| 【発明の名称】 |
ハエ誘引剤及びハエ取り用トラップ |
| 【発明者】 |
【氏名】岡野 隆冶
【氏名】河本 尚一
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| 【要約】 |
【課題】従来知られた誘引物質よりも強い誘引活性を有し、ハエの捕獲、防除に用いるものとして満足できる誘引物質を提供することを目的とする。
【解決手段】果実、果実加工品;醸造酒、蒸留酒、酒粕;及び乳酸飲料からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分としたことを特徴とするハエ誘引剤、及びこれらのハエ誘引剤を誘引剤としたハエ取り用トラップ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 果実、果実加工品;醸造酒、蒸留酒、酒粕;及び乳酸飲料からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分としたことを特徴とするハエ誘引剤。 【請求項2】 請求項1のハエ誘引剤を誘引剤としたハエ取り用トラップ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハエ誘引剤及びハエ取り用トラップに関する。 【0002】 【従来技術】従来、ハエを誘引して捕獲、防除する方法として、ハエ取りリボン、ハエ取り紙などのハエ取りトラップを用いる方法がある。そしてこれらの方法に使用される誘引物質として、トリコセン、フチオコール、マロン酸等が知られているが、その誘引活性が満足されるものは少ない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来から知られた誘引物質よりも強い誘引活性を有し、ハエの捕獲、防除に用いるものとして満足できる誘引物質、及びこれを用いたハエ取り用トラップを提供することを目的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を満足するため鋭意検討した結果、果実、果実加工品;醸造酒、蒸留酒、酒粕;及び乳酸飲料などがハエに対して強い誘引性を有すること及びハエ取りトラップの誘引剤として有効であることを見い出した。すなわち本発明は、以下の手段によって上記課題を解決することができたものである。 (1)果実、果実加工品;醸造酒、蒸留酒、酒粕;及び乳酸飲料からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分としたことを特徴とするハエ誘引剤。 (2)上記(1)記載のハエ誘引剤を誘引剤としたハエ取り用トラップ。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明のハエ誘引剤において有効成分である果実、果実加工品、醸造酒、蒸留酒、酒粕、乳酸飲料は、少量でハエを十分に誘引することができる。これらは単独では勿論、複数組み合わせて用いることもできる。また、そのまま用いてもよく、製剤化して用いることもできる。 【0006】また製剤化する場合には、これらの誘引有効成分を0.1〜100重量%、好ましくは0.5〜95重量%になるように含有させればよく、公知の製剤、例えば、液剤、ゲル状剤、ゾル状剤、ペースト状剤、ゼリー状剤、顆粒剤、粉末剤等とすることができる。なかでも芳香による誘引活性を有効に得るためには、液剤とするのが好ましく、担体として水、アルコール類(エタノール等)を用いることができる。 【0007】本発明において果実としては、これらの全体、種及び皮等であってもよく、例えば、メロン、スイカ、バナナ、パイナップル、イチゴ、ブドウ、リンゴ、グレープフルーツ、マンゴー、桃、梨、ハイビスカス、パッション、アプリコット、キウイ、パパイヤ、ガアバ、ライム、ウメ、プラム、ドリアン、サクランボ、キュラソー、マンダリン、オレンジ、カキ、イチジク、ビワなどがあげられ、果実の加工品としては果実を砕いたり又は潰したりしたもの;生ジュース、濃縮ジュース、ミックスジュース、ピューレ等の果汁又はその乾燥品(例えば真空凍結乾燥品)、例えば粉末ジュース;果物を必要に応じ潰して砂糖の存在又は非存在下で加熱又は濃縮したもの又は発酵させたもの、例えばジャム、ペースト等;があげられる。醸造酒としては、清酒、にごり酒;果実あるいはそのしぼり汁を発酵させてつくった醸造酒であるワイン(赤、白、ロゼ等)、梅酒、シェリー酒等の果実酒; 味醂;紹興酒; ビール; リキュール類; 焼酎、茅台酒、ウィスキー、スピリッツ類等の蒸留酒; ラム酒、雑酒等があげられる。これらの中でも特に紹興酒が好ましい。酒粕としては例えば日本酒の酒粕などで例示される各種のものがあげられ、酒粕は乾燥粉末化したものでもよい。