| 【発明の名称】 |
抗菌抗カビ性無機質構造材 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 宏三
【氏名】藤本 恭一
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| 【要約】 |
【課題】原料への抗菌抗カビ剤の添加等の特別な工程を要することなく顕著な抗菌抗カビ性を発揮させる。
【解決手段】抗菌抗カビ性無機質構造材10を、セピオライト、ブルーサイト等のマグネシウム化合物を主成分とするスラリーを抄造してなる不燃性から製造する。抗菌抗カビ性無機質構造材10は、例えば、ハニカム状をなす。抗菌抗カビ性無機質構造材10は、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マグネシウム化合物を主成分とする無機質材料から形成され、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有することを特徴とする抗菌抗カビ性無機質構造材。 【請求項2】 マグネシウム鉱物を主成分とするシート材料から形成され、それ自体が少なくとも抗菌性及び抗カビ性を有することを特徴とする抗菌抗カビ性無機質構造材。 【請求項3】 セピオライトを主成分とするシート材料から形成され、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有することを特徴とする抗菌抗カビ性無機質構造材。 【請求項4】 ブルーサイトを主成分とするシート材料から形成され、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有することを特徴とする抗菌抗カビ性無機質構造材。 【請求項5】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の抗菌抗カビ性無機質構造材をハニカム状及びコルゲート状のいずれかの形状に形成したことを特徴とする抗菌抗カビ性無機質構造材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は抗菌抗カビ性を有する無機質構造材に関し、特に、シート状、ハニカム状、コルゲート状等の所定形状をなし、フィルタ、建材等の構造材料として使用可能な抗菌抗カビ性無機質構造材に関するものである。本発明は、抗菌性または抗カビ性の要求される場所、例えば、食品、医薬品等の製造施設または病院、クリーンルーム等の建築物の構造材料として好適に使用することができる。 【0002】 【従来の技術】[抗菌抗カビ製品の普及]近年、清潔志向の高まりや、健康への関心の高まりと共に、抗菌抗カビ機能を付加した各種抗菌製品が市場に提供されている。例えば、まな板等の台所用品、便器等のサニタリー用品、エアコン等の家電製品、建築物の壁材等の建材において、抗菌抗カビ加工を施した多種多様な高付加価値製品が提案されている。特に、住宅、マンション等の一般建築物においては、細菌、カビ等の微生物に起因するシックハウス症候群、喘息、慢性鼻炎等の問題が危惧され、抗菌抗カビ性を有する建設資材の開発が活発に進められている。更に、食品製造施設、病院等の特殊建築物においても、MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)による院内感染等の室内環境汚染を防止するため、高い抗菌抗カビ効果を長期間発揮する建材の使用が益々要求される傾向にある。 【0003】[抗菌抗カビ製品の構造]上記のような抗菌抗カビ製品は、一般に、抗菌抗カビ剤を混練添加した材料を製品形状に成形したり、抗菌抗カビ剤を添加した樹脂コーティング剤で製品形状に成形した材料の表面を被覆処理したりして構成される。例えば、建材の場合、シート成形時に抗菌抗カビ剤を混練添加したビニールクロス(壁紙)や、表面に酸化チタンをコーティングしたタイル等が製造されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の抗菌抗カビ製品は、上記のように、通常の製品の製造工程以外に、その製品中に抗菌抗カビ剤を含有するための追加の工程(混練添加またはコーティング等)が必要となる。したがって、製造工程数が増加し、製造コスト及び生産性等の点で改善する余地がある。 【0005】ここで、本発明者等は、例えば、特開平5−147134号公報に開示の不燃ハニカム構造材を開発している。この不燃ハニカム構造材は、セピオライト等を主材としたスラリーを抄造してなる不燃性シート材料からなる。そして、本発明者等は、この不燃性シート材料及び不燃ハニカム構造材が、高い不燃性のみならず、顕著な抗菌抗カビ性をも発揮することを見出し、その知見に基づき本発明を成し遂げた。 【0006】即ち、本発明は、原料への抗菌抗カビ剤の添加等の特別な工程を要することなく顕著な抗菌抗カビ性を発揮することができる抗菌抗カビ性無機質構造材の提供を課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、マグネシウム化合物を主成分とする無機質材料から形成され、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有する。 【0008】請求項1の構成の抗菌抗カビ性無機質構造材は、抗菌抗カビ剤を添加しなくても、それ自体が高い抗菌抗カビ性を発揮する。