| 【発明の名称】 |
水田用殺藻、防藻剤およびその使用方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡村 充康
【氏名】濱村 謙史朗
【氏名】鶴谷 明宇
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| 【要約】 |
【課題】速効的かつ残効性の長い新しい水田用殺藻、防藻剤を提供することを目的とする。
【解決手段】塩基性塩化銅を活性成分として含有することを特徴とする、水田用殺藻、防藻剤、ならびに塩基性塩化銅とイミノクタジン塩とを活性成分として含有することを特徴とする、速効性の水田用殺藻、防藻剤が得られた。塩基性塩化銅を単独で藻類の発生期に水田に施用すると、約2週間で藻類の生育が徐々に抑制され枯死する。また塩基性塩化銅にイミノクタジン塩を加えて施用すると、1週間で藻類が枯死するようになり殺藻効果の発現が速効的となる。また、殺藻効果の持続期間も2週間以上になり、そして残効性も充分となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塩基性塩化銅を活性成分として含有することを特徴とする水田用殺藻、防藻剤。 【請求項2】 塩基性塩化銅とイミノクタジン塩とを活性成分として含有することを特徴とする、速効性の水田用殺藻、防藻剤。 【請求項3】 塩基性塩化銅と、イミノクタジン塩としての1,1´−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジウム=トリアセテートとを活性成分として含有することを特徴とする請求項2に記載の水田用殺藻、防藻剤。 【請求項4】 塩基性塩化銅以外の殺菌性銅化合物とイミノクタジン塩とを活性成分として含有することを特徴とする、速効性の水田用殺藻、防藻剤。 【請求項5】 水田用殺藻、防藻剤が、粒剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤の一種であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の水田用殺藻、防藻剤。 【請求項6】 水田用殺藻、防藻剤は、請求項5に記載の各種剤型の製剤を水溶性高分子のフィルムで包装されたあるいは固形の投込み型製剤であるジャンボ剤の形態に製剤化されてあることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の水田用殺藻、防藻剤。 【請求項7】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の水田用殺藻、防藻剤を、藻類の発生地に単独で、もしくは除草剤と同時に施用することを特徴とする殺藻、防藻方法。 【請求項8】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載の水田用殺藻、防藻剤を、水田の水稲移植前後の水面または土壌表面に単独で、もしくは除草剤と同時に施用することを特徴とする殺藻、防藻方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新しい水田用殺藻、防藻剤に関し、また殺藻、防藻方法に関する。 【0002】 【従来の技術】本発明で殺藻性の活性成分として用いられる塩基性塩化銅およびイミノクタジン塩は農園芸用殺菌剤として公知である。これらのことは、例えば「農薬ハンドブック 1998年版」(社団法人日本植物防疫協会 平成10年12月15日発行)に記載されている。しかし、塩基性塩化銅、イミノクタジン塩が水田用殺藻剤、防藻剤として有効であることは記載されていないし、また知られていない。 【0003】また、本発明で用いる活性成分としての塩基性塩化銅およびこれに類似した殺菌性銅化合物など、ならびにイミノクタジン塩がアオミドロなどの藻類の殺藻剤として有効であることは次の文献により公知である。 (1)「水田除草の理論と実際」(博文社 昭和49年10月10日発行) 硫酸銅(600〜900g)を水180リットルに希釈して移植後の水田に処理することによりアオミドロなどの藻類を防除できることについて記載されている。また、トリアジン系除草剤の使用も有効であることが記載されている。 (2)「雑草研究 第37回講演会講演要旨第238頁〜第239頁」(日本雑草学会1998年発行)イミノクタジン塩の一種である1,1´−イミノ(オクタメチレン)ジグアニジウム=トリセテート(一般名:イミノクタジン酢酸塩)がアオミドロなどの藻類に有効であることが記載されている。 【0004】(3)「Studies on the effects of some fungicides on soil algae of paddyfield」(Phykos (1984), 23(1〜2), 191〜201)塩基性塩化銅などが水田藻類に対して有効であることが記載されている。 (4)また、水田藻類の防除方法として、2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノン(一般名:キノクラミン)を水田に発生する藻類の発生始期〜発生盛期に施用することなどが有効であることが知られている(前掲の「農薬ハンドブック1998年版」)。 (5)「特開平3−56407号公報」 殺藻活性成分として銅化合物(塩基性塩化銅など)、グアニジン系化合物(イミノクタジン塩)などを含む芝生用の藻類防除剤が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】これまで、水田雑草の防除のために、スルホニルウレア系除草成分、例えばベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、イマゾスルフロン(これらは後述する除草剤の一般名である)などと、各種の殺ヒエ活性成分などとを配合してなる除草剤が水田の移植後に広く用いられている。とくに最近広く普及している投込み型製剤(すなわちジャンボ剤という「ジャンボ」は登録商標)およびフロアブル剤(懸濁剤)と称される除草剤製剤は、水田に処理されると、水面および水中を拡展して活性成分が分散し、高い除草効果がもたらされ、省力的な除草方法として広く知られている。ところが、水稲移植後にアオミドロ、アミミドロなどの藻類が発生し、水面を覆うようになる。また、珪藻類が水田表面に入り混じって群体をなし、日中、光合成により生じた酸素が気泡となり、浮力が付いた水田の表土が剥離して水面に上昇したり下降したりし、また水面中をただようようになる。このような状況となると、水田に除草剤のジャンボ剤、フロアブル剤などを施用しても、水面を拡展しにくくなる。こうしたことから、藻類の発生後に従来の除草剤を施用しても十分な薬剤の拡展性が得られず、その結果、充分な除草効果が発揮されない。 【0006】また、水田に水稲移植した後、藻類が発生し水面を被覆すると、風などの影響により移植後の水稲を倒伏させたり、日光を遮断することにより水温、地温低下をきたして、水稲の初期生育を抑制するなどの問題もある。こうしたことから、水稲栽培において藻類を防除することは重要な課題となっている。 【0007】従って、新規で速効的かつ残効性の長い水田用殺藻剤、防藻剤とその使用技術の開発が望まれている。本発明は、このような要望に合致した水田用殺藻剤、防藻剤とその使用技術を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねてきた。 その結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は次のとおり要約される知見に基づくものである。 【0009】塩基性塩化銅を殺藻剤の活性成分として使用することにより、すぐれた殺藻効果と防藻効果を発揮することを見いだした。さらに、研究をしたところ、塩基性塩化銅にイミノクタジン塩を加えて併用して施用すると、速効性をもって殺藻効果がもたらされることを見出した。すなわち、塩基性塩化銅を単独で藻類の発生期に水田に施用すると、約2週間で藻類の生育が徐々に抑制され枯死する。また塩基性塩化銅にイミノクタジン塩の一種の1,1´−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジウム=トリアセテートを加えて施用すると、1週間で藻類が枯死するようになり殺藻効果の発現が速効的となる。また、殺藻効果の持続期間も2週間以上になり、そして残効性も充分となる。また、このような塩基性塩化銅を活性成分とする殺藻剤、もしくは塩基性塩化銅とイミノクタジン塩とを活性成分とする殺藻剤を水田に施用した時には、水面上をスムーズに拡展することができ、殺藻効果の低下といった問題がなく、所期の充分な殺藻効果がもたらされることがわかった。 【0010】従って、第1の本発明においては、塩基性塩化銅を活性成分として含有することを特徴とする水田用殺藻、防藻剤が提供される。 【0011】また、第2の本発明においては、塩基性塩化銅とイミノクタジン塩とを活性成分として含有することを特徴とする速効性の水田用殺藻、防藻剤が提供される。 【0012】さらに、水稲の移植前あるいは移植後の藻類の発生始期頃までの間に、上記した本発明の水田用殺藻剤、防藻剤とともに除草剤を同時に施用すると、除草効果と殺藻、防藻効果が同時に発揮されるようになる。したがって、省力的な殺藻、除草方法となりうることがわかった。 【0013】上記した塩基性塩化銅の殺藻効果に速効性をもたらす作用をもつイミノクタジン塩としては、次のものが挙げられる。 (1)1,1´−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジウム=トリアセテート(一般名:イミノクタジン酢酸塩) (2)1,1´−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジン=トリス(アルキルベンゼンスルホナート)(一般名:イミノクタジンアルベシル酸塩) 【0014】さらにまた、藻類に対する殺藻活性に速効性を付与するイミノクタジン塩の作用は、塩基性塩化銅以外の殺菌性銅化合物、例えば塩基性硫酸銅、水酸化第二銅、8−ヒドロキシキノリン銅、ノニルフェノールスルホン酸銅などに対しても、同様に発揮されると認められる。 