ、足元の水面に落下させながら畦畔を歩き散布した。この時の粒の広がりの最短距離は畦畔から0.5mであり、落下した幅は0.3mであった。この時の全水田面積に対する散布面積の比率を算出した結果、4.2%であった。
【0061】比 較 例 2稲を移植して1週間後の、藻類が発生した図7に示す平均水深5cmの10aの湛水下水田に、製剤例1の粒状農薬製剤250gを一回当り10gに分けて、畦畔からカップで投げ入れた。この時の粒の広がりの最短距離は畦畔から2〜3mであった。この時、粒が広がった位置にポールを立て、ポール間の距離を測定することで散布面積を算出し、全水田面積に対する散布面積の比率を算出した。この結果、散布面積比率は3.5%であった。
【0062】試 験 例 1散布24時間後、図1〜4及び6〜7の水田のアルファベットで示す地点より水を採取して分析し、理論上農薬活性成分が均一に水に分散した場合の水中濃度を100%とした時の比率を求め、さらに各地点の水中濃度の標準偏差を平均値で除し変動率を算出した。この結果を表1、2および3に示す。また、散布1ケ月後、図1〜4及び6〜7の水田のアルファベットで示す地点の、散布時に1.5葉期のノビエに対する除草効果を観察し、0(効果なし)〜5(完全枯死)の指数で表した。この結果を表4に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
【表4】

【0067】表1、2に示すように、本発明の実施例は、藻類の発生した水田においても、農薬活性成分の拡散性は良好であり、農薬活性成分に期待される効果が発現したが、比較例は成分拡散性が劣り、特に藻類の存在地点において農薬活性成分の効果は不十分であった。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、藻類が発生した水田においても、あるいはある程度稲株が成育した水田において省力散布を行っても、農薬活性成分の拡散が良好であり、所期の農薬の効果を得ることが可能である。
【0069】すなわち、本発明の粒径が3mm以上のものを多く含む製剤を用いれば、水田内に入らずに畦畔から直接散布や、ラジコンヘリ等を畦畔から操作し散布する等水田条件に応じた散布方法を選択することで、例えば、30アール以下の小規模水田から数ヘクタール規模の大規模水田までに農薬を散布することが可能になり、極めて省力的である。
【出願人】 【識別番号】000000169
【氏名又は名称】クミアイ化学工業株式会社
【出願日】 平成13年9月26日(2001.9.26)
【代理人】 【識別番号】100086324
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 信夫 (外1名)
【公開番号】 特開2002−179507(P2002−179507A)
【公開日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願番号】 特願2001−293613(P2001−293613)