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【発明の名称】 ネズミ用ベイト剤
【発明者】 【氏名】河本 尚一

【要約】 【課題】ネズミの喫食を良くするためにベイト剤の誘引成分のバランスを容易に保つことができるようにしたネズミ用ベイト剤、及びそれをセットしたネズミ用トラップを提供する。

【解決手段】異なる誘引成分を含有する二種以上の固形の製剤からなり、誘引成分組成の異なる製剤毎に製剤の色調及び/又は形態が異なるように構成され、誘引成分の違いを前記製剤の色調及び/又は形態により識別できるようにしたことを特徴とするネズミ用ベイト剤、及びそれを用いたネズミ用トラップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 異なる誘引成分を含有する二種以上の固形の製剤からなり、誘引成分組成の異なる製剤毎に製剤の色調及び/又は形態が異なるように構成され、誘引成分の違いを前記製剤の色調及び/又は形態により識別できるようにしたことを特徴とするネズミ用ベイト剤。
【請求項2】 請求項1記載のネズミ用ベイト剤をセットしたことを特徴とするネズミ用トラップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘引成分の違いを色調及び/又は形態により識別できるようにしたネズミ用ベイト剤、及びそれをセットしたネズミ用トラップに関する。
【0002】
【従来の技術】ネズミの駆除においては、使用されるベイト剤に対するネズミの喫食が良いかどうかが、ネズミの駆除に大きな影響を及ぼす。そのためネズミがベイト剤を良く喫食するように誘引成分を配合することが行われている。
【0003】ところがネズミは雑食であることから、ベイト剤の喫食量はそこに到達する前の食生活や生活環境によって影響を受けるので、単一の誘引成分だけでは十分に喫食させることができず、複数の誘引成分をバランスよく用いることが必要である。これによってベイト剤の使用当初はネズミが良く喫食するが、時間が経ってベイト剤が喫食されるとその誘引成分のバランスが崩れて、十分に喫食させることができなくなる。そこでベイト剤を補充することになるが、むやみに補充しても誘引成分のバランスを保つことはできず、場合によってはバランスをさらに崩してしまうおそれもある。
【0004】このような事態を防ぐためには、喫食されて減った誘引成分を使用当初のバランスが保てるように適量補うことが必要であるが、そのための有効な手段は知られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき現状を鑑みて、本発明では、ネズミの喫食を良くするためにベイト剤の誘引成分のバランスを容易に保つことができるようにしたネズミ用ベイト剤、及びそれをセットしたネズミ用トラップを提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題を満足するために鋭意検討した結果、下記のネズミ用ベイト剤、及びそれをセットしたネズミ用トラップによって達成されることを見いだし本発明に至った。
(1)異なる誘引成分を含有する二種以上の固形の製剤からなり、誘引成分組成の異なる製剤毎に製剤の色調及び/又は形態が異なるように構成され、誘引成分の違いを前記製剤の色調及び/又は形態により識別できるようにしたことを特徴とするネズミ用ベイト剤。
(2)(1)記載のネズミ用ベイト剤をセットしたことを特徴とするネズミ用トラップ。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のネズミ用ベイト剤は、例えば、複数の顆粒群からなり、そこに含有された誘引成分の違いに対応して顆粒群ごとに別の色調としたり、別の形態としたり、これらを組合わせたりして、使用者がどの誘引成分を含有した顆粒群が減っているのかを容易に識別できるようにしたものである。このような発想は従来のネズミ用ベイト剤においては全く存在せず、このベイト剤の色調は赤色調であり(これは赤色がネズミを誘引するとされているためと思われる)、形態(サイズ、形状)も略同じものであった。
【0008】本発明において色調及び/又は形態により識別できるようにするためには、ベイト剤に色素を含有、塗布させたり、サイズ、形状に違いをもたせればよい。
【0009】色素としては、染料、顔料、タール色素などを用いることができ、赤色、桃色、青色、水色、緑色、黄色、紫色、橙色等の各色調を呈する色素が挙げられる。