【0015】従って、第3の本発明においては、塩基性塩化銅以外の殺菌性銅化合物と イミノクタジン塩とを活性成分として含有することを特徴とする速効性の水田用殺藻、防藻剤が提供される。 【0016】本発明は、次のように実施される。 (1)製剤化方法第1および第2の本発明で用いられる塩基性塩化銅、イミノクタジン塩は、いずれも農園芸用殺菌剤として公知であり、市販されているものをそのまま用いることができる。塩基性塩化銅を単独に、あるいはイミノクタジン塩と併用して、粒剤、ジャンボ剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤などに製剤化して用いることができる。また、市販の製剤(例えば水和剤)をそのまま用いることもできる。さらに、第2の本発明による殺藻、防藻剤の場合には、塩基性塩化銅とイミノクタジン塩の市販混合製剤(商品名;ベフドー水和剤)を用いてもよいが、市販されている個々の活性成分の製剤を使用直前に混合して用いてもよい。また、本発明によるこれらの水田用殺藻、防藻剤と、他の水田用除草剤とを混和して、粒剤、ジャンボ剤、顆粒水和剤、フロアブル剤などに製剤化し、藻類の防除と水田雑草の防除とを同時に省力的に行うことができる。 【0017】第1の本発明の水田用殺藻、防藻剤では、塩基性塩化銅を単独で用いるが、このときは、製剤中への塩基性塩化銅の添加量は製剤100部あたり10部〜90部であり、好ましくは30〜75部である。また、第2の本発明による殺藻、防藻剤においては、塩基性塩化銅とイミノクタジン塩から選択される1種の化合物とを有効成分として併用するが、このときは、その配合比は1:0.01〜1:10(重量比)の割合で混合される。これらの活性成分の製剤中における含有量は、限定されるものではないが、通常は合計量で1〜90部(重量部)、好ましくは10〜80部である。第1および第2の本発明で用いる活性成分を液状担体に溶解あるいは分散させ、または固体担体と混合して組成物の形にする。乳化性、分散性、拡展性、浸透性の付与を目的として界面活性剤を加えることができ、粒剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤などの各種剤型に製剤化する際の必要性に応じて、粒の崩壊剤、粘結剤、防ばい剤、消泡剤、凍結防止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、有効成分安定化剤などの各種補助剤を添加すればよい。また、前記の各種剤型の製剤は、固形型の、あるいは水溶性高分子のフィルムなどで包装されて成るジャンボ剤の形態に製剤化されたものとして施用することもできる。 【0018】液状担体としては、通常に使用されるものなら何でもよく、例えば、水、メチルアルコールやエチルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルやジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ケロシン、キシレン、1,2−ジメチル−4−エチルベンゼン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素、酢酸エチルエステルなどのエステル類、植物油などがあるが、これらに限定されるものではない。これらの1種または2種以上を併用することもできる。 【0019】固体担体としては、通常に使用されるものなら何でもよく、例えば、カオリン、ベントナイト、タルク、塩化カリウム、炭酸カルシウム、クレー、シラスバルーン、パーライトおよびバーミキュライトなどの鉱物性粉末、デンプン、セルロース、グルコース、マルトース、ラクトース、キサンタンガムおよびグアーガムなどの植物性粉末などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。 【0020】界面活性剤としては、種々のタイプのものが挙げられるが、通常用いられるものであればよく、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、などが挙げられるが、これらの1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。 【0021】また、結合剤としては、通常に使用されるものであればよく、例えば、カゼイン、ゼラチン、アルブミン、デキストリン、ニカワ、澱粉、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではなく、これら1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。 【0022】また、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、植物生育調節剤、肥料などと併用することができる。とくに除草剤の1種あるいは2種以上を配合することにより、殺藻、防藻効果とともに除草効果を安定的に達成させることができる。 