| 【発明の名称】 |
ゴム製品に防汚性を付与する方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 一雄
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| 【要約】 |
【課題】防汚剤がゴム製品の表面から析出して抜け切り、防汚能力を失ったゴム製品の防汚能力の再生方法を提供する。
【解決手段】防汚性を付与すべきゴム部分の表面をシ−ト2で覆って膨潤室5を形成し、該膨潤室5の中に防汚剤を溶解した処理液3を注入し、注入を終えた後速やかに前記膨潤室5を密封し、しかる後前記処理液3がなくなるまで放置し、処理液3がなくなった後前記膨潤室5を撤去し、処理液3により膨潤したゴム部分がもとの形状付近に戻るまで自然乾燥する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】防汚性を付与すべきゴム部分の表面をシ−トで覆って膨潤室を形成し、該膨潤室の中に防汚剤を溶解した処理液を注入し、注入後速やかに前記膨潤室を密封し、しかる後前記処理液がなくなるまで放置し、処理液がなくなった後前記膨潤室を撤去し、処理液により膨潤したゴム部分がもとの形状付近に戻るまで自然乾燥するゴム製品に防汚性を付与する方法。 【請求項2】前記処理液が、有機溶剤に対して防汚剤を2〜50重量%濃度で溶解してなる請求項1に記載のゴム製品に防汚性を付与する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ゴム製品に防汚性を付与する方法に係わり、更に詳しくは海水中で海洋生物が付着するのを防止するためのゴム製品の処理方法に関するものである。 【0002】 【従来技術】海水中で使用するゴム製品を海洋生物の付着から護る方法として、従来から、未加硫ゴムの段階でゴムに防汚剤を練り込んでおき、これを原料としてゴム製品を製造する方法が多く採用されてきた。 【0003】そして、練り込む防汚剤の量を調節することにより、海水中でのゴム製品の表面に防汚剤が絶えず析出して海洋生物の付着を防止することに成功してきた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】然しながら、船舶のゴム部品の場合にあっては、船舶の運航過多の場合や、海洋生物の多い近海での航行が多い場合には、当初の想定より早い時期に防汚剤がゴム部品から抜け切ってしまい、初期の想定寿命を全うできずに海洋生物が付着してしまう場合が多々あった。 【0005】このような場合には、ドック入りして付着した海洋生物を除去する必要があり、海洋生物の付着を防止する新たな手段が見当たらなかったために、これを繰り返す以外に方法がなく、多くの時間と多くの労力及び費用を要してきた。 【0006】この発明の目的は、防汚剤がゴム製品から抜け切ってしまった場合に、有効な防汚性能の再生方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達成するため、防汚性を付与すべきゴム部分の表面をシ−トで覆って膨潤室を形成し、該膨潤室の中に防汚剤を溶解した処理液を注入し、注入後速やかに前記膨潤室を密封し、しかる後前記処理液がなくなるまで放置し、処理液がなくなった後前記膨潤室を撤去し、処理液により膨潤したゴム部分がもとの形状付近に戻るまで自然乾燥することを要旨とするものである。 【0008】これにより、処理液の溶剤がゴムの中に浸透する力を利用して、ゴム製品の内部に防汚剤を浸透させ、防汚性能の再生を可能にしたものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。 【0010】図1は、この発明のゴム製品に防汚性を付与する方法の一連の工程を説明するためのチャ−ト図であって、前処理方法として、防汚性を付与すべきゴム製品のゴム部分を洗浄すると共に、その部分の体積を測定する。 【0011】また、これに伴い、防汚性を付与すべきゴム部分の体積に応じて、これを膨潤させるのに必要な溶剤の量と、要求される防汚寿命に応じた防汚剤の量をそれぞれ決定し、防汚剤を溶剤に溶かして処理液を調合する。 【0012】前記防汚剤の種類は特に限定されないが、4,5−ジクロロ−2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニル、2,4,5,6−テトラクロロ−イソフタロニトリル等が使用され、溶剤の種類としてはトルエン、キシレン、n−ヘキサン等の他、ケトン類、エステル類、アルコ−ル類等の有機溶剤が広く使用される。 【0013】また防汚剤の割合は、有機溶剤に対して2〜50重量%濃度とすることが好ましい。