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【発明の名称】 高吸油能を有する生分解性水面浮遊発泡体、その製造方法及びそれを含有する組成物
【発明者】 【氏名】細田 仁

【氏名】平田 毅

【氏名】谷澤 欽次

【氏名】日紫喜 紀雄

【氏名】和田森 博

【氏名】木尾 茂樹

【要約】 【課題】高吸油能を有し生分解性があり、かつ水面浮遊する発泡体を得ること。

【解決手段】澱粉含有物質95.0〜99.0質量部に架橋剤0.1〜5質量部を添加混合し、エクストルーダ処理した発泡体の径がダイ径の1〜5倍で、嵩比容が1〜20ml/gで、自重の0.3〜5倍の吸油能を有し、10分以上水に浮遊する発泡体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】澱粉含有物質95.0〜99.0質量部に架橋剤0.1〜5質量部を添加混合し、エクストルーダ処理した発泡体の径がダイ径の1〜5倍で、嵩比容が1〜20ml/gで、自重の0.3〜5倍の吸油能を有し、10分以上水に浮遊する発泡体。
【請求項2】澱粉含有物質及び澱粉類(澱粉含有物質:澱粉類=0〜80:100〜20)45〜95質量部に熱凝固物質1〜30質量部及び架橋剤0.1〜5質量部を添加混合し、エクストルーダ処理した発泡体の径がダイ径の1〜5倍で、嵩比容が1〜20ml/gで、自重の0.3〜5倍の吸油能を有し、10分以上水に浮遊する発泡体。
【請求項3】エクストルーダ処理する前の混合物が、脂質0.1〜8質量部及び乳化剤0.1〜5質量部を含有する、請求項2に記載の発泡体。
【請求項4】澱粉含有物質95.0〜99.0質量部に架橋剤0.1〜5質量部を添加混合し、エクストルーダでダイ温度100〜150℃で加圧押出し処理することを特徴とする発泡体の径がダイ径の1〜5倍で、嵩比容が1〜20ml/gで、自重の0.3〜5倍の吸油能を有し、10分以上水に浮遊する発泡体の製造方法。
【請求項5】澱粉含有物質及び澱粉類(澱粉含有物質:澱粉類=0〜80:100〜20)45〜95質量部に熱凝固物質1〜30質量部及び架橋剤0.1〜5質量部を添加混合し、エクストルーダでダイ温度100〜150℃で加圧押出し処理することを特徴とする発泡体の径がダイ径の1〜5倍で、嵩比容が1〜20ml/gで、自重の0.3〜5倍の吸油能を有し、10分以上水に浮遊する発泡体の製造方法。
【請求項6】エクストルーダで加圧押出し処理する前の混合物が、脂質0.1〜8質量部及び乳化剤0.1〜5質量部を含有する、請求項5に記載の発泡体の製造方法。
【請求項7】請求項1乃至3のいずれか1つに記載の発泡体に、自重の0.2乃至7倍量の油状農薬原体又は農薬の高沸点有機溶媒溶液を吸収させ、さらに、必要に応じて、農薬の固体原体の粉砕物、農薬の固体原体を固体担体等とともに粉砕したプレミックス又は農薬を含まない固体担体の粉末を被覆して流動性を持たせた水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項8】さらに水面拡展剤を含有することを特徴とする、請求項7に記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項9】水面拡展剤が、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、オレイルメチルタウライド塩、モノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩及びそれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤、アルキル硫酸塩、アセチレン系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤、グリコール類のエーテル又はエステル類及びカルボン酸のアルキルエステル類より選ばれる高沸点溶剤より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項6に記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項10】水面拡展指数が5以上である、請求項7乃至9のいずれか1つに記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項11】農薬有効成分が、ブタクロール、プレチラクロール、アニロホス、ベンフレセート、シハロホップブチル、ジメタメトリンよりなる液状原体、又はベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、シノスルフロンより選ばれるスルホニルウレア系除草剤のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項7乃至10のいずれか1つに記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項12】澱粉含有物質又は澱粉類に作用する酵素を含有する、請求項7乃至11のいずれか1つに記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項13】澱粉含有物質又は澱粉類が、コーンフラワー、コーングリッツ又は小麦粉であり、酵素が、アミログルコシダーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ又はイソアミラーゼである、請求項12に記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項14】セルラーゼ、細菌プロテアーゼ、糸状菌プロテアーゼ、パパイン、ペプシン又はペクチナーゼを含有する、請求項7乃至13のいずれか1つに記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項15】酵素が、エンド(endo)タイプの酵素である、請求項12乃至14のいずれか1つに記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物。
【請求項16】請求項1乃至3のいずれか1つに記載の発泡体に、自重の0.2乃至7倍量の油状農薬原体又は農薬の高沸点有機溶媒溶液を吸収させ、さらに、必要に応じて、農薬の固体原体の粉砕物、農薬の固体原体を固体担体とともに粉砕したプレミックス又は農薬を含まない固体担体の粉末を被覆して流動性を持たせた水面浮遊性の粒状農薬組成物の製造方法。
【請求項17】請求項7乃至15のいずれか1つに記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物を水溶性フィルム又はシートに分包とした水田投込み用農薬組成物。
【請求項18】水溶性フィルム又はシートが、ポリビニルアルコール又はその誘導体よりなる水溶性フィルム又はシートである、請求項17に記載の水田投込み用農薬組成物。
【請求項19】請求項7乃至15のいずれか1つに記載の水面浮遊性の粒状農薬組成物を水田に直接ばらまき散布することを特徴とする水田用農薬の処理方法。
【請求項20】請求項17又は18に記載の水田投込み用農薬組成物を水田に投込み処理することを特徴とする水田用農薬の処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、澱粉を主成分にしてエクストルーダにて処理した高吸油能を有する生分解性水面浮遊発泡体及びその製造方法、並びにその生分解性水面浮遊発泡体を含有する農薬組成物、その製造方法、及びその使用方法に関する。従来から、油脂類や有機溶剤などの油性の液状物質はその用途に応じて粉末化することが都合良い場合がしばしばあり、食品、飼料、医薬、農薬をはじめ、各種の分野において液状物質の粉末化が試みられている。本発明の発泡体は油性の液状物質を含有することができるので上記の分野で応用できるが、中でも発泡体に農薬を含有させた優れた特性を有する農薬組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、澱粉を含有したものをエクストルーダ処理した発泡体に関する技術としては、特開平7−32441号、特開平9−296076号公報に開示されたものがある。
【0003】このうち特開平7−32441号公報では、澱粉を原材料とし、柔軟性、弾力性に優れ、可食性且つ生分解性を有し、発泡スチロール代替品の緩衝材として利用できる可食性生分解性緩衝材とその製造方法が開示されている。また、特開平9−296076号公報では、生物が分解可能な澱粉樹脂とその製造方法が開示されている。しかし、これらは澱粉を含有するので生分解性を有することを特徴としているが、吸油性であり且つ水に浮くものではなく、本発明に添加している架橋剤が添加されていないため膨化調整して細かい気泡を有するものではなかった。
【0004】さらに、農薬を含有する澱粉発泡体に関する技術としては、特表平5−502437号、特許2785490号公報に開示されたものがある。このうち特表平5−502437号公報では、架橋澱粉を用いるか又はエクストルーダ処理時に架橋化させる技術が開示されているが、これは澱粉の不溶化を示すものであり本発明のように発泡の制御をして水浮遊性や吸油性を高めようというものではない。また、特許2785490号公報においても同様であるが、農薬成分など油性成分と澱粉成分を混合しエクストルーダ処理しているため、油性成分の補助により比重が軽くなり水上に浮遊するものと思われるが、油性成分の添加により澱粉粒の糊化が抑制され水に馴染み難い成形物になるため、内部に含有する農薬などの油性成分は水中に放出され難くなり、農薬として早期の効果は低下する。
【0005】それに対し、本発明の農薬組成物のように発泡体と農薬を後混合するものは、発泡体の表面及び気泡部分に農薬が吸着しているので、水中に投入すると表面に付着していた油性成分が容易に発泡体から離れ(油分離性がよく)水と置換し、徐々に浸透する水で発泡体が膨潤して内部まで浸透吸着していた油性成分も短期間に外部に放出され早期に薬効が現れる。