請求項1に係る抗菌抗カビ性無機質構造材が抗菌抗カビ性を発現する理由は明らかではないが、細菌、カビ等の微生物の存在により、主成分としてのマグネシウム化合物からマグネシウムイオン(Mg2+)が放出され、そのマグネシウムイオンが、微生物の細胞膜に到達及び吸着して、細胞膜の機能阻害、酵素阻害を起こし、エネルギー代謝を不能にして細胞内タンパク質の構造破壊を生じるためと考えられる(カチオンによる殺菌)。或いは、マグネシウム化合物が触媒として機能して活性酸素を生成し、この活性酸素が、オゾンや過酸化水素と同様に強力な抗菌抗カビ作用を発揮し、微生物のエネルギー代謝を不能にするためと考えることもできる(活性酸素による殺菌)。 【0009】更に、請求項1の抗菌抗カビ性無機質構造材は、無機物質であるマグネシウム化合物を主成分とするため、高い不燃性または耐火性を実現することができる。 【0010】なお、主材となるマグネシウム化合物としては、珪酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等がある。 【0011】請求項2に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、マグネシウム鉱物を主成分とするシート材料から形成され、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有する。 【0012】請求項2の構成の抗菌抗カビ性無機質構造材は、抗菌抗カビ剤を添加しなくても、それ自体が高い抗菌抗カビ性を発揮する。抗菌抗カビ性発現の機構(メカニズム)は、請求項1の抗菌抗カビ性無機質構造材の場合と同様、マグネシウム化合物としてのマグネシウム鉱物(マグネシウムイオン)によるものと考えられる。 【0013】また、請求項2の抗菌抗カビ性無機質構造材は、無機物質であるマグネシウム鉱物を主成分とするため、高い不燃性または耐火性を実現することができる。更に、マグネシウム鉱物は自然界に大量に存在するため、安定供給が可能であり、かつ、材料として安価である。 【0014】なお、主材となるマグネシウム鉱物としては、セピオライト(珪酸マグネシウム鉱物)、ブルーサイト(水酸化マグネシウム鉱物)等がある。 【0015】請求項3に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、セピオライトを主成分とするシート材料から形成され、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有する。 【0016】請求項3の構成の抗菌抗カビ性無機質構造材は、抗菌抗カビ剤を添加しなくても、それ自体が高い抗菌抗カビ性を発揮する。抗菌抗カビ性発現の機構は、請求項1の抗菌抗カビ性無機質構造材の場合と同様、マグネシウム化合物としてのセピオライト(マグネシウムイオン)によるものと考えられる。 【0017】また、請求項3の抗菌抗カビ性無機質構造材は、無機物質であるセピオライトを主成分とするため、高い不燃性または耐火性を実現することができる。更に、セピオライトは、自然界に大量に存在するため、安定供給が可能であり、かつ、材料として安価である。また、請求項3の構成の抗菌抗カビ性無機質構造材は、無機物質にもかかわらず適度な柔軟性を有するセピオライトから形成されるため、それ自身も適度な柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがない。 【0018】請求項4に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、ブルーサイトを主成分とするシート材料から形成され、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有する。 【0019】請求項4の構成の抗菌抗カビ性無機質構造材は、抗菌抗カビ剤を添加しなくても、それ自体が高い抗菌抗カビ性を発揮する。抗菌抗カビ性発現の機構は、請求項1の抗菌抗カビ性無機質構造材の場合と同様、マグネシウム化合物としてのブルーサイト(マグネシウムイオン)によるものと考えられる。 【0020】また、請求項4の抗菌抗カビ性無機質構造材は、無機物質であるブルーサイトを主成分とするため、高い不燃性または耐火性を実現することができる。更に、ブルーサイトは、自然界に大量に存在するため、安定供給が可能であり、かつ、材料として安価である。 【0021】請求項5に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の抗菌抗カビ性無機質構造材をハニカム状及びコルゲート状のいずれかの形状に形成したものである。 【0022】したがって、ハニカム状またはコルゲート状に形成した請求項5に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、単なるシート状のものと比較して、表面積が飛躍的に増大し、空気との接触面積が増加する。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 【0024】[全体形状]図1は本発明の一実施の形態に係る抗菌抗カビ性無機質構造材を示す斜視図である。 【0025】本実施の形態に係る抗菌抗カビ性無機質構造材10は、図1に示すように、無機材料としてのマグネシウム化合物、例えば、セピオライト、ブルーサイト等のマグネシウム鉱物を主成分として抄造した無機質材料としての不燃性シート材料(不燃紙)から形成される。詳細には、抗菌抗カビ性無機質構造材10は、軽量である割に高い強度を有するハニカム構造、即ち、厚さ方向の隔壁11によって多数の柱状セル13を蜂の巣状に形成したハニカム構造をなす。 