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【発明の名称】 固形化ギ酸、黴・細菌汚染防止飼料及びその製造方法
【発明者】 【氏名】内山 敦

【氏名】稲岡 広行

【要約】 【課題】サルモネラ菌等の黴・細菌汚染の防止が可能で、安全で、容易な操作で飼料原料と均一に混合できる汚染防止用添加剤、該添加剤を使用した汚染防止配合飼料、及び汚染防止方法を提供すること。

【解決手段】ギ酸を含水二酸化ケイ素、バーミキュライト等の無機物に担持させてなる固形化ギ酸を使用して、該固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算して0.1/100〜10/100となるように飼料に配合し、20〜40℃で、24〜48時間保持し、黴・細菌汚染防止飼料を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ギ酸を飼料安全法(日本国,昭和28年4月11日,法律第35号)で許可された無機物又は本件特許発明が実施される該当国で飼料に添加されることが可能なもしくは許可された無機物に担持させてなる固形化ギ酸。
【請求項2】 該無機物が、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸及びその塩類、ケイ酸カルシウム、含水二酸化ケイ素、含水無晶形二酸化ケイ素、ケイ酸、バーミキュライト、ケイソウ土、タルク、カオリン、ベントナイト、又はこれらの混合物である請求項1に記載の固形化ギ酸。
【請求項3】 該無機物が、含水無晶形二酸化ケイ素またはバーミキュライトである請求項2に記載の固形化ギ酸。
【請求項4】 該無機物の最大粒径が30μm〜1mmφである請求項1〜3のいずれかに記載の固形化ギ酸。
【請求項5】 該無機物の細孔容積が0.1〜10ml/gである請求項1〜4のいずれかに記載の固形化ギ酸。
【請求項6】 ギ酸の含有率が0.1〜70wt%である請求項1〜5のいずれかに記載の固形化ギ酸。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の固形化ギ酸と飼料とからなる黴・細菌汚染防止飼料。
【請求項8】 固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算して0.1/100〜10/100である請求項7に記載の黴・細菌汚染防止飼料。
【請求項9】 黴・細菌がサルモネラ菌及び/又は大腸菌である請求項7又は8に記載の黴・細菌汚染防止飼料。
【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載の固形化ギ酸と飼料とを、均一な分散状態で、20〜40℃で、24〜48時間保持することを特徴とする飼料の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法。
【請求項11】 固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算して0.1/100〜10/100である請求項10に記載の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法。
【請求項12】 黴・細菌がサルモネラ菌及び/又は大腸菌である請求項10又は11に記載の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形化ギ酸、固形化ギ酸を配合した黴・細菌汚染防止配合飼料、及び固形化ギ酸を使用した黴・細菌汚染防止飼料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家畜、家禽および卵の黴・細菌汚染、なかでも特にサルモネラ菌汚染が問題化している。家禽は、飼料を介してサルモネラ菌等の細菌に汚染され易く、該汚染された家禽から生み出された卵もサルモネラ菌等に汚染されている確率が高い。そこで、配合飼料を抗菌処理してサルモネラ菌等による汚染を防止するために、抗生物質が飼料に配合されることが提案された。しかし、抗生物質の配合された飼料で育てられた家禽、および該家禽から生み出された卵には、抗生物質が残留する問題があり、残留問題のない添加剤が検討されてきた。このため、ギ酸、プロピオン酸を用いた飼料の細菌汚染防止が提案された(特公平4−66529、特公平6−97950、特開平9−308438号公報)。しかし、これらの酸は液体であり、一方、飼料は固体であるため、通常汚染防止に必要な量の酸を固体飼料全体に均一に混合することは困難であった。従って、混合された飼料は不均一な組成の状態となり、十分な細菌汚染防止効果を得ることが困難であった。