| 【発明の名称】 |
抗菌剤及び防腐剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠田 聖彦
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| 【要約】 |
【課題】天然物を利用した抗菌剤及び防腐剤、特に化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤を提供する。
【解決手段】アラゴナイトの抽出物を有効成分として抗菌剤及び防腐剤に含有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アラゴナイトの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗菌剤。 【請求項2】 前記抽出物が、抽出溶媒として極性溶媒を用いて得られる抽出物であることを特徴とする請求項1記載の抗菌剤。 【請求項3】 前記抗菌剤が化粧品用抗菌剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の抗菌剤。 【請求項4】 アラゴナイトの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする防腐剤。 【請求項5】 前記抽出物が、抽出溶媒として極性溶媒を用いて得られる抽出物であることを特徴とする請求項4記載の防腐剤。 【請求項6】 前記防腐剤が化粧品用防腐剤であることを特徴とする請求項4又は5記載の防腐剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌剤及び防腐剤、特に化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】化粧品とは、一般に、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、また顔かたちを変えるために用いられる製品をいい、製造工業の見地から、基礎化粧品と仕上化粧品とに二大別される。基礎化粧品には、化粧水、乳液、クリーム、ポマード、チック、洗顔料、洗髪料、育毛・養毛剤、ヘアリキッド等が含まれ、仕上化粧品には、オシロイ、口紅、ホオ紅、ファンデーション類、ネイルエナメル、アイシャドウ、マスカラ等が含まれる。 【0003】これら各種化粧品は、通常、水分や栄養分に富んでいるため、細菌やカビ等の微生物が生育・繁殖しやすく、微生物による腐敗を受けやすい。その一方で、化粧品の製造・流通過程や、消費者が化粧品を使用する過程において、偶発的に微生物が化粧品に混入する可能性がある。そして、微生物が化粧品に混入し、化粧品中で生育・繁殖すると、品質の劣化、成分の変質に伴う皮膚障害、病原菌による感染症、非病原菌による日和見感染、菌体成分や代謝産物による有害作用が生じる可能性がある。 【0004】そのため、化粧品が製造され、製造された化粧品が流通過程を通じて消費者の手に渡り、消費者がその化粧品を使用し終えるまでの間、化粧品へ偶発的に混入した微生物の生長抑制や殺滅を行い、化粧品中での微生物の生育・繁殖を防止することが必要となる。 【0005】現在、化粧品中での微生物の生育や繁殖を防止するために、抗菌剤・防腐剤として、パラオキシ安息香酸等のフェノール類、塩酸アルキルアミノエチルグリシン等の両性界面活性剤、トリクロロカルバニリド等の酸アミド類、ヘキサクロロフェン等のハロゲン化ビスフェノール類が用いられている。 【0006】これら抗菌剤・防腐剤の化粧品への配合量を増加させたり、抗菌・防腐作用の強いものを使用したりすれば、化粧品の抗菌性や保存性を向上させることができるが、その反面、微生物に対してばかりでなく、人体に対しても毒性(例えば、皮膚刺激性、皮膚感作性、細胞毒性)を発揮し、皮膚障害(例えばアレルギー性接触皮膚炎)等を引き起こすおそれがある。 【0007】例えば、化粧品を始め、薬品や食品の防腐剤として広く用いられているパラベンは、アレルギーを引き起こしやすい物質であることが知られており、実際に接触皮膚炎を引き起こした例が報告がされている。この他、パラベンの毒性としては、飲み下すとむかつき、嘔吐、酸性症、発疹、発熱、メトヘモグロビン症、肝炎等を引き起こすことが知られている。 【0008】従って、安全性の面から、化粧品へ配合できる抗菌剤・防腐剤の種類や量が規制されており、実際に有効な抗菌・防腐作用を示す種類や量の抗菌剤・防腐剤を化粧品に配合できない場合もある。また、化粧品中で生育・繁殖する微生物は、薬物(薬剤)耐性が生じる可能性のある大腸菌や緑膿菌であることが多いため、抗菌剤・防腐剤を化粧品に配合しても、有効な抗菌・防腐作用が発揮されない場合もある。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、天然物を利用した抗菌剤及び防腐剤、特に化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の抗菌剤及び防腐剤は、アラゴナイトの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。