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【発明の名称】 長柄付き捕獲具
【発明者】 【氏名】浅川 忠治

【要約】 【課題】構造が単純で取り扱い易く、操作性に優れ、操作時に柄に大きな支持力を与えることができ、防犯用にも適したものにする。

【解決手段】長柄11の後部管壁に、その長柄11の長手方向に沿わせてスリット状のスライド用開口14を設け、そのスライド用開口14に複数のストッパー用凹所15を分散配設し、更にそのスライド用開口14に長柄11内に収容したワイヤー12の先端部又は両端部を外部から操作してワイヤーループ13の径を変える操作レバー24の基部を備え付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾力性を有するワイヤーの一端部を筒状長柄の先端部に固定し、そのワイヤーの他端部を長柄の先端部開口から挿入して、その長柄内にワイヤーの他端部に連なる部分を必要長さ収容し、或いはそのワイヤーの両端部を長柄の先端部開口から挿入して、その長柄内にワイヤーの両端部に連なる部分を共に必要長さ収容し、その長柄の先端部から径が可変自在なワイヤーループを突出してなる長柄付き捕獲具において、上記長柄の後部管壁に、その長柄の長手方向に沿わせてスリット状のスライド用開口を設け、そのスライド用開口に複数のストッパー用凹所を分散配設し、更にそのスライド用開口に長柄内に収容したワイヤーの先端部又は両端部を外部から操作してワイヤーループの径を変える操作レバーの基部を嵌めて備え付けることを特徴とする長柄付き捕獲具。
【請求項2】 上記長柄の内部に、その長柄の内径より外径が若干小さく、スライド用開口の長さとほぼ等しい長さのスライド用棒状体を収容し、そのスライド用棒状体の先端部にワイヤーの先端部又は両端部を固定し、更にスライド用棒状体の後端部付近に操作レバーの基部を固定することを特徴とする請求項1記載の長柄付き捕獲具。
【請求項3】 上記長柄の先端部に、その先端部開口におけるワイヤーの出し入れを導き、そのワイヤーループの径の拡大、縮小方向を決定するワイヤー挿通管を備えたワイヤー保持部を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の長柄付き捕獲具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防犯用、野犬その他の動物捕獲用等に適した長柄付き捕獲具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、不況の影響や国際化に伴う外国人の流入等により都会、田舎にかかわらず全国的に金融機関、コンビニエンスストア、パチンコ店、住宅等を襲う強盗等の凶悪犯罪が多発している。これ等の犯罪に対し、一般人には刃物等を振り回す犯人に対し対処するよい方法がなく、木刀を用意しておくことぐらいしかできない。しかも、犯人に対し木刀等で立ち向かっても逆襲されて刺されたり、取り押さえることができず逃げられてしまったりする。その際、犯人を取り押さえるには犯人の身体に抱き付いて倒す等、相当接近しなければならない。
【0003】しかし、犯人に立ち向かうにしろ、犯人を取り押さえるにしろ犯人に接近し過ぎるのは危険である。そこで、長柄付きの捕獲具を使用して犯人に立ち向かい、s犯人を取り押さえるのが賢明となる。このような柄付きの捕獲具として従来、実開昭63‐124386号において図6に示すような先端部にループ1を形成し、後端部には抜け防止用具2を有するワイヤー3を設け、そのワイヤー3の中途には、一定間隔置きに通穴4を有する弛緩防止杆5を連結し、その弛緩防止杆5には筒体6を遊嵌して設け、その係止レバー7の作動により弛緩防止杆5に形成した、任意の通穴4に係止・離脱されるピン8を設けた野犬捕獲用具9が提示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この野犬捕獲用具9では柄となる筒体6の後端部からワイヤー3を操作する抜け防止用具2を突出し、その筒体6の内部に一定間隔置きに通穴4を有する弛緩防止杆5を収容し、更に筒体6の外周に係止レバー7を設け、その係止レバー7の作動により弛緩防止杆5に形成した任意の通穴4に係止・離脱されるピン8を設ける等、その構造は複雑である。そして、使用時にワイヤーループ1の径を拡大、縮小するには片方の手で筒体6を持ち、他方の手で抜け防止用具2を持って、ワイヤー3を押し或いは引く必要がある。