【0026】なお、抗菌抗カビ性無機質構造材10の柱状セル13は、断面六角形に形成するのが最も一般的であり、また好ましいが、四角形等の他の多角形、或いは円形等の非角形に形成することもできる。 【0027】図2は本発明の一実施の形態に係る抗菌抗カビ性無機質構造材の別例を示す斜視図である。 【0028】本実施の形態の別例に係る抗菌抗カビ性無機質構造材20は、図2に示すように、図1の抗菌抗カビ性無機質構造材10と同様のマグネシウム化合物を主成分として抄造した不燃性シート材料(不燃紙)から形成される。詳細には、抗菌抗カビ性無機質構造材20は、ハニカム構造と同様、軽量である割に高い強度を有するコルゲート構造をなす。即ち、抗菌抗カビ性無機質構造材20は、シート状のライナー21を波形状の中芯22の厚さ方向一側面または両側面に接着等により貼り付けてなるコルゲート構造をなす。これにより、ライナー21と中芯22との間には、多数の柱状セル23が形成される。 【0029】なお、抗菌抗カビ性無機質構造材20の中芯22は、断面三角形を連続した形状に形成するのが一般的であり、また好ましいが、通常の波形状とする等、他のコルゲート形状に形成することもできる。 【0030】なお、本発明の抗菌抗カビ性無機質構造材の全体形状は、ハニカム状、コルゲート状以外にも種々の形状とすることができる。例えば、矩形平板状等の所定平面形状の平板状(単なるシート状)、或いは、エアフィルタ等の所定断面形状のブロック状とすることができる。 【0031】上記抗菌抗カビ性無機質構造材10及び抗菌抗カビ性無機質構造材20は、マグネシウム化合物を主成分とする不燃紙からなるため、後述するように、それ自体が抗菌性及び抗カビ性を有する。 【0032】[製造方法(不燃紙)]次に、実施の形態1に係る抗菌抗カビ性無機質構造材10の製造方法について説明する。 【0033】具体的には、まず、以下に示すように、主材としてのセピオライト及び/またはブルーサイトに、必要に応じて、補強繊維、充填剤等を添加してスラリーを調製する。次に、このスラリーを抄造して不燃紙を製造する。 【0034】主材としてセピオライトを使用する場合、セピオライトの配合量は、約50重量%以上であれば十分な抗菌性及び抗カビ性を発揮するものと考えられるが、使用状況、使用箇所等の諸条件によっては、これより低い配合量であっても拘禁抗カビ性無機質構造材としての使用に耐える場合がある。しかし、通常の条件では、70重量%以上の範囲とすることが好ましい。ここで、セピオライトは、一般には繊維性を持った含水ケイ酸マグネシウムの塊である。そして、その表面には反応性に富んだ極性基を有し、吸着性、揺変性、固結性等の基本的な性質がある。そして、この含水ケイ酸マグネシウム鉱物であるセピオライトは、その水酸基によって固結性等に優れるだけでなく、水とのなじみ性にも優れ、水中においてカチオンまたはノニオンに帯電して容易に分散する。このため、抄造によって容易にシートを形成することができ、また、形成されたシートは十分な紙力を有する。 【0035】したがって、セピオライトは、不燃紙を形成する成分として単独で使用することもできる。しかし、形成される不燃紙のハンドリング強度をより十分に高めるために、補強繊維を合わせて使用することが好ましい。 【0036】この補強繊維としては、ガラス繊維、ロックウール繊維等の鉱物繊維、ステンレス繊維等の金属繊維、チタン酸カリウム繊維等のセラミック繊維またはウィスカー、石膏繊維等の無機化合物繊維、等を使用することができる。ただし、材料コスト、凝集効果等の点からは、これらの中でもガラス繊維が最適である。そして、これらの無機質繊維は、不燃性シート全体に対して、一般に3〜20重量%の割合で配合することができる。 【0037】また、補強繊維としては、無機質繊維だけでなく、木材パルプ、またはこれを難燃化したリン酸パルプ、アラミド繊維、ビニロン繊維等の織物繊維、等の有機質繊維も使用することができる。しかし、その配合量は、不燃性、耐火性、及び熱分解後の保形性を十分なものとするために、不燃紙全体に対して10重量%以下であることが好ましく、更には、5重量%以下がより好ましい。 【0038】更に、これらの補強繊維の他にも、必要に応じて、各種の無機質フィラを配合することができる。そのような無機質フィラとしては、水酸化アルミニム、含水ホウ酸カルシウム(灰硼石)、水酸化マグネシウム(ブルーサイト)等の自己消火性を有する無機質粉体が特に好ましい。また、コロイドシリカ等の結合性の無機質フィラ、バーミキュライト、合成膨潤性雲母または合成スメクタイト等の板状粒子も、不燃性シートに強度を与えるために好ましい。ただし、これらの無機質フィラは、主材としてのセピオライトの特性を阻害しない程度に比較的少ない割合で使用される。 【0039】更にまた、不燃紙には、その紙力を高めるために高分子化合物からなるバインダを添加することができる。このバインダとしては、グアーガム、でんぷん等の天然高分子化合物も使用可能であるが、好ましくは、合成物である合成樹脂が使用される。そして、合成樹脂としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂脂のいずれも適宜に用いることができ、好ましくは、抄造時に凝集剤としても作用するカチオン系、アニオン系、またはノニオン系のものが使用される。熱可塑性樹脂は、主に不燃紙の乾燥時の紙力を高めるもので、例えば、ポリアミド、またはポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が代表的である。