| 【発明の名称】 |
ホルクロルフェニュロン水溶性粒剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】門馬 恒視
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| 【要約】 |
【課題】水中溶解性および造粒加工性に優れたホルクロルフェニュロンの水溶性粒剤を提供すること。
【解決手段】水溶性増量剤としてソルビトールを用いることにより、水中溶解性および造粒加工性に優れたホルクロルフェニュロンの水溶性粒剤が提供される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ホルクロルフェニュロンと、ソルビトールとを含有する水溶性粒剤。 【請求項2】さらに溶剤を含有する請求項1記載の水溶性粒剤。 【請求項3】さらに界面活性剤を含有する請求項1または2記載の水溶性粒剤。 【請求項4】溶剤が高極性有機溶剤である請求項2記載の水溶性粒剤。 【請求項5】高極性有機溶剤がN−メチルピロリドンである請求項4記載の水溶性粒剤。 【請求項6】界面活性剤が非イオン界面活性剤である請求項3記載の水溶性粒剤。 【請求項7】非イオン界面活性剤のHLBが13以上である請求項6記載の水溶性粒剤。 【請求項8】ホルクロルフェニュロンに対し少なくとも7倍量のソルビトールを含有する請求項1乃至7のいずれかに記載の水溶性粒剤。 【請求項9】ホルクロルフェニュロンに対し7倍量〜200倍量のソルビトールを含有する請求項8記載の水溶性粒剤。 【請求項10】ホルクロルフェニュロンと、ソルビトールとを含有する植物成長調整剤。 【請求項11】さらに溶剤を含有する請求項10記載の植物成長調整剤。 【請求項12】さらに界面活性剤を含有する請求項10または11記載の植物成長調整剤。 【請求項13】溶剤が高極性有機溶剤である請求項11記載の植物成長調整剤。 【請求項14】高極性有機溶剤がN−メチルピロリドンである請求項13記載の植物成長調整剤。 【請求項15】界面活性剤が非イオン界面活性剤である請求項12記載の植物成長調整剤。 【請求項16】非イオン界面活性剤のHLBが13以上である請求項15記載の植物成長調整剤。 【請求項17】ホルクロルフェニュロンに対し少なくとも7倍量のソルビトールを含有する請求項10乃至17のいずれかに記載の植物成長調整剤。 【請求項18】ホルクロルフェニュロンに対し7倍量〜200倍量のソルビトールを含有する請求項17記載の植物成長調整剤。 【請求項19】(a)主剤であるホルクロルフェニュロンを溶剤に加え溶解する工程と、(b)溶解した主剤に界面活性剤を添加して混合する工程と、(c)工程(b)で得られた混合液にソルビトールを添加して主剤を均一に分散させる工程と、(d)工程(c)で得られた混和物を造粒機へ投入し粒剤を形成する工程と、(e)工程(d)で得られた粒剤を乾燥する工程と、を含むホルクロルフェニュロン水溶性粒剤の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ホルクロルフェニュロンを含有する水溶性粒剤及びその製造方法に関するものである。また、本発明は植物成長調整剤に関する。 【0002】 【従来の技術】ホルクロルフェニュロンは、既知の化合物であり例えば特公昭57−16104号公報に記載されている。ホルクロルフェニュロンは、強いサイトカイニン様活性を有し、ブドウ、キウイフルーツ、ナシ、メロン等の植物成長調整剤として年々使用量が増加している。ホルクロルフェニュロンの化学名は、1−(2−クロロ−4−ピリジル)−3−フェニル尿素である。その融点は171℃、外観は白色の結晶性の粉末である。また、その溶解性は、水に難溶、メタノール、エタノール、アセトンに易溶である。ホルクロルフェニュロンは、水に難溶であることから有機溶剤に溶解した液剤として使用されており、溶剤の引火性や毒性、容器がガラス瓶であるため、輸送や使用後の処理を安全でより簡便に処理できるよう、脱有機溶剤化の観点から、水溶性粒剤の開発が急がれていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に水溶性粒剤は、水溶性の成分を水溶性増量剤で希釈したものであり、水に溶解、希釈した溶液として使用する。しかし、ホルクロルフェニュロンは水に難溶であることから、水溶性増量剤で希釈し、界面活性剤を添加しても懸濁液となり、水溶性粒剤の様な透明な分散安定液を得ることは出来なかった。また、ホルクロルフェニュロンを5マイクロメーター以下に微粉砕した場合も同様に懸濁液となる。従って、ホルクロルフェニュロンを有効成分とする水溶性粒剤を製造することは困難であった。 【0004】また、水溶性粒剤に使用される水溶性増量剤として、糖類、無機塩類等が挙げられるが、バインダー及び活性剤を添加しないと加工性が悪く、実生産に対応できず、バインダーを添加して粒子を硬くすると溶解速度が遅くなる傾向があり溶解性が悪かった。