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【発明の名称】 加熱蒸散器
【発明者】 【氏名】宮西 収

【氏名】山本 景伺

【氏名】田中 宏政

【要約】 【課題】液体蒸散量の変更を簡単に行うことができる加熱蒸散器を得る。

【解決手段】薬液タンク28の吸液芯88に挿入されて先端側88Bを加熱するヒーター50を、ラッチ装置64に備えられたスライダー58に取付ける。このスライダー58を、ケース24の上面に配置した基台56によって上下方向に摺動自在に支持し、圧縮コイルバネ60によって上方に付勢する。スライダー58の前面には、カム及びカム溝を形成し、カム溝にはストッパーピン62の下端部62Bを係入させる。スライダー58の上端には操作スイッチ66を取付ける。操作スイッチ66を下方に押し込むと、スライダー58はラッチ装置64により上方又は下方位置に切り替えられてロックされ、このスライダー58の移動に伴い、ヒーター50の吸液芯88への挿入深さが変化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密封容器内の液体を吸液芯の一端側より吸い上げ、その密封容器から突出した吸液芯の他端側に筒状の発熱体を挿入することで前記液体を蒸散させる加熱蒸散器において、前記発熱体が取付けられ操作部が設けられた取付部材と、前記発熱体を前記吸液芯の他端側に配置して前記取付部材を前記挿入方向に沿った方向に移動自在に支持する支持部材と、前記取付部材と前記支持部材との間に設けられ、前記操作部が前記挿入方向へ押圧される度に、取付部材の位置を前記発熱体が前記吸液芯の他端側に所定深さ挿入された第1の位置と発熱体が吸液芯の他端側に前記所定深さよりも深く挿入された第2の位置との間で切り替える切替手段と、を有することを特徴とする加熱蒸散器。
【請求項2】 前記切替手段は、前記取付部材を前記挿入方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、付勢された前記取付部材を前記第1の位置又は前記第2の位置に保持可能であるとともに前記操作部が押圧されるとその保持状態を解除可能な手段と、を有するラッチ装置であることを特徴とする請求項1記載の加熱蒸散器。
【請求項3】 前記取付部材の位置が前記第1の位置又は前記第2の位置の何れにあるかを表示する表示手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の加熱蒸散器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱蒸散器に係り、詳細には、密封容器内の液体を吸い上げる吸液芯を可動式の発熱体で加熱し、その加熱領域を変えることで液体の蒸散量を変更することができる加熱蒸散器に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱蒸散器は、主に蚊や害虫の駆除、あるいは芳香等に用いられるもので、それら害虫駆除用の薬液(殺虫剤)、または芳香油(芳香剤)等を貯溜した密封容器を備えている。この密封容器には、貯溜液体を吸い上げるための吸液芯が設けられており、吸液芯の一端側から吸い上げられた薬液等は、吸液芯の他端側に配置された発熱体により加熱されることで気化し蒸散される。これにより、害虫を駆除するなどの所望の効果を得るものである。
【0003】ところで、この加熱蒸散器においては、吸液芯と発熱体の相対位置を変えることで吸液芯の加熱領域を変更し、蒸散量を調整できるようにしたものがある。例えば、実開昭62−45986号公報に開示された技術では、着脱式の調節リングを用いる、あるいは薬液タンクを保持するタンク保持台の取付状態を変えるなどの構成により、固定された発熱体に対する吸液芯の相対位置(挿入深さ)が変更できるようにされている。また、発熱体を支持する支持体の突起を外容器の側壁に設けたカム溝に係合させ、その係合位置を変えることにより、発熱体側を移動させて吸液芯に対する挿入深さを変えられるようにした例もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の調節リングを用いた構成では、調節リングを着脱する際に加熱蒸散器の外容器から薬液タンクやタンク保持台を一々取り外さなければならず、その手間が大変である。このため、蒸散量を迅速に調整することができない。さらに、取外した調節リングを保管する必要もあるため使い勝手が悪い。
