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【発明の名称】 殺虫エアゾール組成物及び害虫駆除方法
【発明者】 【氏名】千保 聡

【氏名】田中 康順

【要約】 【課題】本化合物の殺虫活性をより効率的に発揮し得る殺虫エアゾール剤を提供する。

【解決手段】1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン、N−メチル−2−ピロリドン及び噴射剤を含有することを特徴とする殺虫エアゾール組成物及び該組成物を用いる害虫駆除方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン、N−メチル−2−ピロリドン及び噴射剤を含有することを特徴とする殺虫エアゾール組成物。
【請求項2】1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンとN−メチル−2−ピロリドンとの重量比が2:1〜1:999の範囲である請求項1に記載の殺虫エアゾール組成物。
【請求項3】噴射剤がジメチルエーテルを30重量%以上含有するものである請求項1または2に記載の殺虫エアゾール組成物。
【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の殺虫エアゾール組成物を、害虫の虫体または害虫の生息場所に施用することを特徴とする害虫駆除方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺虫エアゾール組成物及び害虫駆除方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(以下、本化合物と記す。)は、殺虫活性成分として知られた化合物であり、例えば特開平8−217606号公報に記載されるごとく、本化合物を利用した殺虫組成物も提案されている。ところで、家屋内等の生活環境内で殺虫エアゾール剤を用いてカ、ハエ、ゴキブリ等の衛生害虫を駆除する場合、一般に見つけた害虫にめがけて直接噴霧する形態が採られるが、害虫が逃げ回ることにより害虫への噴射量は変動するので、殺虫エアゾール剤においてはより高い殺虫効力とノックダウン活性が求められる。本発明の目的は、本化合物の殺虫活性をより効率的に発揮し得る殺虫エアゾール剤を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる状況下、本発明者らは、本化合物を殺虫活性成分とするエアゾール組成物について検討した結果、本化合物とN−メチル−2−ピロリドンを含有する組成物が、害虫に対して極めて優れた防除効果を発揮し得ることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、本化合物およびN−メチル−2−ピロリドンを含有する殺虫エアゾール組成物(以下、本組成物と記す。)及び本組成物を用いる害虫駆除方法に関するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明組成物における本化合物とN−メチル−2−ピロリドンの重量比は通常、2:1〜1:999の範囲であり、好ましくは1:1〜1:999の範囲である。更に好ましくは1:1〜1:100の範囲である。本組成物中の本化合物の含有量は施用形態等により変わり得るが、通常0.001〜10重量%の範囲である。
【0005】本組成物中のN−メチル−2−ピロリドンの含有量は、通常0.0005〜30重量%の範囲である。
【0006】本組成物における噴射剤としては、ジメチルエーテル、プロパン、イソブタン等を挙げることができ、中でも噴射剤中、ジメチルエーテルを30重量%以上含有するものが好ましく、ジメチルエーテルを50重量%以上含有するものが更に好ましく、実質的にジメチルエーテルからなる噴射剤が特に好ましい。本組成物中の噴射剤の含有量は通常、10〜90重量%であり、一回の噴射で容器内の全内容物を噴出する、いわゆる全量噴射型のエアゾール剤においては、噴射剤の重量は70〜90%の範囲にあることが好ましい。
【0007】本組成物は、本化合物、N−メチル−2−ピロリドン及び噴射剤の他、必要により溶剤を含有していてもよい。溶剤としては例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールモノエーテル類;キシレン、トルエン、ケロシン、軽油、ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類; 炭酸プロピレン;水等が挙げられる。溶剤を用いる場合の溶剤量は、本組成物中、通常は80重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
【0008】本組成物にはその他、必要により、酸化防止剤、乳化剤、他の殺虫成分、忌避剤、共力剤等を適宜含有することができる。酸化防止剤としては、例えばBHT、BHA等を、乳化剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性乳化剤等を挙げることができる。
【0009】他の殺虫成分としては、例えば、アレスリン、テトラメスリン、プラレトリン、フェノトリン、レスメトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、シフルトリン、フラメトリン、イミプロトリン、エトフェンプロクス、フェンバレレート、フェンプロパスリン、シラフルオフェン、ビフェントリン、トランスフルスリン等のピレスロイド化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン等の有機リン化合物、プロポキサー、カルバリル、メトキサジアゾン、フェノブカルブ等のカーバメート化合物、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、シロマジン、トリフルムロン、テフルベンズロン、フルフェノクスロン、フルアズロン、トリアズロン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]ウレア等のキチン形成阻害物質、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等の幼若ホルモン様物質、アセタミプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム、ニトロイミノヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン誘導体等のネオニコチノイド系化合物、N−フェニルピラゾール系化合物等を挙げることができる。