特公平6−97950号公報には、ギ酸、プロピオン酸の混合物をシリカのような固体キャリアに含浸し、保存する飼料と混合することができると簡単に記載されているが、詳細には示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、サルモネラ菌等の黴・細菌汚染の防止が可能で、安全で、容易な操作で飼料原料と均一に混合できる汚染防止用添加剤、該添加剤を使用した汚染防止配合飼料、及び汚染防止方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した結果、下記飼料安全法で許可された無機物又は本件特許発明が実施される該当国で飼料に添加されることが可能なもしくは許可された無機物、好ましくは特定の物性を持つ無機物を使用し、該無機物が飼料等と容易に均一に混合できるようにして、該無機物にギ酸水溶液を含浸させて固形化ギ酸とすることにより、安全で、容易な操作で飼料等と均一に混合できて、サルモネラ菌等の黴・細菌汚染を防止できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明の第1は、ギ酸を飼料安全法(日本国,昭和28年4月11日,法律第35号)で許可された無機物又は本件特許発明が実施される該当国で飼料に添加されることが可能なもしくは許可された無機物に担持させてなる固形化ギ酸に関する。また本発明の第2は、該無機物が、天然又は合成の無水ケイ酸、含水結晶形もしくは無晶形二酸化ケイ素、ケイ酸、ケイ酸塩類、またはこれらの混合物である本発明の第1の固形化ギ酸に関する。より具体的には、該無機物が無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸及びその塩類、ケイ酸カルシウム、含水二酸化ケイ素、含水無晶形二酸化ケイ素、ケイ酸、バーミキュライト、ケイソウ土、タルク、カオリン、ベントナイト、又はこれらの混合物である本発明の第1の固形化ギ酸に関する。また本発明の第3は、該無機物が、含水無晶形二酸化ケイ素、またはバーミキュライトである本発明の第2の固形化ギ酸に関する。また本発明の第4は、該無機物の最大粒径が30μm〜1mmφである本発明の1〜3のいずれかの固形化ギ酸に関する。また本発明の第5は、該無機物の細孔容積が0.1〜10ml/gである本発明の第1〜4のいずれかの固形化ギ酸に関する。また本発明の第6は、ギ酸の含有率が0.1〜70wt%である本発明の第1〜5のいずれかの固形化ギ酸に関する。また本発明の第7は、本発明の第1〜6のいずれかの固形化ギ酸と飼料とからなる黴・細菌汚染防止飼料に関する。また本発明の第8は、固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算して0.1/100〜10/100である本発明の第7の黴・細菌汚染防止飼料に関する。また本発明の第9は、黴・細菌がサルモネラ菌及び/又は大腸菌である本発明の第7又は8の黴・細菌汚染防止飼料に関する。また本発明の第10は、本発明の第1〜6のいずれかの固形化ギ酸と飼料とを、均一な分散状態で、20〜40℃で、24〜48時間保持することを特徴とする飼料の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法に関する。また本発明の第11は、固形化ギ酸と飼料の重量比が、ギ酸/飼料に換算して0.1/100〜10/100である本発明の第10の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法に関する。また本発明の第12は、黴・細菌がサルモネラ菌及び/又は大腸菌である本発明の第10又は11の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法に関する。また、本発明は固形ギ酸の製造方法も開示する。以下、本発明について詳しく説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の固形化ギ酸が配合される飼料は、家畜、家禽、養殖魚類用等の動物用飼料及びその原料に使用されるものであれば特に限定しない。動物用飼料及び配合飼料の原料には、例えば小麦、大麦、カラス麦、ライ麦、とうもろこし、米、大豆、なたね、魚粉、フェザーミール、ミートボーンミール等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0007】本発明でギ酸を担持させるために使用する無機物としては、下記飼料安全法で許可されてない無機物にもギ酸を含浸させることもできるが、許可されていない無機物は飼料用としては使えないので、ここでは日本の飼料安全法(飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律,昭和28年4月11日,法律第35号)で許可された無機物又は本件特許発明が実施される該当国で飼料に添加されることが可能なもしくは許可された無機物に限定する。また、例えば、脱脂大豆粕やトウモロコシといった有機物にもギ酸は含浸させることができるが、高濃度のギ酸によって脱脂大豆粕、トウモロコシ等の植物性蛋白質が変性してしまうために、含浸物は飼料添加物としての安定性、保存性に問題がある。