【0005】また、タンク保持台を利用して薬液タンク(吸液芯)を移動させる構成についても、タンク保持台の取付向きを変える形態ではタンク保持台及び薬液タンクを取付け直す手間が掛かり、外容器に対するタンク保持台の取付位置を相対的に変える形態では、その位置変更のために外容器のカム溝に対するタンク保持台の突起の係合位置を変えることから操作性が良くない。同様に、発熱体を支持する支持体の位置を変える構成についても、カム溝と突起の係合位置を変更する際の操作性が悪い。
【0006】本発明は上記事実を考慮して、液体蒸散量の変更を簡単に行うことができる加熱蒸散器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、密封容器内の液体を吸液芯の一端側より吸い上げ、その密封容器から突出した吸液芯の他端側に筒状の発熱体を挿入することで前記液体を蒸散させる加熱蒸散器において、前記発熱体が取付けられ操作部が設けられた取付部材と、前記発熱体を前記吸液芯の他端側に配置して前記取付部材を前記挿入方向に沿った方向に移動自在に支持する支持部材と、前記取付部材と前記支持部材との間に設けられ、前記操作部が前記挿入方向へ押圧される度に、取付部材の位置を前記発熱体が前記吸液芯の他端側に所定深さ挿入された第1の位置と発熱体が吸液芯の他端側に前記所定深さよりも深く挿入された第2の位置との間で切り替える切替手段と、を有することを特徴としている。
【0008】請求項1に記載の発明では、密閉容器に貯溜されている、例えば薬液や芳香油等の液体に吸液芯の一端側が浸漬され、密封容器から突出した吸液芯の他端側には筒状の発熱体が挿入される。液体は、吸液芯に吸い上げられて吸液芯の他端側に浸透し、その他端側が発熱体で加熱されることにより気化されて蒸散する。
【0009】発熱体は、操作部が設けられた取付部材に取付けられ、さらに取付部材が支持部材に支持されることで、吸液芯の他端側に配置されるとともに吸液芯への挿入方向に沿った方向(吸液芯の軸線方向)に移動自在とされる。
【0010】そして取付部材の操作部を上記の挿入方向に押圧すると、取付部材は、取付部材と支持部材との間に設けられた切替手段によって、発熱体が吸液芯の他端側に所定深さ挿入された第1の位置から発熱体が吸液芯の他端側に所定深さよりも深く挿入された第2の位置へと移動し、また逆に、第2の位置から第1の位置へと移動して、その位置が切り替えられる。すなわち、操作部が押圧される度に、取付部材は第1及び第2の位置の間で移動を繰り返す(往復動)。これにより、吸液芯他端側の加熱領域が変えられて、液体の蒸散量は、吸液芯他端側の加熱領域が大きくされる第2の位置の方が第1の位置よりも多くされる。
【0011】このように、液体の蒸散量を変更する際は、取付部材の操作部を押圧するだけで変更できるため、操作が簡単になる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の加熱蒸散器において、前記切替手段は、前記取付部材を前記挿入方向とは反対方向に付勢する付勢手段と、付勢された前記取付部材を前記第1の位置又は前記第2の位置に保持可能であるとともに前記操作部が押圧されるとその保持状態を解除可能な手段と、を有するラッチ装置であることを特徴としている。
【0013】請求項2に記載の発明では、切替手段にラッチ装置を用いることで、取付部材は圧縮バネ等の付勢手段により上記の挿入方向とは反対方向に付勢されるとともに、第1の位置又は前記第2の位置に保持された状態で操作部が押圧されると、その保持状態が解除され、第1及び第2の位置の間での移動を繰り返すことができる。このラッチ装置により、取付部材の位置の切り替えを簡単な機構で実現することができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の加熱蒸散器において、前記取付部材の位置が前記第1の位置又は前記第2の位置の何れにあるかを表示する表示手段が設けられていることを特徴としている。
【0015】請求項3に記載の発明では、表示手段により、取付部材の位置が第1の位置又は第2の位置の何れにあるかが表示されるため、液体の蒸散量が多くされているか否かを容易に確認することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る加熱蒸散器の斜視図が示されており、図2には、その分解斜視図が示されている。本実施形態の加熱蒸散器10は蚊取り用であり、殺虫剤(薬液)の加熱・蒸散機能を有する本体ユニット12と、本体ユニット12の機能部をカバーする中ケース14及び外ケース16とで構成されている。
