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【発明の名称】 押し花の製造に適した速乾液および植物の脱水方法
【発明者】 【氏名】若松 英一

【氏名】原 和美

【要約】 【課題】脱色および褪色を生じることなく、短時間のもとに脱水,乾燥させることができ、しかも作業者に対する健康上の影響を軽減するほか、火災等の危険性の極めて少ない速乾液並びに植物の脱水方法を提供すること。

【解決手段】速乾液としては、代替フロンと低級アルコールとを混合したことを主要部とし、また植物の脱水方法としては、代替フロンと低級アルコールとを混合した速乾液に生花等の植物を浸漬することにより脱水した後に乾燥することを主要部とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 代替フロンと低級アルコールとの混合液であって、代替フロンを30%以上含むことを特徴とする押し花の製造に適した速乾液。
【請求項2】 代替フロンを50〜90%含む請求項1に記載の押し花の製造に適した速乾液。
【請求項3】 代替フロンとして、HCFC(ハイドロクロロフロロカーボン)および/またはHFC(ハイドロフロロカーボン)を採択し、かつ低級アルコールとして、CHOH,CHCHOH,(CHCHOH等のプロピルアルコール,(CHCOH等のブチルアルコールのいずれか一種または複数種の混合液を採択した請求項1または請求項2に記載の押し花の製造に適した速乾液。
【請求項4】 液の寿命を長持ちさせるための乾燥剤を混入した請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の押し花の製造に適した速乾液。
【請求項5】 植物を請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の速乾液に浸漬した後、乾燥することを特徴とする植物の脱水方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押し花,押し葉,ドライフラワー等の製造に当り、それら植物を脱水するための速乾液およびそれら植物の脱水方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の押し花,押し葉,ドライフラワー等の製造に当り、それら植物を脱水する方法としては、自然乾燥,スチームまたは高温の湯による乾燥,シリカゲルによる脱水,アルコールに浸漬して脱水する等、種々の手段がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自然乾燥は、広い場所と長期間の日時とを要するほか、脱色が著しく自然の色彩に近い乾燥が不可能な致命的欠点があり、スチームまたは高温の湯による乾燥は、脱色および萎れを生じて原色および原形を著しく損なう欠点があり、またシリカゲルに埋没させる乾燥は、シリカゲルを頻繁に再生する必要があるほか、植物が変色し易い欠点がある。
【0004】アルコールに浸漬して脱水する方法は、上記諸乾燥手段に比較して、植物が脱色並びに退色し難いことおよび時間の短縮において有利であるが、アルコール蒸気の発生により、作業者に健康上の影響があるほか、火災,火傷等の事故の危険性があり、しかも花の種類によっては溶解性が過度に作用して脱色する弊害もある。
【0005】なお、最近のドライフラワー,押し花等の花アート教室は、主婦を中心とする小規模なものがあるほか、個人が自宅において作業をする場合には、教室あるいは作業室は狭小な場所を使用することが多い関係上、脱水工程においてアルコールを使用することは、室内にアルコールの蒸気が充満し易く、頭痛,めまい等を生じさせる原因となるばかりでなく、アルコール蒸気の充満あるいは取扱いの不注意により火災事故に繋がる危険性がある等の重大欠陥がある。
【0006】そこで本発明の目的は、脱色および褪色を生じることなく、短時間のもとに脱水,乾燥させることができ、しかも作業者に対する健康上の影響を軽減するほか、火災等の危険性の極めて少ない速乾液および植物の脱水方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、速乾液としては、代替フロンと低級アルコールとを混合したことを主要部とし、また植物の脱水方法としては、代替フロンと低級アルコールとを混合した速乾液に生花等の植物を浸漬することにより脱水乾燥することを主要部とするものであって、代替フロンと低級アルコールとは相溶性よく混合され、優れた脱水作用を有する速乾液が得られ、植物を浸漬すると植物によく浸透して脱水し、しかも代替フロンは速乾液の可燃性および臭いを抑制して火災等の事故を防止すると共に、作業者への健康上の影響を軽減する作用があり、また代替フロンはアルコールに比較して脱色性が著しく低い関係上、原色をほとんど損なうことなく、原色に極めて近い状態のもとに脱水が行われ、更に代替フロンは浸透性が特に優れ、より短時間に乾燥,脱水が行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、押し花製造について図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
