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【発明の名称】 全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法
【発明者】 【氏名】池田 和幸

【氏名】杉浦 正昭

【氏名】井上 裕章

【要約】 【課題】有効成分中に害虫防除剤を含有する場合の害虫防除効果、及び有効成分中に消臭・防菌剤等を含有する場合の消臭、除菌等の各効果をさらに高めることができるようにする。

【解決手段】有効成分、溶剤を含む原液と噴射剤からなる内容物を、これを充填した包装用容器より短時間で空間に全量噴射する全量噴射型エアゾール方法において、有効成分が害虫防除成分、消臭成分、防菌成分、防黴成分から選択された少なくとも2種以上の異種成分からなり、この有効成分の噴射量を1m当たり0.05〜1.0ml/秒の範囲で噴霧処理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有効成分、溶剤を含む原液と噴射剤からなる内容物を、これを充填した包装用容器より短時間で全量噴射する全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法において、有効成分が害虫防除成分、消臭成分、防菌成分、防黴成分から選択された少なくとも2種以上の異種成分からなり、この有効成分を含む内容物の噴射量を1m当たり0.05〜1.0ml/秒の範囲で噴霧処理することを特徴とする全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法。
【請求項2】 内容物の噴霧粒子径が9〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法。
【請求項3】 有効成分が、害虫防除成分と消臭成分及び/または防菌・防黴成分からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法。
【請求項4】 処理空間の出入口近傍より処理空間内に向けて内容物を噴射するようにしたことを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1項記載の全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋内で発生する害虫、臭い、細菌、カビ等による被害を除去、消臭、除菌、防黴する室内処理剤として、有効成分、溶剤を含む原液と噴射剤からなる内容物を容器より短時間で全量噴射する全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、室内全体をまるごと薬剤処理するための手段に、エアゾール装置や燻蒸装置が使用されているが、燻蒸装置では、燃焼または加熱による火傷事故の危険性や発生ガスによる汚染性等から敬遠され、最近はエアゾール装置が多用されている。
【0003】かかるエアゾール装置としては、有効成分、溶剤及び噴射剤を含有する内容物を容器内に封入し、容器の押釦を一度押すことで内容物を噴射口から一挙に全量噴射する全量噴射型のエアゾール装置が種々知られている。
【0004】また、かかるエアゾール装置の薬剤処理としては、害虫防除がよく知られており、市販品として衛生害虫であるゴキブリ、ダニ、ノミ等の棲息害虫を一度の処理で防除するものが使用されている。そして近年、使用薬剤において、複数種類の害虫防除剤を用いたもの、及びこの害虫防除剤と消臭剤や防菌剤とを混入したものが用いられるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の全量噴射型エアゾール装置にあっては、使用薬剤中に害虫防除剤を含有する場合における害虫の防除効果、及び、使用薬剤中に消臭剤や防菌剤を含有する場合における消臭・防菌効果が、いまひとつ物足りないものがあり、上記各効果のさらなる向上が望まれている。
【0006】本発明は上記のことにかんがみなされたもので、有効成分中に害虫防除剤を含有する場合の害虫防除効果、及び有効成分中に消臭・防菌剤等を含有する場合の消臭、防菌等の各効果をさらに高めることができるようにした全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法は、有効成分、溶剤を含む原液と噴射剤からなる内容物を、これを充填した包装用容器より短時間で全量噴射する全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法において、有効成分が害虫防除成分、消臭成分、防菌成分、防黴成分から選択された少なくとも2種以上の異種成分からなり、この有効成分を含む内容物の噴射量を1m当たり0.05〜1.0ml/秒の範囲で噴霧処理するようにした。また、このときの噴霧粒子径を9〜30μmにした。
