| 【発明の名称】 |
1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、農薬及び製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹松 哲夫
【氏名】大野 哲
【氏名】小磯 彰宏
【氏名】太田黒 庸行
【氏名】朝田 亨
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| 【要約】 |
【課題】重要作物、特にイネに対して薬害が少なく、各種の雑草、例えばノビエ等のイネ科雑草、タマガヤツリ、イヌホタルイ等のカヤツリグサ科雑草、コナギ等の一年生広葉雑草、及びウリカワ等の多年生雑草等の強害雑草に対して、より少量で優れた除草活性を有する新規な1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、及び該アミド誘導体を有効成分とする農薬、特に除草剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の一般式(I) 【化1】
(式中、Xは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基、またはフェニルスルホニル基を表し、Y1及びY2は、各々独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基又はフェニル基を表し、またはY1とY2とでベンゼン環を形成しても良く、Q1及びQ2は、各々独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、またはQ1とQ2とで飽和炭素環を形成してもよい。)で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体。 【請求項2】 Xが、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子である請求項1に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体。 【請求項3】 Y1及びY2が、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基である請求項1又は2に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体。 【請求項4】 Q1及びQ2が、各々独立にメチル基又はエチル基である請求項1〜3の何れか一項に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一般式(I)で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体が、(−)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体。 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体を有効成分として含有する農薬。 【請求項7】 請求項1〜6の何れか一項に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体を有効成分として含有する除草剤。 【請求項8】 一般式(II) 【化2】
(式中、Xは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基、又はフェニルスルホニル基で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸又はその反応性誘導体と、下記一般式(III) 【化3】
(式中、Y1及びY2は、各々独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基又はフェニル基を表し、またはY1とY2とでベンゼン環を形成しても良く、Q1及びQ2は各々独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、またはQ1とQ2とで飽和炭素環を形成してもよい。)で表されるアミンを、直接又は溶媒(a)の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(I) 【化4】
(式中、Q1、Q2、X、Y1及びY2は上記と同様の定義である。)で表される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法。 【請求項9】 Xが、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又はハロゲン原子である請求項8に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法。 【請求項10】 Y1及びY2が、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基である請求項8又は9に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法。 【請求項11】 Q1及びQ2が、各々独立にメチル基又はエチル基である請求項8〜10の何れか一項に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法。 【請求項12】 一般式(II)で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸又はその反応性誘導体が、光学活性体で光学分割された1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸又はその反応性誘導体であることを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規な1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、及び該化合物を有効成分として含有する農薬、特に除草剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、イネに対して薬害が少なく、各種の雑草に対して優れた除草活性を示すアミド化合物としては、脂肪族アミド系、クロロアセトアニリド系化合物等、種々の化合物が知られていた。しかし、投下薬量や、難防除雑草であるヒエ、ホタルイ、コナギ、タマガヤツリ等に対して優れた防除効果を示しつつイネに対する薬害が低い、いわゆる除草選択性に優れる化合物で十分満足できるものはなく、より少量で効果を呈し、且つ除草選択性の優れた薬剤の開発が望まれていた。 【0003】一方、本発明に係る1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体について、更には該誘導体が有用植物に対する薬害が少なく、且つ少量で優れた除草活性を有することについて、これまでに一切報告は無い。