【0006】さらに、これらに開示されている技術では農薬自身がエクストルーダ内で高圧高温処理を受けるので、分解したり揮発成分が揮散する可能性があるので環境汚染の問題がある。特に架橋剤が混在するときには変性を受ける可能性がさらに高くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、澱粉をエクストルーダ処理して得られる澱粉発泡体は大きな気泡を有するポーラスな組織であるため吸水性に優れるが、澱粉発泡体自身が水に溶解するという課題があり、水に浮くように撥水性物質を添加しても吸油能の高い発泡体を得ることはできなかった。また、高吸油能を有し生分解性があり、かつ水面浮遊する発泡体というものがなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課題を解決するため、鋭意研究の結果、澱粉含有物質95.0〜99.0質量部に架橋剤0.1〜5質量部を添加混合し、エクストルーダ処理した発泡体の径がダイ径の1〜5倍で、嵩比容が1〜20ml/gで、自重の0.3〜5倍の吸油能を有し、10分以上水に浮遊する発泡体、及び澱粉含有物質及び澱粉類(澱粉含有物質:澱粉類=0〜80:100〜20)45〜95質量部に熱凝固物質1〜30質量部及び架橋剤0.1〜5質量部を添加混合し、エクストルーダ処理した発泡体の径がダイ径の1〜5倍で、嵩比容が1〜20ml/gで、自重の0.3〜5倍の吸油能を有し、10分以上水に浮遊する発泡体が製造できることを見出し、この発泡体が油性の液状物質を粉末化できることも見出し、更に、本発明の発泡体に農薬又は油状物質を吸収させ、場合によっては、さらに粉末状にした固体農薬又はそのプレミックス又は固体担体の微粉末を被覆すれば、水面浮遊性で且つ油状の有効成分を短時間のうちに容易に放出しうる粒剤を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用する澱粉含有物質とは、とうもろこし、コーンフラワー、コーングリッツ、米、米粉、米糠、切干タピオカ、切干甘藷、馬鈴薯、薩摩芋、大豆、緑豆、ふすま、小麦、小麦粉、粟、ひえ、など糊化後皮膜の形成しうる澱粉を含有するものをいう。澱粉類とは、未加工澱粉及び加工澱粉が挙げられる。具体的には馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、アマランサス澱粉などの未加工澱粉、及びそれらの加工澱粉(酸分解澱粉、酸化澱粉、ジアルデヒド化澱粉、エーテル化澱粉(カルボキシメチル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、カチオン澱粉、メチロール化澱粉など)、エステル化澱粉(酢酸澱粉、リン酸澱粉、コハク酸澱粉、オクテニルコハク酸澱粉、マレイン酸澱粉、高級脂肪酸エステル化澱粉など)、架橋澱粉、グラフト化澱粉及び湿熱処理澱粉などが挙げられる。好ましくは酸化澱粉、酸処理澱粉及び軽度に架橋された澱粉などの皮膜性の弱い軟質系の澱粉が好ましい。強度に架橋された澱粉は、エクストルーダーで発泡させにくくなる傾向がある。これらの中で好ましいものは、小麦粉、コーングリッツ、コーンフラワーである。小麦粉は、強力粉、中力粉、薄力粉に分類されるが、薄力粉が特に好ましい。
【0010】本発明のエクストルーダで加圧押出し処理する前の混合物に、脂質を添加することができる。本発明で用いる脂質としては、中性脂質(脂肪酸のグリセリドである油脂。常温で液体の脂肪油及び固体の脂肪を含む。)、ろう(脂肪酸と高級アルコールのエステル。ワセリン、パラフィンなどの石油ロウも含む。)、さらにはステロールやビタミンA、Dのエステルなどの単純脂質、窒素を含んでもよいリン脂質、糖を構成成分にもつ糖脂質、及びそのうちに硫酸基やスルホ基をもつスルホリピド(硫脂質ともいう)、さらにC−P結合をもつものなどの複合脂質、上の2つに属するものの前駆物質や代謝産物と考えられる脂肪酸、高級アルコール、ステロール、また炭化水素であるカロテノイドやスクアレンなど、及び脂溶性ビタミンなどの誘導脂質が挙げられる。これらのなかで脂肪酸のグリセリドである油脂(ラード、半脂、パーム核油、やし油、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、落花生油、菜種油、白絞油、とうもろこし油、綿実油、米油、ごま油、ひまわり油、ひまし油、カカオ油、あまに油、桐油、エノ油、海産動物油)やワセリン、パラフィンなどのろうが好適に用いられる。
【0011】エクストルーダで押出すためには熱可塑性が必要とされる。澱粉を熱可塑性にするためには水を添加して糊化しなければならない。しかし、澱粉に水を添加して糊化した発泡体には多くの水分が含有されるため、本発明の目的である吸油能を高めるためには、発泡体をさらに乾燥しなければならない。少量の脂質を添加すると水の添加量を最小限度又は無添加にでき、水分の少ない発泡体を滑らかに押出すことができる。さらに、発泡体表面に薄い脂質膜が形成され、発泡体の吸油能が大幅に向上し水への浮遊力も増すことができる。
【0012】脂質の添加量は0.1〜8質量部であるが、本来脂質を含んでいるコーンフラワー、コーングリッツ、小麦粉など澱粉含有物質やオクテニルコハク酸澱粉、高級脂肪酸エステル化澱粉などの加工澱粉を用いるときは添加量を制限することができる。
【0013】本発明のエクストルーダで加圧押出し処理する前の混合物に、乳化剤を添加することができる。本発明で用いる乳化剤としては、適切なHLB値をもつ非イオン界面活性剤、せっけんなどの陰イオン界面活性剤、蛋白などの高分子物質などが用いられるが、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ステアロイル乳酸カルシウム、オレイン酸ナトリウム、モルホリン脂肪酸塩、ポリオキシエチレン高級脂肪族アルコールなど食品添加物として認められているものが好ましい。
【0014】本発明において乳化剤は澱粉含有物質や澱粉類と脂質との乳化性を高めていると考えられるが、結果として内部及び表面の気泡を増大させ吸油能、水浮遊性を高めるのに寄与していると考えられる。
【0015】乳化剤の添加量は0.1〜5質量部である。
【0016】本発明で用いる熱凝固物質とは、大豆蛋白、グルテンなどの小麦蛋白、カゼインなどの乳蛋白などの蛋白系及びカードランやメチルセルロースのような熱凝固性の多糖類をいう。熱凝固物質は溶解したとき網目状高分子構造となり加熱により凝固し、エクストルーダ処理されると細かな気泡を持った発泡体となる。架橋剤の添加により硬度のある発泡体が形成される。
【0017】熱凝固物質の添加量は1〜30質量部である。
【0018】本発明で用いる架橋剤として、トリポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、オキシ塩化リンなどのリン酸塩類、エピクロルヒドリン、末端に2つ以上のエポキシ基をもったポリエポキシ化合物、ホルムアルデヒド、グリオキザールなどのアルデヒド類、その他澱粉などの多糖類に含まれる水酸基、蛋白などに含まれるアミノ基、カルボキシル基と反応し得る官能基を2つ以上含有する物質(アジピン酸、アクロレイン、ビスエチレン尿素、ジイソシアネート、メラミン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂、アミノ樹脂、ポリアミン・エピクロルヒドリン系樹脂、水溶性アルキル化アミノ樹脂、水溶性メチル化メラミン樹脂など)、ピロアンチモン酸カリウム、カルシウム塩、マグネシウム塩など多価カチオン塩類も用いることができる。好ましくは食品添加物など毒性のないものが好ましい。これらの架橋剤はそれぞれ触媒の必要なものと不用なもの(加熱のみ)があるが、架橋反応するのに必要な触媒については一般に使用されているもの(通常最適pHにするためにアルカリ触媒又は酸触媒が添加される)を添加すれば良い。添加量は0.1〜5質量部が好ましい。
【0019】本発明において架橋剤は、発泡時に発泡体の径を調整するのに寄与し、水浮遊性にも寄与していると考えられる。
【0020】上記の種々の材料においてそれぞれの配合質量は以下のようになる。澱粉含有物質95.0〜99.0質量部に架橋剤0.1〜5質量部及び架橋に必要な量の触媒。澱粉含有物質及び澱粉類(澱粉含有物質:澱粉類=0〜80:100〜20)45〜95質量部に、必要であれば脂質0.1〜8質量部、必要であれば乳化剤0.1〜5質量部、熱凝固物質1〜30質量部、架橋剤0.1〜5質量部及び架橋に必要な量の触媒。
【0021】なお、本発明において澱粉含有物質は、他の天然物又はその誘導体を含有することがあり、例えば、セルロース系、蛋白質系及び天然ガム系のような天然物又はその誘導体が挙げられる。
【0022】セルロース系の天然物又はその誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロース及びその塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体を挙げることができる。
【0023】蛋白質系の天然物又はその誘導体としては、例えば、動物の骨等から得られるゼラチン、牛乳から得られるカゼイン及びその塩、小麦から得られるグルテン等を挙げることができる。
【0024】天然ガム系の天然物又はその誘導体としては、例えば、ペクチン、アルギン酸及びその塩やエステル等の誘導体、プルラン、キサンタンガム、ウエランガム、グアーガム、カードラン等を挙げることができる。
【0025】本発明の処理装置であるエクストルーダについて以下に述べる。
【0026】一般にエクストルーダはホッパー、フィーダー、スクリュー、バレル、ダイ、加熱コイル、クーリングジャケット、駆動モーターから構成され、1軸及び2軸のものがあり、好適には2軸のものである。本発明の発泡体を得るには、バレル温度を60〜250℃好ましくは80〜160℃、スクリュー回転数を50〜300rpm好ましくは70〜200rpm、ダイ温度90〜200℃好ましくは100〜150℃、ダイ吐出口径0.5〜10mm好ましくは1〜5mmの条件下で吐出させる。発泡体がダイ口径の10倍以下好ましくは1〜5倍で小さな気泡が多く比重の大きい発泡体になるように条件を選ばなくてはならない。
【0027】バレル温度は澱粉の糊化と架橋剤の反応性に関与する。スクリュー回転数は吐出圧力を左右すると同時に吐出前の乳化粒の大きさを制御する。ダイ温度は発泡力を左右し内部水分の排出量に関与する。ダイ吐出口径は使用される用途により適宜調整されるが、発泡体がダイ口径の10倍以下好ましくは1〜5倍で小さな気泡が多く比重の大きい発泡体になるように条件を選ばなくてはならない。
【0028】本発明の発泡体はダイ口径の1〜5倍で、小さな連続気泡が多く、比重の大きい発泡体になるように製造される。その発泡体の嵩比容が1〜20ml/g好ましくは1〜12.5ml/gで、自重の0.3〜5倍好ましくは1倍以上の吸油能を有し、10分以上好ましくは1時間以上水に浮遊する。
【0029】嵩比容の測定方法:サンプル20g(軽いものは5g)を500ml(軽いものの場合1L)容のメスシリンダーに入れ、メスシリンダーの目盛(ml)を読む(高い値と低い値の平均値をとる)。次式により、嵩比容を求める。
