トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 植物の病害防除方法及び装置
【発明者】 【氏名】富士原 和宏

【氏名】西村 善之

【要約】 【課題】オゾン水による効果的な植物の病害防除方法とその装置を提供する。

【解決手段】本発明の植物の病害防除方法は、電解式オゾン水製造装置によって陽極側に生成するオゾン濃度1〜30ppmで弱酸性のオゾン水を植物の地上部に撒布するもので、陰極側に副製するアルカリ水、前記植物の根元又はその近傍に撒布する事により地面に落下したオゾン水の分解を促進する
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オゾン水を用いる植物の病害防除方法において、オゾン水濃度が30ppm以下で弱酸性のオゾン水を植物の地上部に撒布する事を特徴とする植物の病害防除方法【請求項2】 前記オゾン水濃度が、2〜20ppmである請求項1に記載の植物の病害防除方法【請求項3】 前記オゾン水のpHが、3以上で7未満の弱酸性である請求項1又は2に記載の植物の病害防除方法【請求項4】 前記オゾン水中に、希塩酸,希硫酸等の強酸の希釈水を添加して前記pH調整を行い、得られた弱酸性のオゾン水を、成育中の植物に撒布する請求項3に記載の植物の病害防除方法【請求項5】 前記オゾン水中に、酢酸,クエン酸,リンゴ酸等の弱酸を添加して前記pH調整を行い、得られた弱酸性のオゾン水を、植物に可食部に撒布する請求項3に記載の植物の病害防除方法【請求項6】 前記オゾン水が、水の電気分解法により陽極側に生成させたオゾン水である請求項1乃至5のいずれかに記載の植物の病害防除方法【請求項7】 前記電気分解法に使用する原料水が、アルカリ金属型イオン交換樹脂によって軟水処理された軟水であり、該軟水の電気分解法の結果陰極側に生成したアルカリ水を前記植物の根元又はその近傍に撒布する請求項6に記載の植物の病害防除方法【請求項8】 オゾン水を用いた植物の病害防除装置であって、水の電気分解法によって陽極側にオゾン水を生成するオゾン水製造装置(1)と、該電解式オゾン水製造装置(1)の陽極側排水管(5)に接続され、前記植物の地上部に前記オゾン水を撒布するための撒布ノズル(7)を有するオゾン水撒布配管(5a)と、前記電解式オゾン水製造装置(1)の陰極側排水管(6)に接続され、前記植物の根元部又はその近傍に陰極水を撒布するための撒布ノズル(8)を有する陰極水撒布配管(6a)とを備えてなる事を特徴とする植物の病害防除装置【請求項9】 前記陽極側排水管(5)から送給されるオゾン水を貯蔵するオゾン水タンク(2)を備え、前記オゾン水撒布配管(5a)はポンプ(P1)を介して該オゾン水タンク(2)に接続されてなる請求項8に記載の植物の病害防除装置【請求項10】 前記オゾン水タンク(2)は密閉構造或いは圧力保持可能なタンクである請求項9に記載の植物の病害防除装置【請求項11】 前記電解式オゾン水製造装置(1)に供給する原料水を軟水化処理するためのアルカリ金属型イオン交換樹脂を用いた軟水化装置(11)を備え、前記電解式オゾン水製造装置(1)の陰極側にはアルカリ水を生成する様になし、前記陰極水撒布配管(6a)からはアルカリ水が撒布される様にしてなる請求項8乃至10のいずれかに記載の植物の病害防除装置【請求項12】 前記陰極側排水管(6)から送給されるアルカリ水を貯蔵するアルカリ水タンク(3)を備え、前記陰極水撒布配管(6a)はポンプ(P2)を介して該アルカリ水タンク(3)に接続されてなる請求項11に記載の植物の病害防除装置【請求項13】 原料水タンク(43)と、該原料水タンク(43)から供給される原料水を電気分解してオゾン水を生成する電解式オゾン水製造装置(1)と、該電解式オゾン水製造装置に必要な電力を供給する発電装置(41)と、を車両に搭載すると共に、前記電解式オゾン水製造装置(1)には、オゾン水を排出する陽極側排水ノズル(1a)と、陰極側排水ノズル(1b)とが形成され、夫々に可撓性ホースを接続して前記オゾン水及び陰極水を所定場所に撒布可能に構成してなる事を特徴とするオゾン水撒布装置【請求項14】 前記原料水タンク(43)と前記電解式オゾン水製造装置(1)との間に前記原料水を軟水化処理する軟水化装置(42)が配置されている請求項13に記載のオゾン水撒布装置【請求項15】 前記軟水化装置(42)が、アルカリ金属型イオン交換樹脂を用いるものであり、前記電解式オゾン水製造装置(1)の陰極側排水ノズル(1b)からアルカリ水が排出される様にしてなる請求項14に記載のオゾン水撒布装置