上記飼料安全法で許可された無機物としては、天然または合成の、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水結晶形もしくは無晶形二酸化ケイ素のような二酸化ケイ素類;ケイ酸およびその塩類;及びこれらの混合物が挙げられる。天然の無機物としては、ケイ酸カルシウム、バーミキュライト、ケイソウ土、タルク、カオリン、ベントナイト等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0008】上記無機物としては、種々の形態のものが使用できるが、常温常圧で液体であるギ酸の担持という関点からは、多孔質あるいは積層構造の無機物が好ましい。このような無機物には直径数μm程度の細孔や同じく数μm程度の層間隔があれば、ギ酸を吸着、含浸などにより担持させることが可能である。さらに、その吸着力が適度に弱いことを利用してギ酸が徐々に揮発していくことが可能である。この性質は、固形化ギ酸を添加した飼料を20〜40℃、好ましくは25〜35℃で、1〜72時間、好ましくは24〜48時間、熟成させることによってギ酸を徐々に揮発させ、飼料全体に万遍なく添加物を行き渡らせて、添加物としての効果を発揮させることができる。従って、固形化ギ酸に用いる最も好ましい担体は無機物であり、特に、含水無晶形二酸化ケイ素粉末、バーミュキュライト粉末等が好ましい。
【0009】固形化ギ酸中のギ酸の含有率は、0.1〜70wt%、好ましくは10〜70wt%、特に好ましくは50〜70wt%である。ギ酸の含有率が上記範囲より少なすぎると飼料の処理が不充分になり、多すぎると後述するように、飼料の均一な処理が困難になる。
【0010】本発明の固形化ギ酸は、粉末状態で取り扱われるので、ギ酸含有量には上限が発生する。ギ酸含有量が上限を超えると、スラリー状態になるからであり、この状態でのハンドリングは極めて難しくなる。従って、固形化ギ酸のギ酸含有量は担体にギ酸を含浸させた状態で粉末として扱えるかどうかで決定される。この量は、担体の種類、性質、粒径等に大きく依存する。本発明の固形化ギ酸は、ギ酸の含浸量を無機物担体がもつ上限までの間の任意の量で設定することができる。例えば、ギ酸あるいはギ酸水溶液の含有量の上限が70wt%の担体を用い、該担体30gと98wt%ギ酸70gから固形化ギ酸を作った場合、そのギ酸含有率は約69wt%である。一方、担体70gと98wt%ギ酸30gとから作った固形化ギ酸の場合、そのギ酸含有率は約29wt%である。このように、ギ酸あるいはギ酸水溶液の担持量は上限でなくても構わないので、適用する飼料や、使用状況に応じて任意にギ酸組成を変化させた固形化ギ酸を製造、使用すればよい。
【0011】本発明では、上記範囲でギ酸が担体に担持される範囲内において、ギ酸を水溶液として使用することができる。ギ酸水溶液の濃度としては、1wt%以上、好ましくは30wt%以上、特に好ましくは50wt%以上である。ギ酸水溶液を担持させることにより、蒸発量と蒸発時間を調節することができるので、用途によって、使い分けることができる。担体にギ酸もしくはギ酸水溶液を担持させるため、上記無機物の細孔容積は0.1ml/g以上、好ましくは1〜10ml/g、特に好ましくは2〜5ml/gである。
【0012】上記無機物の粒径は、配合飼料原料、配合飼料と容易に均一に混合されるために、最大粒径30μm〜1mm、好ましくは50μm〜1mm、さらに好ましくは100μm〜1mmである。
【0013】本発明における固形化ギ酸の製造方法について以下に示す。固形化ギ酸は無機物である担体に液体のギ酸あるいはギ酸水溶液を含浸させて製造する。この際に用いる機器、設備、道具は無機物粉体を混合し、例えば攪拌のような無機物粉体を流動させることができるものであれば、特に制限はない。例えば、ガラス瓶に所定量の無機物担体及び所定量のギ酸あるいはギ酸水溶液を投入した後に瓶の蓋をして激しく振る方法で製造することが可能である。また、粉体攪拌の可能な混合槽、例えば円錐内面に自転、公転する攪拌スクリューのついたナウタ社製混合機であるナウタミキサーや、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサーのような汎用粉体混合機器に担体を投入し、攪拌を開始後に、ギ酸あるいはギ酸水溶液を投入する方法でもよい。各原料の投入順序や方法は一切問わず、無機物粉体を均一に混合攪拌できる機器、道具、方法であればよい。