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、重要作物、特にイネに対して薬害が少なく、各種の難防除雑草、例えばノビエ等のイネ科雑草、タマガヤツリ、イヌホタルイ等のカヤツリグサ科雑草、コナギ等の一年生広葉雑草、及びウリカワ等の多年生雑草に対して、より少量で優れた除草活性を有する新規な1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、及び該アミド誘導体を有効成分とする農薬、特に除草剤、及び該誘導体の製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、このような状況に鑑み1,3−ベンゾジオキソール-2-カルボン酸アミド構造を有する誘導体の合成と、その薬理活性について鋭意研究した結果、既知の化合物とは全く構造を異にする新規な1,3−ベンゾジオキソール-2-カルボン酸アミド誘導体が、農薬、特に水田の難防除雑草、例えばノビエ等のイネ科雑草、タマガヤツリ、イヌホタルイ等のカヤツリグサ科雑草、コナギ等の一年生広葉雑草、及びウリカワ等の多年生雑草に対して除草活性がより少量であっても高く、かつイネに対する安全性も極めて高い有用な水田用除草剤であることを見いだし、本発明を完成するに至った。 【0006】即ち、本発明は、(1) 下記の一般式(I) 【0007】 【化5】
【0008】(式中、Xは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基、またはフェニルスルホニル基を表し、Y1及びY2は、各々独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基またはフェニル基を表し、またはY1とY2とでベンゼン環を形成してもよく、Q1及びQ2は、各々独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、またはQ1とQ2とで飽和炭素環を形成してもよい。)で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、【0009】(2) Xが、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子である(1)に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、【0010】(3) Y1及びY2が、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基である(1)又は(2)に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、【0011】(4) Q1及びQ2が、各々独立にメチル基又はエチル基である(1)〜(3)の何れか一に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、【0012】(5) (1)〜(4)のいずれか一に記載の一般式(I)で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体が、(−)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体である(1)〜(4)の何れか一に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体、【0013】(6) (1)〜(5)の何れか一に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体を有効成分として含有する農薬、【0014】(7) (1)〜(6)の何れか一項に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体を有効成分として含有する除草剤、【0015】(8) 一般式(II) 【0016】 【化6】
【0017】(式中、Xは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基、又はフェニルスルホニル基で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸又はその反応性誘導体と、下記一般式(III) 【0018】 【化7】
【0019】(式中、Y1及びY2は、各々独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基又はフェニル基を表し、またはY1とY2とでベンゼン環を形成しても良く、Q1及びQ2は、各々独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、またはQ1とQ2とで飽和炭素環を形成してもよい。)で表されるアミンを、直接又は溶媒(a)の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(I) 【0020】 【化8】
【0021】(式中、Q1、Q2、X、Y1及びY2は上記と同様の定義である。)で表される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法、【0022】(9) Xが、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又はハロゲン原子である(8)に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法、【0023】(10) Y1及びY2が、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基である(8)又は(9)に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法、【0024】(11) Q1及びQ2が、各々独立にメチル基又はエチル基である(8)〜(10)の何れか一に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法、【0025】(12)一般式(II)で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸又はその反応性誘導体が、光学活性体で光学分割された1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸又はその反応性誘導体であることを特徴とする(8)〜(11)の何れか一に記載の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法、を提供するものである。 【0026】 【発明の実施の形態】本願発明1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体は下記一般式(I)で表される。 【0027】一般式(I) 【0028】 【化9】