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、オゾン水を用いた植物の病害防除方法及びその装置に関するものであり、特に、オゾン分解速度を抑えた持続性のあるオゾン水を利用して植物の病害防除を行う方法と、これに用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オゾンは強い殺菌力を有すると共に速やかに分解して残留しない性質を有している事から、従来より、オゾンガスは上水や工業用水の殺菌に利用され、オゾンを溶解したオゾン水は、食品加工器具や食品表面の殺菌に使用されている。
【0003】一方、植物の病害防除の目的には、化学合成農薬を撒布する方法が一般的であるが、近年は、係る化学合成農薬の撒布は、環境汚染や生物の自然循環システムを破壊する原因となるばかりでなく、農薬を撒布する作業者や近くに住む住民の健康にも悪影響があるとして敬遠される傾向にあり、特に、市場では「減農薬,無農薬栽培」の農作物が好感を持って受け入れられている。
【0004】そこで、オゾンの有する強い殺菌力を農業の分野でも利用する事も種々提案されており、例えば、食品加工技術Vol.18 No.1(1998)のP6〜14「オゾン水利用による農産種子および農業用資材の殺菌」には、種子をオゾン水中に浸漬して殺菌処理する事により種子伝染性病害の発病が抑止される事が報告されており、又、特開平8−103176号公報には、人体に対して無害な低濃度のオゾン水を、育成中の野菜や果物、或いは収穫後の野菜や果物にオゾン水を撒布して病害虫の駆除と殺菌を行う方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】係る従来の方法において、先ず、化学合成農薬を用いるものは、周知の通り、残留農薬による土壌や環境の汚染等の種々の問題が提起されており、世論は減農薬,無農薬の方向に向いているが、それらを可能とする有効な代替技術がなく、又、単に化学合成農薬の使用を中止するだけの減農薬,無農薬栽培では、収穫物の外観や収穫量減少等の問題が伴っている。
【0006】一方、オゾン水を用いる方法は、オゾンの強い殺菌能を利用するものであるが極めて短時間で分解するため、その効力持続期間に問題がある。又、前記特開平8−103176号公報では、オゾンガスを生成させ、これを水に溶解させて人体に影響のない程度の低濃度オゾン水(MITのAsburyは、マサチューセッツ州のMetropolitan District Commissionの委託による調査結果として、0.05ppm以下は問題ないとしている。)を撒布するものであり、実効は期待し難い。特に、従来の殺虫剤に代えて係る低濃度オゾン水で病害虫を駆除するとの記載は、実現性に疑問がある。
【0007】本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたもので、オゾン水による実効性のある植物の病害防除方法と、これに使用する装置を提供する事を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の植物の病害防除方法は、係る観点の元になされたものであって、第一の特徴は、オゾン濃度を30ppm以下、好ましくは2〜20ppmの比較的高濃度オゾン水を、植物の地上部に撒布する点にあり、これにより、植物体表面に付着した病原菌を強力に殺菌すると共に、オゾン水から気化したオゾンガスによる植物体表面近傍における有効オゾンガス濃度を高くして、植物の体表面近傍の病原菌をも殺菌して植物の病害を防除するものである。
【0009】第二の特徴は、前記オゾン水を弱酸性水となすものであり、これにより、貯留中及び配管内輸送中におけるオゾン水中のオゾンの分解速度を抑えてオゾンの効果持続時間を長くし、オゾン水撒布の実効を高める点にある。この場合のオゾン水のpHは、3以上且つ7未満が好ましく、pH調整は、酸を添加して行う方法が一般的であり、この場合に使用する酸としては、植物の成育中は希塩酸,希硫酸等の強酸の希釈水溶液を用いることができ、可食部である野菜や果実の収穫前には、酢酸,クエン酸,リンゴ酸等の弱酸を添加して前記pH調整を行うのが好ましい。
【0010】オゾン水としては、高濃度オゾン水が得易い水の電気分解法により陽極側に生成させたオゾン水が好ましい。この場合に、電解のための原料水として、アルカリ金属型イオン交換樹脂を用いて軟水化処理した軟水を使用した場合には、陰極側にアルカリ水が生成するので、このアルカリ水を、灌水として前記植物の根元又はその近傍に撒布する事もできる。これにより、植物の生理機能の強化と共に該植物の根元やその近傍の地表面に落下した前記弱酸性のオゾン水を中和してオゾン水中のオゾンの分解を促進させる効果もある。