【0030】
【数1】嵩比容(ml/g)=目盛の値/20(又は5)
吸油倍率測定法:200ml容の広口ガラス瓶に試料10gを入れ、白絞油を少量滴下する。滴下後、瓶に蓋をして瓶を手で振りながら、試料に白絞油を均一にいきわたらせる。なお、瓶の内壁に白絞油の付着がなくなり、試料表面に白絞油の輝かりがなくなれば、その時点で蓋を空け再度白絞油を適量滴下し、上記操作を繰り返す。最後に滴下してから5分間振り混ぜても、瓶の内壁に白絞油が付着し、試料表面に白絞油の輝かりが消えない状態を終点とする。次式により、吸油能を求める。
【0031】
【数2】吸油能(%)=[{滴下した白絞油の総重量(g)}÷{試料重量(10g)}]×100かくして得られる澱粉の発泡体は、水溶性フィルムに分包として水田に投げ込み処理するいわゆるジャンボ剤やパック剤、又は分包とすることなく水面にバラマキ処理する水面浮遊性の農薬粒剤の担体として使用することが出来る。このような剤型は、近年の農業事情を背景として要望の強い省力型農薬として有用で、特に、高濃度に液原体を含有する粒剤を調製することができるので単位面積あたりの薬量が少なくでき、しかも含有される液状原体は担体に吸蔵されたまま沈んでしまうことなく、短時間のうちに、水中に放出されるので薬害や効力不足の心配がないという特徴を有している。
【0032】本発明に用いられる農薬有効成分は、水田に水面施用で使用される除草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物調節剤等であり、それ自体の物理的性状に特に限定はなく、除草活性成分としては、例えば、ベンスルフロンメチル、アジムスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、エトキシスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、ジメピペレート、メフェナセット、プレチラクロール、モリネート、ピリブチカルブ、テニルクロール、エスプロカルブ、ブタミホス、ブロモブチド、ダイムロン、カフェンストロール、シハロホップブチル、ベンゾフェナップ、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンフレセート、チオベンカルブ、シメトリン、ジメタメトリン、ペントキサゾン、エドベンザニド、ジチオピル、ブタクロール、オキサジアルギル、ナプロアニリド、シンメチリン、2,4−D及びそのアルキルエステル又はその塩、MCPA、MCPB及びそれらのアルキルエステル又はその塩、オキサジクロメホン、フェントラザミド、ベンゾビシクロン、インダノファン、クミルロン、ピラゾギル、アニロホス、ビフェノックス、ピペロホス、キノクラミン、ピリミノバックメチル、クロメクロップ及びベンタゾン等が挙げられる。
【0033】殺虫活性成分としては、浸透移行性を有する殺虫剤及びイネミズゾウムシ、イネドロオイムシ等の水面に生息する害虫に有効な殺虫剤であればよく、例えば、シラフルオフェン、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、イソキサチオン、エチルチオメトン、ダイアジノン、チオシクラム、アセフェート、及びベンフラカルブ等を挙げることができる。
【0034】殺菌活性成分としては、浸透移行性を有するいもち病や紋枯病等に有効な殺菌剤であればよく、例えば、テクロフタラム、オリブライト、アゾキシストロビン、カルプロパミド、ピロキロン、イソプロチオラン、プロベナゾール、チフルザミド、シメコナゾール、イプロベンホス、トリシクラゾール、フィプロニル、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、べノミル、及び7−フルオロ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3.2.1−i.j]キノリン−4−オン等を挙げることができる。
【0035】植物調節剤としては、例えば、マレイン酸ヒドラジド及びその塩、アブシジン酸、過酸化カルシウム、イナベンフィド、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、トリアペンテノール及びサイコセル等が挙げられる。
【0036】本発明に用いられる農薬有効成分は、上記の除草剤、殺虫剤、殺菌剤、植物調節剤の1種又は2種以上を用いることができ、除草剤の中で、作用機作や対象の異なる2種以上の有効成分を配合できるのはもちろんであるが、例えば、除草剤と殺菌剤や殺虫剤のように、全く対象の異なる2種以上の配合も可能である。
【0037】これらの中で、ブタクロール、プレチラクロール、アニロホス、ベンフレセート、シハロホップブチル、ジメタメトリン等の液状原体、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン等のスルホニルウレア系除草剤(SU剤)、カフェンストロール、オキサジアルギル、ダイムロン、オキサジクロメホン、フェントラザミド、ベンゾビシクロン、インダノファン、ピリミノバックメチル、ピラゾギル、ピラゾレート、ベンゾフェナップ等の除草剤、シラフルオフェン、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、イソキサチオン等の殺虫剤、テクロフタラム、オリブライト、アゾキシストロビン、カルプロパミド、ピロキロン、イソプロチオラン、プロベナゾール、チフルザミド、シメコナゾール等の殺菌剤が好適で、特に上記の液状原体あるいはSU系除草剤に好適に適用できる。
【0038】これら農薬有効成分の多くは、水田に投入した時に水面に浮遊し、水面を広範囲に広がったのちは、水中に容易に分散、乳化又は溶解する、あるいは水中には行かずに水面を浮遊し、できるだけ早く水田全体に拡散する必要がある。水に難溶性の化合物の場合は、有効成分が長時間水面に浮遊すると、風により吹き寄せられ、有効成分の局在が加速されることがあるので、適当な湿潤分散剤や乳化剤を配合して有効成分を水中に分散、乳化又は溶解させることが望ましい。このため、必要であれば適当な増量剤や補助剤を配合し、有効成分が水に濡れて容易に乳化・分散するような粒剤とする。
【0039】本発明に用いられる農薬有効成分の配合割合は、特に制限はないが、経済性や省力を考えると処理に支障をきたさない範囲で高い方が望ましい。通常、農薬粒剤中に0.1〜80%であり、好ましくは0.3〜70%であり、より好ましくは0.5〜60%である。
【0040】本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物は、水面を拡展した後、農薬有効成分が速やかに水中に分散、乳化又は溶解するものがよく、水中に投じたときに崩壊するものでも、非崩壊性のものでもいずれでもよいが、崩壊性のものは短時間で農薬有効成分が溶出し、好適である。粒状農薬組成物に崩壊性をもたせるために、本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物は、澱粉含有物質又は澱粉類に作用する酵素を含有することができる。
【0041】本発明に用いられる酵素としては、アミログルコシダーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、イソアミラーゼを挙げることができる。
【0042】アミログルコシダーゼは、細菌や糸状菌によって生産される澱粉分解酵素で、澱粉のα−1,4結合及びα−1,6結合に作用し、グルコース鎖の非還元性末端からグルコースを1分子づつ分離していくエキソ(exo)タイプの酵素である。
【0043】α−アミラーゼは、細菌や糸状菌によって生産される澱粉分解酵素で、耐熱性、pH安定性に富む。3ヶ以上のα−1,4結合を有するグルコース多糖類のα-1,4結合を加水分解する酵素で、最低5個以上のオリゴ糖を分解してグルコース、マルト−ス、及びオリゴ糖を生成するエンド(endo)タイプの酵素である。澱粉又はその誘導体をランダムに切断し、一気にオリゴ糖にまで分解するので粘度低下能に優れる。
【0044】β−アミラーゼは、麦芽から得られる澱粉分解酵素で、麦芽アミラーゼとも呼ばれる。最近、細菌、糸状菌からも得られている。澱粉、グリコーゲン、デキストリンなどのα−1,4−グルカンのグルコース鎖の非還元性末端から順次β−マルトースを生成するエキソ(exo)タイプの酵素である。麦芽より生産されるものはα−アミラーゼとの混合物である。
【0045】イソアミラーゼは、酵母、イネ、ジャガイモ、ソラマメ、麦芽等に存在する。アミロペクチン、グリコーゲンなどの澱粉系多糖類中のα−1,6−グリコシド結合に作用し、α−1,4結合だけからなるアミロース様多糖類を生じるエンド(endo)タイプの酵素である。
【0046】本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物が、セルロース系の天然物又はその誘導体を含有する場合、それに作用する酵素としてはセルラーゼがある。この酵素は少なくとも3種の酵素よりなる複合酵素で、5炭糖の多糖類であるヘミセルロースに作用するヘミセルラーゼ活性を有するものが多い。セルラーゼはセルロース中のβ−1、4グルカン結合を加水分解し、可溶性の重合物とD−グルコースを生成する。セルラーゼは複合酵素で、以下のような活性を持っている。
【0047】C1活性:天然セルロースを壊す酵素。
【0048】Cx1活性:セロデキストリン、セロトリオース、セロビオースを生成するエンドーグルカナーゼendo-glucanaseでアスペルギラスAspergillusのようなカビから分離される。
【0049】Cx2活性:Cx1から生成されるセロデキストリンを分解し、グルコースを生成する。
【0050】本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物が、蛋白質系の天然物又はその誘導体を含有する場合、それに作用する酵素としては、例えば、細菌プロテアーゼ、糸状菌プロテアーゼ、パパイン、ペプシンを挙げることができる。
【0051】細菌プロテアーゼは、B.サブチリスB.subtilisより生産される酵素で、その作用pHから中性プロテアーゼとアルカリプロテアーゼに分類される。蛋白質とペプチドに作用し、製パン、ドライクリーニング、家庭用洗剤等に利用されている。