【0008】そして上記全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法において、有効成分が、害虫防除成分と消臭成分及び/または防菌・防黴成分からなり、また、上記内容物の噴射を処理空間の入口近傍より処理空間に向けて行うようにした。
【0009】
【作用及び効果】包装用容器より短時間に全量噴射される内容物中の有効成分が少なくとも2種以上の異種成分からなっていることにより、家屋内に発生する複数種の被害を、1本の包装容器からの噴射により解消することができる。
【0010】そして上記内容物の噴射量が1m当たり0.05〜1.0ml/秒の範囲で噴霧処理されることにより、また、このときの噴霧粒子径が9〜30μmにしたことにより、有効成分は拡散性がよく、かつ適度な時間に落下することが可能になり、有効成分中に害虫防除剤を含有する場合の害虫防除効果、及び有効成分中に消臭・防菌剤等を含有する場合の消臭、防菌等の各効果をさらに高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明する。エアゾール包装容器に充填するエアゾール内容物は、有効成分、溶剤及び噴射剤からなり、有効成分として、殺虫剤、忌避剤、殺ダニ剤等の害虫防除成分、消臭剤、芳香性消臭剤、中和・マスキング芳香剤等の消臭成分、防菌剤、防黴剤等の防菌・防黴成分から選ばれた、少なくとも2種以上の異種成分の組み合わせからなっている。
【0012】例えば、害虫防除成分と、消臭成分、防菌成分、防黴成分等から選ばれた1種以上の組み合わせ、または消臭成分、防菌成分、防黴成分等から選ばれた2種以上の組み合わせが挙げられる。
【0013】なお、各有効成分と他の組み合わせ成分としては、密閉空間、例えば、一般家庭の部屋、食堂、病室、自動車の車内等のように衛生管理を必然視した限定された空間の処理目的に合わせ、しかも処理が全量噴射であることから、安全性に充分留意して選択することが重要である。
【0014】次に上記各成分の薬剤のいくつかを例示する。
【0015】害虫防除成分の殺虫剤としては、安全性が高いことからピレスロイド系化合物を用いることが好ましい。その代表的なものとして、アレスリン、dl・d−T80−アレスリン、dl・d−T−アレスリン、d・d−T−アレスリン、d・d−T80−プラレトリン、レスメトリン、dl・d−T80−レスメトリン、エンペントリン、テラレスリン、トランスフルトリン、フタルスリン、dl・d−T80−フタルスリン、フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、イミプロスリン、フェンバレレート、シペルメトリン、シフェノトリン、エトフェンプロックス、テフルスリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン等が例示できる。
【0016】また上記以外の殺虫剤として、有機リン系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤や成長制御剤等も挙げることができ、これらには、例えば、ダイアジノン、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、マラチオン、ジクロボス、プロペタンホス等の有機リン系殺虫剤、カルバリル、プロポキスル等のカーバメイト系殺虫剤、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルプ等が例示できる。
【0017】また、上記薬剤については、効力増強剤を使用することも可能であり、代表的なものとしては、ピペロニルブトキサイド、オクタクロロジプロピルエーテル、チオシアノ酢酸イソポルニル、N−(2−エチルヘキシル)−ピシクロ[2.2.1]−ヘプタ−5−エン−2.3−ジカルボキシイミド等が例示できる。
【0018】害虫防除成分として、忌避剤、殺ダニ剤も挙げられる。忌避剤の代表的なものとしては、N.N−ジエチル−m−トルアミド、ジブチルフタレート、2−エチル−1.3ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カプリン酸ジエチルアミド、N−プロピルアセトアニリド、p−メンテン−3.8−ジオール、シトロネラール、グァニジン、テトラメチルチウラムジサルファイト、ナフタレンクレゾール、シクロヘキシミド、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2.2.3.3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2.2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート等が例示できる。