本発明の抗菌剤及び防腐剤において、上記抽出物は、抽出溶媒として極性溶媒を用いて得られる抽出物であるのが好ましい。また、本発明の抗菌剤及び防腐剤において、抗菌剤及び防腐剤が化粧用抗菌剤及び化粧品用防腐剤であるのが好ましい。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。 【0012】本発明の抗菌剤及び防腐剤は、アラゴナイトの抽出物を有効成分とすることを特徴とする。 【0013】ここで、「アラゴナイト(aragonite)」とは、カルシウムの炭酸塩鉱物であり、「霰石」とも呼ばれるものである。なお、「鉱物」とは、一般的に、自然界に存在する無機物質であって、一定の化学組成及び結晶構造を有するものを意味する。 【0014】アラゴナイトの産出状態としては、例えば、■火山岩の空隙を満たして産出する場合、■高温の温泉から沈殿して産出する場合、■鉱床の酸化帯にハクエン鉱、リョウアエン鉱、クジャク鉱、ホウカイ石等を伴って産出する場合、■ジャ紋岩の空隙や塩基性火成岩の変質した所に脈状となって産出する場合、等が挙げられる。アラゴナイトは天然物であるため、炭酸カルシウム(CaCO3)以外の成分として、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、五酸化リン(P2O5)等を含む場合がある。また、アラゴナイト中のCaの一部がSr、Ba、Pb等で置換されている場合もある。 【0015】アラゴナイトの代表的な産地としては、例えば、島根県松代鉱山、岐阜県神岡鉱山等が挙げられ、松代産のアラゴナイトの組成分析値は、CaO 55.96%、CO2 43.95%、MgO 0.03%、不溶分 0.13%(計100.07%)であることが報告されている(化学大辞典1 縮刷版 328頁 化学大辞典編集委員会編 共立出版株式会社発行)。 【0016】アラゴナイトの結晶学的性質、物理的性質、化学的性質等は次の通りである。アラゴナイトは斜方晶系であり、霰石型構造を有し、ホウカイ石と同質異像関係にある。アラゴナイトの色は無色、白〜淡緑色、黄色、紫色、青色等であり、ガラス光沢を有する。アラゴナイトの自形は柱状であるが、双晶により六角柱となっている場合がある。アラゴナイトは、カルシウムの炎色反応を示し、塩酸等の酸に可溶である。アラゴナイトの粉末試料を硝酸コバルトの希薄溶液とともに煮沸すると、塩基性の炭酸コバルトの沈殿を生成して赤紫色を呈するが、ホウカイ石の場合は徐々に変化して空色を呈するので区別できる。 【0017】本発明の抗菌剤及び防腐剤において、「抽出物」には、抽出処理によって得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。 【0018】抽出処理においては、抽出原料としてアラゴナイトそのものを使用するのが好ましいが、必ずしもアラゴナイトそのものを使用する必要はなく、アラゴナイトを含むいかなるものを抽出原料として使用してもよい。例えば、アラゴナイトを含む岩石や土壌等を抽出原料として使用することができる。 【0019】従って、本発明の抗菌剤及び防腐剤において、「アラゴナイトの抽出物」には、アラゴナイトそのものからの抽出物の他、アラゴナイトを含む岩石や土壌等からの抽出物等、アラゴナイトを含むいかなるものからの抽出物も含まれる。 【0020】抽出処理において抽出原料として使用するアラゴナイトの産地等は特に限定されないが、北海道阿寒カルデラ地帯の火山砕屑流堆積物中に含まれるアラゴナイトを使用するのが好ましい。このアラゴナイトは、湖底付近より湧出した地下水成分と阿寒湖内に存在する動植物等の有機物とが沈殿して生成されたものと考えられ、微量の有機物としてフミン酸を含有することを特徴としており、炭酸カルシウムの他、ケイ酸化合物、酸化アルミニウム、酸化鉄等を含む。抽出処理においては、北海道阿寒カルデラ地帯の火山砕屑流堆積物から単離したアラゴナイトを抽出原料として使用してもよいし、北海道阿寒カルデラ地帯の火山砕屑流堆積物をそのまま抽出原料として使用してもよい。 【0021】抽出処理において抽出原料として使用するアラゴナイト、アラゴナイトを含む岩石や土壌等は、いかなる形状であってもよいが、抽出処理の効率の点から、粉砕等の処理により粒状又は粉状としたものを使用するのが好ましい。但し、細砕し過ぎると、後工程において十分なろ過処理が必要となる場合があるため、荒粉砕が好ましい。 【0022】抽出処理において使用する抽出溶媒としては、極性溶媒を使用するのが好ましい。極性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。 【0023】これら抽出溶媒の中でも特に水を使用するのが好ましい。ここで、「水」には、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。施す処理としては、例えば、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、「水」には、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。 