【0014】ギ酸を無機物にできるだけ均一に担持させることにより、得られた固形化ギ酸から、飼料にギ酸を均一に供給することができる。ギ酸は、融点8.4℃、沸点100.5℃、比重1.220であり、水と107℃で共沸する。ギ酸は前記水溶液とすることにより0℃以下で保存し、取り扱うことができる。ギ酸を上記無機物に実質的に均一に担持させる方法としては、無機物を混合撹拌しながらギ酸のガスを担持させる方法、無機物を混合撹拌しながらギ酸又はギ酸の水溶液を散布して担持させる方法、ギ酸又はギ酸の水溶液に無機物を加えて混合撹拌する方法などが挙げられる。ギ酸は空気、窒素もしくは炭酸ガス等の気体に同伴させて無機物に加えることもできる。また、ギ酸はエタノールなどの他の溶媒に溶解して有機溶媒溶液で加えることもできる。上記混合撹拌は、撹拌翼の回転、振動など、混合容器の回転、振動、傾斜など、無機物の流動などであってもよい。上記無機物は、予め乾燥させて水分を減少、好ましくは1wt%以下にさせてギ酸またはギ酸水溶液を担持しやすくすることができる。
【0015】本発明の黴・細菌汚染防止飼料は、上記固形化ギ酸と飼料とからなる。固形化ギ酸/飼料の重量比は、ギ酸/飼料に換算して0.1/100〜10/100、好ましくは1/100〜5/100である。本発明の黴・細菌汚染防止飼料の製造方法について以下に示す。本発明の黴・細菌汚染防止飼料は、上記固形化ギ酸を飼料に添加して、好ましくは固形化ギ酸と飼料が均一に分散された状態になるようにして、20〜40℃、好ましくは25〜35℃で、1〜72時間、好ましくは24〜48時間保持する。これにより、ギ酸の放出を実質的に促進させ、飼料を有効に処理することができる。保持中は、撹拌することが好ましい。また、保持中は、撹拌したり、空気、窒素、二酸化炭素などのガスを通気させることができる。
【0016】得られた黴・細菌汚染防止飼料は、バルクのまま、またはペレット等に成形されて、サイロ等に保存したり、袋詰め、フレコンバッグ、バルク等の状態で輸送することができる。
【0017】本発明において飼料を汚染する黴・細菌としては、サルモネラ菌、大腸菌、キャンピロバクター菌、セレウス菌、クロストリジウム菌など、及びこれらの混合菌が挙げられる。サルモネラ菌としては、Salmonella enteritidis、Salmonellatyphimurium、Salmonella kedougouなどが挙げられる。
【0018】本発明の固形化ギ酸は、動物用飼料、特に家禽飼料の配合に使用できる他に、サイレージ(貯蔵牧草)の調整や、畜舎、鶏舎、田畑、飼料製造または保管設備等の黴・細菌の殺菌にも使用できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)固形化ギ酸の製造方法(その1)
蓋のできるガラス瓶に、無機物として含水無晶形二酸化ケイ素粉末として「カーブレックスXR」(平均粒径約100μm、最大粒径約300μm、細孔容積2ml/g、塩野義製薬(株)社製)33g、85wt%のギ酸水溶液67gを添加し、蓋をして3分間激しく振り、内部の粉体がサラサラでほぼ均一と思われる時点で、内容物を取り出し、固形化ギ酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含有量を水酸化ナトリウム標準液で定量したところ、57wt%であった。
【0020】(実施例2)固形化ギ酸の製造方法(その2)
98wt%のギ酸水溶液67gを添加した以外は実施例1と同様にして、固形化ギ酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含有量は、66wt%であった。
【0021】(実施例3)固形化ギ酸の製造方法(その3)
バーミキュライト粉末(平均粒径約100μm、最大粒径850μm、細孔容積1.6ml/g)を50g、85wt%のギ酸水溶液を50g使用した以外は実施例1と同様にして、固形化ギ酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含有量は、43wt%であった。
【0022】(実施例4)固形化ギ酸の製造方法(その4)
98wt%のギ酸水溶液50gを添加した以外は実施例3と同様にして、固形化ギ酸を得た。この固形化ギ酸のギ酸含有量は49wt%であった。
【0023】(実施例5)固形化ギ酸のサルモネラ菌に対する抗菌性(その1)
実施例1及び実施例3で得られた固形化ギ酸及びSalmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumを用い、最小発育阻止濃度の測定を行なった。試験方法は日本化学療法学会の定める方法(寒天培地に固形化ギ酸を所定量添加し、サルモネラ菌を接種後37℃、20時間培養を行う方法。)に基づく。その結果、Salmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumの発育阻止が、いずれも、実施例1の固形化ギ酸では1,000wt/wtppmで、実施例3の固形化ギ酸では5,000wt/wtppmで、可能であることが分かった。