【0011】更に、上記植物の病害防除方法を実施するための好ましい装置としては、水の電気分解法によって陽極側にオゾン水を生成するオゾン水製造装置におけるオゾンを排出する陽極側排水管には、植物の地上部にオゾン水を撒布するための撒布ノズルを有するオゾン水撒布配管を接続し、一方、陰極側排水管には、前記植物の根元部又はその近傍に陰極水を撒布するための撒布ノズルを有する陰極水撒布配管を接続したものを基本とし、この変形例としては、前記オゾン水をオゾン水タンクに貯蔵し、該タンクからポンプを経て前記オゾン水撒布配管にオゾン水を供給する様にしたものがあり、この場合のオゾン水タンクは、オゾン水の自然分解速度を抑制する観点から、密閉構造のタンクであるのが好ましい。
【0012】又、前記電解式オゾン水製造装置に供給する原料水をアルカリ金属型イオン交換樹脂を用いて軟水化処理する軟水化装置を配置するのが好ましく、この場合には、前記電解式オゾン水製造装置の陰極側にはアルカリ水を生成するので、前記陰極水撒布配管からアルカリ水を撒布する様になし、更に、該アルカリ水を一旦アルカリ水タンクで貯蔵した後、ポンプを介して前記陰極水撒布配管からアルカリ水を撒布する様になしている。
【0013】又、上記装置を可搬式にしたものとして、原料水タンク,電解式オゾン水製造装置及び該電解式オゾン水製造装置を稼働させるための発電装置とを車両に搭載して、広大な果樹園等にも適用可能にしたものもある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。図1は、本発明に係る植物の病害防除方法を実施するための装置の一例を示す概念図であり、オゾン水製造装置1としては、水の電気分解方式によるオゾン水製造装置を用いた場合の例である。同図において、水道水等の適宜の原水を配管10からバルブV1を経て軟質化装置11に供給し、ここで軟水化処理された原料水を、前記電解式オゾン水製造装置1に供給する。該装置1内では、陽極側に供給された原料水は、陽極側排水管5からオゾン水として排出され、バルブV2を経てオゾン水撒布配管5aに送給される。同様に陰極側に供給された原料水は、陰極側排水管6から陰極水としてバルブV3を経て陰極水撒布配管6aに送給される。
【0015】ここで上記電解式オゾン水製造装置1について説明すると、同装置は、特開平8−134677号等に示されている公知の装置であって、図3にその概要を示している。即ち、耐オゾン性のフッ素系イオン交換膜等の有機物固体電解質膜21の一方の面に、オゾン発生触媒機能を有する貴金属製の金網等からなる陽極電極22を該電解質膜21に重ね合わせる様にして配置し、他方の面には、同様に陰極電極23を該電解質膜に重ね合わせる様にして配置すると共に、両電極の外側面には、夫々チタン或いはステンレス鋼等のオゾン耐蝕性を有する金属製のラス網24,25が全長に亘って配置されており、両電極間に直流電圧を印加できる様に、各電極は直流電源(図示せず)に接続されている。又、各電極22,23とラス網24,25とを内包する様に、外側に陽極側ジャケット20と陰極側ジャケット30が夫々配置され、各ジャケットには、陽極側原料水流入口26,陰極側原料水流入口27及び陽極水(オゾン水)排出口28,陰極水排出口29が夫々設けられている。
【0016】係る装置において、両電極間に直流電圧を印加すると共に原料給水管10からバルブV1a,V1bを経て前記各原料水流入口26,27に原料水を供給しつつ電解を行うと、陽極22側には水の電解により生成したOHイオン(OH- )が集まり、このOHイオンは、陽極のオゾン発生触媒の作用によってオゾンが発生すると共に、直ちに水中に溶解してオゾン水が生成する。このオゾン水は、陽極水(オゾン水)排出口28から前述の陽極水排出管5を経てオゾン水撒布配管5aに送給される。ここで、陽極電極22の外面近傍には、千鳥状に金網が互いに接合されているラス網24によって複雑に入り組んだ流路が形成されているので、陽極電極外面には多数の小さな渦流が生じ、この結果、電極面で発生したオゾンは渦流に巻き込まれて速やかに水中に溶解するので、オゾンガスとして水流と共に流出するオゾン量は減少し、即ち、溶解オゾン量が増加して30ppm程度の高濃度オゾン水が得られる事になる。