また、熱硬化性樹樹脂は、主に不燃紙の湿潤時の紙力を高め、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、エピクロルヒドリン系ポリアミド樹脂、等が代表的である。そして、これらの高分子化合物からなるバインダはそれぞれ単独で、または組合わせて使用することができるが、不燃紙全体に対して一般に5重量%までの割合となるように調製することが好ましい。 【0040】本実施の形態では、抗菌抗カビ性無機質構造材10の主成分となる無機物質として、上記セピオライト(珪酸マグネシウム)の代わりに、或いはセピオライトと共に、ブルーサイト(水酸化マグネシウム)を使用しても良い。主材としてブルーサイトを使用する場合、ブルーサイトの配合量は、約50重量%以上であれば十分な抗菌性及び抗カビ性を発揮するものと考えられるが、使用状況、使用箇所等の諸条件によっては、これより低い配合量であっても拘禁抗カビ性無機質構造材としての使用に耐える場合がある。しかし、通常の条件では、70重量%以上の範囲とすることが好ましい。 【0041】ブルーサイトを使用したハニカムコアは、本出願人の出願に係る特開平8−1839号公報に開示されている。この技術は、ブルーサイトを主成分として、或いは、主成分としてブルーサイトにセピオライトを混合して、不燃紙抄造用のスラリーを形成している。 【0042】ここで、ブルーサイト(brucite 水滑石)は、主に蛇紋岩地域に脈状または塊状に産出する水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )鉱物である。このブルーサイトの原石としては、中国遼寧省で産出されるものが代表的であり、クリソタイル石綿を含有しない高品質なものとして知られている。そして、本実施の形態では、このブルーサイトとしては、原石をジェット粉砕機等で微粒子状に粉砕した不定形板状(偏平状)の粒子形態のものを用いることができる。その粒子の大きさは、抄造時の歩留り、得られる不燃性シートの強度、可撓性等の点で、平均粒径において一般に0.5〜20μm程度であることが好ましく、より好ましくは、2〜10μm程度である。 【0043】そして、この板状粒子からなるブルーサイトは、その水酸基によって固結性、吸着性に優れていると共に水とのなじみ性にも優れ、水中においてカチオンに帯電して容易に分散するために、そのスラリーから抄造によって容易にシートを形成することができ、また、形成されたシートは十分な保形性を有する。したがって、原紙としてのシートは、この板状粒子からなるブルーサイトを単独で使用して形成することもできるが、バインダ、セピオライト、補強繊維等を含むものとして形成することもできる。 【0044】特に、セピオライトは、ブルーサイトが300〜400℃で熱分解して酸化マグネシウムに変るのに対し、800℃以上の熱安定性を有するので、高温加熱時のシートの形状保持性にも優れた作用を発揮する。なお、このセピオライトは必ずしも配合する必要はないが、配合する場合には、一般に板状ブルーサイト100重量部に対して10〜40重量部程度が好ましい。 【0045】また、主材としてブルーサイトを使用する場合、補強繊維としてパルプを相当量配合しても良い。即ち、パルプは、繊維が細くまた柔軟であるために、無機質繊維のようにシートの表面の平滑性を損ねることがないので、要求される不燃性と耐火性の度合によっては、30重量%程度の配合も可能である。そして、実際に、板状ブルーサイト70重量部とパルプ30重量部からなるシートを作成し、ガスバーナによる燃焼試験を行ったが、僅かな黒煙を発生し黒色化するだけで、完全な不着火性を示した。これは、ブルーサイトが消炎効果を有し、加熱時に水分を発生するからである。 【0046】なお、板状ブルーサイトを主材として含むスラリーには、セピオライト、補強繊維、有機高分子化合物からなるバインダの他にも、水酸化アルミニム、含水ホウ酸カルシウム(灰硼石)等の無機質粉体を加えることができる。また、例えば、コロイドシリカを添加することもでき、それによって、不燃性シートの白色度を増し、また、シートを強化することができる。 【0047】上記スラリーは、通常、セピオライト等の紙料を解繊する解繊工程及び解繊した紙料等を混合する原料混合工程を経て調整される。また、このように調製したスラリーは、凝集剤による集束化を行う集束化工程及び集束化したスラリーの混合状態を均一に維持する蓄積する蓄積工程を経て、抄造工程に導かれる。そして、抄造工程では、抄紙機を用いてスラリーを所望の坪量(板厚)のシート状に抄造する。このときのスラリー濃度は、例えば、0.5〜1.0%であり、抄紙機としては、短網式抄紙機(60〜80メッシュ)の抄網を使用することができる。そして、この抄造工程において、凝集フロックが形成された分散水溶液を所定メッシュの網を張った抄具に上方から流入すると、フロックを通して水が速やかに網から流下して紙層が形成される。 【0048】この後、この紙層を、乾燥工程で、プレスをかけて脱水し、例えば約120℃の雰囲気温度で所定時間乾燥することにより、紙層は内部の水分が蒸発し、バインダーの凝縮が促進して乾燥固化する。以上により、例えば板厚が0.1〜1.0mmの不燃性シートが完成する。なお、抄造工程で使用する抄紙機は、短網式、長網式等の抄紙機を任意に使用することができる。また、抄網の目の大きさは、使用するセピオライトまたは板状ブルーサイトの粒径等に応じて、適宜選定することができる。 