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【発明の名称】 小動物捕獲具
【発明者】 【氏名】山崎 収一

【要約】 【課題】小動物の歩行や食餌行為を阻害することにより小動物を捕獲したり弱らせたりする小動物捕獲具を提供する。

【解決手段】捕獲しようとする小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定された第1基板1の板面に粘着捕獲剤3を付着させたことにより、粘着捕獲剤3の付着面を上にして小動物の通り道等に設置すると、第1基板1上を歩行した小動物の手足に第1基板1が強固に接着する。このように、手足に第1基板1が接着すると、小動物は自由な歩行が阻害され、壁面等を駆け上ることもできなくなる。したがって、本発明の粘着捕獲具の近傍に従来の大きな基板の粘着捕獲具を仕掛けることにより、歩行能力が阻害された小動物を容易かつ確実に捕獲することが可能となる。しかも、手足に第1基板1が接着すると、壁面等を上れなくなって巣に戻ることが困難になるとともに食餌行為が阻害されて体力を低下させ、最終的には餓死に至らせることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 捕獲しようとする小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定された第1基板の板面に粘着捕獲剤を付着させたことを特徴とする小動物捕獲具。
【請求項2】 第2基板の表面に複数の第1基板を取外し自在に取り付けた請求項1記載の小動物捕獲具。
【請求項3】 上記第2基板の裏面に接着層が設けられている請求項1または2記載の小動物捕獲具。
【請求項4】 上記第2基板に対する第1基板の取外し強度が、第2基板裏面の接着層の接着強度よりも弱く設定されている請求項3記載の小動物捕獲具。
【請求項5】 第1基板が取り付けられた第2基板の周囲の少なくとも一部に、第1基板に付けられた粘着捕獲剤よりも高くなる隆起部が設けられている請求項2〜4のいずれか一項に記載の小動物捕獲具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネズミ等の小動物を高い捕獲率で捕獲しうる小動物捕獲具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ネズミ等の小動物を捕獲するために、基板上に粘着層を形成した粘着捕獲具が広く用いられている。この粘着捕獲具は、対象となる小動物が出没しそうな領域に、粘着層を上向けにした状態で基板を設置し、基板上を歩行する小動物を粘着捕獲するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の粘着捕獲具では、小動物の身体より大きな基板を用いて小動物を粘着捕獲することから、小動物の手足を基板に粘着させたとしても、小動物が暴れることにより粘着を引き剥がして逃げられてしまうことがしばしば起こっていた。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、小動物の歩行や食餌行為を阻害することにより小動物を捕獲したり弱らせたりする小動物捕獲具の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の小動物捕獲具は、捕獲しようとする小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定された第1基板の板面に粘着捕獲剤を付着させたことを要旨とする。
【0006】すなわち、本発明の小動物捕獲具は、捕獲しようとする小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定された第1基板の板面に粘着捕獲剤を付着させている。このため、本発明の粘着捕獲具を、粘着捕獲剤の付着面を上にして小動物の通り道等に設置すると、第1基板上を歩行した小動物の手足に、小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定された第1基板が強固に接着する。このように、手足に第1基板が接着すると、小動物は自由な歩行が阻害され、壁面等を駆け上ることもできなくなる。したがって、本発明の粘着捕獲具の近傍に従来の大きな基板の粘着捕獲具を仕掛けることにより、歩行能力が阻害された小動物を容易かつ確実に捕獲することが可能となる。しかも、手足に第1基板が接着すると、壁面等を上れなくなって巣に戻ることが困難になるとともに食餌行為が阻害され、餌を摂れなくなって体力を低下させ、最終的には餓死に至らせることが可能となる。
