| 【発明の名称】 |
微量噴射エアゾール組成物及びその噴霧方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加百 克好
【氏名】安藤 秀紀
【氏名】山本 輝樹
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| 【要約】 |
【課題】殺虫剤等の有効成分の微量の噴射でも、有効成分の気中濃度を長時間維持でき、有効成分の効果が長時間維持できる微量噴射エアゾール組成物及びその噴霧方法を提供すること。
【解決手段】有効成分を高濃度で微量に噴射する噴射装置に充填されるエアゾール組成物であって、有効成分の溶剤を低沸点溶剤としたことを特徴とする微量噴射エアゾール組成物。上記微量噴射エアゾール組成物を一回当たり0.1〜0.3mlで噴射することを特徴とする噴霧方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有効成分を高濃度で微量に噴射する噴射装置に充填されるエアゾール組成物であって、有効成分の溶剤を低沸点溶剤としたことを特徴とする微量噴射エアゾール組成物。 【請求項2】 低沸点溶剤がイソペンタン、イソヘキサン、ヘキサン、パーフルオロカーボンの中から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の微量噴射エアゾール組成物。 【請求項3】 有効成分が殺虫剤であり、かつその蒸気圧が10-4Paオ−ダーであることを特徴とする請求項1または2に記載の微量噴射エアゾール組成物。 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の微量噴射エアゾール組成物を一回当たり0.1〜0.3mlで噴射することを特徴とする噴霧方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、微量噴射エアゾール組成物及びその噴霧方法を提供する。 【0002】 【従来の技術】従来、部屋内の蚊等の害虫の駆除剤としては、エアゾール組成物、蚊取線香、電気式蚊取器等種々のものが知られている。一般にエアゾール組成物は速効性であるが、持続性がなく、蚊取線香、電気式蚊取器等は持続性はあるが速効性はないという問題があった。そこで、エアゾール組成物に速効性と持続性を両立させることができれば、非常に有用かつ便利である。そして、有効成分を高濃度に噴霧することにより、上記課題を解決しようと試みてきたが、結局、効果の持続性のあるエアゾール組成物は得られなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、殺虫剤等の有効成分の微量の噴射でも、有効成分の気中濃度を長時間維持でき、有効成分の効果が長時間維持できる微量噴射エアゾール組成物及びその噴霧方法を提供することを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するため検討を進めた結果、低沸点の溶剤を使用することにより、有効成分が空気中に滞留しやすくなり、効果が長く持続することを見い出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、有効成分を高濃度で微量に噴射する噴射装置に充填されるエアゾール組成物であって、有効成分の溶剤を低沸点溶剤としたことを特徴とする微量噴射エアゾール組成物に係る。また、本発明は、上記微量噴射エアゾール組成物を一回当たり0.1〜0.3mlで噴射することを特徴とする噴霧方法に係る。 【0005】本発明において微量噴射エアゾール組成物の有効成分としては、特に制限されるべきではないが、殺虫剤、防虫剤、芳香剤、消臭剤等が挙げられる。有効成分としては、殺虫剤が好適であり、殺虫剤としてはトランスフルトリン、d,dt−80−プラレトリン、レスメトリン、フタルスリン、フェノトリン、dl,dt−80−アレスリン、d,dt−100−アレスリン、エトフェンプロックスなどのピレスロイド系の化合物、DDVP、フェンチオン、フェニトロチオン、テメホス、ホキシム、アセフェート、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、エトリムホス、マラチオン、プロチオホス、プロペタンホス、ピラクロホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチルなどの有機リン系殺虫剤、NAC、ベンダイオカルブ、プロポクスルなどのカーバメイト系殺虫剤、及びケミカルアブストラクトなど文献公知のもの等が挙げられる。 