【0019】また、殺ダニ剤の代表的なものとしては、フェノトリン、レスメトリン、ペルメトリン等のピレスロイド系殺虫剤、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニル、サルチル酸ベンジル、サリチル酸フェニル、IBTA,IBTE等が例示できる。
【0020】害虫防除成分の噴霧処理量としては、害虫の種類によって選択された防除成分によって異なるが、1m当たり1〜100mgを目安にエアゾール製剤を調合することが好ましい。また、上記害虫防除成分は発生害虫の種類に応じて、これらの単独または2種以上組み合わせて使用する。
【0021】消臭成分の代表的なものとしては、ベタイン系消臭剤、緑茶抽出物系消臭剤、両性界面活性剤系消臭剤、有機酸系消臭剤、オレンジオイル、レモングラス等が挙げられる。
【0022】消臭成分の噴霧処理量としては、臭いの度合いや使用する部屋によって異なるが、1m当たり1〜200mgを目安にエアゾール製剤を調合することが好ましい。また、上記消臭成分は発生臭いの悪臭成分に応じて、これらの単独または2種以上組み合わせて使用する。
【0023】防菌・防黴成分の代表的なものとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、グレープフルーツ種子抽出物、ポリリジン、卵白リゾチーム、グリセリン脂肪酸エステル、茶抽出物、プロタミン、竹エキス、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、ヒノキチオール、ホオノキ抽出物、レンギョウ抽出物、ペクチン分解物等が挙げられる。また、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等は溶剤として併用でき非常に好適である。
【0024】防菌・防黴成分の噴霧処理量としては、1m当たり0.1〜10mgを目安に調合することが好ましい。また、上記防菌・防黴成分は発生した、または予防する細菌や黴の種類に応じて、これらを単独または2種以上組み合わせて使用する。
【0025】エアゾール包装容器に充填する原液中の溶剤としては、有効成分の溶解性が高く、毒性の低いものが好ましい。例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、炭化水素系溶剤、さらに水等が挙げられる。
【0026】また、水を溶剤とした場合には、均一に分散や可溶化するために各種の界面活性剤や多価アルコール等を配合する。界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等の親油性非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0027】本発明における上記原液には、通常用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、界面活性剤、防錆剤等の各種添加剤を任意に添加することができる。
【0028】また、噴射剤としては、ジメチルエーテル(DME)、液化石油ガス(L・P・G)、圧縮窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガス、改良フロンガス等が利用でき、これらの単独、または混合使用でもよい。また、ガス圧は20℃で2〜6kg/cmが好ましい。
【0029】本発明は、エアゾール内容物において、有効成分と溶剤からなる原液と噴射剤との割合及び原液中の有効成分と溶剤との割合を特定の範囲に設定して、内容物の噴射量を1m当たり0.05〜1.00ml/秒にすることにより、内容物中の各異種成分相互の効力を顕著に発揮することができる。そして、この噴射量が0.05ml/秒より少なくなると内容物の拡散が悪くなる。また、1.00ml/秒より多くなると、噴霧装置に特殊なバルブが必要になり、コスト的にも不利である。
【0030】本発明の有効成分を含む内容物の噴霧粒子径は、空間中の体積積算分布で50%粒子径が30μm以下であることにより即効性を増すことができ、好ましくは9〜30μmの範囲にする。噴霧粒子径が30μmより大きくなると、内容物中の有効成分の拡散性が悪くなって効力のバラツキが大きくなると共に、部屋の隅々へ到達しにくくなる。一方9μm未満になると、内容物中の有効成分の拡散性には問題ないが、噴霧粒子が落下しにくくなり、特に、噴霧粒子が落下することにより効力を発揮する害虫防除成分、防菌剤は、これの効力発現に時間を要し、また充分な効力を発揮しない。