【0024】(参考例1)実施例5と同様の方法で、ギ酸のSalmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumに対する最小発育阻止濃度の測定を行った。その結果、Salmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumのいずれに対しても250wt/wtppmで発育阻止できることがわかった。
【0025】(参考例2)担体である無晶形二酸化ケイ素粉末およびバーミキュライト粉末の抗菌性を実施例5と同様の方法でSalmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumを用いて測定した。その結果、100,000wt/wtppmまでの濃度でも発育の阻止は認められなかった。100,000wt/wtppm以上の濃度は寒天培地の作成が困難であったため測定できなかった。
【0026】(実施例6)固形化ギ酸のサルモネラ菌に対する抗菌性(その2)
実施例1で得られた固形化ギ酸及びSalmonella enteritidisを用い、殺菌効果試験を行なった。試験方法はDeutsche Gesellschaft fur Hygiene und Microbiogicの定める方法(培地に固形化ギ酸を添加した後に菌を接種、37℃、48時間の培養後、生菌数を測定する方法。)に基づく。その結果、菌数が1/10に減少するのに要する時間は、固形化ギ酸0.1wt%の添加では9.4分間、0.25wt%の添加では2.3分間であった。
【0027】(比較例1)含水無晶形二酸化ケイ素粉末に、ギ酸:プロピオン酸:水=68:20:12(重量比)の混合物を含浸させ、ギ酸およびプロピオン酸の合計の酸含有量が約57wt%とした組成物Aを製造した。この組成物AについてSalmonella enteritidisを用い、実施例6と同じ方法で殺菌効果試験を行なった。その結果、菌数が1/10に?減少するのに要する時間は、組成物Aの0.1wt%添加では10.2分間、0.25wt%添加では7.2分間であった。明らかに、組成物Aよりも実施例1の固形化ギ酸の方が高い殺菌効果を示した。
【0028】(参考比較例1)参考例1と同様の方法でギ酸:プロピオン酸=77.3:22.7(重量比)の混合有機酸のSalmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumに対する最小発育阻止濃度の測定を行った。その結果、Salmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumのいずれに対しても500wt/wtppmで発育阻止されることがわかった。
【0029】(比較例2)実施例5と同様の方法で、比較例1で得られた組成物AのSalmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumに対する最小発育阻止濃度の測定を行った。その結果、Salmonella enteritidisおよびSalmonella typhimuriumのいずれに対しても1,000wt/wtppmで発育阻止されることがわかった。
【0030】(実施例7)固形化ギ酸配合飼料カツオおよびマグロを主体とする魚粉を、あらかじめ120℃、15分間滅菌をした後に、Salmonella enteritidisを3×106(/ml)に調整した菌液を、魚粉10gに0.1gの割合で加え、37℃、24時間放置して魚粉飼料の前処理を行なった。次に、前処理した魚粉1,000gに対し、実施例1の固形化ギ酸2gを添加して、35℃で均一になるまで2時間攪拌後、48時間熟成して試料Aを得た。対照試験として、固形化ギ酸を添加せず、前処理した魚粉のみを、35℃、48時間放置して試料Bを得た。試料A、Bを各々、滅菌精製水によってSalmonella enteritidisを抽出し、抽出液を標準寒天培地に塗布、37℃、48時間培養した。固形化ギ酸を添加した魚粉(試料A)では培地上で菌の生育は確認できなかったが、未添加の魚粉(試料B)では菌の生育を確認した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、サルモネラ菌等の黴・細菌汚染の防止が可能で、安全で、容易な操作で飼料原料と均一に混合できる汚染防止用固形化ギ酸が得られ、これを使用した汚染防止配合飼料、及び飼料や設備の汚染防止方法が得られる。
【出願人】 【識別番号】000002901
【氏名又は名称】ダイセル化学工業株式会社
【出願日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【代理人】 【識別番号】100090491
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 良和
【公開番号】 特開2002−12505(P2002−12505A)
【公開日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【出願番号】 特願2001−131911(P2001−131911)