| 【発明の名称】 |
コンタクトレンズ用液剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】長尾 昌浩
【氏名】赤松 成美
【氏名】大原 智子
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| 【要約】 |
【課題】殺菌作用(消毒作用)、目に対する安全性に優れ、コンタクトレンズの消毒、保存、すすぎなどに好適に用いることができるコンタクトレンズ用液剤を提供する。
【解決手段】下記の一般式(I):【化1】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の一般式(I):【化1】
で示されるヘキサメチレンビグアニド誘導体とアニオン性基含有水溶性高分子を含む水溶液からなるコンタクトレンズ用液剤であって;該水溶液中におけるヘキサメチレンビグアニドの含有量が5〜500ppm、ヘキサメチレンビグアニド誘導体のカチオン性基の化学当量に対するアニオン性基含有水溶性高分子のアニオン性基の化学当量の比が500以下であり、かつアニオン性基含有水溶性高分子のアニオン性基含有量が2×10-3当量/g以下であるコンタクトレンズ用液剤。 【請求項2】 金属イオン封鎖剤および緩衝剤を含む請求項1記載のコンタクトレンズ用液剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ用液剤に関する。本発明のコンタクトレンズ用液剤は、殺菌作用(消毒作用)および眼に対する安全性に優れることから、コンタクトレンズの消毒、保存、すすぎなどに好適に用いられる。 【0002】 【従来の技術】現在、コンタクトレンズとしては、装用感に優れた含水性ソフトコンタクトレンズ、高酸素透過性を有するハードコンタクトレンズなどが一般に広く用いられている。これらのコンタクトレンズは、いずれも装用後に洗浄などの手入れを必要とし、特に含水性ソフトコンタクトレンズは、細菌、真菌等の微生物による汚染を防ぐために消毒処理を必要とする。 【0003】含水性ソフトコンタクトレンズを消毒する方法としては、コンタクトレンズをコンタクトレンズ用処理液中で煮沸する加熱消毒方法と、過酸化水素や殺菌消毒剤で消毒する、コールド消毒法と呼ばれる非加熱消毒方法とがある。しかしながら、これらの方法は、いずれもその操作および取扱いが煩雑であり、特に非加熱消毒方法において過酸化水素を用いた場合には、中和処理を施す必要があり、その操作が煩雑となる。また殺菌消毒剤を用いた場合には、殺菌消毒剤がコンタクトレンズ内に浸透し、角膜の損傷、粘膜刺激等の眼障害、アレルギーなどを引き起こすことがある。 【0004】殺菌消毒剤のコンタクトレンズ内への浸透を防ぎ、殺菌消毒剤を用いた場合の上記の問題点を解決するために、殺菌消毒剤としてビグアニド誘導体を用いたコンタクトレンズ消毒保存用溶液が提案され(特開昭49−18043号公報、特公平6−49642号および特許2554237号)、普及しつつある。一般に、殺菌消毒剤の濃度が高濃度になるとともに殺菌消毒特性は向上するが、コンタクトレンズ用消毒剤においてはコンタクトレンズに殺菌消毒剤が浸透または吸着することによって、角膜や粘膜に刺激や損傷を与えることがある。前記の特開昭49−18043号公報に記載された発明では十分な殺菌消毒作用を得るためビグアニド誘導体を高濃度で使用しており、この方法では目に対する安全性が不十分である。これに対して特公平6−49642号および特許2554237号の技術は特殊な緩衝剤や界面活性剤の組み合わせにより、ビグアニド誘導体からなる抗菌剤を低濃度で用いることによって目に対する安全性を確保しようとしているが、この方法では抗菌剤が低濃度であるがゆえに殺菌作用が不十分になることがあり、また目に対する安全性も十分確保されていない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目的は、殺菌作用(消毒作用)、目に対する安全性に優れ、コンタクトレンズの消毒、保存、すすぎなどに好適に用いることができるコンタクトレンズ用液剤を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の目的は、下記の一般式(I):【化2】
で示されるヘキサメチレンビグアニド誘導体[以下、これをヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)ということがある]とアニオン性基含有水溶性高分子を含む水溶液からなるコンタクトレンズ用液剤であって;該水溶液中におけるヘキサメチレンビグアニドの含有量が5〜500ppm、ヘキサメチレンビグアニド誘導体のカチオン性基の化学当量(以下、これをカチオン当量ということがある)に対するアニオン性基含有水溶性高分子のアニオン性基の化学当量(以下、これをアニオン当量ということがある)の比が500以下であり、かつアニオン性基含有水溶性高分子のアニオン性基含有量が2×10-3当量/g以下であるコンタクトレンズ用液剤を提供することによって達成される。 【0007】 【発明の実施の形態】上記の一般式(I)において、XおよびYはそれぞれ式:−(CH2)3NH2で示される基または式:−(CH2)3NHC(=NH)NHCNで示される基を表し、XおよびYの両方が式:−(CH2)3NH2で示される基または式:−(CH2)3NHC(=NH)NHCNで示される基を表しても、XおよびYの一方が式:−(CH2)3NH2で示される基を表し、他方が式:−(CH2)3NHC(=NH)NHCNで示される基を表してもよい。 