ここで、2重量%未満では防汚性能を充分発揮することができなくなり、50重量%超では処理液のゴム製品への浸透が阻害されるからである。 上記の前処理が終わったら、この発明の防汚性を付与すべきゴム部分に処理液を含浸させる工程に移る。 【0014】ここで、図2(a)〜(d)は、この発明の一連の工程のうち、処理液を収容する膨潤室を形成する工程を説明するための説明図で、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図を示し、図2(d)は、図2(c)のB−B断面図を示している。 【0015】前記防汚性を付与すべきゴム部分に処理液を含浸させるために、その表面を図2(a)及び(b)に示すようにシ−ト2で覆って、上方を開口させて左右と下方の三方を構造物1に固定して処理液を収容する膨潤室5を形成する。 【0016】シート2の材料は処理液の溶剤と反応しないまたは溶剤に溶解しない材料から選ばれるが、通例は透明なポリエチレンシ−ト又はポリプロピレンシ−ト等が使用される。 【0017】その後、図2(a)及び(b)に示すように膨潤室5の上方の開口部分から処理液3を注入する。注入が終わったら、図2(c)及び(d)に示すように速やかに膨潤室5の上方の開口部分を密封し処理液3の溶剤が揮発するのを防ぐ。 【0018】このままの状態で処理液が構造物1上のゴム製品に浸透し、処理液がなくなるまで放置する。この間、ゴム製品は処理液を内部に含みながら膨潤を続ける。 【0019】処理液がなくなった段階で膨潤室5を撤去し、膨潤して体積が膨脹したゴム部分がもとの形状付近に戻るまで自然乾燥する。 【0020】以上により、この発明の一連の工程が終了する。これによりゴム製品は内部に防汚剤を取り込んで防汚性能を取り戻し、海中で防汚剤がゴム製品の表面に絶えず析出して海洋生物の付着を防止する機能を再び果たすことが可能とした。 【0021】なお、この発明の方法は、防汚剤を練り込まない材料から製造した新しいゴム製品にも適用可能であり、特に防汚剤に熱の加わる工程が含まれていないため、防汚剤が分解したり変質することがなく、安定した防汚効果が期待できる。 〔実施例〕ネオプレンゴムからなるゴム片(250g)を2ケ用意し、その一方(以下、未処理品という)はそのままとし、他方(以下、本発明品という)を図3に示すように、54gの防汚剤を206gのトルエンに溶解した処理液3の入った透明な容器4に浸して密閉した後、処理液がなくなるまで放置し、処理液がなくなった後、容器4から取り出し、もとの大きさ付近になるまで自然乾燥させた。 【0022】未処理品と本発明品を海中に浸して放置したところ、未処理品には1ケ月後に海中生物が付着し始めたのに対して、本発明品は9ケ月経っても全く変化が認められなかった。 【0023】 【発明の効果】以上のように、この発明では、防汚性を付与すべきゴム部分の表面をシ−トで覆って膨潤室を形成し、該膨潤室の中に防汚剤を溶解した処理液を注入し、注入後速やかに前記膨潤室を密封し、しかる後前記処理液がなくなるまで放置し、処理液がなくなった後前記膨潤室を撤去し、処理液により膨潤したゴム部分がもとの形状付近に戻るまで自然乾燥するので、防汚剤を溶解した処理液をゴム製品に含浸させ、ゴム製品の内部に防汚剤を充分取り込ませたため防汚剤が常にゴム製品の表面に析出する状態を作り上げることができ、ゴム製品が防汚性能を取り戻して海中で使用する構造物の寿命を延ばすことが出来る効果がある。 【0024】また、この発明の方法では、防汚剤に熱の加わる工程が含まれないため、防汚剤が分解したり変質することがなく、安定した防汚効果が期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006714 【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月29日(2000.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066865 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−20203(P2002−20203A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月23日(2002.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願2000−196685(P2000−196685) |
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