【0005】その際、ワイヤーループ1の径を縮小する時にワイヤー3を引くと、自動的にピン8が弛緩防止杆5に形成した任意の通穴4に係止するようになっている。しかし、ワイヤーループ1の径を拡大する時には抜け防止用具2から係止レバー7に持ち替えて、そのレバー7を矢印方向に倒し、ピン8を通穴4から離脱しなければならないので取り扱い難い。それ故、ワイヤーループ1の径の拡大、縮小とその任意の径設定とを連続的に円滑に行えず操作性が悪い。又、操作時に筒体6に大きな支持力を与えることができない。従って、上記捕獲用具は野犬の捕獲用には適していても、防犯用には向かない。
【0006】本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、構造が単純で取り扱い易く、操作性に優れ、操作時に柄に大きな支持力を与えることができ、防犯用にも適した長柄付き捕獲具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明による長柄付き捕獲具は弾力性を有するワイヤーの一端部を筒状長柄の先端部に固定し、そのワイヤーの他端部を長柄の先端部開口から挿入して、その長柄内にワイヤーの他端部に連なる部分を必要長さ収容し、或いはそのワイヤーの両端部を長柄の先端部開口から挿入して、その長柄内にワイヤーの両端部に連なる部分を共に必要長さ収容し、その長柄の先端部から径が可変自在なワイヤーループを突出させる。
【0008】そして、上記長柄の後部管壁に、その長柄の長手方向に沿わせてスリット状のスライド用開口を設け、そのスライド用開口に複数のストッパー用凹所を分散配設し、更にそのスライド用開口に長柄内に収容したワイヤーの先端部又は両端部を外部から操作してワイヤーループの径を変える操作レバーの基部を備え付ける。
【0009】又、上記長柄の内部に、その長柄の内径より外径が若干小さく、スライド用開口の長さとほぼ等しい長さのスライド用棒状体を収容し、そのスライド用棒状体の先端部にワイヤーの先端部又は両端部を固定し、更にスライド用棒状体の後端部付近に操作レバーの基部を固定すると好ましくなる。又、上記長柄の先端部に、その先端部開口におけるワイヤーの出し入れを導き、そのワイヤーループの径の拡大、縮小方向を決定するワイヤー挿通管を備えたワイヤー保持部を設けるとよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図1〜5を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明を適用した長柄付き捕獲具の正面図、図2はその長柄後部の拡大右側面図である。この長柄付き捕獲具10は主要部材として、筒状長柄11と弾力性を有するワイヤー12とを用い、その長柄11の先端部から径が可変自在なワイヤーループ13を突出させるように製作する。そこで、長柄11には例えば長さが180cm程のアルミニウム管を用い、ワイヤー12には例えば長さが280cm程で幅が2.7mm、厚みが1mm程の角形の鋼製ワイヤーを用いる。
【0011】しかも、長柄11にはその長手方向に沿わせて後部の右側管壁の中央に、スリット状のスライド用開口14を後端まで貫くように直線状に形成する。そして、そのスライド用開口14に後端部付近を除き複数例えば5個の長半円状ストッパー用凹所15(15a、…15e)をスライド用開口14に沿わせて、その上側に一定間隔例えば10cmずつ離しながら形成する。その際、ストッパー用凹所15をいずれも図3に示すように凹み方向が長柄11の先端に向き、その点線で示す中心線16が長柄11のスライド用開口14の中心を通る2点鎖線で示す短手方向線17に対し、その角度φが例えば60度となるように傾斜させる。
【0012】このような長柄11の先端部に、ワイヤー12の一端部に連なる部分を収容して、そのワイヤーループ13の径の拡大、縮小方向を決定するワイヤー収容管18と、その長柄11の先端部開口19におけるワイヤー12の他端部に連なる部分の出し入れを導き、そのワイヤーループ13の径の拡大、縮小方向を決定するワイヤー挿通管20とをほぼ左右対称に備え付けたワイヤー保持部21を設ける。その際、ワイヤー収容管18にはスチール等の金属管を用い、その前部を20cm程円弧状に緩く曲げてワイヤー12が挿通するワイヤー収容部22にし、その後部の長手方向半分(内側部分)を除去し、その残部をワイヤー収容部22に対して直角方向に曲げてワイヤー12の一端部を覆い、長柄11の先端部にねじ止め又は溶接により固定する取り付け部にする。