【0029】ここでXは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基又はフェニルスルホニル基が挙げられる。 【0030】Xの低級アルキル基としては、直鎖若しくは鎖状の低級アルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基等の炭素数1〜4個のものが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基が挙げられる。 【0031】Xの低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものが挙げられ、好ましくはメトキシ基が挙げられる。 【0032】Xのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子が挙げられる。 【0033】Xとして、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、更に具体的には水素原子、メチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、メトキシ基、ハロゲン原子、ベンゾイル基が特に好ましく、更に特に好ましくはハロゲン原子が挙げられる。 【0034】また、Xは、1,3−ベンゾジオキソール環の4位又は5位に上述した置換基を置換していることが好ましい。 【0035】Y1及びY2は、各々独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ニトロ基又はフェニル基を表す。 【0036】または、Y1及びY2は、Y1とY2とでベンゼン環を形成しても良い。ただし、「Y1とY2とでベンゼン環を形成しても良い」とは、Y1とY2とでベンゼン環を形成し、Y1とY2とが置換しているベンゼン環とでナフチル基を形成することを意味する。好ましくは、Y1とY2とが、ベンゼン環の3位と4位に置換してベンゼン環を形成することによって2−ナフチル基を形成する場合が挙げられる。 【0037】Y1又はY2の低級アルキル基としては、直鎖若しくは鎖状の低級アルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基等の炭素数1〜4個のものが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基が挙げられる。 【0038】Y1又はY2の低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものが挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基が挙げられる。 【0039】Y1又はY2のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子が挙げられる。 【0040】Y1又はY2のハロアルキル基とは、ハロゲン原子で置換された低級アルキル基であり、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、低級アルキル基としては、直鎖若しくは鎖状の低級アルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基等の炭素数1〜4個のものが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基が挙げられる。具体的には、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、クロロジフルオロメチル基、1−ブロモ−1−メチルエチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。 【0041】Y1又はY2として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基が挙げられ、更に具体的には水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基若しくはメトキシ基が挙げられる。また、Y1又はY2はメタ位及び/又はパラ位に置換していることが好ましい。 【0042】Q1又はQ2は、各々独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、またQ1とQ2とで飽和炭素環を形成してもよい。 【0043】Q1又はQ2の低級アルキル基としては、直鎖若しくは鎖状の低級アルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基等の炭素数1〜4個のものが挙げられる。 【0044】Q1又はQ2として好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基が挙げられる。 【0045】また、(+)及び(−)は光学活性体を表し、各々右旋性、左旋性を表す。例えば、(−)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体といったときは、左旋性を示す1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体を意味する。本発明の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の(−)体は除草活性に優れる。なお、「(−)−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体」といったときには(−)体のみであることが望ましいが、(−)体も自然環境下では光等により経時的に(+)体に変化することがあり、このような場合も含まれていてもよい。 【0046】以下に、本発明に係る1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体について、具体的にその化合物を列挙する。尚、表中の記号は、各々以下の意味を表す。 【0047】Me:メチル、Et:エチル、Ph:フェニル。 【0048】 【表1】
【0049】 【表2】
【0050】 【表3】
【0051】 【表4】
【0052】 【表5】
【0053】次に、本発明に係る1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造方法について説明する。 【0054】本発明に係る1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体は、下記反応式(1); 【0055】 【化10】
【0056】で示すような、下記一般式(II) 【0057】 【化11】
【0058】で表される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸、又はその反応性誘導体(以上以下、「1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸誘導体」という)と、一般式(III) 【0059】 【化12】