【0008】ヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)としては、ヘキサメチレンビグアニドおよびヘキサメチレンビグアニドのポリマーが含まれ、これらは塩酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の塩であってもよい。ヘキサメチレンビグアニド誘導体の重合度を表すnは1〜500の範囲内であり、ヘキサメチレンビグアニド誘導体のコンタクトレンズ内部への浸透や蓄積を防ぐ観点および充分な殺菌性能を得る観点から、nは2〜300の範囲内であるのが好ましく、4〜200の範囲内であるのがより好ましい。nが500を超えると殺菌性能が低下する。ヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)としては、例えば、「Arlagard E」、「Cosmocil CQ」、「ProxelIB」、「Vantocil IB」[以上、ゼネカ(株)製、商品名]、「Mikrokill」、「Mikrokill 20」[以上、ブルックス(Brooks)社製、商品名]などとして市販されているものを用いることができる。 【0009】本発明におけるヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)の含有量は、5〜500ppmの範囲内であり、5〜50ppmの範囲内が好ましく、5〜20ppmの範囲内がより好ましい。ヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)の含有量が5ppm未満の場合には、コンタクトレンズ用液剤の殺菌作用、静菌作用が低下し、500ppmを超える場合には、目に対する安全性が低下する。 【0010】本発明のコンタクトレンズ用液剤においては、アニオン性基含有水溶性高分子を含むことにより、該液剤で処理されたコンタクトレンズの目に対する安全性が向上する。該アニオン性基含有水溶性高分子は、(メタ)アクリル酸系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(メタ)アクリルアミド系重合体、ビニル系重合体等のエチレン性不飽和結合を含有する単量体の重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体等の縮重合体、セルロース系高分子、でんぷん等の多糖類などの高分子にアニオン性基を導入することにより得られる。アニオン性基としては、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、これらの塩などが挙げられる。アニオン性基が導入される高分子としては、アニオン性基の導入の容易さ、安全性の観点から、エチレン性不飽和結合を含有する単量体の重合体が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ビニル系重合体がより好ましい。 【0011】アニオン性基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、アクリル酸エステル重合体の加水分解物、(メタ)アクリル酸エステル単量体とアニオン性基を有する単量体またはその前駆体との共重合体およびこれらの加水分解物が好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アルキル(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(アルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの中から重合体が水溶性となるように単量体を選択するのが好ましい。アニオン性基を有する単量体またはその前駆体としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸の酸無水物、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、これらの塩またはエステル、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体、これらの塩が好ましい。 【0012】アニオン性基含有ビニル系重合体としては、酢酸ビニル、蟻酸ビニル等のビニルエステル、ビニルピロリドン、ビニルアセトアミド、メチルビニルエーテルまたはメチルビニルケトンとアニオン性基を有する単量体またはその前駆体との共重合体およびその加水分解物(またはケン化物)が挙げられ、アニオン性基を有する単量体としては、アニオン性基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の場合と同様のものが好ましい。なかでも上記のビニルエステルとアニオン性基を有する単量体またはその前駆体との共重合体のケン化物であるポリビニルアルコール系重合体が水溶性および安全性の観点から好ましい。ポリビニルアルコール系重合体においては、ケン化度が水溶性に大きく影響するため、ケン化度は50モル%以上であるのが好ましく、70モル%以上がより好ましい。 【0013】また、本発明に使用する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ビニルエステル系重合体およびそのケン化物にはアニオン性基を有する単量体以外の単量体が共重合されていてもよい。 【0014】本発明に用いるアニオン性基含有水溶性高分子中のアニオン性基の含有量は2×10-3当量/g以下である。アニオン性基の含有量が2×10-3当量/gを越えると殺菌性能が低下する。また、アニオン性基の含有量が少なすぎると、毒性の抑制効果が低下するため、アニオン性基の含有量としては、1×10-7〜2×10-3当量/gの範囲内であるのが好ましく、1×10-6〜1×10-3当量/gの範囲内がより好ましく、1×10-5〜5×10-4当量/gの範囲内がさらに好ましい。 【0015】アニオン性基含有水溶性高分子の分子量は特に制限されないが、分子量が小さすぎると抗菌剤の毒性抑制効果が低下し、分子量が高すぎると水溶液の調製が困難になるなどの製造上の問題が生じることがあり、またコンタクトレンズ用液剤の粘度が高くなり取り扱いにくくなるなどの使用上の問題が生じることから、アニオン性基含有水溶性高分子の分子量としては、1000以上であるのが好ましく、1000〜1000000の範囲内がより好ましく、5000〜1000000の範囲内がさらに好ましく、10000〜1000000の範囲内がさらに好ましい。 【0016】本発明のコンタクトレンズ用液剤において、下記の式(II):【数1】