【0024】極性溶媒による抽出を行う前に、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒を用いた前処理を施してもよく、かかる前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率良く行うことができる。 【0025】抽出処理は、アラゴナイトに含まれる可溶成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。 【0026】抽出処理は、例えば、アラゴナイト、アラゴナイトを含む岩石や土壌等の抽出原料を抽出溶媒に浸漬することにより行うことができる。この際、抽出溶媒量は特に限定されず、抽出原料量等に応じて適宜調節し得るが、抽出原料100gに対して、通常500〜10000mlであり、好ましくは500〜5000ml、さらに好ましくは1000ml〜2000mlである。また、浸漬日数は特に限定されず、抽出原料量や抽出溶媒量等に応じて適宜調節し得るが、通常1〜60日であり、好ましくは3〜30日、さらに好ましくは7〜14日である。また、抽出温度は、通常10〜80℃であり、好ましくは20〜60℃である。抽出は一般的には室温で行えばよい。抽出処理の際、アラゴナイトを抽出溶媒に浸漬した後そのまま放置しておいてもよいし、適宜振盪、攪拌してもよい。 【0027】抽出処理によりアラゴナイトに含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出さることにより、アラゴナイトの抽出液を得ることができる。アラゴナイトの抽出液に抽出残渣が含まれている場合には、ろ過等の処理を施して抽出残渣を除去することが好ましいが、アラゴナイトの抽出液に抽出原料として使用したアラゴナイトが含まれていてもよい。また、アラゴナイトの抽出液は、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。 【0028】以上のようにして得られるアラゴナイトの抽出物は、抗菌作用及び防腐作用を有する。 【0029】ここで、「抗菌作用」とは、微生物の発生、生長若しくは増殖を抑制する作用、又は微生物を殺滅する作用を意味し、「防腐作用」とは、目的の物質に添加することによりその物質中における微生物の繁殖を阻止し、その物質の腐敗を防ぐ作用を意味する。なお、「微生物」には、細菌、カビ等が含まれる。 【0030】アラゴナイトの抽出物が有する抗菌作用及び防腐作用の作用機序は、現在までのところ判明していないが、アラゴナイトの抽出物が抗菌作用及び防腐作用を有することは、後述する実施例に示されるように明らかであり、本発明の抗菌剤及び防腐剤は、かかるアラゴナイトの抽出物の抗菌作用及び防腐作用を利用したものである。 【0031】アラゴナイトの抽出物は、そのまま抗菌剤又は防腐剤として使用できるが、常法に従って製剤化してもよい。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤をアラゴナイトの抽出物に添加することができる。アラゴナイトの抽出物は、製剤化により粉剤、錠剤等、任意の剤形とすることができる。 【0032】本発明の抗菌剤及び防腐剤が抗菌作用及び防腐作用を発揮し得る対象微生物としては、大腸菌、枯草菌、緑膿菌等が挙げられる。 【0033】本発明の抗菌剤及び防腐剤は、化粧品、医薬品、食品等に抗菌性及び防腐性を付与するために使用することができ、この中でも特に、化粧品に抗菌性及び防腐性を付与する化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤として使用するのが好ましい。 【0034】化粧品用抗菌剤は、化粧品用防腐剤として使用できるとともに、化粧品の使用者の皮膚等に存在する微生物を殺滅し、当該使用者の皮膚等を清潔にするためにも使用できる。 【0035】化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤を配合し得る化粧品は特に限定されず、その具体例としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック等の皮膚化粧料、育毛料、養毛料、発毛料、ヘアトニック、ポマード、ヘアリキッド、セットローション、その他の整髪料等の頭髪化粧料、香水、オーデコロン等の芳香用化粧料、液体入浴剤等の入浴剤、等が挙げられ、これらの化粧品に対するアラゴナイトの抽出物の配合率は、通常0.0001〜10重量%であり、好ましくは0.01〜1重量%である。 【0036】これら各種化粧品には、本発明の抗菌剤及び防腐剤の抗菌作用及び防腐作用を妨げない限り、各種化粧品の製造の際に一般的に使用される主剤、助剤等を配合することができる。 