【0031】次に発明の具体的な実施例を比較例と合わせて以下に示す。なお、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0032】[実施例1〜7、比較例1〜4]これらは害虫防除効力評価試験で、供試虫にチャバネゴキブリを用いて、このチャバネゴキブリに対する致死効果を調べた。この各実施例及び比較例を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】[チャバネゴキブリ致死効果試験方法]広さ8畳の無風恒温(25℃)の試験室において、チャバネゴキブリ、メス、オス各10匹を入れたポリカップを試験室の四隅に配置した。なお上記ポリカップは、上面直径12cm、底面直径10.5cm、高さ7cm、供試虫が逃げ出すのを防ぐために内面にワセリンを塗布したものを用いた。この後、試験室の扉の位置から対角に向けて各供試剤を全量(70ml)噴射した。噴射から2時間後、回収してそのまま25℃の室温下に保存して24時間後の致死率を調査した。試験は2回繰り返した。
【0035】[実施例8〜14、比較例5〜9]これらは害虫防除効力評価試験で、屋内塵性ダニに対する致死効果を調べた。この各実施例及び比較例を表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】[屋内塵性ダニ致死効果試験方法]広さ8畳の無風恒温(25℃)の試験室において、コナヒョウヒダニを内径9cm、高さ6cmの腰高シャーレの中に入れ、試験室の四隅に配置した。この後、部屋の扉の位置から対角に向けて各供試剤を全量(100ml)噴射した。噴射して2時間後にシャーレ上部に濾紙を糊付けし、飽和塩化ナトリウム溶液で76%に湿度を調節した容器内に入れて24時間後の致死率を調査した。試験は2回繰り返した。
【0038】[実施例15〜21、比較例10〜14]これらは消臭、除菌効力評価試験で、各実施例及び比較例を表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】[消臭効果評価方法]広さ8畳の無風恒温(25℃)の試験室において、悪臭源の1種であるトリメチルアミンを室内で0.01ppmになるように調整し、この試験室の扉の位置から対角に向けて各供試剤を全量(100ml)噴射した。噴射して1時間後に試験室の臭いについて官能により調査した。表中◎は全く臭わない、○は少し臭う、×は明らかに臭う、をそれぞれ示す。
【0041】[除菌効力評価方法]広さ8畳の無風恒温(25℃)の試験室において、普通寒天培地を入れたシャーレ(内径9cm)を四隅に配置し、試験室の壁の位置から対角に向けて各供試剤を全量(100ml)噴射した。噴射して1時間後、培地表面に菌液(大腸菌)を塗布し、24時間培養後、コロニーの形成の有無で除菌効果を確認した。表中+は菌の抑制効果大、±は菌の抑制効果あり、−は菌の抑制効果なし、をそれぞれ示す。
【0042】[実施例22〜27、比較例15,16]これらはチャバネゴキブリに対する致死効果と共に、噴霧された有効成分の落下率と、消臭、除菌効果を調べたもので、この各実施例及び比較例を表4に示す。
【0043】
【表4】

【0044】[有効成分落下試験方法]広さ8畳の無風恒温(25℃)の試験室において、部屋の中央と四隅の計5個所に濾紙(直径24cm)を設定し、各供試剤を全量(70ml)噴射した。噴射30分後に濾紙を回収し、ソニック抽出し、ガスクロマトで害虫防除成分を定量分析する。得られた定量値及び5枚の濾紙面積の合計と、試験室の床面積の比較により害虫防除成分の推定落下量(床面全体)が得られる。噴射前に1缶中に含有していた有効成分薬剤量を100%として推定落下率を求める。
【0045】[チャバネゴキブリ致死効果試験方法]これは表1に示した実施例1〜7、比較例1〜4のチャバネゴキブリ致死効果試験方法と同じである。
【0046】[消臭効果評価方法]及び[除菌効力評価方法]
これらは表3に示した実施例15〜21、比較例10〜14の各例の評価方法と同じである。
【0047】[各表毎における実施例に対する考察]
(1)表1に示す結果から明らかなように、害虫防除成分と消臭成分及び/または防菌成分からなる全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法では、内容物の噴射量が1m当たり0.05〜1.0ml/秒で、平均粒子径が9〜30μmの範囲において高い害虫防除効果を示した。また表1では上記平均粒子径範囲の所定の平均粒子径について適切な噴射量の範囲を調べたものであるが、内容物の噴射量が1m当たり0.05ml/秒未満のもの[比較例1〜4]は防除効果が低く、さらに、粒子径も範囲外[比較例2,4]になるとより悪くなった。