【0007】本発明の小動物捕獲具において、第2基板の表面に複数の第1基板を取外し自在に取り付けた場合には、複数の第1基板を取り付けた第2基板を所定の場所に設置するだけで複数の第2基板を設置できる。小動物が第2基板上を歩行した際、高い確率で小動物の手足に第1基板を接着させることができる。
【0008】本発明の小動物捕獲具において、上記第2基板の裏面に接着層が設けられている場合には、第1基板が取り付けられた第2基板を壁面等に接着して用いることができる。このようにすることにより、壁面を駆け上る小動物の手足に第1基板を接着し、壁面から落下させることができる。そして、例えば、落下しうる領域におおきなシート状の粘着捕獲具を仕掛けることにより、落下してきた小動物を確実に粘着捕獲できる。このように捕獲すると、小動物の手足以外の部分を粘着することができるので、より確実に捕獲することが可能となる。
【0009】本発明の小動物捕獲具において、上記第2基板に対する第1基板の取外し強度が、第2基板裏面の接着層の接着強度よりも弱く設定されている場合には、小動物の手足に接着された第1基板は、第2基板を壁面等に残したまま容易に第2基板から外れ、小動物を壁面等から落下等させることができる。
【0010】本発明の小動物捕獲具において、第1基板が取り付けられた第2基板の周囲の少なくとも一部に、第1基板に付けられた粘着捕獲剤よりも高くなる隆起部が設けられている場合には、第1基板が取り付けられた状態の第2基板を取り扱う際、上記隆起部が粘着捕獲剤の手指への付着を防止し、取扱い性が向上する。特に、第2基板を壁面等に接着する際は、上記隆起部を押えることにより第2基板を壁面等に強固に接着させることができる。
【0011】本発明の小動物捕獲具において、第1基板および/または粘着捕獲剤に、殺鼠剤等の小動物に対する毒性物質を塗布もしくは混入させた場合には、手足に接着された第1基板が、小動物にかじられやすいことから、小動物を絶命させたり弱らせたりすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0013】図1は、本発明の小動物捕獲具の一実施の形態を示す。この小動物捕獲具は、上面に粘着捕獲剤3が付着された第1基板1と、表面に複数の第1基板1が取外し自在に取り付けられた第2基板2とを備えている。
【0014】上記第1基板1は、平面視で四角形に形成され、捕獲しようとする小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定されている。例えば、ネズミを捕獲する場合、上記第1基板1は、縦横が約10〜30mm程度に設定される。
【0015】上記第1基板1は、この例では、アクリル,ポリスチレン,ポリエチレン,ABS樹脂,フェノール樹脂等の樹脂材料から形成されている。上記第1基板1を構成する材質としては、上記各種の樹脂材料に限るものではなく、ある程度の剛性を有するものであれば、金属材料やセラミック材料等、各種の材質を適用することができる。
【0016】上記第1基板1には、殺鼠剤等の小動物に対する毒性物質を塗布もしくは混入させることができる。このようにすることにより、上記第1基板1をかじった小動物を絶命させたり弱らせたりすることができる。
【0017】上記第1基板1に付着させる粘着捕獲剤3としては、素練りゴム,ポリβビネン樹脂,トリメチルジヒドロキノンと少量のプロセスオイルよりなる粘着剤や天然ゴムまたはブタジエンスチレンゴムのような弾性ゴム質とテルペン樹脂,メタアクリル酸エステル,石油樹脂よりなる粘着剤のようないわゆるゴム系粘着剤や、アクリル酸ブチル,ルビニルカプロラクタム,メチルメタクリレート等よりなる粘着剤やアクリロニトリル,アクリル酸,アクリル酸ブチル等よりなる粘着剤のような合成樹脂系粘着剤のほか、アスファルト等を主成分とした鉱物系粘着剤や、トリモチのようなワックス系粘着剤、アラビアゴム,デキストリン等を含む多糖類系粘着剤等を用いることができる。
【0018】上記粘着剤は、一般に、凝集力が大きいほど粘着力が小さくなる傾向を有するが、例えば、天然ゴムを含む粘着組成物に少量の硫黄および加硫促進剤を加えて弾性付与体の一部を架橋した粘着剤やネオプレンゴムのような結晶性の弾性付与体を用いた粘着剤,あるいは長さが数mmから10数mmの繊維質を混入した粘着剤は、粘着力をあまり低下させないで動的せん断力を大きくすることができるので、好適に用いることができる。