【0017】尚、前記陽極側原料水流入口26又はオゾン水排出口28のいずれかの近傍に前記微量の酸を添加可能となす事により、オゾン水のpHを弱酸性に調整する事も可能であり、特に前記陽極側原料水流入口26内に添加しておけば、原料水の電気電導度が向上し、電解を容易にする効果も期待できる。因みに、原料水中に塩化ナトリウムや塩化カリウムの如きアルカリ金属中性塩を添加しておくと、ナトリウムイオン(Na+ )やカリウムイオン(K+ )は、電解作用により前述の通り陰極に濃縮されて陰極水をアリカリ水となす作用をなすが、他方の塩素イオン(Cl- )は、陽極側に濃縮されて塩酸水を形成し、陽極水(オゾン水)を酸性化する事になる。この意味で、前記酸の添加に代えてアルカリ金属中性塩を添加する事により、陽極側に弱酸性のオゾン水を形成する事も可能であるが、前記アルカリ水の撒布による培地への塩の蓄積を考慮すると、前述した酸の添加の方が好ましい。
【0018】同様に、水の電解によって生成した水素イオン(H+ )は、陰極電極23側の電極面に集まって水素ガスとなって水中から放出され、水素を含む陰極水として陰極水排出口29から前記陰極側排水管6を経て前記陰極水撒布配管6aに送給される。
【0019】因みに、前記電解式オゾン水製造装置1に供給する原料水を軟水化処理するに当り、軟水化装置11としては、ナトリウムに代表されるアルカリ金属を用いたアルカリ金属型イオン交換樹脂を用いる方式と、水素型イオン交換樹脂を用いる方式とがあり、前者の場合には、原水中のカルシウムやマグネシウムをアルカリ金属に置換するものであるので、陰極面には水中に微量に含まれているナトリウムイオン(Na+ )やカルシウムイオン(Ca++)等のアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンも集まって濃縮され、陰極側の水をアルカリ水となし、前述の水素ガスと共に陰極水排出口29からアルカリ水水を排出する事になる。述の配管12を経てアルカリ水タンク3に送給される事になる。この様に、陰極側には、水素ガスと共に水中に微量に含まれているアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオン(主としてNa+ )も濃縮される結果、陰極側の水はpH9〜11或いはそれ以上のアルカリ水が生成される事が確認されている。一方、後者の場合には、原水中のカルシウムやマグネシウムを水素に置換するので、アルカリ水は生成されず、略中性の陰極水が排出される事になる。尚、これらイオン交換樹脂の再生処理に当り、前者の場合はナトリウムイオンを生成する食塩水で再生されるが、後者の場合には、水素イオンを生成する希塩酸や希硫酸等を使用するため、これらの酸の保存や酸性排水処理の問題が生じるので、ナトリウム型(アルカリ金属型)イオン交換樹脂を用いるのが好ましい方式である。以下は、係るアルカリ金属型イオン交換樹脂による軟水化装置を用いて陰極側にアルカリ水を生成する場合の例について説明する。
【0020】尚、アルカリ金属型イオン交換樹脂を用いる場合の陰極水のpH値は、両極側に供給する水の量の比によって異なり、陰極側に供給する水の量を陽極側に供給する水の量よりも少なくすれば、pH値は相対的に高くなり、逆に多くすればpH値は低くする事が可能である。
【0021】次に、図1において、上述した電解式オゾン水製造装置1によって陽極側に生成したオゾン水はバルブV2を経てオゾン水撒布配管5aに送給される。該配管5aのバルブV4〜バルブV6から先の部分には、植物を育成している複数のハウス4a〜4c内の上部に配置され且つ多数の撒布ノズル7が設けられている。一方、陰極水(アルカリ水)は、バルブV3を経て陰極水撒布配管(以下『アルカリ水撒布配管』と記載する場合がある)6aに送給される。該配管6aのバルブV7〜バルブV9から先の部分は、前記複数のハウス4a〜4c内の下部に配置され且つ多数の撒布ノズル8が設けられている。
【0022】図2は、そのハウス内の配管と育成植物の関係を示した概念図であって、ハウス内には所定間隔で育成植物Pが植成されており、その上部には前記オゾン水撒布配管5aが配置され、その下部には前記アルカリ水撒布配管6aが設置されている。前記オゾン水撒布配管5aには、前記育成植物Pの植成間隔と略同間隔でオゾン水撒布ノズル7が配置され、オゾン水を育成植物Pの上部から該植物Pの地上部分に均一に撒布する様になっている。これにより、撒布されたオゾン水は育成植物Pの茎葉に付着して、該茎葉に付着している病原菌を殺菌する。同時に該オゾン水から気化したガスオゾンも、育成植物Pの周りにオゾンガス含有空気層を短時間ながら形成し、オゾンガスによる殺菌と同様に、育成植物Pに付着している或いはその近傍に浮遊している病原菌の殺菌に寄与する事になる。