【0017】図3には、本体ユニット12の斜視図が示されており、図4には、その側断面図が示されている。
【0018】先ず、本体ユニット12から説明すると、本体ユニット12は、基台となる略矩形状のベース板22を備えており、ベース板22の上面には、箱型のケース24が載設されている。
【0019】ベース板22は、周縁部にリブ26が形成されており、このリブ26上に外ケース16が取付けられ、リブ26の内側に中ケース14が取付けられる。なお、外ケース16及び中ケース14は、図示しない係止構造によってベース板22に着脱可能に取付けられるようになっている。
【0020】ベース板22の略中央部には、薬液タンク28をケース24内に配置するためのタンク取付孔30が設けられている。このタンク取付孔30に形成された雌螺子32には、タンク取付板34の外周面に形成された雄螺子36が螺合する構造とされており、これにより、タンク取付板34の着脱が可能となって、薬液タンク28の取付け及び交換が可能となる。またケース24の側面には縦長の窓部37が設けられて、ケース24内に収容された薬液タンク28の有無を目視で確認できるようになっている。なおこの窓部37は、図中の反対側の側面にも設けられている。
【0021】ケース24上面の前端部には、支柱38が一体的に立設されており、支柱38の基端部後方は矩形の開口部40とされている。支柱38の上面38Aは前方に下降傾斜する傾斜面とされ、その上面38Aに、押圧操作によりON/OFFが切り替えられるメインスイッチ42が取付けられている。
【0022】メインスイッチ42は、開口部40の下方に位置してケース24の内壁面に取付けられた中継基板44にハーネス46によって接続されており、またハーネス48によって、詳細については後述するヒーター50にも接続されている。これにより、電源コード52から供給される電源電力は中継基板44で所定レベルの電力に変換され、メインスイッチ42が操作されることにより、ヒーター50の加熱動作のON/OFFが切り替えられる。
【0023】さらにケース24上面の略中央部には、ヒーターユニット54が配置されている。ヒーターユニット54は、ケース24上面に固着された基台56を備え、この基台56には、スライダー58と、圧縮コイルバネ60と、ストッパーピン62とが組み付けられてラッチ装置64が構成されている。
【0024】図5には、ラッチ装置64の分解斜視図が示されている。スライダー58は角棒状とされ、上端には略L型をした操作スイッチ66が取付けられている。この操作スイッチ66の前端面には、操作スイッチ66とは異なった色のマーキング67が印刷されている。例えば、操作スイッチ66を白色や灰色等とし、マーキング67を青色や赤色等とすれば、マーキング67が識別しやすくなって好適である。
【0025】また操作スイッチ66の下方部位には、スライダー58の外側面から突出する角型のフランジ68が形成されており、スライダー58の前面略中央部には、略ハート型をしたカム70が設けられて、カム70の周囲と下方にカム溝72が形成されている。
【0026】さらにスライダー58には、L型のプッシュナット73が所定位置に嵌挿されている(図4参照)。プッシュナット73は、スライダー58の背面から後方に突出する向きとされ、先端部に筒状のヒーター50が固着されている。なお、このヒーター50は、軸線がスライダー58の長手方向(上下方向)に合わせられて、薬液タンク28の上方に配置されている。また基台56の上面には、ヒーター50の上方部位を一部切り欠いた切り欠き部74が形成されている。
【0027】そしてこのスライダー58は、下部側が基台56の上面に形成された矩形の開口部75に挿入され、開口部75の下方に位置して基台56の内壁面に突設された支持板76の貫通孔78に挿通されて、上下方向に摺動自在となっており、下端部は、ケース24の上面に形成された貫通孔79に挿入されている。さらに、フランジ68下部側に挿入された圧縮コイルバネ60が支持板76との間に配置されており、この圧縮コイルバネ60の弾性力によって、上方に付勢されている。
【0028】ストッパーピン62は略コ字状とされ、上端部62Aが基台56の前面に形成された大窓部80から基台56内に挿入され、スライダー58と圧縮コイルバネ60の間に形成される隙間に圧縮コイルバネ60の下端部側から嵌挿されて固定されている。またストッパーピン62の下端部62Bは、大窓部80の下方に位置する小窓部82内に配置されて、カム溝72に係入されている。