【0052】糸状菌プロテアーゼには、アスペルギラスAspergillus起源、リゾプスRhizopus起源、ストレプトマイセスStreptomyces起源のもの等があり、その起源によって性質が大きく異なる。我が国では古くから味噌、醤油の製造に大豆の蛋白質を分解するのに利用されている。多くはエキソ(exo)タイププロテアーゼとエンド(endo)タイププロテアーゼの混合物と見られ、菌株によってアミラーゼの含量が異なっている。また菌株によってセルラーゼ、ホスファターゼ、RNAアーゼ、ペクチナーゼ等が共存している。
【0053】パパインは、パパイヤの実から製造され、ビールの混濁防止に用いられている。ペプチド、アミド、エステル等の特に塩基性アミノ酸、ロイシン、グリシン等の結合部位を加水分解するもので、未熟パパイヤを原料とする。
【0054】ペプシンは、芳香族又はジカルボン酸系のL−アミノ酸残基に隣接するペプチド結合を加水分解する。エステルやアミドには作用しない。pH1.8〜2.5のような極めて低いpHでも作用する。
【0055】この他に、抗炎症薬として用いられる蛋白質分解酵素としては、トリプシン、キモトリプシン、プラスミン、セアプローゼ、セラチオペプチダーゼ、ブロメライン等がある。
【0056】本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物が、ペクチンを含有する場合、それに作用する酵素としてはペクチナーゼがある。麻の発酵精錬、果汁やぶどう酒の清澄剤として用いられている。ペクチン分解酵素は一般にペクチナーゼと呼ばれ、ペクチン物質の加水分解に関与する酵素群の総称であり、プロトペクチナーゼ、ペクチンエステラーゼ、ペクチン・ペクチンヒドラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクテイトリアーゼ等が含まれる。これらにもそれぞれエンド(endo)タイプとエキソ(exo)タイプがある。
【0057】本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物が、アルギン酸及びその塩やエステル等の誘導体を含有する場合、それに作用する酵素には、アルギナーゼ、及びアルギン酸解裂酵素がある。アルギナーゼは、アワビ、サザエ、アメフラシ、ブダイ等の消化液中に存在し、オリゴウロニド、マンヌロン酸、ジ又はトリウロニドを生成する。アルギン酸解裂酵素は、シュードモナス中に存在し、アルギン酸を脱離反応的に分解、不飽和結合を持ったウロン酸を非還元末端とする少糖を生成する。
【0058】本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物が、プルランを含有する場合、それに作用する酵素には、プルラナーゼ、イソプルラナーゼがある。プルラナーゼは、プルラン、アミロペクチン、グリコーゲンのα−1,6結合を加水分解し、マルトリオース、アミロース様直鎖多糖類を生じる。プルランにエンド(endo)タイプに作用する。イソプルラナーゼは、プルランのα−1,6グルコシド結合に隣接する還元末端側のα−1,4グルコシド結合を加水分解し、イソパノースを生じる。
【0059】本発明の水面で浮遊性を有する粒状農薬組成物が、多糖類・ムコ多糖類を含有する場合、それに作用する酵素として、ヒアルロニダーゼがある。
【0060】このように、天然高分子物質又はその誘導体に作用する酵素には、高分子鎖の結合部位に無作為に作用し、いきなり低分子量のポリマーに分解させるもの(エンド(endo)タイプ)と、高分子鎖の末端結合部位に作用し、構成成分を1ヶづつ分離していくもの(エキソ(exo)タイプ)とがある。本願においては、これらのうちエンド(endo)タイプの酵素が望ましい。
【0061】エキソ(exo)タイプの酵素であっても支障はないが、天然物又はその誘導体の末端にしか作用しないため、結合剤として働くこれら天然物又はその誘導体を分解するのにやや時間がかかる(製剤の崩壊・分散に時間がかかる)欠点がある。
【0062】本願において、これら澱粉含有物質及び澱粉類とそれに作用させる酵素の組み合わせのうちで、好適なものは、澱粉含有物質及び澱粉類が、コーンフラワー、コーングリッツ又は小麦粉であり、且つ酵素がエンド(endo)タイプのα−アミラーゼ又はイソアミラーゼの組み合わせであり、より好適には、天然物又はその誘導体が小麦粉であり、且つ酵素がエンド(endo)タイプのα−アミラーゼ又はイソアミラーゼの組み合わせである。
【0063】酵素の配合量は、澱粉含有物質及び澱粉類の種類とその配合量並びに酵素の種類とその力価等により大幅に変化するが、本発明の水面浮遊拡散型農薬製剤中に、通常、0.001〜10質量部であり、好適には0.002〜5質量部であり、更に好適には0.01〜3質量部である。また、酵素の配合量を調節することによって、農薬製剤の水中での溶解又は崩壊時間を調節することができる。
【0064】本発明の粒状農薬組成物の形状は円柱状でも不定形状でもかまわない。
【0065】農薬有効成分は、固体の場合、生物活性を発揮するのに十分な粒度にまで粉砕しておく。必要なら他の粉砕助剤、湿潤剤、分散剤等を加えて、ハンマーミルやジェットミル等により乾式粉砕して農薬有効成分を高濃度に含有するプレミックスとするのが好ましいが、サンドミル、アトライター、ビーズミル等により湿式粉砕することもできる。
【0066】湿式粉砕に際し、媒体に油状物質を用いた場合は、本発明の担体にそのまま吸収させればよいが、水を用いた場合には、例えば噴霧乾燥機等の適当な乾燥機を用いて乾燥し、ハンマーミルやジェットミル等により乾式粉砕すれば上記の乾式プレミックスと同様に取り扱うことができる。
【0067】粒剤を製造するには、予め調製した本発明の発泡体に適当な不揮発性液状物質を用いて農薬有効成分を被覆するか、又は、農薬有効成分を適当な溶剤に溶解させ、これを予め調製した本発明の発泡体に吸収させるかして目的とする浮遊性の農薬粒剤を得る。
【0068】被覆法による場合は、例えば、予め調製した本発明の発泡体を、攪拌混合機に仕込み、不揮発性液状物質を加えて表面を湿潤させたのち、固体の農薬有効成分の粉砕品又は必要であれば、水面拡展剤や他の助剤を含有する粉末プレミックスを加えてさらに攪拌し、粒の表面に被覆すれば良い。不揮発性液状物質の代わりに液状又は液状にした農薬を用いることもできる。
【0069】吸収法による場合は、例えば、予め調製した本発明の発泡体を攪拌混合機に仕込み、液状又は溶剤等により液状化させた農薬有効成分又はその濃厚オイルプレミックスを加えて吸収させる方法が一般的である。農薬有効成分の粉末又はオイルプレミックス中には、水面拡展剤及び必要であれば、他の助剤等を配合することができる。
【0070】被覆法や吸収法で粒剤を調製する場合、水面拡展剤はその効果を最大限に発揮させるには、農薬有効成分やその他の助剤を被覆又は吸収させたのち、最後に添加するのが望ましい。このように、被覆あるいは吸収の工程は、2段階以上に分けてもかまわない。
【0071】使用する攪拌混合機は、セメントミキサー、スミスミキサー、トート瓶、ナウターミキサー、リボンブレンダー、ロータリーブレンダー、V型混合機等の低速で混合する粒の破砕の少ない機種を選択するのが望ましい。
【0072】粒剤の粒度については、粒径が小さいと水中で沈みやすく、バラマキ用の粒剤としては風の抵抗を受けやすい。逆に粒径が20mmより大きいものが多いと、風で吹き寄せられやすくなるうえ、中心部に吸収された液状有効成分の溶出に時間がかかるため、吹き寄せられた場所で沈降して、農薬有効成分の偏在の原因になることがある。通常、90%以上が0.71mm〜15mmの区分に入り、好適には、40%以上が1mm〜10mmの区分に入るものが好ましい。
【0073】本発明の水面で浮遊拡展性の良好な農薬粒剤を得るには、農薬有効成分と本発明の発泡体、水面で広範囲に広がらせるために用いる水面拡展剤、及びその他の補助剤を配合して調製することができる。
【0074】本発明の水面拡展剤は、農薬固形剤を水面で広範囲に拡展させるために配合するもので、例えば、アクリル酸、マレイン酸等カルボン酸やスチレンスルホン酸、ビニル基等を重合させたもののナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のようなカルボン酸型あるいはスルホン酸型のポリソープ;オレイン酸ナトリウムやステアリン酸カリウムのような石鹸類;モノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩ならびにこれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、オレイルメチルタウライド塩等のようなアニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンのアルキルエステル、ソルビタンのアルキルエステル、シリコーン系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、プルロニックタイプの界面活性剤等の種々のノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンのアルキルエステル等をリン酸又は硫酸のエステルとし、場合によっては、それらを適当なアルカリで中和した界面活性剤;フッ素系界面活性剤;各種のカチオン界面活性剤;両性イオン性界面活性剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール及びこれらの重合体のようなグリコール類の種々のエステルならびにエーテル類;流動パラフィンやナフテン系あるいは芳香族系の高沸点溶媒;低粘度のポリブテン、シリコンオイル、マシン油等の鉱物油類;種々の動植物油;松脂等種々の樹脂類;樟脳白油;αピネン;樟脳;ナフタレン;疎水性シリカ等が使用でき、好適には、モノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩及びそれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、オレイルメチルタウライド塩、アルキル硫酸塩、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、グリコール類のエーテル類又はエステル類及びカルボン酸のアルキルエステルが挙げられ、さらに好適には、α−オレフィンスルホン酸塩、α−オレフィン脂肪酸塩、アセチレン系界面活性剤、グリコール類のエーテルである。なお、これらの水面拡展剤の中には、分散剤、結合剤、造粒性向上剤又は乳化剤として用いられるものもある。