で示されるヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)のカチオン当量に対するアニオン性基含有水溶性高分子のアニオン当量の比(以下、これを化学当量比ということがある)は500以下であり、100以下であるのが好ましい。化学当量比が500を越えると、殺菌性能が低下する。化学当量比の下限は特に制限されないが、化学当量比が小さすぎると、安全性が低下するため、0.01以上であるのが好ましく、1以上がより好ましい。 【0017】本発明のコンタクトレンズ用液剤中におけるアニオン性基含有水溶性高分子の含有量は上記の化学当量比の範囲内で設定されるが、アニオン性基含有水溶性高分子が過剰に存在すると液剤の殺菌力が低下することがあるため、その含有量は10重量%以下であるのが好ましく、5重量%以下がより好ましい。 【0018】本発明のコンタクトレンズ用液剤は、涙液中の多価金属イオンをキレート化するために、金属イオン封鎖剤を含有するのが好ましい。コンタクトレンズの装用時に涙液中のカルシウムイオンなどの多価金属イオンがコンタクトレンズに沈着し、汚れの原因となる。沈着した多価金属イオンがコンタクトレンズ用液剤に含有された金属イオン封鎖剤により取り除かれて、コンタクトレンズが清浄に保たれる。金属イオン封鎖剤としては、眼科的に許容される化合物であれば特に制限はなく、例えばエチレンジアミン四酢酸、クエン酸、酒石酸等の多価カルボン酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩等の塩などを挙げることができる。中でも、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、酒石酸等の多価カルボン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。 【0019】本発明のコンタクトレンズ用液剤のpHは、目に対する安全性の観点から、6.0〜8.0の範囲内に調整されているのが好ましく、6.5〜7.5の範囲内に調整されているのがより好ましい。コンタクトレンズ用液剤のpHを上記の範囲内に保つためには、一般に、少なくとも1種の緩衝剤が添加されるが、その緩衝剤としては、特に制限はなく、従来から公知のものの中から適宜選択される。緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、トリス緩衝剤[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤]、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤等が挙げられる。これらの中でも目に対する刺激が低いことおよびコンタクトレンズへの影響が少ないことからリン酸緩衝剤が好ましい。リン酸緩衝剤としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが、一般に広く用いられており、入手が容易であるので、本発明において好適に使用される。 【0020】所定量の上記したヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)およびアニオン性基含有水溶性高分子、必要に応じて金属イオン封鎖剤および緩衝剤を滅菌精製水に溶解させることにより、本発明のコンタクトレンズ用液剤が得られる。その際に、等張化剤を配合し、コンタクトレンズ用液剤の浸透圧を涙液と同じ程度の浸透圧にしておくのが好ましい。等張化剤としては、眼科的に許容できる化合物であれば特に制限はなく、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機塩類;グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類、これらグリコール類の平均分子量1000以下の重合体などの非イオン性有機化合物およびこれらを組み合わせたものが好ましく用いられる。また、本発明のコンタクトレンズ用液剤には本発明の効果を損なわない範囲で洗浄効果等を付与するため界面活性剤を添加してもよい。得られたコンタクトレンズ用液剤は澄明であり、さらに必要に応じて無菌濾過などを行なうことができる。 【0021】このようにして得られるコンタクトレンズ用液剤中に、コンタクトレンズを浸漬することにより、コンタクトレンズを消毒および保存することができる。また本発明のコンタクトレンズ用液剤を用いて、すすぎ洗い、手指によるこすり洗いなどをすることにより、該コンタクトレンズのすすぎ、洗浄および消毒を行なうことができる。 【0022】 【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0023】[殺菌力の評価方法]ISO/DIS 14729にしたがい、コンタクトレンズ用液剤について、黄色ブドウ球菌に対する殺菌力(消毒効果)を、生菌数の対数減少により評価した。