乳酸飲料としては、例えば、カルピス(登録商標)、ヤクルト(登録商標)、ヨーグルト飲料等があげられる。また、次のような果実の芳香を呈する香料を誘引効果を高めるために使用することができる。例えばメロナール(メロン様)、青葉アルデヒド(グレープ、ストロベリーの葉様)、ドデカンニトリル(グレープフルーツ様)、γ-ウンデカラクトン(ピーチ様)、ウイスギーラクトン(フルーティ様)、シクロヘキシルプロピオン酸アリル(パイナップル様)、ヘプタン酸アリル(バナナ様)、ヘキサン酸エチル(リンゴ様)、酪酸イソアミル(パイナップル様、バナナ様)、酪酸シトロネリル(プラム様)、酢酸エチル(バナナ様、パイナップル様)、テアスピラン(イチゴ様)、ヘキサン酸アリル(パイナップル様)、酢酸イソアミル(バナナ様)、イソ吉草酸イソアミル(アップルオイル様)等が挙げられる。 【0008】本発明のハエ誘引剤を使用する際には、ハエ誘引剤を収納するものとして、特に制限はないが、例えば、有効成分が放出される開口等を有する容器、毛細作用を利用して有効成分を放出できる容器、カプセル等を用いることができる。ハエを誘引して捕獲、防除するトラップとしては各種のトラップを採用することができ、例えば水没式トラップ;ハエ取りリボン、ハエ取り紙などの粘着式トラップ、ハエ取りビン、金網トラップ等のハエ取りトラップを用いることができる。本発明のハエ取りトラップは以下のような態様が好ましい。すなわち、誘引剤収納部とハエの入口(誘引口)を有するハエ取りトラップであって、該トラップがハエの誘引口でのみ外気に開放され、誘引剤収納部に果実、果実加工品;醸造酒、蒸留酒、酒粕;及び乳酸飲料からなる群から選択される少なくとも1種を誘引剤の有効成分とした液状又はゲル状等のハエ誘引剤が収納され、ハエの誘引口からはハエを誘引するに十分な誘引活性を有する臭気、芳香成分が放出され、ハエの誘引口はハエの侵入を許すがハエの脱出を阻止できるように設けられ、誘引口から入ったハエがハエ誘引剤により濡れてそのまま脱出不能となったり粘着剤に捕獲されたりしてトラップ内で死滅するよう構成されてなる、ハエ取りトラップである。このトラップは、ハエの誘引口からハエを誘引する極めて高活性の蒸気が放出されるためハエは効果的に誘引され、トラップ内に入り捕獲される。このトラップは果実、果実加工品;醸造酒、蒸留酒、酒粕;及び乳酸飲料からなる群から選択される誘引剤を有効成分とし、あえて殺虫成分を使用しなくてもよく、従来得られなかった高活性を有することと併せて極めて有用である。このトラップは、使用時に誘引剤を直接、間接的にトラップ容器に入れるのが好ましく、トラップ本体と、誘引剤を密封した別容器とのセットで流通に供されるのが好ましい。 【0009】本発明のハエ誘引剤は、ショウジョウバエ、ノミバエ、ハヤトビバエ、イエバエ、クロバエ、キンバエ、ニクバエ等のハエを対象に用いることができ、特にショウジョウバエ等のコバエに対して高い誘引活性を有するものである。 【0010】また発明の効果を妨げない限り、各種の添加剤を併用してもよく、例えば、殺虫剤、殺菌剤、防黴剤、保存剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、展着剤、キレート剤、増粘剤、誤食防止剤、香料、色素等が挙げられる。 【0011】さらにハエに対して誘引活性を高めるうえで有利に作用する各種誘引剤を併用してもよく、例えば、蜂密、砂糖、液糖、牛乳、脱脂粉乳、米糠、ふすま、トウモロコシ粉、小麦粉、家畜飼料等の食餌成分;アネトール、リナノール、カルボン等の芳香成分;クエン酸、リン酸緩衝液、重曹等で例示されるpH調整剤;性フェロモン、食酢、アセトイン、フルフラール等が挙げられる。 【0012】この他にもハエの誘引活性を高めるために、製剤を赤色系等に着色したりしてもよい。そして製剤化に際して、これら各種の添加剤を均一に混合、分散、溶解させるために非イオン系、陽イオン系、陰イオン系の界面活性剤や有機溶剤を用いることができる。この場合には、毒性があったり、刺激臭が強いものは誘引活性に悪影響があるので使用しない方がよい。 【0013】 【実施例】以下に実施例において本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0014】実施例1 (果肉による誘引; 対照例(食酢)と比較) 試験室(約4m2、30°C)にショウジョウバエ約300頭を放ち、Φ9cmのシャーレーに表1に示す果肉約2gを誘引剤として入れたものを設置し誘引効果の試験を行った。設置から1時間後、各シャーレーに誘引されているショウジョウバエの数を観察した。試験は2回の繰り返しで行ない、合計数を求めた。その数を、誘引剤として食酢を用いて同様に試験、観察したショウジョウバエの数(対照例)と対比し、対照例を1(基準)として、相対数(倍数)を求めた。