| 【発明の名称】 |
防藻剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】八木 稔
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| 【要約】 |
【課題】有効成分が水溶性の非塩素系化合物であって、環境や人体に悪影響を及ぼすおそれがなく、水系において藻類の発生を効果的に防止することができる防藻剤を提供する。
【解決手段】マレイミドを有効成分として含有することを特徴とする防藻剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】マレイミドを有効成分として含有することを特徴とする防藻剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、防藻剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、有効成分が非塩素系化合物であって、環境や人体に悪影響を及ぼすおそれがなく、水系において藻類の発生を効果的に防止することができる防藻剤に関する。 【0002】 【従来の技術】冷却水系、河川、下水処理場、噴水、建築物の外壁など、太陽光があたり、大気と接する水系においては、緑藻、藍藻、珪藻などの藻類が発生し、さまざまなトラブルを発生させることがある。例えば、冷却水系において発生した藻類は、水中の微量の栄養源と空気中の二酸化炭素を利用して炭酸同化を行い、増殖し、冷却塔の充填材や散水板を覆うまでに至る。これにより、冷却塔の冷却効率が低下し、また散水板が閉塞するなどして、冷却塔が機能できない状態に至る。さらに、藻類の生育によって発生した代謝物が水系に放出され、これらが冷却水中のBOD源を増加させることにより、微生物の増殖によるスライムトラブルをも引き起こす。これらの藻類の発生を防止するために、種々の防藻剤が使用されている。代表的な防藻剤としては、シマジン、アトラジン、シメトリン、アメトリンなどのトリアジン系防藻剤と、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系防藻剤が使用されている(「農薬の生理作用」、171ページ,南江堂、1978年)。しかし、これらの防藻剤は、塩素系化合物や、トリアジン系化合物であるがために、その毒性や発ガン性が指摘され、人体や環境への影響が懸念されるようになっている。また、これらの防藻剤は、水に対する溶解性が悪いために、薬品の製剤化の際に多量の有機溶媒を使用する場合があり、この点からも問題視されている。このような背景から、これらの防藻剤に替わる、環境及び人体に対する悪影響がなく、水溶性であり、しかも藻類の発生を効果的に防止することができる防藻剤が強く求められていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、有効成分が水溶性の非塩素系化合物であって、環境や人体に悪影響を及ぼすおそれがなく、水系において藻類の発生を効果的に防止することができる防藻剤を提供することを目的としてなされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、マレイミドが水に易溶性であり、環境や人体に悪影響を及ぼすおそれのない化合物でありながら、優れた防藻効果を発揮することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、マレイミドを有効成分として含有することを特徴とする防藻剤を提供するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の防藻剤は、マレイミドを有効成分として含有する。本発明に用いるマレイミドは、融点93℃の水に易溶性の板状結晶である。従来より防藻剤の有効成分として用いられているトリアジン系化合物や尿素系化合物は、水に難溶性で、20℃における水に対する溶解度が1重量%以下であり、液体製剤とするためには、有機溶剤の使用が避けられなかった。マレイミドは、水に対する溶解性がよく、20℃において少なくとも5重量%の溶解度を有するので、有機溶剤の使用を抑えた水系製剤として容易に製造することができる。本発明の防藻剤の形態に特に制限はなく、例えば、マレイミドをそのまま防藻剤として用いることができ、増量剤その他の薬剤を配合して粉剤又は錠剤とすることもでき、あるいは、溶媒に溶解して液剤として使用することもできる。液剤として使用するとき、溶媒として水を好適に使用することができるが、必要に応じて、親水性溶媒を使用することもできる。使用する親水性溶媒に特に制限はなく、例えば、アルコール類、グリコール類、アミド類、グリコールエステル類、エステル類などを挙げることができる。 【0006】従来より防藻剤の有効成分として用いられている化合物は、塩素などのハロゲンを有する化合物が多く、環境に放出されたとき、トリハロメタン系化合物を発生するおそれがあったが、本発明に用いるマレイミドはハロゲンを有しないので、トリハロメタン系化合物の発生のおそれがない。本発明の防藻剤を水系に添加する場合、マレイミドの濃度は、水系の条件に応じて適宜選択することができるが、通常は0.1〜10,000mg/Lであることが好ましく、5〜1,000mg/Lであることがより好ましい。