以下にその方法を示す。 A.使用した試験微生物および培地:以下に示す微生物と培地を用いて試験した。 1)微生物:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC6538) 2)試験培地:DPBST(0.05%w/vのポリソルベート80を添加したダルベッコ・リン酸緩衝生理食塩液(宝酒造製))を微生物の希釈剤として、またSCDLP培地(日本製薬株式会社製)を殺菌成分の中和剤、SCDLP寒天培地(日本製薬株式会社製)を増殖用培地として用いた。 B.試験手順以下の手順で殺菌効果を生菌の対数減少として計測した。 1)コンタクトレンズ用液剤10mlを入れた試験管に微生物数が1.0×105〜1.0×106cfu/mlとなるように微生物(黄色ブドウ球菌)のDPBST懸濁液を添加し、充分に混和して微生物を分散させた。 2)前記の微生物を添加したコンタクトレンズ用液剤を20〜25℃で4時間保存した後、この中から溶液1mlを分取し、SCDLP培地を用いて106倍まで連続的に10倍希釈を行った。 3)SCDLP寒天培地プレート上にSCDLP培地で希釈した前記溶液を平板混釈法で展開し、30〜35℃で2〜4日間インキュベートした後、コロニー数を計測し、微生物数の対数減少を算出した。 【0024】[コンタクトレンズ用液剤で処理したレンズの目に対する安全性]目に対する安全性を評価するため、感度の高い代替評価法として細胞毒性試験による評価法を実施した。含水率38%のポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)を主成分とするコンタクトレンズ材料をコンタクトレンズ用液剤に4時間以上浸漬した後、該液剤を交換し再び4時間以上浸漬した。この操作を30回繰り返した。30回浸漬処理したコンタクトレンズ材料を用いて、「医療用具および医用材料の基礎的な生物学的試験のガイドライン1995解説」(株式会社薬事日報社発行、厚生省薬務局医療機器開発課監修)の「細胞毒性試験−医療用具又は材料と細胞との直接接触法による試験−」にしたがい、コロニーの形成率を観察した。以下にその方法を示す。 A.試験に使用した細胞株および培地細胞株としてV79(チャイニーズハムスター肺由来)、培地としてME10を使用した。 B.試験方法1)生理食塩液で膨潤した直径16mm、厚み0.5mmのPHEMAからなる含水率38%のコンタクトレンズ用材料をコンタクトレンズ用液剤3mlに4時間以上静置・浸漬した後、液剤を新しい液剤と入れ替え、4時間以上静置・浸漬した。この操作を浸漬回数が30回となるまで繰り返し行ったものを試験用試料とした。 2)30回浸漬処理した前記コンタクトレンズ用材料を12穴プレートに入れ、細胞数が40〜50cellとなるように細胞株のME10培地液を入れた。 3)プレートを37℃の炭酸ガス培養器内に入れ、7日間静置して培養した。培養終了後、培地を捨て、平衡塩類溶液で洗った後、固定液(メタール)で細胞を固定した。 4)ギムザ染色液でコロニーを染色し、コロニー数を計測した。培養用プレートに直接細胞をまいた時に形成したコロニー数をコントロールとし、これを100%とした時の各コンタクトレンズ材料のコロニー数の割合(%)をコロニー形成率とした。 【0025】実施例1〜3および比較例1〜5下記の表1に示した組成のコンタクトレンズ用液剤を調製し、殺菌力および安全性を評価した。結果を表1を示す。使用した高分子の詳細を表2に示す。 【0026】 【表1】
【0027】 【表2】
【0028】上記の表1から、実施例1〜3の本発明のコンタクトレンズ用液剤は、抗菌剤としてポリヘキサメチレンビグアニド・塩酸塩を5〜10ppm含有するが、細胞毒性試験におけるコロニー形成率が高く、安全性に優れ、また十分な殺菌力を有することがわかる。これに対して、ポリヘキサメチレンビグアニド・塩酸塩を1ppm含有し、水溶性高分子を含まない比較例1の液剤は、細胞毒性試験におけるコロニー形成率が低く、毒性が高く、殺菌力も低い。また、ポリヘキサメチレンビグアニド・塩酸塩を5〜10ppm含有し、水溶性高分子を含有しない比較例2および3の液剤は、殺菌力は高いが、細胞毒性試験におけるコロニー形成率が低く、毒性が高いことがわかる。さらに、アニオン性基含有水溶性高分子を含有するがアニオン性基の化学当量比が500を超える比較例4および5の液剤は、殺菌力が低く、過剰なアニオン性基によりポリヘキサメチレンビグアニド・塩酸塩の殺菌力が失われていることがわかる。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば、殺菌作用(消毒作用)および目に対する安全性に優れ、コンタクトレンズの消毒、保存、すすぎなどに好適に用いることができるコンタクトレンズ用液剤が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001085 【氏名又は名称】株式会社クラレ
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| 【出願日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−128615(P2002−128615A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月9日(2002.5.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−320813(P2000−320813) |
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