【0009】図1に例示するように、押し花製造の実施の形態は、大体において、生花の各部を分離する等の前処理工程と、脱水工程と、プレス工程とからなる。
【0010】前処理工程は、花の花弁と葉と枝とを各々分離し、厚い部分は都合により薄く切り、太い部分は表皮を剥ぐ等、爾後の諸工程に適応する形状にする。
【0011】脱水工程は、代替フロンと低級アルコールとを混合した速乾液に20〜30分程度浸漬するのであって、速乾液としては、代替フロンを30%以上望ましくは50%以上含むものである。
【0012】代替フロンとして、HCFC(ハイドロクロロフロロカーボン)および/またはHFC(ハイドロフロロカーボン)を採択するのであって、具体的には、CHCHClF,CClFCH,CFCFCHCl,CClFCFCHClFのいずれか一種または複数種の混合液を採択する。また低級アルコールとしては、CHOH,CHCHOH,(CHCHOH等のプロピルアルコール,(CHCOH等のブチルアルコールのいずれか一種または複数種の混合液を採択する。
【0013】代替フロンと低級アルコールとの混合比については、代替フロンの占める割合が大きいほど、脱水作用が強力であるばかりでなく、引火性の低下および健康上の弊害が減少することにおいて望ましいのであるが、実施の結果によると、実用範囲は低級アルコール70から10%で代替フロンが30から90%であり、安全性を向上するには代替フロンは50〜90%が望ましい。
【0014】速乾液に浸漬する時間は、脱水対象物の種類,形状,大きさおよび速乾液の成分比により異なるが、大体において20〜30分程度である。
【0015】速乾液に浸漬した植物は、速乾液から取り出して押圧,乾燥するのであるが、このプレス工程は植物を吸湿紙に挟持して押圧したまま40〜60℃程度の温風に2〜3日曝し、これら一連の工程を経て植物の各部分の脱水,乾燥が完了するのであって、乾燥後の植物の各部分は必要に応じこれらを台紙上において生花の形状のように組み立てて押し花を製作することができる。
【0016】速乾液は使用に伴い脱水作用が低下するから、これを予防するために液中に乾燥剤を予め混入するのが適当であり、乾燥剤としては、無水硫酸マグネシウム,無水炭酸マグネシウム等を採択し、重量で10%以下の適量を混入し、これにより速乾液中に脱水された水分を乾燥剤に吸着または吸収して速乾液の脱水機能を長期にわたり保持することができるのであるが、使用に伴い脱水作用が低下した場合には、乾燥剤を随時追加して使用するのが望ましい。
【0017】速乾液の実施例としては、次のように混合する。
実施例1CFCFCHCl 50部(CHCHOH 20部(CHCOH 20部実施例2CClFCFCHClF 60部(CHCHOH 10部(CHCOH 20部【0018】上記実施の形態においては、押し花について述べたが、本発明の速乾液および脱水方法は、花等の植物を各部分に分解しない状態のまま適用してもよく、所謂ドライフラワーにも適用可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、次のような効果がある。
【0020】速乾液として、浸透性,低沸点性,不燃性,低毒性,無臭性の良好な代替フロンと、低級アルコールとを混合したから、これにより代替フロンの前記特性を効果的に発揮する速乾液が得られるのであり、かつ代替フロンは低級アルコールと相溶性がよく好都合であり、なお代替フロンはオゾン層破壊の懸念が極めて少ないのである。
【0021】代替フロンは、浸透性,低沸点性を有するほか、塗料,色素を変化させない性質があるから、脱色,変色なく脱水,乾燥を短時間のもとに行うことができ、従って押し花あるいはドライフラワーの製造に際し、原色をほとんど損なうことなく、原色に極めて近い状態のもとに脱水を行うことができる。
【0022】代替フロンは、不燃性であるから、これにより速乾液自体が不燃性もしくは難燃性であり、かつ毒性がほとんどなく、しかも代替フロンは低級アルコールよりも沸点が低い関係上、フロンガスが低級アルコールの蒸発を抑制し、従って引火性ガスの発生を効果的に抑制し、火災事故の発生を確実に防止することができるばかりでなく、アルコールガスの吸引に起因する作業者の頭痛あるいはめまい等の身体的害毒を未然に防止し、作業者が安全に作業をすることができる。なお、代替フロンの混合によりアルコールの蒸発が抑制されることについては、沸点が低いフロンから発生したフロンガスがアルコールの液面を包囲してアルコールの蒸発を抑止するからと考えられる。
【出願人】 【識別番号】300048630
【氏名又は名称】原 和美
【識別番号】300048629
【氏名又は名称】若松 英一
【出願日】 平成12年6月16日(2000.6.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−3305(P2002−3305A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−219826(P2000−219826)