マレイミドの濃度が0.1mg/L未満であると、防藻効果が十分に発現しないおそれがある。マレイミドは、通常は10,000mg/L以下の濃度で十分な防藻効果を示し、10,000mg/Lを超える濃度のマレイミドを添加する必要はない。例えば、下水二次処理水に本発明の防藻剤を添加した場合、マレイミドの濃度5mg/L以上で藻類の増殖を抑制する効果が認められ、50mg/L以上で殺藻効果が認められる。本発明の防藻剤を適用する水のpHに特に制限はないが、通常のpH範囲である4〜10程度で十分な効果が認められる。 【0007】本発明の防藻剤は、さらに必要に応じて、他の殺生物剤、増殖抑制剤、腐食防止剤、スケール防止剤、消泡剤、界面活性剤などを配合した配合製剤として使用することができる。本発明の防藻剤は、非ハロゲン系化合物で水に対する溶解性の良好なマレイミドを有効成分として使用することにより、防藻剤の安全性が向上し、容易に水系製剤とすることができる。 【0008】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。 実施例1マレイミド、アメトリン(2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン)及び3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアの純水に対する溶解性を比較した。それぞれの薬品が5重量%になるように純水に添加し、20℃で24時間撹拌した結果、マレイミドのみが完全に溶解し、アメトリン及び3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアは完全には溶解しなかった。さらに、アメトリン及び3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアを、それぞれ1重量%になるように純水に添加し、20℃で24時間撹拌したが、いずれも完全には溶解しなかった。 実施例2塩素処理して放流する前の下水二次処理水を11個のビーカーにそれぞれ100mLずつ取り、冷却塔から採取した緑藻主体で藍藻、珪藻が含まれる藻類Aを0.5gずつ添加し、1個のビーカーにはマレイミドを添加せず、他の10個のビーカーにマレイミドをそれぞれ0.01mg、0.1mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、50mg、100mg、500mg、1,000mg添加し、撹拌して均一に溶解したのち、直射日光の当たらない北側の窓辺に3日間放置して、藻類の状況を観察した。マレイミドの添加量が0.1mg以下の3個のビーカーでは、試験開始時より明らかに藻類の増加が認められた。マレイミドの添加量が0.5mgのビーカーでは、試験開始時より若干藻類が増えていた。マレイミドの添加量が1mgのビーカーでは、藻類の状態は試験開始時と同じであった。マレイミドの添加量が5mg以上の6個のビーカーでは、いずれも藻類の緑色が消え、藻類は死滅した状態であった。藻類Aの代わりに、他の冷却塔から採取した藍藻主体で緑藻、珪藻が含まれる藻類Bを用いて、同じ試験を行った。3日後に、マレイミドの添加量が0.1mg以下の3個のビーカーでは、試験開始時より明らかに藻類の増加が認められた。マレイミドの添加量が0.5mgのビーカーでは、試験開始時より若干藻類が増えていた。マレイミドの添加量が1mgのビーカーでは、藻類の状態は試験開始時と同じであった。マレイミドの添加量が5mg以上の6個のビーカーでは、いずれも藻類の緑色が消え、藻類は死滅した状態であった。実施例2の結果を、第1表に示す。 【0009】 【表1】
【0010】第1表に見られるように、マレイミドは濃度5mg/L以上で藻類の増殖抑制効果を示し、濃度50mg/L以上で殺藻効果を示す。 【0011】 【発明の効果】本発明の防藻剤は、溶媒として有機溶剤を必要とせず、環境や人体に悪影響を及ぼすおそれがなく、低濃度の有効成分で優れた防藻効果を発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001063 【氏名又は名称】栗田工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月26日(2000.10.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075351 【弁理士】 【氏名又は名称】内山 充
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| 【公開番号】 |
特開2002−128612(P2002−128612A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月9日(2002.5.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−326621(P2000−326621) |
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