相対数は、その果物が食酢(対照例)の何倍の誘引効果があるかを意味する。その結果を表1に示す。 【0015】 【表1】 表1 ハエの誘引 誘引剤 ショウシ゛ョウハ゛エの数 (相対数) 食酢(対照例) 1 メロン果肉 34 バナナ果肉 43 イチゴ果肉 62 リンゴ果肉 35 マンゴー果肉 12 スイカ果肉 7 パイナップル果肉 2 ブドウ果肉 8 【0016】実施例2(果汁搾りカスによる誘引;対照例(食酢)と比較) 試験室(約10m2、30°C)にショウジョウバエ約200頭を放ち、30×30cmのステンレス製バットに約2gの果実の搾りカスをならべたものを設置した。30分後、各搾りカスに誘引されているショウジョウバエの数を観察した。試験は2室×2回=4回の繰り返しで行ない、合計数を求めた。その数を、誘引剤として食酢を用いて同様に試験、観察したショウジョウバエの数(対照例)と対比し、対照例を1(基準)として、相対数(倍数)を求めた。その結果を表2に示す。 【0017】 【表2】 表2 ハエの誘引 誘引剤 ショウシ゛ョウハ゛エの数 (相対数) 食酢(対照例) 1 メロン 搾りカス 12 スイカ 搾りカス 9 バナナ 搾りカス 4 パイナップル 搾りカス 8 イチゴ 搾りカス 11 ブドウ 搾りカス 2 リンゴ 搾りカス 2 ク゛レーフ゜フルーツ 搾りカス 6 マンゴー 搾りカス 6 【0018】実施例3 (果物加工品等によるトラップを用いた誘引;対照例(食酢)と比較)試験室(約4m2、30°C)にショウジョウバエ約300頭を放ち、ハエのトラップ容器に表3に示す各種果物加工品、乳酸飲料30mlを充填したものを設置した。1時間後、各容器に捕獲されているショウジョウバエの数を観察した。試験は2回の繰り返しで行ない、合計数を求めた。その数を、誘引剤として食酢を用いて同様に試験、観察したショウジョウバエの数(対照例)と対比し、対照例を1(基準)として、相対数(倍数)を求めた。その結果を表3に示す。 【0019】 【表3】
【0020】実施例4 (酒、酒粕によるトラップを用いた誘引;対照例(食酢)と比較) 試験室(約4m2、30°C)にショウジョウバエ約300頭を放ち、ハエのトラップ容器に表4に示す醸造酒、蒸留酒、酒粕30mlを充填したものを設置した。1時間後、各容器に捕獲されているショウジョウバエの数を観察した。試験は2回の繰り返しで行ない、合計数を求めた。その数を、誘引剤として食酢を用いて同様に試験、観察したショウジョウバエの数(対照例)と対比し、対照例を1(基準)として、相対数(倍数)を求めた。その結果を表4に示す。 【0021】 【表4】 表4 ハエの誘引、捕獲 誘引剤 ショウシ゛ョウハ゛エの数 (相対数) 食酢(対照例) 1 酒粕(10%含有食酢) 53 酒粕パウダー(10%含有食酢) 47.5 紹興酒 7.8 そば焼酎 1.6 日本酒 3.0 【0022】実施例5 (果汁を用いたハエの捕獲;対照例(食酢)と併置して比較) 鮮魚店の魚調理台の上にある棚の上に、ハエのトラップ容器に表5に記載の果汁を各々30ml充填したものを設置した。対照例と各果汁誘引剤とを同心円上において、2日間設置し各ハエのトラップ容器に捕獲されたショウジョウバエの数を調査した。その結果を表5に示す。 【0023】 【表5】
【0024】 【発明の効果】本発明のハエ誘引剤である果実、果実加工品、醸造酒、蒸留酒、酒粕、乳酸飲料は、ハエ、特にコバエに対して極めて高い誘引活性を有するものである。また、本発明で用いる果実、果実加工品、醸造酒、蒸留酒、酒粕、乳酸飲料のハエ誘引剤を誘引剤としたハエ取りトラップを用いることで安全に且つ極めて効果的にハエを捕獲、防除することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100539 【氏名又は名称】アース製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月3日(2000.7.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066692 【弁理士】 【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−20213(P2002−20213A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月23日(2002.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願2000−200422(P2000−200422) |
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