【0029】図6には、カム70近傍の拡大斜視図が示されている。以下、カム70及びカム溝72について説明すると、カム70右側の溝部72Aは、溝底面の上方側がスライダー58の前面に向かって近接するスロープ面とされ、カム70の右側上端部近傍に配置され前面から離間する方向に切れ落ちた形状の段差72Bに繋がっている。段差72Bの左方(カム70上側)の溝底面は、前面から離間する方向に切れ落ちた形状の段差72C、段差72Dが所定の間隔で配置され略階段状とされており、カム70左側の溝部72Eに繋がっている。
【0030】溝部72Eは、溝底面の下方側がスライダー58の前面に向かって近接するスロープ面とされ、カム70の左側下端部近傍に配置され前面から離間する方向に切れ落ちた形状の段差72Fに繋がっている。さらに、カム70の下部に位置する溝部72Gは、下方へ直線状に延出されてスライダー58の下端部に達しており、また段差72Bと溝部72Eとの上方には逃げ溝部72H、72Iが形成されている。
【0031】これにより、操作スイッチ66が下方に押し込まれてスライダー58が下方にスライドし、またそこから圧縮コイルバネ60の付勢力で上方にスライドすると、カム溝72に係入されたストッパーピン62の下端部62Bは、カム溝72内を摺動して反時計回転方向に周回移動するとともに、スライダー58を所定位置にロックするようになる。
【0032】すなわち、ピン下端部62Bが溝部72Gにいた場合(図6の二点鎖線)、操作スイッチ66の押圧操作でスライダー58が下方へスライドすると、それに伴いピン下端部62Bは段差72Fからカム70の外周面を摺接しながら溝部72A側に案内される。さらに段差72Bを通過して逃げ溝部72Hに入り、逃げ溝部72Hの上壁面に当接すると、スライダー58を停止させる。つまり、操作スイッチ66をそれ以上押し込めなくなる。
【0033】そこで、操作スイッチ66への押圧力を取り除くと、スライダー58は圧縮コイルバネ60に付勢されて上方へスライドする。すると、ピン下端部62Bは、段差72Bにガイドされて段差72Cを通過し、カム70の上部に設けられた凹部70Aに収まって凹部70Aの上壁面に当接する。これにより、スライダー58はその位置に停止してロックされ、最初の位置よりも下方側に移動した状態となる。
【0034】そして、操作スイッチ66を再び押し込むと、スライダー58の下方へのスライドにより、ピン下端部62Bは凹部70Aから離脱し、段差72Cにガイドされて段差72Dを通過した後、逃げ溝部72Iの上壁面に当接してスライダー58を停止させる。
【0035】さらにそこで操作スイッチ66への押圧力を取り除くと、スライダー58は圧縮コイルバネ60に付勢されて上方へスライドし、ピン下端部62Bは、溝部72Eを通って段差72Fを通過し、溝部72Gに進入して元の位置に戻る。なおこの位置では、スライダー58に設けられたプッシュナット73が支持板76に当接しており、これによって、スライダー58の上方への移動が規制されるとともに、支持板76から抜け出さないようにされている。
【0036】このように、操作スイッチ66を押圧操作することで、ラッチ装置64によりヒーター50の位置が高さ方向に切り替わるようになる。
【0037】また、薬液タンク28は、薬液が貯溜されたタンク本体84を備え、このタンク本体84の上部に、タンク内を密封する蓋86が取付けられている。蓋86には、丸棒状の吸液芯88が嵌挿されており、タンク本体84内に挿入された挿入端側(一端側)88Aが薬液に浸漬されている。そして上方に突出した先端側(他端側)88Bには、挿入端側88Aから吸い上げられた薬液が浸透しており、この先端側88Bは、ケース24上面に形成された貫通孔90を挿通してヒーター50に挿入されている。
【0038】これにより、ヒーター50が作動すると、吸液芯88の先端側88Bが加熱され、薬液は気化して蒸散する。
【0039】次に、中ケース14と外ケース16について説明する。中ケース14は、側面視が略台形状とされ、底面側が開口して内部が空洞とされている。ケース両側面には、本体ユニット12の窓部37と対応する位置に縦長の窓部92が対向して形成されており、窓部92の内側には、透明樹脂製(PC等)の窓板94が接着されている。