【0049】[製造方法(ハニカム構造体)]上記のように製造した不燃紙をハニカム状の三次元構造体に形成する方法は、例えば、特開平5−147134号公報に開示されている。よって、この方法を使用して、不燃紙から図1に示す抗菌抗カビ性無機質構造材10を製造することができる。また、上記のように製造した不燃紙をコルゲート状の三次元構造体に形成するには、例えば、公知のダンボール(板紙)の製造方法を使用することができる。よって、公知の方法を使用して、不燃紙から図2に示す抗菌抗カビ性無機質構造材20を製造することができる。 【0050】なお、抗菌抗カビ性無機質構造材10,20の製造に使用する接着剤としては、不燃紙の耐熱性が高いため、酢酸ビニル樹脂等の有機接着剤を使用することができる。しかし、より優れた耐火性と耐熱性とを得るためには、無機接着剤の使用が好ましい。そして、そのような無機接着剤としては、主材としてセピオライトを使用する場合、水ガラス(ケイ酸塩)、リン酸アルミニウム、コロイダルシリカ、またはコロイダルアルミナ等の水溶液または水分散液に硬化剤を適宜配合したものを使用することができる。その一例としては、固形分組成で、90重量%のコロイダルシリカと、10重量%のケイ酸マグネシウムとからなるシリカ系無機接着剤を挙げることができる。 【0051】また、主材としてブルーサイトを使用する場合、珪酸塩、燐酸塩、コロイダルシリカ、アルキルシリケート等を結合剤とし、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン、マグネシア、スピネル等の酸化物、炭化物、窒化物を骨材とし、金属、金属酸化物、金属水酸化物、ケイフッ化ナトリウム、燐酸塩、ホウ酸塩等を硬化材として使用する反応形無機接着剤を使用することができる。かかる反応形無機接着剤としては、例えば、アルカリ金属シリケート(珪酸アルカリ金属)系、酸性金属ホスフェート系、コロイダルシリカ系等の無機接着剤がある。 【0052】更に、不燃紙により形成した抗菌抗カビ性無機質構造材10,20に、更にケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム等の水ガラス組成物を含浸または被覆することもできる。こうすると、不燃紙の表面に水ガラスの硬化した被覆が形成され、抗菌抗カビ性無機質構造材10,20の物理的強度と耐水性、更に耐火性及び耐熱性をより高めることができる。なお、このときに使用する水ガラス組成物は、例えば、固形分で88重量%のケイ酸ナトリウムと、12重量%の酸化マグネシウム(硬化剤)とからなる変性水ガラス組成物として形成することができる。この場合、水ガラス組成物は、そのアルカリ性により抗菌抗カビ効果を発揮すると考えられることから、セピオライトによる抗菌抗カビ性及び水ガラス組成物による抗菌抗カビ性の相乗効果により、一層大きな抗菌抗カビ効果を発揮することができると考えられる。 【0053】一方、この場合、後述するように、セピオライト及び/またはブルーサイトの存在により抗菌抗カビ性を発揮すると考えられる抗菌抗カビ性無機質構造材10,20自体の抗菌抗カビ性を減殺しないよう、抗菌抗カビ性無機質構造材10,20への水ガラス組成物の含浸及び被覆の量並びに方法に留意する必要がある。 【0054】[作用及び効果]次に、上記のように構成された本実施の形態に係る抗菌抗カビ性無機質構造材10,20の作用及び効果を説明する。 【0055】まず、本実施の形態に係る抗菌抗カビ性無機質構造材10,20は、後述するように、それ自体で優れた抗菌抗カビ性を発揮する。即ち、抗菌抗カビ剤を添加しなくても、それ自体が高い抗菌抗カビ性を発揮する。抗菌抗カビ性無機質構造材10,20が抗菌抗カビ性を発現する理由は明らかではないが、細菌、カビ等の微生物の存在により、主成分としてのセピオライト等のマグネシウム化合物からマグネシウムイオン(Mg2+)が放出され、そのマグネシウムイオンが、微生物の細胞膜に到達及び吸着して、細胞膜の機能阻害、酵素阻害を起こし、エネルギー代謝を不能にして細胞内タンパク質の構造破壊を生じるためと考えられる(カチオンによる殺菌)。或いは、マグネシウム化合物が触媒として機能して活性酸素を生成し、この活性酸素が、オゾンや過酸化水素と同様に強力な抗菌抗カビ作用を発揮し、微生物のエネルギー代謝を不能にするためと考えることもできる(活性酸素による殺菌)。 【0056】また、本実施の形態の抗菌抗カビ性無機質構造材10,20は、無機物質であるセピオライト等のマグネシウム化合物を主成分とするため、高い不燃性または耐火性を実現することができる。即ち、通常の不燃性ハニカムコアまたは不燃性コルゲート材としての効果、例えば、耐火性、防火性等の不燃性、断熱性、軽量化、パネル剛性等を効果的に発揮する。 【0057】更に、本実施の形態の抗菌抗カビ性無機質構造材10,20は、無機物質であるセピオライトまたはブルーサイトを主成分とするため、高い不燃性または耐火性を実現することができる。更に、セピオライトまたはブルーサイトは、自然界に大量に存在するため、安定供給が可能であり、かつ、材料として安価である。また、抗菌抗カビ性無機質構造材10,20を、無機物質にもかかわらず適度な柔軟性を有するセピオライトから形成した場合、それ自身も適度な柔軟性を有し、多少の曲げまたは外力(衝撃)によって破壊されることがない。 【0058】加えて、本実施の形態に係る抗菌抗カビ性無機質構造材10,20は、ハニカム状またはコルゲート状に形成したため、より大きな抗菌抗カビ性を発揮し、特に、エアフィルタ等、空気との接触を前提とする製品に具体化したときに、より一層大きな抗菌抗カビ性を発揮する。 