【0013】又、ワイヤー挿通管20にもスチール等の金属管を用い、その前部を20cm程円弧状に緩く同様に曲げて、ワイヤー12が挿通状態で移動が可能なワイヤー挿通部23にし、その後部の長手方向半分(内側部分)を除去し、その残部をワイヤー挿通部23に対して直角方向に曲げて、長柄11の先端部への取り付け部にする。すると、ワイヤー挿通部23を通過したワイヤー12の他端部を長柄11の先端部開口19から内部に挿入して、その長柄11内にワイヤー12の他端部に連なる部分を必要長さ収容することができる。なお、ワイヤー収容部22とワイヤー挿通部23とはほぼ180度の反対方向に突出する。
【0014】このような長柄11の後部に設けたスライド用開口14に、長柄11内に収容したワイヤー12の先端部又は両端部を外部から操作してワイヤーループ13の径を変える操作レバー24の基部を嵌めて備え付ける。その際、長柄11の内部に、その長柄11の内径より外径が若干小さく、スライド用開口14の長さより大幅に短いスライド用棒状体として例えば長さが1/6程のアルミニウム等の金属短管25を収容し、そのスライド用棒状体25の先端部にワイヤー12の他端部を固定し、そのスライド用棒状体25の中央部に操作レバー24の基部を固定し、その握り部を長柄11の長手方向に対し直角方向に突出する。なお、操作レバー24の芯材には鋼製棒状体を用い、その外側にアルミニウム等の金属管を嵌めて握り部を形成し、その握り部より芯材の一部を突出させて基部にする。そして、長柄11の後端部に操作レバー24の後方ストッパーとして、アルミニウム管等からなるエンドキャップ26を嵌める。
【0015】このようにして捕獲具10の構造を単純にし、その長柄11、操作レバー24、エンドキャップ26等にアルミニウム管を使用して、軽量化した長柄付き捕獲具10を製作すると、柄11が長くても捕獲具10が取り扱い易くなる。そして、使用時には片方の手で長柄11を握り、他方の手で操作レバー24を握って長柄11の後端部付近を身体の一部に当てる等すると、長柄11に大きな支持力を与えながら捕獲具10を自在に移動できる。しかも、操作レバー24を長柄11の後部に設けたスライド用開口14に沿って前後に自在にスライドさせて、その先端部より突出するワイヤーループ13の径を自在に拡大、縮小できる。
【0016】又、操作レバー24をスライド用開口14から僅か上方向に持ち上げて前方に押すことにより、その開口14に沿って上側に分散配置されている5個のストッパー用凹所15から任意の凹所15を選んで良好に掛け止めでき、ワイヤーループ13の任意の径設定を行える。しかし、その操作レバー24を逆に操作すると、ストッパー用凹所15から簡単に解除してスライド用開口14に戻せる。それ故、この長柄付き捕獲具10はワイヤーループ13の径の拡大、縮小とその任意の径設定とを連続的に円滑に行えて操作性に優れている。
【0017】そして、この長柄付き捕獲具10を防犯に使用する場合には、犯人に対し必要に応じてワイヤーループ13の径を変えて立ち向かう。その際、刃物等を振り回す犯人に対しても長柄11になっているので、遠くからワイヤーループ13等で犯人を叩き、払い、突き、引っ掛ける等の攻撃を加え、有利な状態で安全に立ち向かって犯人を撃退できる。しかも、攻撃中にワイヤーループ13を犯人の身体の一部分に掛けて引き倒して押え付け、或いは犯人の身体の一部分に嵌めた後、操作レバー24をスライド用開口14に沿って操作し、ワイヤーループ13を絞って径を縮小させ、更に任意のストッパー用凹所5に嵌めて固定することができる(図ではストッパー用凹所5dに嵌めた状態を示している)。
【0018】すると、犯人は押え付けられて身体の自由が奪われて攻撃や逃亡が困難になる。特に、身体の一部分に嵌まったワイヤーループ13の径を縮小して操作レバー24を固定すると、操作レバー24の位置が犯人から遠く簡単に解除できないため、長柄付き捕獲具10が外れなくなり、一層攻撃や逃亡が困難になって犯人を容易に捕獲できる。なお、犯人の首にワイヤーループ13が嵌まった場合、径が一定値以下に縮小すると生命に危険があるので、操作レバー24をエンドキャップ26に当てて径が一定値以下に縮小するのを防止する。