【0010】例えば、トウガラシ末、アラマンス、アラマンスアルミニウムキレート、エリスロシン、エリスロシンアルミニウムキレート、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシドレッド、タートラジン、タートラジンアルミニウムキレート、サンセットイエローFCF、サンセットイエローFCFアルミニウムキレート、ブリリアントブルーFCF、ブリリアントブルーFCFアルミニウムキレート、インジゴカルミン、インジゴカルミンアルミニウムキレート、β−カロチン、銅クロロフィリン等があげられる。これらの中でも安全性の点から猫、犬、人などに対して誤食防止効果のあるものを用いるのがよい。
【0011】より識別し易くするために色調は対称色とするのがよく、例えば、赤色と緑色、青色と黄色、黒色と白色等が挙げられる。さらに必要に応じて色調を三色、四色等の多色とすることに制限はなく、このような場合にはネズミを誘引するうえでポイントとなる誘引成分を含有した製剤の色調に特に識別力をもたせるのがよい。これらの色調を選択するにあたっては、ネズミの誘引に有利となる色調(例えば、製剤の一群を赤色とする等)を選ぶのがよい。これらの色素は識別できる程度にベイト剤が着色されればよく、通常は0.01〜1重量%を含有させればよい。
【0012】またサイズ、形状に違いをもたせるためには、例えば、顆粒の場合にはその粒径を変えたり、球型と星型を混ぜたりする等が挙げられる。
【0013】ネズミ用ベイト剤とするには、公知の基剤、食餌成分、誘引成分等を用いて調製すればよい。このような物質としては、玄米、白米、小麦、トウモロコシ、コメ、そば、大豆等の穀物類;ジャガイモ、サツマイモ、山芋等の芋類;これらのデンプン粉;魚粉、豚粉等の肉粉;落花生、アーモンド、トウモロコシ、クルミ、ドングリ、クリ等の種子や木の実;ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、赤砂糖、三温糖等の糖類;油揚、サツマ揚、ソーセージ、パン、バナナ、リンゴ等の食餌;コーン油、米ぬか油、大豆油、オリーブ油、ゴマ油、綿実油等の植物油;魚油、鯨油、豚油、牛油、ラード等の動物油;シーズニングオイル(香辛料オイル、畜肉オイル、魚介オイル、調味オイル等)、海藻エキス(コンブ、ワカメ、ノリ等)、カツオブシ、卵黄、エビ、オキアミ、ハチミツ、チーズ、バター、ストロベリー、ミルク等の誘引成分等が挙げられる。誘引成分は1つの製剤中に2成分以上を併用してもよいが、誘引成分による喫食の違いを明確にするためには1つの製剤に1成分を用いるのがよい。この他にエリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック酸、メチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、グアヤク脂、L−システィン塩酸塩等の安定化剤;安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ジフェニル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム等の保存剤等が挙げられる。
【0014】本発明のネズミ用ベイト剤は、顆粒、ブロック、細粒、ゼリー、ペースト、ゲル、ビスケット、ダンゴ等の形態とすることができ、その際に上記の各種成分により調製すればよく、必要に応じて水、アルコール、グリセリン等の液体を添加してもよい。
【0015】上記のように調製した本発明のネズミ用ベイト剤は、誘引剤としてネズミ用トラップ(粘着トラップ、捕獲トラップ)にセット(併置したり、トラップ内に置いたり)したり、殺鼠成分を添加した殺鼠ベイト剤としたりすることができる。
【0016】殺鼠ベイト剤とするために用いる殺鼠成分としては、ワルファリン、フマリン、クマテトラリル等のクマリン系化合物;ダイファシン、クロロファシン等のインダンジオン系化合物等が挙げられる。
【0017】ネズミ用トラップにセットして用いる場合には、例えば、粘着トラップでは粘着層の1箇所又は2個所以上にベイト剤を収納できる容器を設け、その中に顆粒、ブロック、細粒等のベイト剤を収納すればよい。このようにすることによって、ベイト剤が周囲に飛散しないのでよい。また2個所以上の容器を設けた場合には、異なる誘引成分を含有した色調及び/又は形態の違うベイト剤ごとに別々の容器に入れておくとどの誘引成分を含有した剤が減少したかを識別するのが容易となる。