【0006】その他の有効成分としては、ジフルベンズロン、ブプロフェジンなどのキチン合成阻害剤、ピリプロキシフェンなどの幼若ホルモン様物質、オクタクロロジプロピルエーテル、イソボルニルチオシアノアセテート、ピペロニルブトキサイド、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ−[2,2,2]−オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等の共力剤、ラウリン酸、d−リモネン、オレンジオイル又はそれらの混合物等の誘引剤等が挙げられる。 【0007】また、これら有効成分の蒸気圧は10-4Paオ−ダーであることが好ましく、例えば、トランスフルトリンが例示される。ここで、10-4Paオ−ダーは、1×10-4〜9×10-4Paの範囲を言う。 【0008】本発明の組成物において、上記有効成分はこれを溶解しうる低沸点溶剤に溶解される。本発明において、低沸点溶剤とは沸点が100℃以下のものを言う。低沸点溶剤としては、炭素数5〜6のアルカン又はそのハロゲン置換体、例えば、イソペンタン、イソヘキサン、ヘキサン、パーフルオロカーボン等が挙げられ、単独あるいは組み合わせて用いられる。 【0009】本発明において、有効成分を高濃度で微量に噴射する噴射装置は、有効成分を高濃度に含む本発明組成物の微量を定量に噴射できる手段を有したものであれば、特に制限されないが、好ましくは室内に設置して噴霧する噴射装置であり、通常の空間用エアゾールよりも高濃度の有効成分を定時的に噴射するシステムが組み込まれた装置が挙げられる。 【0010】本発明の微量噴射エアゾール組成物は、有効成分、低沸点溶剤及び噴射剤、シリカ粉末等の無機粉末、ジブチルヒドロキシトルエン等の防腐剤等からなる。噴射剤は、他の成分を収めた上記噴射装置に公知のガス充填方法等で充填される。噴射剤としては、常温、常圧で気体のものであって、圧力を受けることにより噴射装置内で液化しているものが好ましく、プロパン、ブタンなどの炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。 【0011】本発明の微量噴射エアゾール組成物において、有効成分が高濃度であるとは該組成物100質量部に対して0.5〜5質量部の範囲を意味し、その噴射量が微量であるとは、使用する溶剤の種類にもよるが、1回当たり該組成物中の有効成分量が気中に噴射できる必要最小限であればよく、0.3ml程度を意味する。また、噴射とは、手動でも自動でもよく、自動の場合、間欠噴射を含む。尚、低沸点溶剤は該組成物100質量部に対して通常、10〜70質量部の範囲から、有効成分の性状等に応じて適当に選定される。また、必要に応じて低沸点溶剤と共に界面活性剤を該組成物100質量部に対して通常、1〜10質量部の範囲で併用することもできる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系化合物やソルビタン脂肪酸エステル系化合物等の非イオン系界面活性剤が挙げられる。 【0012】本発明の噴霧方法は上記微量噴射エアゾール組成物を一回当たり0.1〜0.3mlで噴射するものであり、1日に数回噴射させるだけで、終日効果を持続させることができる。噴射量は6畳の場合、1回0.2mlで4回の噴射が1日当たりの使用量の目安となる。ここで、噴射量は、噴射装置内に存在する噴射され得るエアゾール組成物の容積を指し、該組成物に微粒子状の固体が含まれる場合は、それを包含する。 【0013】本発明が適用される微量噴射装置から噴射される噴射物は、マイクロミスト状であるので、空間の隅々まで行き渡り、かつ空気中に長時間滞留するので有効成分の効果が持続する。更に空間の広さに応じて噴射回数を設定できる。また、本発明が適用される微量噴霧装置として手動噴霧タイプのものは、持ち運びしやすく、電源がいらないのでインドアのみならずアウトドアにも適している。本発明の組成物及び本発明の噴霧方法が適用される微量噴射装置は、定量噴射のバルブ、チューブ、アクチュエーター等で内圧を調整することで得ることが出来る。 【0014】本発明は上記のような構成であるので、有効成分として殺虫剤を選択した場合、噴射直後も室内にいることが可能で、また、噴射直後から優れたノックダウン効果を3時間以上発揮する。 【0015】 【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。 【0016】実施例1有効成分としてトランスフルトリン(以下、NAKと記す)を327mg、イソペンタン(沸点:27.8℃)5g、噴射剤のLPG(25℃での圧力5.0kg/cm2(490kPa))9.3gからなる微量噴射エアゾール組成物を0.2ml定量噴射できる定量バルブを備えた噴射装置に収めると共に調製した。 