【0040】ケース天面には、ヒーター50のほぼ真上となる位置に、気化した薬液を外部へ拡散させる拡散孔96が形成されている。さらに拡散孔96から少し下がった位置には、ヒーターユニット54の操作スイッチ66を上方へ突出させる縦長矩形状の開口部98が形成されており、開口部98の下方には、メインスイッチ42との対応位置に、メインスイッチ42を被うゴム製のスイッチカバー100が取付けられている。
【0041】一方、外ケース16も、側面視が略台形状で底面側が開口し内部が空洞とされており、内部に中ケース14を収容できる大きさとされている。また、ケース天面から両側面に掛けては、大きく開口されたスリット102が形成されており、本体ユニット12に中ケース14及び外ケース16が取付けられると、このスリット102から窓板94及び拡散孔96が外部に現れる。
【0042】さらにケース天面には、スリット102から少し下がった位置に、操作スイッチ66を外部に露出させる矩形状の開口部104が形成されており、開口部98の下方には、透明樹脂製(PC等)の窓板106を嵌装した窓部108が形成されている。この窓部108は、操作スイッチ66が押圧されて下方に下がった状態のとき、マーキング67を確認できる位置に配置されている。
【0043】さらに、窓部108の下方には、スイッチカバー100との対応位置にスイッチカバー100を外部に突出させる円形のスイッチ窓110が形成されている。
【0044】次に、本実施形態の作用を説明する。図7及び図8には、操作スイッチ66の押圧操作によってヒーター50の位置が上下に切り替わる様子が示されている。
【0045】図7では、ヒーター50は、高さ方向の1/3程度が吸液芯88の先端側88Bに挿入されている。この位置では、ヒーター50によって加熱される吸液芯88の加熱領域は小さいため、薬液の蒸散量は少なくなる。またこの状態では、操作スイッチ66のマーキング67は外ケース16に隠されている。
【0046】蒸散量を多くしたいときは、操作スイッチ66を指で下方に押し込む。すると、スライダー58が下方にスライドしてヒーター50の吸液芯88に対する挿入深さが深くなる。そして操作スイッチ66が止まるまで押し込んでから指を離すと、スライダー58は少し上昇し、ラッチ装置64の機構によってその位置にロックする。そして図8のように、ヒーター50は、吸液芯88の先端側88Bに完全に挿入される。これにより、吸液芯88の加熱領域が大きくされて、薬液の蒸散量が多くなる。
【0047】さらにこの状態では、操作スイッチ66のマーキング67が窓部108の高さに位置して窓板106を通し、マーキング67を覗き見ることができる。そのため、蒸散量が多くされていることを一目で確認できる。
【0048】また、蒸散量を元の少ない状態に戻したいときは、再度、操作スイッチ66を押し下げる。すると、スライダー58はロックが解除され、圧縮コイルバネ60の付勢力で上方にスライドし、図7の位置に戻される。以下、操作スイッチ66を押し込む度に、蒸散量の大小が交互に切り替わる。
【0049】以上説明したように、本実施形態に係る加熱蒸散器10では、操作スイッチ66を押し込むワンタッチ操作で薬液蒸散量を変更することができるため、操作が簡単になる。
【0050】また、本実施形態では、ヒーター50(スライダー58)の位置の切り替えにラッチ装置64を用いたことで、その切り替え機構を簡単な構成とすることができている。
【0051】さらに、操作スイッチ66に設けたマーキング67と窓部108の組み合わせにより、薬液の蒸散量が多くされているか否かを容易に確認することができる。
【0052】なお、このマーキング67は印刷に限らず、ラベル等に置き換えることもできる。また、操作スイッチ66のロック位置に応じて点滅表示するLEDやランプ等を、操作スイッチ66以外の他の部位に設けてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明の加熱蒸散器は上記構成としたので、液体蒸散量の変更を簡単に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【識別番号】501141046
【氏名又は名称】大宝関西株式会社
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
【出願日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2002−306046(P2002−306046A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−108608(P2001−108608)