【0059】[用途]本実施の形態に係る抗菌抗カビ性無機質構造材10,20は、抗菌性及び抗カビ性が要求されるようとは無論のこと、抗菌性及び抗カビ性に加え、不燃性、断熱性が要求される建材または構造材等として好適に使用することができる。特に、不燃性及び断熱性並びに抗菌性及び抗カビ性が高いレベルで要求される場所、例えば、食品、半導体、パソコン、液晶、工作機械等の製造施設としてのクリーンルーム、船舶のドア等に好適に使用することができる。 【0060】 【実施例】本発明の抗菌抗カビ性無機質構造材を構成する不燃紙は、上述した材料を分散したスラリーから、一般に0.2〜0.5mm程度の厚さのシートとして、抄造によって形成することができる。その不燃紙を抄造するために使用するスラリーの種々の組成例を以下に実施例として示す。 【0061】[実施例1]実施例1では、セピオライトを主材として以下の組成のスラリーを調整し、このスラリーを抄造して不燃紙を製造した。 【0062】 【表1】
【0063】そして、この不燃紙を使用して、図1に示すハニカム構造を有する抗菌抗カビ性無機質構造材10を製造した。 【0064】(抗菌力試験)上記実施例1の組成のハニカム状の抗菌抗カビ性無機質構造材10を検体として、抗菌製品技術協議会試験法「抗菌製品の抗菌力評価試験法I(1998年度改定版)フィルム密着法」(以下、単に、フィルム密着法という)を参考にして抗菌力試験を行った。その試験結果を表2に示す。また、比較例として、従来のペーパハニカムを検体として同様の抗菌力試験を行った。その結果を表3に示す。 【0065】なお、対照としてはポリエチレンフィルムを使用し、菌液調製溶液としては、1/500NB培地(リン酸緩衝液で希釈)を使用した。また、試験菌のうち、大腸菌としては「Escherichia coli IFO 3972」を、黄色ブドウ球菌としては「Staphylococcus aureus IFO 12732」を使用した。 【0066】 【表2】抗菌力試験結果(本発明)−フィルム密着法参考 【0067】 【表3】抗菌力試験結果(比較例)−フィルム密着法参考 【0068】以上の試験結果から、実施例1の組成の抗菌抗カビ性無機質構造材10は、従来のペーパハニカムと比較して顕著に優れた抗菌力を有し、実用上十分な抗菌性を示すことが確認された。実施例1の組成の抗菌抗カビ性無機質構造材10は、特に、大腸菌に対する抗菌力に優れていることが確認された。なお、黄色ブドウ球菌についても、生菌数は接種直後の1/1000以下に減少しており、顕著な抗菌力を有することが確認された。 【0069】(カビ抵抗性試験)上記実施例1の組成の抗菌抗カビ性無機質構造材を検体として、カビ抵抗性試験を、JIS Z 2911:1992「カビ抵抗性試験方法」一般工業製品の試験により行った。その試験結果を表4に示す。また、比較例として、従来のペーパハニカムを検体として同様のカビ抵抗性試験を行った。その試験結果を表5に示す。なお、表6は試験結果の表示方法を示す。 【0070】なお、試験菌株としては「Aspergillus niger IFO 6341」、「Penicillium citrinum IFO 6352」、「Cladosporium cladosporioides IFO 6348」、「Chaetomium globosum IFO 6347」、「Rhizopus oryzae IFO 31005」を使用した。 【0071】また、混合胞子懸濁液の調製においては、ポテトデキストロース寒天培地(栄研器材株式会社製)で十分に形成させた各試験菌株の胞子を、それぞれ、0.005%スルホコハク酸ジオクチルナトリム溶液に加えて懸濁させた。この懸濁液から子実体・菌糸体を除去し、単一胞子懸濁液とした。次に、各単一胞子懸濁液を等量混合して混合胞子懸濁液とした。 【0072】更に、試験操作は、シャーレの中央に検体を置き、検体表面に混合胞子懸濁液を30mm×30mmに対して0.5mlの割合で噴霧して、今度28±2℃、相対湿度95%以上で28日間培養し、7日ごとに検体の表面に生じた菌糸の発育状態を肉眼で観察した。 【0073】 【表4】検体表面のカビ発育状態(本発明)−(肉眼観察)
【0074】 【表5】検体表面のカビ発育状態(比較例)−(肉眼観察)
【0075】 【表6】試験結果の表示方法 【0076】以上の試験結果から、実施例1の組成の抗菌抗カビ性無機質構造材10は、従来のペーパハニカムと比較して顕著に優れたカビ抵抗性を有し、実用上十分な抗カビ性を示すことが確認された。 【0077】[実施例2]実施例2では、ブルーサイトを主材として以下の組成のスラリーを調整し、このスラリーを抄造して不燃紙を製造した。また、実施例2では、平均粒径2.5μm(325メッシュ)の板状(偏平状)粒子からなるブルーサイト(フォートライトPC−1000 昭和鉱業(株)製)を使用した。この板状粒子からなるブルーサイト(以下、単に板状ブルーサイトという)は、中国遼寧省で産出されたブルーサイト原石をジェット粉砕機によって微細な粒子に粉砕したもので、次の化学分析値を有し、クリソタイル石綿を含有しないものである。 【0078】 【表7】化学分析値 【0079】実施例2では、上記ブルーサイトを主材として、以下の組成のスラリーを調製した。なお、ノニオン系であるポリエチレンオキシド(PEO)としては、0.5%水溶液を使用した。 【0080】 【表8】