【0075】モノ−又はジ−アルキルスルホコハク酸塩及びそれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤とは、農薬に一般的に使われるジ−アルキルスルホコハク酸塩ばかりではなく、モノ−アルキルスルホコハク酸塩、予めモノ−又はポリ−アルキレンオキサイド(C2〜C4)を付加したアルキルエーテルを調製しておき、スルホコハク酸1分子当り、この1分子あるいは2分子を反応させたものの塩をも含む。
【0076】これらは、例えば、ニューコール291PG(日本乳化剤株式会社製)、ネオコールSWCE、ネオコールSWC、ネオコールYSK(第一工業製薬株式会社製)、ニューカルゲンEP−70G(竹本油脂株式会社製)、GEROPONSDS(塩野義製薬株式会社製)、ペレックスOT−P(花王株式会社製)、エアロールCT−1(東邦化学工業株式会社製)、ゲナブアSB1970J(ヘキストジャパン株式会社製)、リパール860K、リパール870E(ライオン株式会社製)等(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、ペレックスTR(花王株式会社製)(ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム)、ペレックスCS(花王株式会社製)(ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)、リパールNTD(ライオン株式会社製)(牛脂アミドスルホコハク酸ナトリウム)、ニューコール292PG(日本乳化剤株式会社製)(ジエチルヘキシルエトキシスルホコハク酸ナトリウム)、ジェロポンACR/4(ローデイア・ゲロナッゾ製)(スルホコハク酸のラウリルエトキシハーフエステルのナトリウム塩)等の商品名で市販されている。
【0077】α−オレフィンスルホン酸塩は、原油(石油)を原料としたスルホン化物の塩であり、生分解性に優れること、皮膚及び眼に対しても非常に安全であること、酸アルカリに対して安定であること、耐硬水性に優れること等の人や環境にやさしい特徴を有しており、例えば、C12〜C16のα−オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。
【0078】α−オレフィンスルホン酸塩の塩としては、特に制限はないが、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム及び種々のアミン塩等が挙げられ、ナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩が好ましい。
【0079】α−オレフィンスルホン酸塩の具体例は、例えば、リポランLB−440、リポランLB−840、リポランPJ−400、KリポランPJ−400、リポランPB−800、Dt−95(ライオン株式会社製)、M−3801、M−3801G(第一工業製薬株式会社製)、ホスタファーOSB(ヘキストジャパン株式会社製)等を挙げることができる。
【0080】α−スルホ脂肪酸塩は、天然油脂を原料としたスルホン化物であり、例えば、C10〜C14のα−スルホ脂肪酸塩が挙げられる。
【0081】α−スルホ脂肪酸塩の塩としては、特に制限はないが、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム及び種々のアミン塩等が挙げられ、ナトリウム、アンモニウム又はカルシウム塩が好ましい。
【0082】α−スルホ脂肪酸塩の具体例は、例えば、FA−615B、FA−616B、FA−617B(ライオン株式会社製)、サンベース、サンベースFM−2(日本油脂株式会社製)等を挙げることができる。
【0083】α―オレフィン脂肪酸塩は、α―オレフィンにカルボン酸を反応させたもので、例えばC12のα―オレフィンに、3−メルカプトプロピオン酸を反応させたラウリルチオプロピオン酸の塩がノバソルトSA−66T、ノバソルトSA−66TE(日本油脂株式会社製)として製品化されている。
【0084】オレイルメチルタウライド塩は、オレイン酸クロライドをN―メチルタウリンと反応させたものの塩で、塩としては、特に制限はないが、例えば、ナトリウム、カルシウム、カリウム及びアンモニウム塩等が挙げられ、ナトリウム、又はカルシウム塩が好ましい。
【0085】オレイルメチルタウライド塩の具体例は、例えば、ダイヤポンTパウダー(日本油脂株式会社製)、ホスタポンTパウダー(ヘキストジャパン株式会社製)、ArkoponTパウダー(ヘキストジャパン株式会社製)等を挙げることができる。
【0086】アルキル硫酸塩は、例えばラウリル硫酸塩がエマール10パウダー(花王株式会社製)、モノゲンパウダー(第一工業株式会社製)の商品名で市販されている。
【0087】アセチレン系界面活性剤には、アセチレンアルコール、アセチレンジオール及びこれらにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤が含まれる。
【0088】アセチレンアルコールは、一般式HOC(R1)(R2)−C≡CH(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、C1〜C8のアルキル基を示す。)で表される化合物であり、R1がメチル基及びR2がイソブチル基のものがサーフィノール61、R1及びR2がともにメチル基のものがオルフィンB、R1がメチル基及びR2がエチル基のものがオルフィンPの商品名で市販されている。
【0089】アセチレンジオールは、一般式HOC(R1)(R2)−C≡C−CR12OH(R1及びR2は、同一又は異なって、C1〜C8のアルキル基を示す。)で表される化合物であり、R1がメチル基及びR2がエチル基のものがサーフィノール82、R1がメチル基及びR2がイソブチル基のものがサーフィノール104、R1がエチル基及びR2がブチル基のものがサーフィノールDF110、R1及びR2がともにメチル基のものがオルフィンYの商品名で市販されている。
【0090】また、上記のアセチレンアルコール又はアセチレンジオールにアルキレンオキサイドを付加した界面活性剤は、例えば、上記のアセチレンアルコール又はアセチレンジオールにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド等を付加した界面活性剤である。アルキレンオキサイドを付加したものとしては、例えば、サーフィノール104にエチレンオキサイドを付加したものがサーフィノール400シリーズとして市販されている。
【0091】また、サーフィノール104(ワックス状)と無晶形二酸化ケイ素を40:60の重量比率で混合粉砕した粉末状のプレミックスがサーフィノール104S、サーフィノールDF110(ワックス状)と無晶形二酸化ケイ素を40:60の比率で混合粉砕した粉末状のプレミックスがサーフィノールDF110Sの商品名(共に、エアロプロダクツ社製、日信化学株式会社販売)で市販されている。
【0092】シリコーン系界面活性剤は、メチル又はジメチルポリシロキサンの末端及び/又は側鎖のメチル基の一部に、ポリエチレンオキサイド若しくはポリプロピレンオキサイド又はその両者を導入し、場合によっては、末端の水酸基をアルキル基でエーテル又はエステル化した、ポリエーテル変性シリコンオイルを主成分とするノニオン界面活性剤であり、例えば、シルガードシリーズ(ダウコーニングシリコーン株式会社製)、シルウェットシリーズ(日本ユニカー株式会社製)、シリコーンオイルKFシリーズ(信越化学株式会社製)、カイネチック(ヘレナケミカル株式会社製)等の商品名で市販されている。
【0093】フッ素系界面活性剤は、通常のアニオン、ノニオン、カチオン又は両性イオン系界面活性剤の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した界面活性剤であり、表面張力低下力に優れることで知られており、例えば、ユニダインシリーズ(ダイキン工業株式会社製)、メガファックシリーズ(大日本インキ化学工業株式会社製)、フタ−ジェントシリーズ(株式会社ネオス製)、サーフロンシリーズ(旭硝子株式会社製)、エフトップ(トーケムプロダクツ株式会社製)等の商品名で販売されている。
【0094】グリコール類のエーテル及びエステル類はエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、及びこれらの重合体の末端水酸基の一方又は双方を、適当なアルキル基又はカルボン酸基で置換したエーテル又はエステル類で、具体的には、ヘキシルグリコール(HeG、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)、ヘキシルジグリコール(HeDG、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)、2―エチルヘキシルグリコール(EHG、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)、2―エチルヘキシルジグリコール(EHDG、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社)等の商品名で販売されている。
【0095】カルボン酸のアルキルエステルは、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、オレイン酸、乳酸等のカルボン酸あるいはマレイン酸、クエン酸、フマ−ル酸、アジピン酸、グルタール酸、フタル酸等の多塩基カルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、ラウリル、オレイル等のアルキルエステルで、具体的に、エキセパールMC(ヤシ脂肪酸メチル、花王株式会社)、エキセパールM−OL(オレイン酸メチル、花王株式会社)、ビニサイザー30(オレイン酸イソブチル、花王株式会社)、ビニサイザー124(フタル酸ジアルキル、花王株式会社)、乳酸ブチル(株式会社武蔵野化学研究所)等の商品名で販売されている。
【0096】本発明に用いられる水面拡展剤の配合量は、農薬有効成分の種類と含有量、水面拡展剤の種類とその添加方法、その他成分の種類と配合量など製剤処方や剤型によって異なるが、通常、農薬固形剤中に0.1〜30%であり、好ましくは0.3〜20%であり、さらに好ましくは0.5〜10%である。
【0097】本発明の農薬固形剤には、不揮発性液状物質、乳化剤、分散剤、湿潤剤、希釈剤、撥水剤、粒子成長防止剤及び安定剤等のその他の補助剤を配合することができる。