【0023】尚、本発明で使用するオゾン水は、オゾン濃度が30ppm以下であり、従来のガス溶解方式で製造されたオゾン水に比して比較的高濃度のオゾン水であるので、オゾン水濃度の自然減衰によりオゾン水が失効するまでの時間が比較的長くなると共に、そのpHも弱酸性の領域となしているので、長時間に亘ってオゾン水濃度が維持される事になる。
【0024】この点について説明すると、図4は、オゾン水のpHとオゾン水中のオゾン濃度の経時変化を示したグラフであり、同図から明らかな通り、アルカリ領域では急速にオゾン濃度が低下する事が分かる。即ち、中性領域及び酸性領域では、オゾン濃度の急激な低下を防止し得る事が理解される。本発明は、係る知見に基づいてオゾン水のpHを、最もオゾン濃度の減衰の小さな弱酸性となしている。好ましいpHとしてはpH3以上,7未満であり、アルカリ領域では、上述の通りオゾン水の分解が促進されるので、オゾン水撒布までの移送中にオゾンが分解して失効し、オゾン水の撒布には適さないからである。又、pHを3以上としたのは、酸性度が高いオゾン水を長期間に亘って撒布し続けると、育成植物に悪影響がでる事は酸性雨の問題と同様である。従って、pHは3以上、好ましくは5以上の弱酸性に調整するのがよい。
【0025】因みに、上述の説明では、電解式オゾン水製造装置1で生成したオゾン水を、直接オゾン水撒布配管5aに供給して撒布する様にしているが、図1に示している様に、該オゾン水製造装置1で生成したオゾン水は、バルブV10を経て一旦オゾン水タンク2に貯蔵した後にバルブV11及びポンプP1を経て前記オゾン水撒布配管5aに供給する様になす事も可能である。この場合には、オゾン水タンク2内におけるオゾン水貯蔵期間中に、オゾンが分解してオゾン濃度が低下するのは極力避けなければならない。そこで、本発明では、オゾン水タンク2は密閉構造のタンクとしている。この点を図5により説明する。図5は、弱酸性領域でのオゾン水中のオゾン濃度の経時変化を示したグラフであって、オゾン水中に酢酸を添加してpH4の弱酸性に調整したもので、(a)はこのオゾン水をステンレス容器に充填率100%で充填した場合のオゾン濃度の変化を示し、(b)は上部を開放した三つ口フラスコの底部にオゾン水を注入して放置した場合(フラスコの開口部には栓をせずに開放)のオゾン濃度の変化を示し、(c)は前記(b)と同様の三つ口フラスコの底部にオゾン水を注入し、中央の開口には栓をして両側の開口の一方から空気を流入させ他方の開口から流出する様にした場合のオゾン濃度の変化を変化を示している。同図から明らかな様に、密閉系(a)では30分経過後も約4.9mol/l(減少率約4%)であるのに対し、単なる開放系(b)では約2.2mol/l(減少率約60%),気体流通系(c)では約0.4mol/l(減少率約90%)となっている。この事から、オゾン水を弱酸性領域で密閉系に保持しておけば、オゾンの自然分解や自然放散等による自然減衰速度を大幅に低減させる事が可能である事が理解されよう。従って、オゾン水を貯蔵して移送する場合には、貯蔵タンクは密閉タンクとなすのが好ましいといえる。
【0026】尚、実際のタンクでは、オゾン水充填率が100%の状態は稀であり、空気のベント管が配置されて蓋がなされているのが一般的なタンク構造であるが、タンク内の気液は、次第にオゾンの平衡状態に近付いてくるので、オゾン水製造装置からオゾン水が該タンク内に供給されつつ該タンクからオゾン水を排出する様な場合には、前記タンク内のオゾン水濃度は、上記(a)と(b)との中間的な挙動を示す事になる。従って本発明では蓋をした状態のタンクを含めて「密閉系」として記載する。又、好ましいものとしては、オゾン水タンクにオゾン水を加圧下で供給し、該オゾン水を加圧下で保持できるものがある。この場合には、密閉系に加えて加圧系であるので、オゾン水濃度の低下を長時間に亘って防止可能となり、オゾン水を撒布地に輸送するには最適のものである。