【0019】また、粘着力と凝集力を同時に付与する方法として、第1基板1の板面に、粘着力の大きな粘着剤と、凝集力の大きな粘着剤とを交互に縞状や格子状あるいは島状に塗布することもできる。
【0020】上記粘着捕獲剤3には、殺鼠剤等の小動物に対する毒性物質を塗布もしくは混入させることができる。このようにすることにより、上記粘着捕獲剤3を舐めたりかじったりした小動物を絶命させたり弱らせたりすることができる。
【0021】上記第2基板2は、例えば、合成樹脂から形成され、平面視で図示の左右に長い長方形を呈している。また、上記第2基板2は、一定間隔で幅方向に延びる複数の隆起部7が形成され、上記隆起部7に挟まれた領域に、第1基板1が取り付けられるようになっている。
【0022】上記隆起部7の高さは、第1基板1に付けられた粘着捕獲剤3よりも高くなるよう設定されている。このようにすることにより、第1基板1が取り付けられた状態の第2基板2を取り扱う際、上記隆起部7が粘着捕獲剤3の手指への付着を防止し、取扱い性が向上する。
【0023】上記第2基板2の隆起部7に挟まれた領域には、円形の突部8が形成されている。また、上記第2基板2と第1基板1との間には、上記突部8を囲うように略C字状の切れ込み5が形成された紙材4が挟まれている。そして、上記紙材4と第1基板1が切れ込み5の外側で接着剤6を介して接着されるとともに、上記紙材4と第2基板2の突部8が切れ込み5の内側で接着剤6を介して接着されている。
【0024】上記第2基板2の裏面には、両面テープ11からなる接着層が形成され、第1基板1が取り付けられた第2基板2を床面や壁面等に接着固定しうるようになっている。
【0025】このような構成により、第2基板2に第1基板1が取り外し可能に取り付けられている。すなわち、第1基板1上を歩行した小動物の手足に、粘着捕獲剤3によって第1基板1が接着される。そして、第1基板1は小動物の手足にひっついて持ち上げられ、紙材4が切れ込み5の端部からちぎれて第2基板2から外れるのである。このように、上記第2基板2に対する第1基板1の取り外し強度は、第2基板2裏面の両面テープ11の接着強度および粘着捕獲剤3の接着強度よりも弱く設定されている。
【0026】上記構成の小動物捕獲具は、例えばつぎのようにしてつくることができる。
【0027】すなわち、まず、図2(a)に示すように、四角形の第2基板2を準備する。上記第2基板2の表面には、対面するように配置された一対の隆起部7と、上記一対の隆起部7に挟まれた突部8とを1組として、上記隆起部7と突部8とが縦横に並べて形成されている。この例では、各隆起部7が横方向に延びるように配置されている。
【0028】一方、図2(b)に示すように、横方向に並んで対面する隆起部7同士の間に入るような短冊状の紙材4を準備する。上記紙材4には、あらかじめ、突部8に対応する部分に、対向するC字状の切れ込み5を形成させておく。そして、図2(a)において斜線で示すように、上記第2基板2の突部8の表面に接着剤を塗布し、図3(a)に示すように、紙材4の切れ込み5に挟まれた部分を突部8に対応させるように位置決めし、第2基板2と紙材4とを接着する。
【0029】ついで、図3(b)に示すように、上記紙材4を覆うような短冊状の第2基板2を準備する。上記第2基板2の表面には、粘着捕獲剤3が塗布されている。また、上記第2基板2には、その両側部に、長手方向に延びる位置決め穴9が穿設され、上記位置決め穴9に、横方向に延びるように配置された隆起部7が嵌入されることにより、紙材4に対する位置決めが行なわれるようになっている。
【0030】つぎに、図3(a)において斜線で示すように、上記紙材4の切れ込み5の外側の部分に接着剤を塗布し、図4に示すように、隆起部7を位置決め穴9に嵌入させて紙材4に対する位置決めを行い、紙材4と第1基板1とを接着する。
【0031】そののち、図5に示すように、横に並んだ隆起部7同士の間に、細長い短冊状のあて紙10をあて、このあて紙10の部分(図示の矢印Cで示す箇所)から積層体を切断することにより、本発明の小動物捕獲具が得られる。
【0032】上記構成の小動物捕獲具は、例えばつぎのようにして用いることができる。
【0033】すなわち、まず、下面に貼着された両面テープ11の剥離紙(図示せず)を剥離除去して粘着面を露出させる。ついで、上記両面テープ11の粘着面を床面や壁面等の小動物の通り道に設置する。このとき、隆起部7の高さが粘着捕獲剤3よりも高くなるよう設定されているため、上記隆起部7を押えることにより第2基板2を壁面等に強固に接着させることができる。