【0081】実施例2の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0082】[実施例3]実施例3は、実施例2のスラリーからガラス繊維を省略して、実施例2と同様にしてスラリーを調製し、このスラリーを抄造して不燃紙を製造した。以下に、実施例3のスラリーの組成を示す。 【0083】 【表9】
【0084】実施例3の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0085】[実施例4]実施例4のスラリーは、実施例2の配合例のスラリーに、ポリビニルアルコール(PVA)の10%水溶液を0.5重量部更に加えたものである。ポリビニルアルコールは、主にその接着作用により、抄紙直後の紙層の強度を高める作用を有している。以下に、実施例4のスラリーの組成を示す。 【0086】 【表10】
【0087】実施例4の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0088】[実施例5]実施例5のスラリーは、実施例4の配合例のスラリーに、熱可塑性樹脂であるポリエステルの水性エマルジョン(20%)を0.5重量部更に加えたものである。ポリエステルは板状ブルーサイト等と共に抄紙され、その後の乾燥工程において融着することによって、得られる不燃性シートの紙力を増強する。以下に、実施例5のスラリーの組成を示す。 【0089】 【表11】
【0090】実施例5の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0091】[実施例6]実施例6のスラリーの組成を以下に示す。 【0092】 【表12】
【0093】表中、DMAEMはジメチルアミノエチルメタクリレート(以下同じ)、AAはアクリルアミドアクリル酸共重合体(以下同じ)であり、それぞれ強カチオン性ポリマー及び強アニオン性ポリマーとして使用した。これらの凝集剤は、液状の高分子ポリマーであって、配合比はいずれもポリマー純分即ち固形分の重量比を示す。 【0094】なお、一般に、「強カチオン性ポリマー」、「強アニオン性ポリマー」の厳密な定義はないが、本発明では、「強カチオン性ポリマー」とは、カチオンが3.5meq/g 以上のものを言うものとし、また、「強アニオン性ポリマー」とは、アニオン性高分子凝集剤の種類が限定されているので、一般的な用途からイオン性を判断して、水中でアニオンに解離する割合が20%以上即ち解離していない割合が80%以下のものを言うものとした。 【0095】実施例6においては、上記配合比の原材料に水を加えて0.5〜1.0%に稀釈し、これを抄紙濃度とした。 【0096】実施例6の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0097】[実施例7]実施例7のスラリーの組成を以下に示す。 【0098】 【表13】
【0099】実施例7の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌抗カビ性を示す。 【0100】[実施例8]実施例8のスラリーの組成を以下に示す。なお、配合重量は全て乾燥重量を示す。 【0101】 【表14】
【0102】第1バインダーは紙力を増加するため、熱可塑性樹脂である分子量80万〜100万のPAA(ポリアクリルアミド)を使用した。第2バインダーは凝集性、耐水性を付与するために、網目状の三次元構造を持った熱硬化性樹脂のEPA(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン)を使用し、第3バインダーはアニオン系の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としてAA(アクリルアミドアクリル酸共重合体)を、更に、第4バインダーはカチオン系の熱可塑性樹脂からなる凝集剤としてDMAEM(ジメチルアミノエチルメタクリレート)を使用した。 【0103】なお、実施例8のスラリー調製では、合成膨潤性雲母の層間にセピオライトを十分に吸着する必要があるため、実施例1〜7のスラリー調製とは若干異なる工程を必要とする。即ち、スラリーの調製においては、合成膨潤性雲母及びセピオライトを、別個の水中で完全に分散させた後、それらの分散水溶液を混合し、攪拌した。その後、上記実施例1〜7と同様、ガラス繊維等を混合液に投入し、攪拌すると共に、バインダーを添加して、凝集させ、フロックを形成した。ここで、バインダーは、PAA、EPA、AA及びDMAEMをこの記載順に添加した。スラリーの濃度は約0.5%に調製した。 【0104】ここで使用した合成膨潤性雲母は、MB吸着量が70〜80meq/100gであり、平均粒径は1〜5μm、鱗片の厚さは10オングストローム程度である。なお、合成膨潤性雲母の代わりに同様の特性を有する合成スメクタイトを使用することもできる。 【0105】実施例8の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0106】[実施例9]実施例9のスラリーの組成を以下に示す。 【0107】 【表15】
【0108】実施例9の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0109】[実施例10]実施例10では、不燃性シートよりは若干耐火性が低い難燃性シート製造用のスラリーを調製した。スラリーの組成は以下の通りである。なお、カチオン性のジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM)及びアニオン性のアクリルアミドアクリル酸共重合体(AA)としては、それぞれ、1%水溶液を使用した。 【0110】 【表16】