【0027】以上の通り、比較的高濃度で弱酸性に調整されたオゾン水を、前記育成植物Pの地上部に撒布すると、該育成植物Pに撒布された時のオゾン水濃度も相当高い値に維持されており、従って、オゾンによる殺菌効果を高く且つ長時間維持する事が可能となっている。又、オゾン水が生成されてから撒布される迄の許容時間も前述の通り長く取れるので、オゾン水製造装置1の設置場所と撒布場所4とが離れていても、オゾン水の移送過程におけるオゾン濃度の減衰も最小限に止める事も可能となっている。尚、前記オゾン水濃度は、オゾン水製造装置と撒布場所との関係で考慮されるべきであり、オゾン水製造装置から直接撒布される場合には、オゾン水濃度が2〜10ppm程度でもよいが、図1の如くオゾン水製造装置と撒布場所とが離れている場合には、その移送時間に応じて高い濃度のオゾン水を用いるべきであり、通常は5〜30ppm程度の範囲で選定されるのが好ましい。尚、オゾン水濃度が高過ぎると、育成植物の茎葉表面或いはその近傍で気化したオゾンガスが、葉の気孔を通して葉肉の内部に侵入し、葉の組織を破壊する可能性が高くなるので、30ppm以下となす必要があり、好ましくは20ppm以下がよい。尚、植物に対する限界オゾン水濃度は、植物の種類や成育段階によっても異なり、又、最適オゾン水濃度も、前述の植物の種類や成育段階と共に対象とする病害の種類によっても異なるので、実験等により適宜選定すべきものである事はいうまでもない。
【0028】次に、前記アルカリ水撒布配管6には、アルカリ水撒布ノズル8が、1つの育成植物Pの両側に位置する様に夫々配置されており、前記育成植物Pの根元部或いはその近傍にアルカリ水が撒布される様になっている。これには幾つかの理由があり、第一には、前記オゾン水撒布ノズル7から撒布されたオゾン水が弱酸性であるので、該弱酸性水が育成植物Pを伝わって土壌Gに侵入するのは避けられない。そこで、土壌Gが酸性化するのを該アルカリ水で中和する目的を有するものである。次に、第二には、比較的高濃度のオゾン水が、育成植物を伝わって或いは直接土壌に撒布されるのは避けられないが、このオゾン水により土壌表面近傍の各種有効微生物をも殺菌してしまう可能性がある。そこで、アルカリ水を地表面に撒布してオゾン水と接触させる事によって、前述の通りオゾンの分解を促進させてオゾン水の殺菌機能を速やかに失効させる目的を有するものである。
【0029】以上は、ハウス内の育成植物にオゾン水を撒布する例であるが、果樹園等の屋外の山野において育成している植物に対しては、その撒布場所までオゾン水を搬送するか、現地にてオゾン水を製造するかのいずれかの方式となる。係る果樹園等には、収穫時の果実の搬送や各種農薬及び肥料の搬入のために、少なくとも小型トラックが進入可能な程度の道路が設けられている。そこで、図6に示した様に、小型トラック40の荷台に、原料水タンク42と該原料水の軟水化装置11と電解式オゾン水製造装置1と該電解式オゾン水製造装置に必要な電力を発生する発電装置41とを搭載して移動式オゾン水撒布装置となしている。この装置において、前記原料水タンク42に水道水等の適宜の原料水を適量注水して果樹園等のオゾン水撒布を行う現場に車両40に搭載して搬入する。現地では、ガソリン,灯油或いは太陽電池等で小型の発電装置41を作動させて電解式オゾン水製造装置1を稼働させ、前記原料水タンク42内の原料水を軟水化装置11を経て該電解式オゾン水製造装置1に供給して水の電解を行い、前述した様に、陽極側にオゾン水が、陰極側にアルカリ水が生成する。前記電解式オゾン水製造装置1にはオゾン水排出ノズル1aとアルカリ水排出ノズル1bとが配置されており、夫々に、先端に撒布ノズルを有する配管を接続し、オゾン水は前述の要領で樹木の地上部に、アルカリ水は該樹木の根元部或いはその近傍に夫々撒布する。
【0030】係る移動式オゾン水撒布装置を所定の場所まで搬送し、その場で撒布作業を行う場合には、前記オゾン水排出ノズル1a及びアルカリ水排出ノズル1bの夫々に、先端に撒布ノズルを備えたビニールホース等の可撓性ホースを接続し、1人がオゾン水の撒布を、他の1人はアルカリ水の撒布を行う。尚、1人で撒布作業を行う場合には、オゾン水撒布中は、前記アルカリ水は地表に垂れ流しする事も可能であるが、アルカリ水はオゾン水と異なり、分解する事はないので、適宜の空タンクを用意しておき、オゾン水散布中は、該タンクにアルカリ水を溜めておき、オゾン水散布終了後にアルカリ水の散布を行う様になす事も可能である。一方、前記オゾン水排出ノズル1a及びアルカリ水排出ノズル1bの夫々に、先端に撒布ノズルを備えた固定式の配管を設け、車両を移動させつつオゾン水やアルカリ水の撒布を行う事も可能である。特に、この方式は、街路樹に対するオゾン水やアルカリ水の撒布には最適である。
【0031】尚、上記において、原料水タンク42に、予め軟水化処理した軟水を充填する方式も可能であり、この場合には、前記軟水化装置11は車両40に搭載不要となる事は言うまでもない。
【0032】次に、本発明の実施例について説明する。以下の実施例では、オゾン水撒布による植物の病害防除効果を確認するため、キュウリ葉に図3に示した電解式オゾン水製造装置で製造されたオゾン水を撒布して「キュウリうどんこ病(以下、単に『うどんこ病』と記載する」の防除効果を調査すると共に、該オゾン水撒布による「光合成抑制」の有無についても調査するためオゾン水撒布の前後のキュウリ葉の純光合成速度を測定した。