本発明は、水中溶解性および造粒加工性に優れたホルクロルフェニュロンの水溶性粒剤および植物成長調整剤を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究した結果水溶性増量剤にソルビトールを使用した場合にホルクロルフェニュロンの溶解性が著しく向上することを見いだした。さらに、水溶性増量剤にソルビトールを使用し、少量の溶剤と界面活性剤の組み合わせを使用することにより、溶解性が良くかつ溶解透明に分散した水溶液が安定して得られるホルクロルフェニュロン水溶性粒剤の製造方法を完成した。特には、主剤を溶剤に溶解し、界面活性剤を加え均一に混合したものに、適量の加水したソルビトールを添加し予備練合することにより、造粒成形に必要な粘結性を確保することを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明は以下の(1)〜(19)に関する。 (1)ホルクロルフェニュロンと、ソルビトールとを含有する水溶性粒剤。 (2)さらに溶剤を含有する(1)記載の水溶性粒剤。 (3)さらに界面活性剤を含有する(1)または(2)記載の水溶性粒剤。 (4)溶剤が高極性有機溶剤である(2)記載の水溶性粒剤。 (5)高極性有機溶剤がN−メチルピロリドンである(4)記載の水溶性粒剤。 (6)界面活性剤が非イオン界面活性剤である(3)記載の水溶性粒剤。 (7)非イオン界面活性剤のHLBが13以上である(6)記載の水溶性粒剤。 (8)ホルクロルフェニュロンに対し少なくとも7倍量のソルビトールを含有する(1)乃至(7)のいずれかに記載の水溶性粒剤。 (9)ホルクロルフェニュロンに対し7倍量〜200倍量のソルビトールを含有する(8)記載の水溶性粒剤。 (10)ホルクロルフェニュロンと、ソルビトールとを含有する植物成長調整剤。 (11)さらに溶剤を含有する(10)記載の植物成長調整剤。 (12)さらに界面活性剤を含有する(11)記載の植物成長調整剤。 (13)溶剤が高極性有機溶剤である(11)記載の植物成長調整剤。 (14)高極性有機溶剤がN−メチルピロリドンである(13)記載の植物成長調整剤。 (15)界面活性剤が非イオン界面活性剤である(12)記載の植物成長調整剤。 (16)非イオン界面活性剤のHLBが13以上である(15)記載の植物成長調整剤。 (17)ホルクロルフェニュロンに対し少なくとも7倍量のソルビトールを含有する(10)乃至(17)のいずれかに記載の植物成長調整剤。 (18)ホルクロルフェニュロンに対し7倍量〜200倍量のソルビトールを含有する(17)記載の植物成長調整剤。 (19)(a)主剤であるホルクロルフェニュロンを溶剤に加え溶解する工程と、(b)溶解した主剤に界面活性剤を添加して混合する工程と、(c)工程(b)で得られた混合液にソルビトールを添加して主剤を均一に分散させる工程と、(d)工程(c)で得られた混和物を造粒機へ投入し粒剤を形成する工程と、(e)工程(d)で得られた粒剤を乾燥する工程と、を含むホルクロルフェニュロン水溶性粒剤の製造方法。 【0007】本発明のホルクロルフェニュロン水溶性粒剤は、主剤であるホルクロルフェニュロン及び水溶性増量剤としてソルビトールを成分として含有するが、さらに溶剤、界面活性剤を含んでいてもよい。主剤であるホルクロルフェニュロンの粒径は特に制限はないが、通常50μm以下であり、溶剤への溶解性を考慮すると、5μm以下が好ましい。水溶性増量剤であるソルビトールの粒径は特に制限はないが、通常数10μm程度の微粉品を用いることができる。 【0008】溶剤としては、ホルクロルフェニュロンに対して溶解性の高い高極性有機溶剤が好ましく、例えばメタノール、エタノール、アセトン、N-メチルピロリドン等のアルキルピロリドン等が使用できるが、特にはN-メチルピロリドンが好ましい。更に、主剤が水溶液中で析出することを防ぐため、主剤の溶解後にさらにハイゾールSAS-296等の有機溶剤を添加してもよい。 【0009】界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等いずれでも使用できるが、主剤の安定性を考慮すると非イオン界面活性剤が好ましく、HLB(Hydrophile Lipophile Balance)が13以上の高いものが特に好ましい。次に、本発明の水溶性粒剤の製造方法について例示する。主剤であるホルクロルフェニュロンを溶剤に加え溶解する。この溶解工程では、主剤であるホルクロルフェニュロンは、好ましくは3〜20倍量(重量比)、さらに好ましくは5〜10倍量の1種または2種以上の溶剤に溶解する。次に溶剤に溶解した主剤に界面活性剤を添加して混合する。この混合工程では、界面活性剤を主剤に対して好ましくは2〜20倍量、さらに好ましくは4〜10倍量混合する。得られた混合液にソルビトールを添加して主剤を均一に分散させる。この分散工程では、前述の混合溶液を好ましくは7〜200倍量、さらに好ましくは50〜200倍量、特には70〜100倍量のソルビトールへ添加し、主剤が均一になる様に十分分散させる。反応は4〜40℃、好ましくは15〜25℃で行う。上記製造方法の好ましい濃度範囲から得られる水溶性粒剤中の各成分濃度(重量%)は、ホルクロルフェニュロン0.001〜1.042%、溶剤0.018〜3.968%、界面活性剤0.332〜11.905%、ソルビトール87.500〜99.502%である。 