【0023】配合可能な除草剤としては、例えば、1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−[1−メチル−4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピラゾール−5−イルスルホニル]尿素(一般名:アジムスルフロン)、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)尿素(一般名:イマゾスルフロン)、S−ベンジル=1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカルバマート(一般名:エスプロカルブ)、2´,3´−ジクロロ−4−エトキシメトキシベンズアニリド(一般名:エトベンザニド)、N,N−ジエチル−3−メシチルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド(一般名:カフェンストロール)、1−(2−クロロベンジル)−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)ウレア(一般名:クミルロン)、(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド(一般名:クロメプロップ)、1−[2−(シクロプロピルカルボニル)アニリノスルホニル]−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(一般名:シクロスルファムロン)、ブチル=(R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオナート(一般名:シハロホップブチル)、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン(一般名:ジメタメトリン)、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン(一般名:シメトリン)、【0024】S−1−メチル−1−フエニルエチル=ピペリジン−1−カルボチオアート(一般名:ジメピペレート)、2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2´,6´−ジメチルアセトアニリド(一般名:テニルクロール)、α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド(一般名:ナプロアニリド)、5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル(一般名:ビフェノックス)、2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン(一般名:ピラゾキシフェン)、エチル=5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−ガルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシラート(一般名:ピラゾスルフロンエチル)、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル−p−トルエンスルホネート(一般名:ピラゾレート)、O−3−tert−ブチルフェニル=6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカルバマート(一般名:ピリブチカルブ)、メチル=2−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)−6−(1−メトキシイミノエチル)ペンゾエート(一般名:ピリミノバックメチル)、2−メチル−4−クロロフェノキシチオ酢酸−S−エチル(一般名:MCPAチオエチル)、【0025】N−ブトキシメチル−2−クロロ−2´,6´−ジエチルアセトアニリド(一般名:ブタクロール)、2−クロロ−2´,6´−ジエチル−N−(2−プロポキシエチル)アセトアニリド(一般名:プレチラクロール)、(RS)−2−ブロモ−N−(α,α−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチルブチルアミド(一般名:ブロモブチド)、メチル=α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−O−トルアート(一般名:ベンスルフロンメチル)、3-(4−クロロ−5−シクロペンチルオキシ−2−フルオロフェニル)−5−イソプロピリデン−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン(一般名:ペントキサゾン)、2−[4−(2,4−ジクロロ−m−トルオイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]−4´−メチルアセトフェノン(一般名:ベンゾフェナップ)、3−イソプロピル−2,1,3−ベンゾチアジアジノン−(4)−2,2−ジオキシド(一般名:ベンタゾン)、S−(4−クロロベンジル)−N,N−ジエチルチオカーバメート(一般名:ベンチオカーブ)、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチルベンゾフラン−5−イル=エタンスルホネート(一般名:ベンフレセート)、2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニリド(一般名:メフェナセット)、S−エチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−カーボチオエート(一般名:モリネート)、2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸(一般名:MCPA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(一般名:2,4−PA)などが挙られるが、これらに限定されるものではない。 【0026】(2)使用方法本発明の水田用殺藻、防藻剤は、次のように使用される。 (i)施用時期は、水田に水稲移植前あるいは移植後の除草剤を施用するまでの期間か、あるいは水稲移植の前後の除草剤の施用と同時のまたは混合施用であるか、もしくは初期の除草剤処理の後かのいずれかである。特に殺藻効果がよく発現するのは水稲移植後の0日〜20日後の施用である。 【0027】(ii)施用量は、10アール当り、活性成分量として、塩基性塩化銅の単独使用(第1の本発明)のときは5〜600g、好ましくは50〜300gである。また、第2の本発明では、塩基性塩化銅と 1,1´−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジウム=トリアセテート等のイミノクタジン塩とは 合計量で10〜500g、好ましくは50〜300gである。その配合比は、前記のごとく配合するとよい。この両者の活性成分の配合により、藻類に対し速効的に作用する殺藻効果が得られるようになる。また、上記したごとくの除草剤を使用するときは、塩基性塩化銅の単剤、これとイミノクタジン塩との併用のいずれもの場合も、除草成分を10アール当り0.1〜500g、好ましくは0.3〜300g配合すればよい。なお、これらの活性成分の施用量は、藻類の発生度合いなどを考慮して加減すればよい。 【0028】(iii)施用する製剤型態とその施用方法は、特に限定されるものではないが、次の方法で施用するのが一般的であり、好ましい。すなわち水和剤の場合は、10アール当り、100〜500gを水で希釈して、70〜100L(リットル)を水田の水面に散布すればよい。顆粒水和剤の場合は10アール当り5〜100gを100〜500mlの水に希釈し水面に散布すればよい。また、粒剤の場合は、水田の水面に10アール当り250g〜3kgを均一に散布すればよい。フロアブル剤の場合は原液のまま10アール当り、100〜1000mlを、散布すればよく、ジャンボ剤の場合は10アール当り、固形または小包装(パック)の20〜100gを5〜40個散布すればよい。 【0029】第3の本発明による殺藻、防藻剤も、塩基性塩化銅を塩基性硫酸銅、水酸化第二銅、8-ヒドロキシキノリン銅、ノニルフェノールスルホン酸銅などに代えて、第2の本発明による殺藻、防藻剤についての製剤化方法および使用方法と同様にして、製剤化および使用できる。 【0030】 【発明の実施の形態】 【0031】 【実施例】次に、第2の本発明の水田用殺藻、防藻剤について実施製剤例を製造例1〜4で示す。なお、実施例中で部とあるものは、すべて重量部である。 【0032】 製剤例1(水和剤) 塩基性塩化銅 25部 イミノクタジン酢酸塩 20部 ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 2部 ラウリル硫酸ナトリウム 2部 クレー 51部 計 100部上記の組成の各成分を均一に混合し、粉砕して水和剤を得た。 製剤例2(顆粒水和剤) 塩基性塩化銅 10部 イミノクタジンアルベシル酸塩 15部 β-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩 5部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5部 乳糖 65部 計 100部上記の組成物を混合粉砕した後、水10部を加えて混練し、0.5mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて造粒後、乾燥、整粒し、顆粒水和剤を得た。 【0033】 製剤例3(フロアブル剤) 塩基性塩化銅 15部 イミノクタジン酢酸塩 20部 アルキレンマレイン酸共重合物 5部 キサンタンカンガム 0.5部 エチレングリコール 5部 ソルビン酸カリウム 0.5部 水 54部 計 100部上記の組成物をホモミキサー(日本特殊機化工業株式会社製)で均一に混合分散させ、フロアブル剤を得た。 【0034】 製剤例4(ジャンボ剤) 塩基性塩化銅 10部 イミノクタジン酢酸塩 10部 ラウリル硫酸ナトリウム 5部 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 2部 可溶性デンプン 3部 ステアリン酸カルシウム 5部 炭酸カルシウム 65部 計 100部上記の組成物を混合粉砕した後、水7部を加えて混練し、0.6mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて造粒後、乾燥、整粒した。