【0098】常温で固体、半固体又は液状の農薬有効成分を希釈したり、被覆・含浸するためには、必要であれば、不揮発性液状物質を用いることができる。不揮発性液状物質は農薬有効成分に粒子成長、分解等の悪影響を与えず、本発明の発泡体に農薬有効成分を均一に被覆・含浸できる性質を有するものであればよく、高沸点・低毒性で引火点が高く、低粘度で比重が1より小さいものが望ましい。一般に、農薬有効成分は比重が1以上のものが多い。このような場合、乳化粒子をできるだけ長時間水中に留め、水田に広く拡散させるためには、比重が1より小さく低粘度の溶剤を用いることが多い。例えば、低粘度の流動パラフィン、イソパラフィン、マシン油、ポリブテン、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の各種高沸点溶媒等の鉱物油;ヤシ油、大豆油、なたね油等の植物油;鯨油、鰯油等の動物油;シリコーンオイル及びその誘導体;オレイン酸、乳酸、ヤシ油脂肪酸、マレイン酸、フマール酸、フタール酸、アジピン酸等のモノ−又は多価カルボン酸及びそれらの種々のエステル;トリブチルホスフェートやトリスクロルエチルホスフェート等のリン酸の種々のエステル等の可塑剤;ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;N-メチルピロリドン;及び種々の液状界面活性剤等を挙げることができ、好適には、低粘度の流動パラフィン、マシン油、イソパラフィン又は種々のアルキルエステルであり、具体的に、スーパーオイルシリーズ、スモイルPシリーズ(日本石油化学株式会社製)、流動パラフィンNoシリーズ(中央化成株式会社製)等の流動パラフィン;ダフニーオイルシリーズ(出光興産株式会社製)等のマシン油;アイソパーシリーズ、アイソゾールシリーズ(日本石油化学株式会社製)等のイソパラフィン等を挙げることができ、これらの2種以上を混ぜ合わせて使用することもできる。
【0099】本発明に用いられる不揮発性液状物質の配合量は、農薬有効成分の種類やその他の助剤の種類、配合量等により異なるが、農薬固形剤の経時安定性や物理性に影響を与えない限りできるだけ少ない方がよい。その配合量は、一般的に1〜60%、好ましくは2〜50%、さらに好ましくは3〜40%である。
【0100】本発明で用いられる乳化剤は、液状の農薬有効成分又は農薬有効成分の溶液を水中に乳化させるために必要に応じて用いられ、農薬有効成分や溶剤に応じて、通常の乳剤の乳化剤を選択するのと同様にして選択し、用いることができる。
【0101】本発明で用いられる乳化剤の配合量は、一般的に、0.01〜30%、好ましくは0.03〜15%である。
【0102】本発明に用いられる分散剤は、農薬有効成分を水中に懸濁分散させるために用いるものであり、例えば、リグニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、フェノールスルホン酸塩及びその縮合物、スチレンスルホン酸塩の縮合物、マレイン酸とスチレンスルホン酸との縮合物の塩、アクリル酸やマレイン酸などのカルボン酸縮合物の塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェートの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル及びその塩等のアニオン界面活性剤やトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩を挙げることができ、また、ノニオン系、カチオン系、両性イオン性界面活性剤でも適当なものを選択して使用できる。これら分散剤は、湿潤剤としても有用なものが多い。
【0103】本発明で用いられる分散剤及び湿潤剤の配合量は、一般的には、0.01〜30%、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.2〜15%である。
【0104】本発明に用いられる希釈剤は、固体の農薬有効成分の濃厚プレミックスを調製する際の希釈剤であり、例えば、ベントナイト、タルク、クレー、珪藻土、無晶形二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の一般的に農薬のキャリアーとして用いられる鉱物質微粉の他に、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン等種々の樹脂粉末、グルコース、砂糖、乳糖等の糖類、澱粉及びその誘導体、微結晶セルロース、木粉、オガクズ、米糠、ふすま、籾殻の粉末、コーヒー豆粉末、ヤシ殻粉末、活性炭、セルロース粉末、甘草粉末等の有機物、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム等の水溶性無機塩類及び尿素等を挙げることができる。
【0105】本発明で用いられる増量剤の配合量は、一般的に、0.1〜80%、好ましくは0.2〜50%、さらに好ましくは0.5〜20%である。
【0106】本発明で用いられる撥水剤は、主として農薬有効成分の水溶性が高い場合に、農薬有効成分の溶出を抑制して水面にできるだけ広範囲に広げたのち、水中に溶解させるために配合するものであり、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸塩、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸等の高級脂肪酸、シリコンオイル及びその誘導体、フッ素系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、疎水性シリカ、流動パラフィン及びマシン油等が挙げられる。
【0107】本発明で用いられる撥水剤の配合量は、農薬有効成分の種類や物理性により異なるが、その配合量は、一般的に、0.05〜10%、好ましくは0.1〜5%である。
【0108】本発明で用いられる粒子成長防止剤又は安定化剤は、農薬有効成分の性質に応じて必要があれば配合する。その他、必要に応じて色素、苦味剤、その他の種々の補助剤を配合することができる。
【0109】本発明の農薬粒剤は、水面で拡展した後は、速やかに農薬有効成分が水中に分散、乳化又は溶解する必要があるため、湿潤剤、分散剤、乳化剤等の配合量を調節する。
【0110】かくして得られる本願の農薬粒剤は、以下に示す方法により、拡展性指数5点以上の良好な水面浮遊拡展性を示すことが望ましい。
【0111】「拡展性指数」とは、水面浮遊拡展性を有する農薬固形剤の水面における拡展性を0〜15点の範囲(15点満点)で数値化したものであり、点数が大きい程、水面拡展性がよく、好適には5点以上であり、より好適には7点以上であり、さらに好適には9点以上である。水面拡展性の試験法は、次の通りである。
【0112】長さが4m、幅が14cmのトユに水道水を25L入れ、水温を20℃に調節する。田面水上の障害物(浮遊物)を想定して、スミセルコ(住金物産株式会社製、籾殻を粉末化したもの)2gを水面に均一になるよう処理する。静置後、農薬固形剤280mgを該トユの一方の端から10cmの地点に投入し、投入後の各農薬固形剤の投入地点から1.5m到達時間、投入地点からの最長到達距離及び投入5分後の拡展状態について目視により調査し、下記表1記載の評価基準にしたがって判定し、各項目の評価点を合計することにより、それぞれの拡展性指数を求める。
【0113】
【表1】
拡展性の評価項目ならびに評価基準――――――――――――――――――――――――――――――――――――評価項目 判定基準 評価点――――――――――――――――――――――――――――――――――――1.5m到達時間 2分以上 0 1分以上、2分未満 1 30秒以上、1分未満 2 20秒以上、30秒未満 3 10秒以上、20秒未満 4 10秒未満 5――――――――――――――――――――――――――――――――――――最長到達距離 0.5m未満 0 0.5m以上、1.0m未満 1 1.0m以上、1.5m未満 2 1.5m以上、2.0m未満 3 2.0m以上、2.5m未満 4 2.5m以上、3.0m未満 5 3.0m以上、3.5m未満 6 3.5m以上 7――――――――――――――――――――――――――――――――――――処理5分後の拡展状態 拡展した先端が処理地点まで戻される 0 最長到達地点から1m以上戻される 1 最長到達地点から1m未満戻される 2 最長到達地点から戻されない 3――――――――――――――――――――――――――――――――――――満点 15――――――――――――――――――――――――――――――――――――かくして得られた本発明の水面浮遊性を示す農薬粒剤は、そのまま、手又は適当な散粒機を用いて水田中にバラ撒いても良いし、水溶性を有するフィルム又はシートよりなる水溶紙に分包とし、水田中に投げ込み処理をしても良い。良好な水面拡展性を有する粒剤の場合には、水田中に入って均一処理をしたり、散粒機を用いて均一処理をしなくても、畦畔に沿っていわゆる額縁処理をするだけで水面で粒剤が自然に拡展し、均一処理をするのと同様の効果を得ることができる。水溶紙に分包とする場合、粒剤が水面拡展性を有しないと、水溶紙が水に溶解しても内部の粒剤が充分に拡展しなくなることがあるので、良好な拡展性を有する粒剤が望ましい。
【0114】ここで水溶紙とは水溶性フィルム又はシートよりなるもので、冷水中で溶解又は分散して内部の粒剤を放出する性質を有するものである。その素材には、ポリビニルアルコール(PVA)系、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩のようなセルロース系、ポリエチレンオキサイドのようなポリエーテル系、プルランのようなポリサッカライド系等を挙げることができ、本発明においてはこれらのいずれをも使用することができる。これらには通常用いられるナシジあるいはエンボス加工を施したフィルムだけでなく、これらの素材よりなる水溶性不織布よりなるシートをも含むものである。水溶性不織布には、単なる水溶性不織布ばかりでなく、水溶性不織布に適当な水溶性フィルムをラミネートした積層材よりなるシートも含まれる。
【0115】これら素材のうちで、フィルム自体が拡展性を有するPVAが特に好ましい。好ましいPVAは、重合度1000〜2000程度、ケン化度85〜95%程度のもので、重合体の中に少量のカルボン酸、スルホン酸等を共重合させたものをも含む。PVAの重合度が高すぎたり、ケン化度が高すぎたりすると冷水に溶けにくくなるので好ましくない。また、PVAの物理性や安定性を改良するために、通常のPVAフィルムに添加される可塑剤や安定剤、色素等を含有させることもできる。
【0116】これら水溶性フィルムあるいはシートの厚みは20〜100μmが好ましい。厚さが20μm以下になると、強度が不足して破れやすくなり、包装袋として使用時に問題が生じることがある。また100μm以上になると水中での溶解に時間がかかるうえ、価格が高くなるので得策ではない。好適には30〜60μm、更に好ましくは35〜50μmである。