【0010】上記混和物を造粒機へ投入し粒剤を形成する。この形成工程では、造粒に使用するダイスは1.0mmΦ以下が好ましく、溶解速度の観点から0.7mmΦ以下が特に好ましい。本発明の製造方法で用いられる造粒機としては、種々の造粒機を使用することができるが、その中でも、押出し造粒機を使用することが好ましい。押出し造粒機としてはスクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成形型、ラム型等が挙げられるが、水中での溶解性及び造粒性を考慮すると、スクリュー型およびブレード型が好ましく、特にスクリュー型が好ましい。 【0011】本発明の水溶性粒剤は有効成分としてホルクロルフェニュロンを含有するため植物成長調整剤として用いることができる。 【0012】 【実施例】以下に、実施例に基づき、本発明を更に説明する。以下の実施例において、造粒加工性、及び水中溶解性を測定することにより本発明の水溶性粒剤の粒子特性を比較した。水中溶解性の測定は、250ml容メスシリンダーに蒸留水を250ml入れ、試料2gを投入して蓋をし、メスシリンダーを転倒させ、試料が溶解するまでの転倒回数を測定することにより行った。 【0013】実施例1表1に示すような配合で試料を作成して比較した。試料は、以下に示す方法で作成した。ホルクロルフェニュロン(協和醗酵工業社製)0.5gをN-メチルピロリドン(ISP Technologies, Inc.社製)4.5gに溶解し、日石ハイゾールSAS-296(日石化学社製)を1.0g添加し良く混合した。界面活性剤レオドールTW-O120(花王社製)(HLB15)4.0gを混合した後、水を適宜添加した。次に、試料1では水溶性増量剤であるソルビトール(日研化学社製)490gに前述の混合溶液を添加し、十分に混合させた。試料2では、水溶性増量剤であるトレハロース(林原生物化学研究所製)390gとバインダーとしてメチルセルロース(信越化学工業社製)100gを予め混合し、これに前述の混合溶液を添加し、十分に混合させた。試料3では、水溶性増量剤として水溶性デキストリン(松谷化学工業社製)390gとバインダーとしてメチルセルロース100gを予め混合し、これに前述の混合溶液を添加し、十分に混合させた。試料4では、水溶性デキストリン390gとバインダーとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)(日本製紙社製)100gを予め混合し、これに前述の混合溶液を添加し、十分に混合させた。試料5では、水溶性増量剤としてα化デンプン(松谷化学工業社製)98gとトレハロース392gとを予め混合し、これに前述の混合溶液を添加し、十分に混合させた。試料6では、水溶性増量剤としてソルビトール25gとトレハロース365gと、バインダーとしてメチルセルロース100gをを予め混合し、これに前述の混合溶液を添加し、十分に混合させた。このように各試料毎に調製した混合物を、0.7mmΦのダイス備えたスクリュー造粒機(ペレッターダブルEXD-60、(株)ダルトン社製)へそれぞれ投入し、粒状へ成形した後、70℃で乾燥し、試料1〜6とした。得られた試料の造粒加工性と水中溶解性を表2に示す。 【0014】 【表1】
【0015】 【表2】
【0016】表2に示した各試料の造粒加工性及び水中溶解性の結果から、試料1が加工性に優れ水中溶解速度が速いことが分かった。分散液も透明であった。水溶性増量剤にトレハロースを使用した試料2は、造粒は出来るものの、水中溶解性が悪かった。また、水溶性増量剤に水溶性デキストリンを使用した試料3および4では、混和物が造粒機中で固化して造粒が出来ず、試料を得ることが出来なかった。 【0017】 【発明の効果】本発明によれば、ホルクロルフェニュロンと、ソルビトールとを含有する水溶性粒剤を提供することができる。本発明のホルクロルフェニュロン水溶性粒剤は、水に容易に溶解し、透明な溶液を形成することから、溶剤を使用することにより発生する、引火性や毒性、容器であるガラス瓶の取り扱い及び廃容器処理の問題を解決するものである。また、粒剤の硬度が高いため、粉化が起こり難く、取り扱う上で発塵の問題が少ない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001029 【氏名又は名称】協和醗酵工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月5日(2000.12.5) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−173403(P2002−173403A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月21日(2002.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−370225(P2000−370225) |
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