【0048】これは、有効成分を有する内容物の噴射量及び噴霧粒子の平均粒子径を適切な範囲にすることで、有効成分の拡散及び均一分布がなされ、かつ、適度な時間に有効成分が落下することが可能になると考えられる。ゴキブリ駆除の場合、有効成分が落下しないと十分な駆除効果を得ることができない。
【0049】(2)表2には殺ダニ成分と消臭成分及び/または防菌成分からなる全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法について示したが、表1と同じように、内容物の噴射量が1m当たり0.05〜1.0ml/秒で平均粒子径が9〜30μmの範囲において高い害虫防除効果を示した。また、表2では上記噴射量範囲の所定の噴射量について適切な平均粒子径の範囲を調べたものであるが、噴射粒子の平均粒子径が9μm未満のもの[比較例5,8]、30μmより大きいもの[比較例6,7,9]は防除効果が低下し、さらに、噴射量もこれの範囲外[比較例7]になるとより悪くなる。
【0050】ダニ駆除の場合も、有効成分が落下しないと十分な駆除効果を示すことができず、これについても、内容物の噴射量及び噴霧粒子の平均粒子径を適切にすると拡散性の確保と適度な時間での有効成分の落下が可能であると考える。
【0051】(3)表3に消臭成分及び防菌成分からなる全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法について示したが、表1で示したものと同様に内容物の噴射量が1m当たり0.05〜1.0ml/秒で、平均粒子径が9〜30μmの範囲において良好な消臭効果及び除菌効果を示した。また内容物の噴射量が0.05ml/秒未満のもの[比較例12,13,14]及び噴霧粒子の平均粒子径が9μm未満のもの[比較例11,12]、30μmより大きいもの[比較例10]は消臭効力及び除菌効力が低下し、さらに、噴射量、平均粒子径の両方がこれの範囲外になると効力がなかった。
【0052】除菌効果については、表1及び表2と同じく有効成分の拡散性と適度な時間での落下が重要になる。消臭効果については、拡散性は他の効果と同じく確保しなければならないが、他と異なるのはある程度の時間有効成分が浮遊しなければならないことであり、本発明で示す内容物の噴射量及び平均粒子径にすると、粒子の浮遊についても適切な時間が確保され、高い消臭効果を示す。
【0053】(4)表4には害虫防除成分、消臭成分、防菌成分からなる全量噴射型エアゾールの噴霧処理方法について、有効成分粒子の落下状態を調べると共に、消臭効果、除菌効果、害虫防除(ゴキブリ)効果も合わせて確認した。
【0054】その結果、内容物の噴射量が1m当たり0.05ml以上で、噴霧粒子の平均粒子径が9〜30μmの範囲のもの[実施例22〜27]では、害虫防除成分の落下率が70%以上であった。しかも、この範囲[実施例22〜27]では、範囲外[比較例15,16]に比べいずれも良好な消臭効果、除菌効果及び害虫防除効果を示した。
【0055】また、このとき、エアゾール装置の設置場所として、試験室の出入り口付近に設置した場合及び中央に設置した場合についても試験を行った。その結果、出入口付近に設置したもの[実施例22〜24]が、中央に設置したもの[実施例25〜27]に比べて害虫防除成分の落下率は若干高い傾向を示し、各効果についてもよい効力を示した。しかも、この効力に及ぼす噴射量及び粒子径の有効範囲が広いことを示唆している。
【0056】これは、有効成分の適度な浮遊時間が、例えば、空気中の悪臭成分との接触消臭、害虫の追い出し、均一な付着等へ、及び適度な落下時間が、例えば、床面への均一な付着、有効成分の室外へ漏出することによるロスの減少等へ好ましい結果を与えるものと考える。また、処理時間の短縮が可能となる。
【0057】また、エアゾール装置の設置場所による効果の違いは明確でないが、このエアゾール装置の内容物の噴射量及び平均粒子径が出入口付近で噴霧処理する方法に適合していると考えられる。
【出願人】 【識別番号】000112853
【氏名又は名称】フマキラー株式会社
【出願日】 平成12年7月6日(2000.7.6)
【代理人】 【識別番号】100073818
【弁理士】
【氏名又は名称】浜本 忠 (外2名)
【公開番号】 特開2002−20202(P2002−20202A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2000−204937(P2000−204937)