【0060】で表される対応するアミンとを直接又は溶媒(a)の存在下に反応させて得ることができる。 【0061】なお、一般式(II)におけるX、並びに一般式(III)におけるQ1、Q2、Y1及びY2は既に定義したとおりである。 【0062】反応式(1)における反応温度は、0〜100℃又は溶媒(a)の沸点の範囲内で適宜設定できる。反応時間は、使用する化合物、溶媒の種類等によって異なるが、通常1〜24時間である。尚、1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸の反応性誘導体としては、対応する酸無水物、酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル類等が挙げられる。 【0063】溶媒(a)としては、水、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1、2−ジクロロエタン等)、脂肪族又は脂環式炭化水素類(n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、クメン、メチルナフタレン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)等が挙げられる。好ましくはハロゲン化炭化水素類及び芳香族炭化水素類があげられ、更に好ましくはジクロロメタンが挙げられる。 【0064】一方、一般式(II)で示される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸は、適当な反応助剤(ジシクロヘキシルカルボジイミド、水溶性カルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、N−メチル−2−クロロピリジニウムハロゲニド等の縮合剤、五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リン、オキザリルクロリド、塩化チオニル等のクロル化剤、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の有機又は無機の塩基等)を使用し反応性誘導体化することができる。 【0065】また、一般式(I)で示される化合物の光学活性体は、例えばに次に示す反応式(2); 【0066】 【化13】
【0067】に表される如く、一般式(II)で表されるラセミ体の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸を光学活性体を用いて光学分割し、得られた光学活性な1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸誘導体(一般式(IV))とアミンとを反応させることにより、一般式(V)で表される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体を製造することができる。 【0068】但し、式中Q1、Q2、X、Y1及びY2は既に定義したとおりであり、上記の一般式(I)で定義されたものと同一である。 【0069】また、この光学分割に用いられる光学活性体は、公知慣用な光学分割剤であれば特に制限はないが、具体的には、例えばそれぞれ光学活性なα−メチルベンジルアミン、1−(1−オクチル)−エチルアミン、シス−N−ベンジル−2−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキシルアミン及び(アンフェタミン又は1−ナフチルエチルアミン等が挙げられ、好ましくはα−メチルベンジルアミンが挙げられる。 【0070】なお、本発明に係る1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の製造に用いられる中間体である一般式(II)で表される1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸誘導体を以下の表6に具体的に例示する。 【0071】 【表6】
【0072】本発明の1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体を有効成分として含有する農薬、特に除草剤は、その作用特性として、重要作物であるイネに対して優れた選択性を示す一方、ほとんどの水田で問題になる難防除雑草、例えばノビエ等のイネ科雑草、タマガヤツリ、イヌホタルイ等のカヤツリグサ科雑草、コナギ等の一年生広葉雑草、及びウリカワ等の多年生雑草に対して優れた除草効果を示す。 【0073】また、本発明に係る除草剤は、湛水土壌処理、土壌処理、土壌混和処理等あらゆる処理法において、雑草の発生前から、発生後の生育期まで、広い範囲にわたり有効に使用できる。 【0074】本発明の化合物を実際に農薬として使用する際は、その使用形態として原体を単独で使用することも可能であるが、通常、農薬の製剤に用いられる固体及び液体担体、並びに分散剤、希釈剤、乳化剤、展着剤、及び増粘剤等の補助剤を混合して、水和剤、液剤、油剤、粉剤、粒剤、又はゾル剤(フロアブル)等の剤型に製剤して使用することができる。 【0075】固体及び液体担体としては、例えばタルク、クレー、ベントナイト、カオリン、けいそう土、モンモリロナイト、雲母、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、木粉、澱粉、アルミナ、珪酸塩、糖重合体、ワックス類、水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコール、ベンジルアルコール等)、石油溜分(石油エーテル、ケロシン、ソルベントナフサ等)、脂肪族又は脂環式炭化水素類(n−ヘキサン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、クメン、メチルナフタレン等)、エーテル類(イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールアセタート、酢酸アミル等)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアニリド等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、及びアルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等)等が挙げられる。 【0076】補助剤としては、例えば非イオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等)、陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホナート、アルキルスルホサクシナート、ポリオキシエチレンアルキルスルファート、アリールスルホナート等)、陽イオン型界面活性剤(アルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類等)、両性型界面活性剤(アルキルアミノエチルグリシン、アルキルジメチルベタイン等)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、トラガントゴム、キサンタンガム、ポリビニルアセタート、ゼラチン、カゼイン、及びアルギン酸ソーダ等が挙げられる。 【0077】本発明に係る農薬、特に除草剤における本発明の有効成分化合物である1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体の含有量は、製剤形態によって異なるが、通常粉剤では0.01〜20重量%、水和剤では1〜50重量%、粒剤では0.01〜10重量%、乳剤では0.1〜50重量%、フロアブル剤では0.1〜50重量%、ドライフロアブル剤では1〜50重量%であり、好ましくは、粉剤では0.1〜3重量%、水和剤では10〜40重量%、粒剤では0.1〜5重量%、乳剤では1〜30重量%、フロアブル剤では1〜30重量%、ドライフロアブル剤では10〜40重量%である。 