【0117】1包みの重量は、投げ込み易さを考慮すると、通常、10〜200g、好ましくは、20〜100g、さらに好ましくは25〜70gである。この程度の重さであれば、子供、女性、高齢者でも容易に15m以内の目標とした地点に投げ込むことが可能である。これ以上重いと、投げ込むのが苦痛となり、広い面積を処理するのは容易ではなく、また、これ以下では、風の影響を受けて目標とした地点に到達し得ない。
【0118】分包の形状としては、一辺が1〜30cmの長方形、又は正方形が一般的であるが、これらに限らず、多角形、円形、球形、円筒形等であっても何ら支障はない。分包にする方法としては、各辺を糊で封じても良いが、超音波、高周波及びヒートシール等を用いることができ、作業性よりヒートシールが好適である。
【0119】ヒートシールの方法としては、例えばヒートシーラーを用い、水溶紙の融点より20〜150℃低い温度で、3〜100kg/cmの線圧で熱圧着する等の方法を用いることができる。
【0120】本発明の農薬粒剤は、水面で広範囲に拡展し、農薬有効成分の拡散も広範囲に達するから、通常の水田では無理に遠くまで投げ入れる必要はなく、畦畔から2〜3m先の水面に落とす程度で十分である。
【0121】水田に投げ込む分包の個数は、多すぎると省力化にならず、経済的にも不利であり、通常、10アール当たり1〜30個を投下することにより、十分な生物効果を発揮させることができ、好ましくは、10アール当たり1〜20個である。
【0122】得られた固形剤の分包は、紙袋、樹脂袋又はアルミ箔貼り合わせやアルミ又はシリカを蒸着した樹脂袋等の袋や箱等で外装するため、吸湿に対して経時的に安定である。従って、吸湿に対して注意を払う必要はないが、水溶紙は水がかかると破れてしまうので、適当な防水加工を施した外装を用いることが望ましい。
【0123】以下、本発明を実施例及び試験例にて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0124】
【実施例】
【0125】
【実施例1】下記表2に示す原料配合処方でエクストルーダにて高圧処理を行った。得られた組成物の性状は表3に示す。なお、表3中の油分離性は記号で示し、油分離性のよいものから順に、◎、○又は×で表す。
【0126】なお、エクストルーダ(スエヒロEPM社製2軸エクストルーダα100)の運転条件は、回転数:80〜160rpm、内径とバレルの比率L/D:12、原料投入量:40〜80kg/hr、圧力:30〜50kg/cm2、ダイ開孔径:2.5mm(試料番号4及び12は、1.5mm)、直列10穴、バレル温度:80〜90℃、ダイ温度:80〜120℃であった。
【0127】
【表2】
───────────────────────────────────試料番号 澱粉含有物質 架橋剤───────────────────────────────────1 (比較) コーングリッツ(100) なし2 コーングリッツ(97) トリポリリン酸ナトリウム(3)3 コーンフラワー(98) トリホ゜リリンナトリウム(1)+トリメタリンナトリウム(1)4 大豆(98) トリホ゜リリンナトリウム(1)+トリメタリンナトリウム(1)───────────────────────────────────( )内は配合量の質量部を示す【0128】
【表3】
───────────────────────────────────試料番号 嵩比容 発泡体外径 吸油倍率 水浮遊時間 油分離性───────────────────────────────────1 (比較) 80 20mm 0.1 1hr ×2 9 7mm 1.5 6hr ◎3 7 5mm 2.0 20hr ◎4 6 3mm 2.5 22hr ◎───────────────────────────────────【0129】
【実施例2】実施例1と運転条件を同じにして、下記表4に示す原料配合処方でエクストルーダにて高圧処理を行った。得られた組成物の性状は表5に示す。
【0130】
【表4】
───────────────────────────────────試料 澱粉類 澱粉含 脂質 乳化剤 熱凝固剤 架橋剤番号 有物質───────────────────────────────────5 (比較) コーンスターチ 0 0 0 0 0 (100)6 (比較) 酸化澱粉 0 0 0 0 0 (100)7 酸化澱粉 0 やし油 蔗糖脂肪酸 大豆蛋白 トリホ゜リリン酸 (82) (2) エステル(1) (10) ナトリウム(5)8 酸化澱粉 コーンク゛リッツ やし油 蔗糖脂肪酸 大豆蛋白 トリホ゜リリン酸 (50) (42.5) (1) エステル(0.5) (3) ナトリウム(3)9 (比較) ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ 0 0 0 0 トリメタリン化澱粉(97) ナトリウム(3)10 ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ 0 0 0 グルテン トリメタリン化澱粉(87) (10) ナトリウム(3)11 ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ 0 白絞油 ク゛リセリン脂肪酸 グルテン トリメタリン化澱粉(82) (4) エステル(1) (10) ナトリウム(3)12 ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ 大豆 ワセリン ク゛リセリン脂肪酸 グルテン トリメタリン化澱粉(50) (40.5) (1) エステル(0.5) (5) ナトリウム(3)───────────────────────────────────( )内は配合量の質量部を示す【0131】
【表5】
───────────────────────────────────試料番号 嵩比容 発泡体外径 吸油倍率 水浮遊時間 油分離性───────────────────────────────────5 (比較) 110 20 mm 0.1 30 min ○6 (比較) 120 30 mm 0.2 10 min ○7 8 5 mm 1.3 12 hr ◎8 5 5 mm 2.0 15 hr ◎9 (比較) 130 35 mm 0.1 5 min ×10 10 8 mm 0.3 1 hr ○11 7 8 mm 0.6 5 hr ○12 5 3 mm 2.0 15 hr ◎───────────────────────────────────【0132】
【実施例3】ブタクロール原体(a.i.90%)43.75部、EHDG(ジエチレングリコールモノ2‐エチルヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社製)3.00部、NE−2609(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製)1.50部、及びDBC(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム70%、日本乳化剤株式会社製)1.50部を混合し、オイルプレミックスを得た。また別に、エトキスルフロン原体(a.i.98.8%)0.95部、ロカヘルプ439(パーライト、三井金属鉱業株式会社製)7.90部、及びM−3801G(αオレフィンスルホン酸ナトリウム、第一工業製薬株式会社製)0.50部を混合し、ハンマーミルにより粉砕して粉末プレミックスを得た。実施例2の試料番号8の発泡体38.40部をナウタミキサーに仕込み、オイルプレミックス49.75部を加えて混合し、吸収させた後、粉末プレミックス9.35部を加えて混合被覆し、さらにロカヘルプ439を2.50部加えて混合被覆して、ブタクロールを37.50%、エトキシスルフロンを0.85%含有する本発明の農薬粒剤を得た。得られた粒剤40gをハイセロンC‐200(厚み40μmのPVAフィルム、日合フィルム株式会社製)に分包とし、本発明の水田投げ込み用製剤を得た。本製剤は水田10a当り5パックの割合で投げ込み施用する。
【0133】
【実施例4】ブタクロール原体43.75部、及びEHDG 3.00部を混合し、オイルプレミックスを得た。また別に、エトキスルフロン原体0.95部、ロカヘルプ439 6.40部、バニレックスN(リグニンスルホン酸ナトリウム、日本製紙株式会社製)1.00部及びGEROPON SDS(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、塩野義製薬株式会社)1.00部を混合し、ハンマーミルにより粉砕して粉末プレミックスを得た。実施例2の試料番号7の発泡体41.40部をナウタミキサーに仕込み、オイルプレミックス46.75部を加えて混合し、吸収させた後、粉末プレミックス9.35部を加えて混合被覆し、さらにロカヘルプ439を2.50部加えて混合被覆して、ブタクロールを37.50%、エトキシスルフロンを0.85%含有する本発明の農薬粒剤を得た。得られた粒剤40gをハイセロンC‐200に分包とし、本発明の水田投げ込み用製剤を得た。本製剤は水田10a当り5パックの割合で投げ込み施用する。
【0134】
【実施例5】ブタクロール原体29.17部、EHDG 3.00部、NE−2609 1.50部、DBC 1.50部を混合し、オイルプレミックスを得た。また別に、エトキスルフロン原体0.64部、ロカヘルプ439 5.26部、M−3801G 0.33部を混合し、ハンマーミルにより粉砕し、粉末プレミックスを得た。実施例1の試料番号2の発泡体54.60部をナウタミキサーに仕込み、オイルプレミックス35.17部を加えて混合し、吸収させた後、粉末プレミックス6.23部を加えて混合被覆し、さらにロカヘルプ439を4.00部加えて混合被覆して、ブタクロールを25.00%、エトキシスルフロンを0.57%含有する本発明の農薬粒剤を得た。本製剤は、水田10a当り300gの割合で畦畔等からばら撒き施用する。
【0135】
【実施例6】発泡担体の製造下記表6に示す原料配合処方で、2軸エクストルーダーを用いて、発泡担体を製造した。得られた発泡担体の物理性を表7に示す。
【0136】なお、エクストルーダ(スエヒロEPM社製2軸エクストルーダα100)の運転条件は、回転数:80〜160rpm、内径とバレルの比率L/D:12、原料投入量:40〜80kg/hr、圧力:30〜50kg/cm2、ダイ開孔径:1.5mm、直列10穴、バレル温度:80〜90℃、ダイ温度:80〜120℃であった。