実施例2実施例1において、有効成分としてNAKに代えてd,dt−80−プラレトリン(以下、Etocと記す)を336mg用いた他は実施例1と同様にして微量噴射エアゾール組成物を調製した。 【0017】比較例1実施例1において、イソペンタンに代えてネオチオゾール(パラフィン系混合溶剤、初留点:226℃)を用いた他は実施例1と同様にして微量噴射エアゾール組成物を調製した。 比較例2実施例2において、イソペンタンに代えてネオチオゾールを用いた他は実施例2と同様にして微量噴射エアゾール組成物を調製した。上記0.2ml定量噴射できる定量バルブを備えた噴射装置に収められた各組成物の性能を以下により評価した。 【0018】試験例1アカイエカ♀成虫を15頭ゲージに入れて、6畳の部屋の高さ150cmと75cmに設置した。設置位置は、それぞれの高さで2ヶ所の計4ヶ所とした(尚、ゲージは部屋の中心と隅の中間に設置した)。ゲージをつるした後、噴射装置により組成物を0.2mlを4回噴射して(0.8ml中有効成分10mg)、時間経過に伴うノックダウン数を観察した。又、3時間後と6時間後に同じ位置にケージをつるして同様にノックダウン数を観察し、KT90で評価した。KT90とは、ノックダウン数が全頭数の90%以上となった時間(分)を指す。試験条件は室温27℃から30℃、1時間当たりの換気率を0.8回から1.4回とし、効力評価した。結果を表1に示す。 【0019】 【表1】
【0020】表1より、本発明の組成物は、比較例よりも効果の持続性が優れていることが分かる。また、NAKの方が、Etocよりも優れていることが判った。 【0021】試験例2実施例1及び2並びに比較例1及び2の各組成物0.8mlを同噴霧装置により室温23℃の和室(8畳)に噴霧し、有効成分の気中濃度並びに床又は壁への付着量を測定し、有効成分の蒸気圧と溶剤の沸点との関係を考察した。結果を表2に示した。気中濃度は、2時間、約13リットル/分の速度で室内の空気を吸引してシリカゲルとラップに捕集して分析した。付着量は予め床および壁にろ紙をはっておき、8時間後にろ紙をアセトン抽出して、ガスクロにより測定した。 【0022】 【表2】
【0023】表2の結果から次のことが分かった。 ■ 実施例1と比較例1の比較から、イソペンタン使用処方の方が気中濃度の持続が長い。実施例1では有効成分は床と壁に付着したが、比較例1では有効成分は床には付着したが、壁には付着しなかった。 ■ 実施例1と実施例2を比較すると、NAKの方が気中濃度の持続が長い。また、両有効成分とも床と壁に付着した。 ■ NAKのような蒸気圧が10-4Paオーダーの有効成分とイソペンタンのような低沸点溶剤を組み合わせることで有効成分が気中に滞留しやすくなり、効果が長持ちした。 ■ NAKのような蒸気圧が10-4Paオーダーの有効成分とイソペンタンのような低沸点溶剤を組み合わせることで床面と壁面に有効成分が付着し、蒸気圧が高いことから付着した有効成分が再揮散し、気中濃度が高く維持されるものと考えられた。 ■ 蒸気圧が10-4Paオーダーの有効成分と低沸点溶剤の組み合わせで、より気中濃度を高く長時間維持する微量噴射エアゾール組成物が調製できる。 【0024】 【発明の効果】本発明のエアゾール組成物は、低沸点溶剤を用いることにより高濃度の有効成分を微量に噴射しても、有効成分の効果が長時間持続し、更に有効成分として10-4Paオ−ダーの蒸気圧のものと併用することにより、その効果をより大きくすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100539 【氏名又は名称】アース製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月26日(2000.6.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105647 【弁理士】 【氏名又は名称】小栗 昌平 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−3302(P2002−3302A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月9日(2002.1.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−191307(P2000−191307) |
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