【0019】図4は本発明を適用した他の長柄付き捕獲具の正面図、図5はその長柄後部の拡大右側面図である。この長柄付き捕獲具27も長柄付き捕獲具10と基本構造をほぼ同一にするので、対応する部分には同一符号を付ける。しかし、長柄11の先端部にはワイヤー収容管18に替えて、上述したワイヤー挿通管20を用い、2本のワイヤー挿通管20(20a、20b)を左右対称に備え付けたワイヤー保持部28を設ける。その際、両ワイヤー挿通管20の前部に当る円弧状のワイヤー挿通部23(23a、23b)はいずれも上記実施形態のものよりその曲げを大きくし、先端部開口19へのワイヤー12の出し入れを円滑に行えるようにする。
【0020】そこで、両ワイヤー挿通管20の各ワイヤー挿通部23を夫々通過したワイヤー12の両端部を先端部開口19から内部に挿入して、その長柄11内にワイヤー12の両端部に連なる部分を必要な長さ収容する。そして、長柄11の内部に、その長柄11の内径より外径が若干小さく、スライド用開口14の長さとほぼ等しい長さのスライド用棒状体29を収容し、そのスライド用棒状体29の先端部にワイヤー12の両端部を固定し、そのスライド用棒状体29の後端部付近に操作レバー24の基部を固定して、その握り部を同様に長柄11の長手方向に対し直角方向に突出する。
【0021】このようにして長柄付き捕獲具27を製作すると、長柄11の内部に収容したワイヤー12の両端部がスライド用棒状体29を介して、その長柄11から突出する操作レバー24と連結している。それ故、その操作レバー24をスライド用開口14に沿ってスライドさせると、そのスライド距離が長柄付き捕獲具10と同じでも、ワイヤーループ13の拡大、縮小を一層大きく行える。しかも、そのスライド用棒状体29によって操作レバー24よりワイヤーループ13の側にあるスライド用開口14を常に閉鎖できる。それ故、スライド用開口14の幅を大きくしても、長柄11内に収容したワイヤー12の両端部に連なる部分がそのスライド用開口14に嵌まって操作の妨げとなることがなく、操作レバー24を円滑に操作できる。
【0022】上記実施の形態では長柄付き捕獲具10、27を防犯用に使用する場合について説明したが、野犬、その他の動物捕獲用等にも使用できる。その際、ワイヤーループ13に網製等の袋部を備えたりしておくと、その袋部を動物の上から被せた後、操作レバー24を操作し、ワイヤーループ13の径を縮小して動物の捕獲を簡単に行える。
【0023】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項1記載の発明では長柄の後部管壁にスリット状のスライド用開口を設け、そのスライド用開口に複数のストッパー用凹所を分散配設し、更にそのスライド用開口に長柄内に収容したワイヤーの先端部又は両端部を外部から操作してワイヤーループの径を変える操作レバーの基部を嵌めて備え付けることにより、柄の先端部にワイヤーループを突出させた捕獲具の構造が単純になって取り扱い易く、防犯用にも適するようになる。
【0024】そして、使用時には片方の手で長柄を握り、他方の手で操作レバーを握って長柄の後端部付近を身体の一部に当てる等して長柄に大きな支持力を与えることができる。しかも、操作レバーをスライド用開口に沿って前後に自在にスライドさせて、ワイヤーループの径を自在に拡大、縮小しながら任意のストッパー用凹所を選んで掛け止めして、ワイヤーループの任意の径設定を行い、更にその設定を簡単に解除できる。それ故、ワイヤーループの径の自在な拡大、縮小とその任意の径設定とを連続的に行えて操作性に優れている。
【0025】又、請求項2記載の発明では長柄の内部にスライド用開口の長さとほぼ等しい長さのスライド用棒状体を収容することにより、そのスライド用棒状体によって操作レバーよりワイヤーループの側にあるスライド用開口を常に閉鎖できる。それ故、スライド用開口の幅を大きくしても、長柄内に収容したワイヤーの端部に連なる部分がそのスライド用開口に嵌まって操作の妨げとなることがなく、操作レバーを円滑に操作できる。
【0026】又、請求項3記載の発明では長柄の先端部にワイヤー挿通管を備えたワイヤー保持部を設けることにより、そのワイヤー挿通管によって長柄の先端部開口におけるワイヤーの出し入れを円滑に導き、そのワイヤーループの径の拡大、縮小方向を決定することができる。
【出願人】 【識別番号】501134473
【氏名又は名称】浅川 忠治
【出願日】 平成13年4月3日(2001.4.3)
【代理人】 【識別番号】100088188
【弁理士】
【氏名又は名称】柳沢 大作
【公開番号】 特開2002−291395(P2002−291395A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−104180(P2001−104180)