【0010】忌避剤としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール等を挙げることができる。共力剤としては、例えば、PBO、MGK264、S421、IBTA等を挙げることができる。
【0011】本発明組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。本化合物とN−メチル−2−ピロリドンとを撹拌などにより混合し溶液とし、エアゾール容器に充填し、必要により溶剤、酸化防止剤、乳化剤、他の殺虫成分、忌避剤、共力剤等をさらに充填する。その後該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通して充填し、振とうした後、アクチュエーターを装着することにより得ることができる。また、エアゾール剤が全量噴射型エアゾール剤の場合には、アクチュエーターを全量噴射型アクチュエーターとすることにより得ることができる。
【0012】本組成物は、通常、害虫の虫体に直接、あるいはその生息場所(植物、動物体、土壌等)に、噴霧する通常の方法により施用され、害虫駆除に用いられる。その施用量は、対象となる害虫の種類、施用場所等による異なるが、施用面1m2あたり本化合物に換算して、通常0.1〜1000mgである。エアゾール剤が全量噴射型エアゾール剤の場合、その施用量は空間1m3あたり本化合物量に換算して、通常0.1〜300mgである。
【0013】本組成物は、種々の有害節足動物に対して有効であるが、特に本組成物の特性上、家屋内及びその近辺に生息する害虫に対して有効である。例えば、半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)等のカメムシ類等。
鱗翅目害虫:ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等。
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)等のイエカ類、(Aedes aegypti)、(Aedes albopictus)等のエーデス属、(Anophelessinensis)等のアノフェレス属、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、サシバエ類、ハモグリバエ類等。
鞘翅目害虫:イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)等のゾウムシ類、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、シバンムシ類等のエピラクナ類、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類等。
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等。
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類等。
シロアリ目害虫:ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)等。
本組成物は、特にハエ類、カ類、ゴキブリ類、シロアリ類等の家屋内害虫の防除に適している。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例にてより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製剤例1本化合物0.05gをN−メチル−2−ピロリドン0.15gに溶解し、該溶液を180ml容エアゾール缶に入れ、飽和炭化水素系溶剤(アイソパーG、エクソン化学株式会社製)を加え全体で30.0gとした。エアゾール缶にエアゾールバルブを装着した後、20.0gのジメチルエーテルを充填し、振とうを加えた後、アクチュエーターを装着することによりエアゾール製剤1を得た。
【0015】製剤例2N−メチル−2−ピロリドンの量を0.5gとした以外は製剤例1と同様の操作によりエアゾール製剤2を得た。
【0016】製剤例3N−メチル−2−ピロリドンの量を2.0gとした以外は製剤例1と同様の操作によりエアゾール製剤3を得た。
【0017】製剤例4本化合物0.3gとd−フェノトリン0.6gにN−メチル−2−ピロリドンを加えて溶解し、全体で7.5gとした。該溶液に水5.0gを加え、エアゾール缶に入れた。エアゾール缶にエアゾールバルブを装着した後、37.5gのジメチルエーテルを充填し、振とうを加えた後、トータルリリースエアゾール用アクチュエーターを装着することにより、エアゾール製剤4を得た。
【0018】製剤例5d−フェノトリン0.6gに代えて、d・d−T−シフェノトリン0.15gとした以外は、製剤例4と同様の操作によりエアゾール製剤5を得た。
【0019】比較例1本化合物0.05gを180ml容エアゾール缶に入れ、飽和炭化水素系溶剤(アイソパーG、エクソン化学株式会社)を加え全体で30.0gとした。エアゾール缶にエアゾールバルブを装着した後、20.0gのジメチルエーテルを充填し、振とうを加えた後、アクチュエーターを装着することにより比較エアゾール製剤1を得た。
【0020】試験実施例1チャバネゴキブリ成虫10頭(雄5頭、雌5頭)を入れたプラスチック容器(直径13cm、高さ10cm、底部32メッシュ金網)を、ガラス製円筒(直径20cm、高さ60cm)の底部に設置する。ガラス製円筒上部よりエアゾール製剤1を0.4g、供試ゴキブリに直撃噴霧した。噴霧30秒後、ゴキブリの入った容器をガラス製円筒より取り出し、噴霧より20分後のノックダウン数を観察した。20分経過後、全ゴキブリを別の清潔なプラスチック容器(200ml)内に移し、餌と水を与えた。薬剤処理3日後に致死を観察した。同様の操作にて、エアゾール製剤2および3、比較エアゾール製剤1を噴霧処理した際のチャバネゴキブリに対する効力試験を実施した。各3反復実施した。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】

NMP: N−メチル−2−ピロリドン【0022】
【発明の効果】本発明によれば、1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンの殺虫活性をより効率的に発揮し得るより高い殺虫効力とノックダウン活性を有する殺虫エアゾール剤を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【出願日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【公開番号】 特開2002−87910(P2002−87910A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2000−272865(P2000−272865)