【0137】
【表6】
発泡担体の処方───────────────────────────────────試料番号 天然物又はその誘導体 架橋剤等───────────────────────────────────1 薄力粉(98) トリメタリン酸ナトリウム(2)───────────────────────────────────2 コーングリッツ(98) トリメタリン酸ナトリウム(2)───────────────────────────────────3 酸化澱粉(50) トリポリリン酸ナトリウム(3) +コーンフラワー(38) +グルテン(3) +セロゲンEP*(5) +ヤシ油(1)─────────────────────────────────── *カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、第一工業製薬株式会社製 ( )内は配合量の質量部を示す。
【0138】
【表7】
発泡担体の物理性───────────────────────────────────試料番号 嵩比容 発泡体外径 吸油倍率 水浮遊時間 水中崩壊性───────────────────────────────────1 11 3mm 1.5 20hr 非崩壊2 9 5mm 1.5 6hr 非崩壊3 7 3mm 1.8 18hr 非崩壊───────────────────────────────────【0139】
【実施例7】薄力粉及びα−アミラーゼを含有する農薬製剤及び水田投げ込み用製剤ブタクロール原体(a.i.90%)43.75部、EHDG(ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、日本乳化剤株式会社製)3.00部、NE−2609(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製)0.50部、DBC(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム70%、日本乳化剤株式会社製)0.50部及びビオクライスターゼM8(α−アミラーゼ、大和化成株式会社製)0.20部を混合し、オイルプレミックスを得た。別に、エトキシスルフロン原体(a.i.98.8%)0.95部、ロカヘルプ439(粉末状パーライト、三井金属鉱業株式会社製)5.40部、バニレックスN(リグニンスルホン酸ナトリウム、日本製紙株式会社製)1.00部及びGEROPON SDS(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、塩野義製薬株式会社)2.00部を混合し、ハンマーミルにより粉砕して粉末プレミックスを得た。
【0140】実施例6試料番号1の発泡担体40.20部をナウタミキサーに仕込み、オイルプレミックス47.95部を加えて混合、吸収させた後、粉末プレミックス9.35部を加えて混合被覆し、さらにロカヘルプ439を2.50部加えて混合被覆して、ブタクロールを37.50%及びエトキシスルフロンを0.85%含有する本発明の農薬製剤を得た。得られた製剤40gをハイセロンC−200(厚み40μmのPVAフィルム、日合フィルム株式会社製)に分包とし、本発明の水田投げ込み用製剤を得た。本製剤は水田10a当り5パックの割合で投げ込み施用する。
【0141】
【実施例8】コーングリッツ及びα−アミラーゼを含有する農薬製剤及び水田投げ込み用製剤実施例7において、実施例6試料番号1の発泡担体を実施例6試料番号2の発泡担体に変更した以外は、実施例1と同様にして、ブタクロールを37.50%及びエトキシスルフロンを0.85%含有する本発明の農薬製剤を得た。得られた製剤40gをハイセロンC−200に分包とし、本発明の水田投げ込み用製剤を得た。本製剤は水田10a当り5パックの割合で投げ込み施用する。
【0142】
【実施例9】薄力粉、α−アミラーゼ及びプロテアーゼを含有する農薬製剤及び水田投げ込み用製剤実施例7において、ビオクライスターゼM8が0.20部を、ビオクライスターゼM8が0.10部及びプロチンAS10(プロテアーゼ、大和化成株式会社製)0.10部に変更した以外は実施例7と同様にして、ブタクロールを37.50%及びエトキシスルフロンを0.85%含有する本発明の農薬製剤を得た。得られた製剤40gをハイセロンC−200に分包とし、本発明の水田投げ込み用製剤を得た。本製剤は水田10a当り5パックの割合で投げ込み施用する。
【0143】
【実施例10】酸化澱粉、コーンフラワー、セロゲンEP、α−アミラーゼ及びセルラーゼを含有する農薬製剤及び水田投げ込み用製剤実施例7において、ビオクライスターゼM8が0.20部を、ビオクライスターゼM8が0.10部及びセルロシン(セルラーゼ、阪急バイオインダストリー株式会社製)0.10部に変更し、かつ、実施例6試料番号1の発泡担体を実施例6試料番号3の発泡担体に変更した以外は、実施例7と同様にして、ブタクロールを37.50%及びエトキシスルフロンを0.85%含有する本発明の農薬製剤を得た。得られた製剤40gをハイセロンC−200に分包とし、本発明の水田投げ込み用製剤を得た。本製剤は水田10a当り5パックの割合で投げ込み施用する。
【0144】
【試験例1】実施例3〜5により得られた粒剤の拡展性指数及び粒剤の浮遊性を調べた。結果を表8に示した。表8に示すように、本発明による水面浮遊性粒剤は水中に投入後約24時間は水面に浮遊し、その後徐々に沈みはじめ、48時間後には殆どの粒剤が沈降した。又これら粒剤は拡展性指数も高く水面において良好な拡がりを見せた。これら実施例の粒剤は、水中に投入直後には沈む粒がなく、且つ良好な拡展性を示した。
【0145】
【表8】
実施例粒剤の浮遊性及び拡展性指数 ───────────────────────────────────試験粒剤 水面浮遊性 拡展性指数───────────────────────────────────実施例3 24時間後まで沈む粒剤はない。その後徐々に沈み 11 はじめ48時間後には殆どの粒剤が沈む実施例4 24時間後まで沈む粒剤はない。その後徐々に沈み 10 はじめ48時間後には殆どの粒剤が沈む実施例5 24時間後まで沈む粒剤はない。その後徐々に沈み 12 はじめ48時間後には殆どの粒剤が沈む───────────────────────────────────【0146】
【試験例2】溶出試験室温20℃の条件下で、内寸横60cm×縦34cm×高さ10cm(面積2040cm2)のポリ容器に10Lの常水を入れ(水深約5cm)、水温を20℃に調整する。試料を実施例3及び4については約40mg、実施例5については約60mgを正確に秤りとり、中心部に処理する。処理24時間後に、水を図1のように容器の対角線上に3点サンプリングするとともに、水中に沈降あるいは水面に浮遊している粒剤を全て回収する。高速液体クロマトグラフィーにて水中の有効成分濃度及び粒剤中の有効成分を分析し、有効成分の水中溶出率ならびに粒剤中の有効成分残存率を求めた。結果を表9に示した。実施例3〜5のサンプルは何れも、処理1日後にはエトキシスルフロン、ブタクロール共にほぼ100%の溶出率を示し、粒剤中に有効成分の残存はほとんど見られなかった。
【0147】
【表9】
溶出試験結果───────────────────────────────────試験粒剤 エトキシスルフロン ブタクロール ────────────────────────────── 水中濃度(ppm) 水中 粒剤中 水中濃度(ppm) 水中 粒剤中 ─────── 溶出 残存率 ─────── 溶出 残存率 n=3 平均 (%)(%) n=3 平均 (%)(%)
───────────────────────────────────実施例3 0.03 1.40 0.03 1.45 0.03 0.03 100 0 1.44 1.43 95 1実施例4 0.03 1.32 0.03 1.44 0.03 0.03 100 0 1.42 1.39 93 2実施例5 0.03 1.44 0.03 1.36 0.03 0.03 100 0 1.39 1.40 93 4─────────────────────────────────── 水中濃度の理論値は、エトキシスルフロン:0.03ppm及びブタクロール:1.50ppmである。
【0148】
【試験例3】崩壊性試験室温20℃の条件下で、500ml容のビーカーに500mLの3度硬水を入れ、水温を20℃に調整した。実施例7〜10の農薬製剤及び実施例6試料番号1〜3の発泡担体をそれぞれ3粒ずつビーカーに入れ、粒の崩壊時間を観察した。その結果を表10に示した。
【0149】
【表10】
崩壊性試験───────────────────────────────────番号 試験製剤又は担体 水中での崩壊時間───────────────────────────────────1 実施例7の農薬製剤 20分2 実施例8の農薬製剤 30分3 実施例9の農薬製剤 15分4 実施例10の農薬製剤 10分5 実施例6試料番号1の発泡担体 非崩壊6 実施例6試料番号2の発泡担体 非崩壊7 実施例6試料番号3の発泡担体 非崩壊───────────────────────────────────実施例6の発泡担体はいずれも非崩壊であったが、それら発泡担体と酵素を含有する実施例7〜10の農薬製剤は、いずれも処理30分以内に崩壊した。
【0150】
【発明の効果】本発明により水面に浮遊し、極めて吸油能に優れる発泡体が得られる。このような発泡体は、例えば、水田投げ込み剤や水田にバラマキ施用する農薬の担体として使用することができ、液状原体を高濃度に含有することができるので、水田に処理する薬量を大幅に減少することができる。このような技術は、農家の高齢化に伴ない、省力化が要望される最近の農業に寄与するところが大きい。
【出願人】 【識別番号】000001856
【氏名又は名称】三共株式会社
【識別番号】000227272
【氏名又は名称】日澱化學株式会社
【出願日】 平成13年4月24日(2001.4.24)
【代理人】 【識別番号】100081400
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 彰夫
【公開番号】 特開2002−12504(P2002−12504A)
【公開日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【出願番号】 特願2001−125300(P2001−125300)