【0111】実施例10の組成のスラリーを抄造してなる難燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0112】[実施例11]実施例11では、実施例10と同様、難燃性シート製造用のスラリーを調製した。スラリーの組成は以下の通りである。 【0113】 【表17】
【0114】実施例11の組成のスラリーを抄造してなる難燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0115】[実施例12]実施例12では、抗菌抗カビ性無機質構造材として、パルプ紙の少なくとも一方の表面に、板状粒子からなるブルーサイト(板状ブルーサイト)の水性分散液を浸漬塗布し乾燥することによって被覆を形成した難燃紙を使用した。この水性分散液の組成を以下に示す。 【0116】なお、水性分散液の調製においては、板状ブルーサイト50重量部と、水50重量部と、更に、ポリビニルアルコール(PVA)の10%水溶液50重量部を撹拌機付き容器内に入れ、板状ブルーサイトが均一に分散されるように十分混合した。次いで、このようにして得られた板状ブルーサイトの濃厚分散液を、稀釈水400重量部を更に加えて稀釈し、パルプ紙を浸漬処理するための塗布液を作成した。 【0117】 【表18】
【0118】実施例12の組成の水性分散液を塗付して製造した難燃性シートからなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0119】[実施例13]実施例13では、実施例12の水性分散液に、更に、セピオライトを追加している。以下にその組成を示す。 【0120】 【表19】
【0121】実施例13の組成の水性分散液を塗付して製造した難燃性シートからなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0122】[実施例14]実施例14では、実施例12と同様の水性分散液の調製において、水ガラスをバインダとして使用している。即ち、板状ブルーサイト(平均粒径2.5μm)100重量部と水ガラス(ケイ酸ソーダJIS3号)とを混合撹拌し、48時間放置して水ガラスをゲル化させて高粘度の分散液を形成し、次いで、250重量部の水で稀釈した。以下にその組成を示す。 【0123】なお、実施例12と同様の被覆を形成するためのブルーサイトとしては、一般に、平均粒径0.5〜30μmのものを使用することができる。しかし、より緻密な被覆5を得るためには、比較的粒径が小さい方が好ましく、平均粒径が0.5〜7μm程度のものがより好ましい。 【0124】 【表20】
【0125】実施例14の組成の水性分散液を塗付して製造した難燃性シートからなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0126】[実施例15]実施例15では、実施例14と同様の水性分散液の調製において、バインダとして有機バインダ(ポリビニルアルコール(PVA)の10%水溶液)を使用している。以下にその組成を示す。 【0127】 【表21】
【0128】実施例15の組成の水性分散液を塗付して製造した難燃性シートからなる抗菌抗カビ性無機質構造材は、実施例1の組成のスラリーを抄造してなる不燃紙からなる抗菌抗カビ性無機質構造材と同様の優れた抗菌性及び抗カビ性を示す。 【0129】 【発明の効果】以上のように、請求項1〜4に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、マグネシウム化合物(マグネシウム鉱物、セピオライト、ブルーサイト)を主成分とするため、原料への抗菌抗カビ剤の添加等の特別な工程を要することなく顕著な抗菌抗カビ性を発揮することができる。 【0130】請求項5に係る抗菌抗カビ性無機質構造材は、上記抗菌抗カビ性無機質構造材をハニカム状またはコルゲート状に形成したため、より大きな抗菌抗カビ性を発揮し、特に、エアフィルタ等、空気との接触を前提とする製品に具体化したときに、より一層大きな抗菌抗カビ性を発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390034599 【氏名又は名称】株式会社常盤電機
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| 【出願日】 |
平成12年12月7日(2000.12.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089738 【弁理士】 【氏名又は名称】樋口 武尚
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| 【公開番号】 |
特開2002−173404(P2002−173404A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月21日(2002.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−372214(P2000−372214) |
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