【0018】上記のベイト剤を収納する容器としては、皿状、筒状、箱状等の形状が挙げられる。これらはいわゆるスペーサーを兼用するものであってもよい。
【0019】ここで粘着層は、均一な粘着面であっても、凹凸を設けても、粘着層と非粘着層とが交互にあってもよく、ネズミに対するトラップ力、製造コスト等の経済性を勘案したうえで好ましいものを選択すればよい。
【0020】図1は本発明のベイト剤を用いたネズミ用トラップの一実施態様の説明図(斜視図)であり、図2はベイト剤を入れる前の折りたたんだ状態の説明図(斜視図)である。粘着トラップ本体1は折り線6から内側に折り曲げ可能に構成され、内側には粘着層2及び折りたたみ時の粘着防止のための非粘着部(図中では折り曲げ部)7が設けられている。図1では粘着層2は本体1に部分的に波状に設けられているが、全面に設けてもよく又は他の形状で設けてもよい。ネズミ用トラップは折り曲げた状態でベイト剤を密封した容器(通常は袋、好ましくは光を遮断可能な袋)とセットで組みあわせて流通され、使用時には本体1を開いた状態でベイト剤が添加される。粘着層2の設けられた内側にはベイト剤の収納容器兼スペーサー3が設けられ、この中には色調及び/又は形態の異なる製剤4及び5が収納されてネズミ用のベイト剤として使用され、ネズミにより喫食されて減った製剤が追加される。この粘着トラップは、各種の使用に対応できるようミシン目が設けられており、ミシン目を利用して容易に分割して使用することが可能である。ネズミにより喫食されて減った製剤は色調又は形態で容易に識別可能であり、減った製剤を容易に補充することができる。
【0021】本発明のネズミ用ベイト剤は、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ、ハタネズミ等のネズミに対して適用することができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】ネズミ用ベイト剤(1)廃糖蜜5g、小麦粉25g、コーンスターチ64.98gを混合して基剤とし、これにチーズパウダー5gと赤色色素(ニューコクシン)0.02gを添加して顆粒とした赤色の製剤を調製した。同じ基剤(但しコーンスターチ64.92gとした)を用いて、これに野菜シーズニングオイル5g及び青色色素(ブリリアントブルーFCF)0.06g及び黄色色素(タートラジン)0.02gを添加して顆粒とした緑色の製剤を調製した。つぎに各顆粒の製剤1.5gずつを別々に包装し、使用時にそれぞれを開封してトラップに設けられた収納容器に同一色調の顆粒群ごとにセットして用いるネズミ用ベイト剤を調製した。
(2)グラニュー糖10.2g、小麦粉25.6g、コーンスターチ64.1g及びブチルヒドロキシトルエン0.1gを混合して基剤とし、これにチーズパウダー3gと黄色色素(タートラジン)0.04gを添加して顆粒とした黄色の製剤を調製した。同じ基剤を用いて、これに野菜シーズニングオイル3g及び青色色素(ブリリアントブルーFCF)0.06g及び黄色色素(タートラジン)0.02gを添加して顆粒とした緑色の製剤を調製した。つぎに各ベイト剤15gずつを混合してネズミ用ベイト剤を調製した。
【0024】
【発明の効果】本発明のネズミ用ベイト剤は、誘引成分の違いを色調及び/又は形態により識別できるようにしたので、使用者はベイト剤の減少が簡単にわかり、さらにその補充が容易にでき、それによって誘引成分のバランスを使用当初の状態に保つことができる。その結果、ネズミを良く誘引してトラップすることができ、また殺鼠ベイト剤では、致死量の殺鼠成分を効率よく摂食させて駆除することができる。
【出願人】 【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
【出願日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【代理人】 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
【公開番号】 特開2002−179502(P2002−179502A)
【公開日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願番号】 特願2000−382486(P2000−382486)