【0037】例えば、皮膚化粧料においてアラゴナイトの抽出物とともに構成成分として利用可能なものの具体例としては、グリセリン、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン酸およびその塩、キチン、キトサン等の保湿剤;パラジメチルアミノ安息香酸アミル等の紫外線吸収剤;グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質等の複合脂質;β−カロチン、油溶性甘草エキス、リコカルコンA、バイカリン、バイカレインその他の活性酸素消去作用を有する物質;アズレン、グリチルリチン酸およびその塩類、グリチルレチン酸およびその誘導体、酸化亜鉛等の抗炎症作用物質;リボフラビン、トコフェロール、アスコルビン酸、葉酸等のビタミンおよびその誘導体類;ホホバ油、ラノリン、流動パラフィン、スクワラン、イソステアリルアルコール等の油性成分;ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ジエタノールアミン、ステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;エリソルビン酸ナトリウム等の酸化防止剤;エチルパラベン等の防腐剤;オウバク抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ根抽出物、ローズマリー抽出物、マロニエ抽出物等のコレステロール類;植物ステロール類;リポプロテイン類;ビフィズス菌培養物、乳酸菌培養物、酵母抽出物、ブクリョウ抽出物等の微生物由来成分;褐藻抽出物、紅藻抽出物等の藻類抽出物;γ−オリザノール等の血行促進剤;硫黄等の抗脂漏剤;香料;アルコール;カルボキシポリマー等の増粘剤;チタンイエロー、ベニバナその他着色料等が挙げられる。 【0038】抽出溶媒として水を使用して得られたアラゴナイトの抽出水を、化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤として使用する場合には、化粧品の製造の際に使用する水に代えて、アラゴナイトの抽出液を使用することができる。この場合、化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤を配合し得る化粧品は、原料に水を使用するものであれば、いかなるものであってもよい。アラゴナイトの抽出水を化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤として化粧品に配合する際には、必要に応じてアラゴナイトの抽出水を希釈してもよい。 【0039】 【実施例】以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。 【0040】〔製造例1〕抽出原料として、北海道阿寒カルデラ地帯の火山砕屑流堆積物の乾燥物を使用した。この乾燥物にはハンマーによる粉砕処理を施し、粒径を1〜5cm程度としておいた。抽出原料100gをビーカーに入れ、イオン交換水2000mlを加え、蓋をして2週間放置した後、布でろ過し、アラゴナイトの抽出液を得た。なお、ろ過に使用した布は市販のガーゼであり、そのメッシュの大きさは細かい石が落ちない程度の大きさである。 【0041】〔製造例2〕製造例1と同様の抽出原料100gをビーカーに入れ、水道水1000mlを加え、蓋をして1週間放置した後、ろ紙(アドバンテック社製)でろ過し、アラゴナイトの抽出液を得た。 【0042】〔試験例1〕製造例1及び2で調製したアラゴナイトの抽出液、対照として0.1% パラベン溶液、及びブランクとしてイオン交換水を用いて、枯草菌、緑膿菌及び大腸菌に対する抗菌性試験を行った。 【0043】試験方法は、以下の通りである。製造例1及び2で調製したアラゴナイトの抽出液、0.1% パラベン溶液及びイオン交換水をそれぞれ0.2μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌処理した後、それぞれ10mlずつに分注した。次いで、枯草菌、緑膿菌及び大腸菌をそれぞれ滅菌水5ml中に1白金耳量分入れ、懸濁させた後、この懸濁溶液を100倍及び1000倍に希釈し、100倍希釈菌液及び1000倍希釈菌液希釈液を調製した。各菌液0.5mlずつを、ろ過滅菌処理したアラゴナイトの抽出液、パラベン溶液及びイオン交換水にそれぞれ添加・混合した後、各混合液0.1mlずつをSCDLP寒天培地(和光純薬社製)及びBGLB寒天培地(栄研化学社製)にコンラージ棒で均一に塗布した。枯草菌及び緑膿菌についてはSCDLP寒天培地を用いて、大腸菌についてはBGLB寒天培地を用いて、それぞれ37℃で培養した後、培養0日目、2日目及び8日目に形成された各微生物のコロニー数を測定した。 【0044】(1)枯草菌の培養結果培養0日目、2日目及び8日目に形成された枯草菌のコロニー数は、製造例1で調製したアラゴナイト抽出液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ288個、220個及び2000個、製造例1で調製したアラゴナイト抽出液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ85個、41個及び300個、製造例2で調製したアラゴナイト抽出液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ335個、286個及び960個、製造例2で調製したアラゴナイト抽出液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ39個、53個及び95個であった。