【0033】
【実施例】供試植物として、キュウリ株(品種:シャープ7)を用い、キュウリ株の栽培は、東京大学農学部内の屋上ガラス温室で行った。培地には樹皮加工植物栽培支持材を用い、灌水を兼ねた養液には大塚ハウスB処方1単位養液の供給を、1株当り0.2l、1日1回行った。尚、このキュウリ株の葉にうどんこ病原菌を塗布してうどんこ病の発病を促進した。供試植物と栽培条件の詳細は、表1の通りである。
【0034】
【表1】

【0035】前記試験区には、試験水の撒布を行わなかった「Cont区」と、蒸留水を撒布した「DW区」とオゾン濃度2ppmのオゾン水を撒布した「O3-2区」とオゾン濃度4ppmのオゾン水を撒布した「O3-4区」の計4試験区とした。撒布した試験水(蒸留水及びオゾン水)の詳細は、表2の通りである。尚、使用したオゾン水製造装置は、神鋼プラント建設(株)製の高濃度オゾン水製造装置(Do−03型)を用いた。
【0036】
【表2】

【0037】オゾン水の撒布は、肩掛式噴霧器(NH9D,(株)丸山製作所製)を用いて、1鉢当り0.15lを週に2回行った。撒布に当り、培地にオゾン水が触れない様に培地表面を透明プラスチックフィルムで被覆した。うどんこ病発病度(以下単に「発病度」と記載する)は、展開葉の全てについて目視により、表3に示した5段階評価法に基づいて評価した値から、次式(1)を用いて算定した。
【0038】
【数1】

【0039】
【表3】

【0040】一方、純光合成速度は、携帯用光合成蒸散測定装置(LI−6400,米国LI−COR社製)を用いて、異なる光強度(PPFD300及び500μmol・m-2・s-1)下で測定した。
【0041】上記試験による病害防除結果を示した図7から明らかな様に、オゾン水を撒布していない「Cont区」及び「DW区」の発病度は、試験開始後徐々に増加しているのに対し、オゾン水を撒布した「O3-2区」及び「O3-4区」の発病度は略一定で推移している。試験最終日における「O3-2区」及び「O3-4区」の発病度は、「Cont区」及び「DW区」の発病度よりも夫々1%レベルで有意に小であった。尚、「O3-2区」と「O3-4区」の発病度には有意差は認められなかったが、オゾン水の撒布により、発病度を低下させ得る大きな防除効果が期待出来る事が分かった。
【0042】次に、オゾン水撒布による純光合成抑制については、上記試験結果を図8及び図9に示した様に、前記光強度(PPFD300及び500μmol・m-2・s-1)下にはオゾン水撒布の前後に大きな差は認められず、又、僅かに認められる差も「Cont区」及び「DW区」のそれと同程度であり、オゾン水撒布による光合成の抑制は認められなかった。
【0043】又、この試験の結果、弱酸性のオゾン水を撒布しても、電解強酸性陽極水の撒布によりしばしば発生が認められる葉焼け様の生理障害(葉の黄化・褐変)は認められなかった。
【0044】以上の試験結果から、オゾン水の撒布はうどんこ病の防除に有効であり、且つキュウリ葉に対しても光合成抑制や生理障害発生等の負の影響を及ぼさない事が明らかになった。この事実から、オゾン水は植物の他の病害防除にも有効な事が容易に推察される。又、オゾン水濃度も2〜4ppmで相当の効果があったが、更に高濃度の10ppm程度のものを使用すれば、更に顕著な効果が現れるものと考えられる。
【0045】本発明は以上の通り、比較的高濃度のオゾン水を弱酸性に調整して育成植物の地上部に撒布する事により植物の病害防除を行うものであって、上記した説明例に限定されるものではなく、種々の応用例や変形例が存在する事は言うまでもない。例えば、図2の例では、オゾン水撒布配管5aに所定間隔で撒布ノズル7を配置しているが、育成植物Pの種類が変わった場合には、そのノズル間隔を育成植物Pの間隔に応じて調整可能な構造となすのが一般的である。この場合には、撒布配管5aを伸縮自在となすか或いは該撒布配管をビニールホース等の可撓性を有する材料で形成し、その弛み度合いを適宜調整する事により、該ノズル間隔を調整可能となす事も可能である。更に、前記撒布ノズル7を1つのみとなし、これを育成植物の上部で移動式にして順次移動させつつオゾン水撒布を行う様になす事も可能である。
【0046】又、ハウス栽培の育成植物にオゾン水を撒布する場合には、本発明で使用するオゾン水の濃度は比較的高濃度であるから、作業員がハウス内に入って撒布するのは好ましくない。従って、図1,2に示している如く、オゾン水製造装置やオゾン水タンクをハウス外に設置しておき、オゾン水撒布配管のみをハウス内に設置して、作業員がハウス内に入らなくても全ての操作をハウス外で行える様になすのが好ましい。