その50gをポリビニルアルコールの水溶性フィルム(厚さ40μm)で包装してジャンボ剤を得た。 【0035】 【発明の効果】本発明の水田用殺藻、防藻剤を施用すると次のような効果がもたらされる。 (1)本発明の水田用殺藻、防藻剤は、水田に水稲移植の前後に施用すると、アオミドロ、ヒビミドロ、アミミドロなどの緑藻類及び珪藻類など水田に発生する藻類に対して極めて高い防除効果を示す。 (2)また、藻類の発生前に施用しても、また発生後に施用しても藻類の生育を阻止し枯死に至らしめる。 (3)また、第1の本発明により塩基性塩化銅の単独使用でも高い殺藻、防藻効果を示すが、これにイミノクタジン塩を併用する第2の本発明による殺藻効果が速効的に発現するようになる。また、第3の本発明もこれらと同様に高い殺藻効果が発現される。 (4)そして、水稲に対する薬害等の懸念が少なく、安全に使用することができる。 (5)また、前記した各種の除草剤の1種又は2種以上の混合剤を添加して用いると、さらに殺藻、防藻効果を高め、しかも速効的に発現するようになる。さらに、これらの例示以外の他の除草剤でも同様な殺藻、防藻効果が期待できる。 【0036】次に、本発明の水田用殺藻、防藻剤の有用性について試験例を挙げて具体的に説明する。 試験例11.水田土壌(沖積植壌土)を一定区画に分け、これに水を入れて代かきをし、その2日後に、稲稚苗(品種「日本晴」の2.1葉期)を1区4本植で移植した(深度1.5cm)。施肥は一般の田植えと同じ条件とした。 2.薬剤の施用による処理は次の(1)〜(3)とし、それぞれの試験区を設けて処理した。 (1) 藻類の発生前処理(移植1日後処理)(滴下施用) (2) 藻類の発生始期処理(移植4日後処理)(同) (3) 表層剥離発生盛期、アオミドロ増殖期(移植19日後処理)(スプレー施用)。 【0037】3.使用薬剤(i)第2の本発明による殺藻剤として用いられるベフドー水和剤は市販品(塩基性塩化銅73.5%、イミノクタジン酢酸塩2.5%含有)を水で200倍に希釈したものを、水田の水面へ滴下施用(表1)したまたはスプレー施用(表2)した。(ii)また塩基性塩化銅とイミノクタジン塩の各々の単独での効果、およびこれらの併用の効果を確認するために、塩基性塩化銅は市販のドイツボルドー水和剤(塩基性塩化銅として84.1%含有)を水で200倍に希釈したものを、またイミノクタジン酢酸塩は市販の「カシマン液剤」(イミノクタジン酢酸塩として5%含有する製剤;「カシマン」は登録商標)を水で10倍に希釈したものを、表3〜4に記載の量となるように、単独または混合して用いて、それぞれ水田の水面に滴下施用した(表3、4)。 4.結果は下記の表1〜表4に示したとおりである。 【0038】
【0039】(注3)ベフドー水和剤は市販品を水で200倍に希釈して滴下施用した。 (注4)ノビエ、一年生広葉雑草、ホタルイは、水稲の移植時に播種(それぞれ約50粒/0.08m2)した。 (注5)キノクラミン粒剤としては市販のACN9%粒剤を用い、水面に均一に散布した。 【0040】ベフドー水和剤は、0.4g/m2の施用葉量で2週間以上にわたり藻類の発生を抑制した。そしてベフドー水和剤は0.1g/m2の薬量で約4週間藻にわたり表層剥離を抑制した。そして薬量が多いほどその期間が長くなり、0.4g/m2以上の薬量で、処理後47日目まで表層剥離は全く見られなかった。 【0041】一方、キノクラミン粒剤は1g/m2の施用では3週間目頃から藻と表層剥離の発生が見られるようになり、無処理区では約2週間目頃から発生が見られるようになった。 【0042】
【0043】表2に示すとおり、ベフドー水和剤で処理する場合は表層剥離発生盛期のスプレー施用(市販の霧吹き器を使用)では、施用2日後に、浮遊していた表層剥離物のほとんどが水中に沈降し、その後の浮上は20日以上見られなかった。またアオミドロ増殖期での供試薬剤のスプレー施用では、アオミドロの増殖は抑制されたまま経過し、施用30日後でもアオミドロの増殖抑制効果は持続していた。またベフドー水和剤の0.8g/m2の施用でも水稲への薬害は見られなかった。 【0044】
【0045】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000242002 【氏名又は名称】北興化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066452 【弁理士】 【氏名又は名称】八木田 茂 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−12511(P2002−12511A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2001−84748(P2001−84748) |
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