これに対して、0.1% パラベン溶液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ295個、162個及び540個、0.1% パラベン溶液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ25個、62個及び78個であった。また、イオン交換水と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ353個、238個及び>105個、イオン交換水と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ40個、80個及び>105個であった。枯草菌の培養結果を以下の表1に要約する。 【0045】 [表1] 0日目 2日目 8日目製造例1の抽出液 100倍希釈液 288個 220個 2000個 1000倍希釈液 85個 41個 300個製造例2の抽出液 100倍希釈液 335個 286個 960個 1000倍希釈液 39個 53個 95個0.1% パラベン溶液 100倍希釈液 295個 162個 540個 1000倍希釈液 25個 62個 78個イオン交換水 100倍希釈液 353個 238個 >105個 1000倍希釈液 40個 80個 >105個【0046】(2)緑膿菌の培養結果培養0日目、2日目及び8日目に形成された緑膿菌のコロニー数は、製造例1で調製したアラゴナイト抽出液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ160個、187個及び240個、製造例1で調製したアラゴナイト抽出液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ32個、56個及び84個、製造例2で調製したアラゴナイト抽出液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ118個、277個及び950個、製造例2で調製したアラゴナイト抽出液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ45個、52個及び95個であった。これに対して、0.1% パラベン溶液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ68個、155個及び530個、0.1% パラベン溶液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ22個、67個及び78個であった。また、イオン交換水と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ95個、350個及び>103個、イオン交換水と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ28個、138個及び>103個であった。緑膿菌の培養結果を以下の表2に要約する。 【0047】 [表2] 0日目 2日目 8日目製造例1の抽出液 100倍希釈液 160個 187個 240個 1000倍希釈液 32個 56個 84個製造例2の抽出液 100倍希釈液 118個 277個 950個 1000倍希釈液 45個 52個 95個0.1% パラベン溶液 100倍希釈液 68個 155個 530個 1000倍希釈液 22個 67個 78個イオン交換水 100倍希釈液 95個 350個 >103個 1000倍希釈液 28個 138個 >103個【0048】(3)大腸菌の培養結果培養0日目、2日目及び8日目に形成された大腸菌のコロニー数は、製造例1で調製したアラゴナイト抽出液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ203個、229個及び1260個、製造例1で調製したアラゴナイト抽出液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ82個、113個及び240個、製造例2で調製したアラゴナイト抽出液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ538個、640個及び1150個、製造例2で調製したアラゴナイト抽出液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ135個、181個及び475個であった。これに対して、0.1% パラベン溶液と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ180個、225個及び340個、0.1% パラベン溶液と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ68個、94個及び140個であった。また、イオン交換水と100倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ228個、>105個及び>105個、イオン交換水と1000倍希釈菌液とを混合して培養した場合にはそれぞれ75個、>105個及び>105個であった。