【0047】又、ミカン,ぶどう,梨,桃等の屋外栽培の果樹園の場合でも、当該果樹園の近傍に車載式オゾン水製造装置を搬入し、該装置から可撓性ホースで各樹木の地上部に向けてオゾン水を撒布する様になす事は前述の通りであるが、山間部の果樹園の場合には、灌水用の配管が既に配置されている場合も多いので、この場合には、該配管を通してオゾン水を送水し、該配管の各所に配置されている蛇口から、現在農薬撒布に使用されている肩掛式の噴霧器にオゾン水を分取して各樹木に撒布する事も可能である。係る方式が可能となるのは、本発明で使用するオゾン水が比較的高濃度である事とオゾンの自然分解が抑制される様にpH調整を行っている事による。
【0048】又、育成植物の群の内の発病が認められた一部にのみオゾン水を撒布する場合には、前記肩掛式の噴霧器にオゾン水を充填して現場に搬送したり、或いは、タンクに充填して現場近傍に搬送し、その場で前記噴霧器にオゾン水を分取して撒布する事も可能である。この場合には、オゾン水の自然分解速度を抑制するために、酸性度を高めておき、現場で水を配合してpH調整を行う様にする事も可能である。
【0049】又、オゾン水のpH調整に当り、酸を添加してpH調整を行う場合には、目的とする植物が成育途上にあるときは、希塩酸や希硫酸等の安価な強酸の希釈水溶液を用いて調整する事も可能であるが、収穫前には、係る硫酸や塩酸は好ましくないので、仮に人体に入ったとしても影響のない酢酸やクエン酸やリンゴ酸等の安全な弱酸でpH調整するのが好ましい。
【0050】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明のオゾン水による植物の病害防除方式によると、比較的高濃度のオゾン水を用いるので、オゾンによる殺菌効果の保持時間を長くする事ができるのみならず、オゾン水のpHもオゾン水濃度の自然減衰を抑制できる弱酸性に調整しているので、オゾンによる殺菌効果を、一層長時間に亘って保持する事ができ、撒布後も確実に植物の病害防除効果が維持される事になる。
【0051】又、オゾン水のpH調整により、オゾン水濃度を有効な範囲に長時間保持できるので、オゾン水製造場所から撒布場所が離れている様な場合でも、オゾン水の輸送が可能となり、オゾン水撒布による病害防除の対象も適宜拡大する事が可能となり、無農薬化,減農薬化に大きく貢献する事が期待される。特に、オゾン水製造装置から送給されるオゾン水をタンクに貯留する方式を採用する場合には、該タンクを実質的に密閉構造となす事により、タンク内での貯留期間内におけるオゾン水濃度の自然減衰を抑制できるので、上記pH調整との相乗効果により、オゾン水の一層の長距離輸送も可能となり、オゾン水撒布対象の一層の拡大も可能となる。
【0052】又、オゾン水製造装置として水の電解によるオゾン水製造装置を用いる場合には、陽極側のオゾン水と共に、陰極側にはアルカリ水が生成するので、このアルカリ水を、従来の灌水に代えて植物の根元又はその近傍に撒布する様になせば、前記地表面に落下した弱酸性のオゾン水の中和作用と、該弱酸性のオゾン水のpHを高めてオゾンの自然分解速度を速め、オゾン水による地表近傍の有効微生物の殺菌という負の障害も防止できる効果がある。
【0053】更に、オゾン水製造装置を原料水タンク及び発電装置と共に車両に搭載して移動式となせば、果樹園等の広大な耕地内に育成されている植物に対しても、順次車両を移動させつつ撒布する事も可能となり、オゾン水による植物の病害防除システムの適用範囲を可及的に拡大可能となる。
【0054】特に、従来から環境面や健康面から何かと問題視されている農薬の使用が不要となったり或いは少なくとも減少させる事が可能となるので、人の健康のみならず、昆虫その他の動植物に対する悪影響も軽減される等、本発明による社会,環境に及ぼす効果は大なるものが期待される。
【出願人】 【識別番号】591278666
【氏名又は名称】神鋼プラント建設株式会社
【出願日】 平成12年6月30日(2000.6.30)
【代理人】 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
【公開番号】 特開2002−20211(P2002−20211A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2000−198936(P2000−198936)