【0078】補助剤の含有量は、0〜80重量%であり、担体の含有量は、100重量%から有効成分化合物、補助剤等の含有量を差し引いた量である。 【0079】本発明の除草剤の施用薬量は、雑草の発生状況、環境、使用する製剤形態等によっても異なるが、化合物の有効成分量で1ヘクタールあたり0.002〜2kg、好ましくは0.025〜0.6kgの範囲から選択するのが望ましい。 【0080】本発明化合物を含有する除草剤は、他の除草剤の1種又は2種以上、或るいは殺菌剤、殺虫剤、植物成長調節剤の如き農薬、肥料、土壌改良剤等と混合使用が可能で、更に、これらとの混合製剤も可能である。 【0081】 【実施例】次に、実施例として製造例、製剤例及び試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例のみに限定されるものではない。 【0082】(実施例1)化合物番号1の製造4−クロロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸0.5g、α,α−ジメチルベンジルアミン0.37gおよびトリエチルアミン0.9mlのジクロロメタン溶液8mlに、室温で2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージド0.66gを加え、室温で2時間撹拌した。 【0083】反応終了後、反応溶液を1N−塩酸で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 ジクロロメタン)にて精製を行うことで本発明のN−(α,α−ジメチルベンジル)−4−クロロ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド(化合物番号1)0.71gが得られた。 【0084】(実施例2)化合物番号87−B(光学活性体)の製造(−)−4−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸0.5g、α、α−ジメチルベンジルアミン0.37gおよびトリエチルアミン0.9mlのジクロロメタン溶液8mlに、2−クロロ−1−メチルピリジニウム ヨージド0.66gを加え、室温で2時間撹拌した。 【0085】反応終了後、反応溶液を1N−塩酸で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 ジクロロメタン)にて精製を行うことで本発明の(−)−N−(α,α−ジメチルベンジル)−4−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド(化合物番号1)0.70gが得られた。得られた化合物の旋光度を測定したところ[α]25D=−46.8°(c=0.27、メタノール)であった。 【0086】実施例1および実施例2の本発明に係る化合物の物性値を表7に示す。 【0087】(実施例3〜104)次に、実施例1及び実施例2と同様にして得られた実施例3〜104の本発明に係る化合物の物性値を表7〜19に示す。尚、化合物番号は、表1〜5の化合物番号に対応するものである。 【0088】 【表7】
【0089】 【表8】
【0090】 【表9】
【0091】 【表10】
【0092】 【表11】
【0093】 【表12】
【0094】 【表13】
【0095】 【表14】
【0096】 【表15】
【0097】 【表16】
【0098】 【表17】
【0099】 【表18】
【0100】 【表19】
【0101】次に、製剤例及び試験例を挙げる。 【0102】(製剤例1)水和剤【0103】 【表20】
【0104】以上を混合粉砕し水和剤とした。 【0105】(製剤例2)乳剤【0106】 【表21】
【0107】以上を均一に溶解して乳剤とした。 【0108】(製剤例3)粒剤【0109】 【表22】
【0110】以上を均一に混合粉砕し、水を加え練り合わせた後、造粒乾燥して粒剤とした。 【0111】(試験例1)湛水土壌処理薬剤処理二日前、ポット(面積60cm2、深さ6cm)に畑土壌を詰め、土壌表面にノビエ、イヌホタルイ、コナギ、タマガヤツリの種子を播種後、2葉期のイネを移植し湛水状態とした。下記の表24〜27に示したように10a当たり60g(表24及び25)並びに10a当たり30g(表26及び27)となるよう濃度調製した薬液をポットに処理し、20日後、除草効果と作物への薬害を判定した。なお、除草効果と薬害は、下記の判定基準に従った。 【0112】 【表23】
【0113】また、下記表24〜表27中の化合物番号は表1〜表5に記載した化合物番号の化合物と一致しており、また植物名は、以下のように略記した。移植イネ=R、ノビエ=E、イヌホタルイ=Sc、コナギ=M、タマガヤツリ=Cy。 【0114】 【表24】
【0115】 【表25】
【0116】 【表26】
【0117】 【表27】
【0118】(試験例2) ラセミ体と光学活性体の除草活性比較試験実施例中に示したラセミ体と光学活性体を試験例1と同様な手法を用いて除草効果の試験(施用薬量:30g/10a)を行った。その結果を表28に示す。尚、下記表28中の化合物番号は表1〜表5に記載した化合物番号の化合物と一致しており、また植物名は、以下のように略記した。移植イネ=R、ノビエ=E、イヌホタルイ=Sc、コナギ=M、タマガヤツリ=Cy。 【0119】結果を表28に示す。表28から明らかなように(−)−体はラセミ体よりも活性が優れ、(−)-体が重要であることが判った。 【0120】 【表28】
【0121】(比較例3) 対象化合物の除草活性試験対象化合物として1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−(p−トリル)ウレア(下記表中「A」で示す。)、(RS)−(1)−ブロモ−N−(α,α−ジメチルベンジル)−2,2−ジメチルプロパミド(下記表中「B」で示す。)及び(−)−N−(α、α―ジメチルベンジル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−カルボン酸アミド(下記表中「C」で示す。)を用いて除草活性試験を行った。試験方法は試験例1と同様に行った。 【0122】 【表29】
【0123】 【発明の効果】本発明に係る1,3−ベンゾジオキソール−2−カルボン酸アミド誘導体は、農薬、特に除草剤として、重要作物であるイネに対する薬害を抑え、各種の雑草、特にヒエ、ホタルイ、コナギ、タマガヤツリに対し優れた除草活性を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月31日(2000.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088764 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開2002−68908(P2002−68908A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月8日(2002.3.8) |
| 【出願番号】 |
特願2000−262492(P2000−262492) |
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