大腸菌の培養結果を以下の表3に要約する。 【0049】 [表3] 0日目 2日目 8日目製造例1の抽出液 100倍希釈液 203個 229個 1260個 1000倍希釈液 82個 113個 240個製造例2の抽出液 100倍希釈液 538個 640個 1150個 1000倍希釈液 135個 181個 475個0.1% パラベン溶液 100倍希釈液 180個 225個 340個 1000倍希釈液 68個 94個 140個イオン交換水 100倍希釈液 228個 >105個 >105個 1000倍希釈液 75個 >105個 >105個【0050】(4)アラゴナイト抽出液の抗菌作用以上の結果に示されるように、製造例1及び製造例2で調製したアラゴナイト抽出液を用いて培養した場合には、イオン交換水を用いて培養した場合よりも形成される各微生物のコロニー数が少なかった。これにより、アラゴナイト抽出液は、枯草菌、緑膿菌、大腸菌等の微生物に対して抗菌作用を有することが示された。すなわち、微生物の発生、生長若しくは増殖を抑制する目的、又は微生物を殺滅する目的を達成するために、アラゴナイト抽出液を抗菌剤として使用できることが示された。さらに、物質に添加することによりその物質中における微生物の繁殖を阻止し、その物質の腐敗を防ぐ目的を達成するために、アラゴナイト抽出液を防腐剤として使用できることが示された。また、アラゴナイト抽出液は、その使用量を調節することにより、化粧品を始め、薬品や食品の防腐剤として広く用いられているパラベンと同程度の抗菌作用を発揮させることが示された。 【0051】〔配合例1〕製造例1で調製したアラゴナイト抽出液を用いて、下記の組成のローションを常法に従って製造した。 スクワラン 8.0g ソルビトール 1.0g グリセリン 1.0g ショ糖脂肪酸エステル 0.2g エタノール 10.0g 香料 0.1g アラゴナイト抽出液(製造例1) 残部 (全量を100gとする) 【0052】〔配合例2〕製造例2で調製したアラゴナイト抽出液を用いて、下記の組成のクリームを常法に従って製造した。 ステアリン酸 2.0g ステアリルアルコール 7.0g 還元ラノリン 2.0g スクワラン 5.0g オクチドデカノール 6.0g ヒマシ油 2.0g 塩化セチルピリジウム 3.0g 香料 0.3g プロピレングリコール 5.0g アラゴナイト抽出液(製造例2) 残部 (全量を100gとする) 【0053】〔配合例3〕製造例1で調製したアラゴナイト抽出液を用いて、下記の組成のヘアソリッドを常法に従って製造した。 流動パラフィン 20.0g ラノリンアルコール 2.7g ラウリン酸ジエタノールアミド 6.0g セチルエーテル 5.0g ポリオキシエチレン脂肪酸アミド 6.0g 香料 0.3g アラゴナイト抽出液(製造例1) 残部 (全量を100gとする) 【0054】〔配合例4〕製造例2で調製したアラゴナイト抽出液を用いて、下記の組成の液体浴用剤を常法に従って製造した。 グリチルリチン酸ジカリウム 0.3g ポリオキシレチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 60.0g 塩化ナトリウム 2.0g ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル 4.0g ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0g 香料 0.2g アラゴナイト抽出液(製造例2) 残部 (全量を100gとする) 【0055】 【発明の効果】本発明により、アラゴナイトの抽出物を有効成分として含有する抗菌剤及び防腐剤が提供される。本発明の抗菌剤及び防腐剤は、特に化粧品用抗菌剤及び化粧品用防腐剤として有用である。本発明の抗菌剤及び防腐剤の有効成分がアラゴナイト抽出水(抽出溶媒として水を用いてアラゴナイトから得られる抽出物)である場合、化粧品を製造する際に使用する水の代りに使用すれば、その他の抗菌剤及び防腐剤を使用しなくても、化粧品に容易にかつ効率よく抗菌性及び防腐性を付与できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300039281 【氏名又は名称】パーソナルコスメディック株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108833 【弁理士】 【氏名又は名称】早川 裕司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−3321(P2002−3321A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月9日(2002.1.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−189416(P2000−189416) |
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