【0034】そして、第1基板1上を歩行した小動物の手足に、粘着捕獲剤3によって第1基板1が接着され、第1基板1は小動物の手足にひっついて持ち上げられ、紙材4が切れ込み5の端部からちぎれて第2基板2から外れる。そして、壁面を駆け上る小動物の手足に第1基板1を接着して壁面から落下させることができる。このとき、落下しうる領域におおきなシート状の粘着捕獲具を仕掛けることにより、落下してきた小動物を確実に粘着捕獲できる。
【0035】ここで、上記第2基板2に対する第1基板1の取外し強度が、第2基板2裏面の両面テープ11の接着強度および粘着捕獲剤3の接着強度よりも弱く設定されていることから、小動物の手足に接着された第1基板1が、第2基板2を壁面等に残したまま容易に第2基板2から外れ、小動物を壁面等から落下等させることができる。
【0036】このように、上記小動物捕獲具では、粘着捕獲剤の付着面を上にして小動物の通り道等に設置すると、第1基板1上を歩行した小動物の手足に、小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定された第1基板1が強固に接着する。このように、手足に第1基板1が接着すると、小動物は自由な歩行が阻害され、壁面等を駆け上ることもできなくなる。したがって、本発明の粘着捕獲具の近傍に従来の大きな基板の粘着捕獲具を仕掛けることにより、歩行能力が阻害された小動物を容易かつ確実に捕獲することが可能となる。しかも、手足に第1基板1が接着すると、壁面等を上れなくなって巣に戻ることが困難になるとともに食餌行為が阻害され、餌を摂れなくなって体力を低下させ、最終的には餓死に至らせることが可能となる。
【0037】上記実施の形態では、切れ込み5を設けた紙材4を介して第2基板2に第1基板1を取外し可能に取り付けたが、上記紙材4を用いるのではなく、第2基板2の突部8に剥離強度の比較的弱い接着剤を塗布して仮接着し、第2基板2に第1基板1を取外し可能に取り付けるようにしてもよい。このとき用いられる接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤の一種やでんぷんのり等をあげることができる。
【0038】図6は、本発明の第2の実施の形態の小動物捕獲具である。このものは、第2基板2が、上面に開放する断面コ字状に形成され、コ字状の両縁部13が隆起部として機能する。そして、上記第1基板1は、紙材4を介して第2基板2に接着されるのではなく、上記コ字状の両縁部13に、貼着されたテープ材12によって第1基板1が第2基板2に取外し可能に取り付けられている。それ以外は、上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このものでも、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0039】図7は、本発明の第3の実施の形態の小動物捕獲具である。このものは、第2基板2が、表面に格子状の枠部14が形成され、上記枠部14により升目状に区分されている。そして、上記枠部14が隆起部として機能するとともに、上記区分された各領域に第1基板1が収容されている。上記第1基板1は、上面に開放する浅箱状で、内部に粘着捕獲剤3が塗布されている。このものは、壁面等に取り付けるのではなく、床面等に設置して用いられる。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このものでも、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の小動物捕獲具によれば、粘着捕獲剤の付着面を上にして小動物の通り道等に設置すると、第1基板上を歩行した小動物の手足に、小動物の身体より小さく上記小動物の手足よりやや大きめの寸法に設定された第1基板が強固に接着する。このように、手足に第1基板が接着すると、小動物は自由な歩行が阻害され、壁面等を駆け上ることもできなくなる。したがって、本発明の粘着捕獲具の近傍に従来の大きな基板の粘着捕獲具を仕掛けることにより、歩行能力が阻害された小動物を容易かつ確実に捕獲することが可能となる。しかも、手足に第1基板が接着すると、壁面等を上れなくなって巣に戻ることが困難になるとともに食餌行為が阻害され、餌を摂れなくなって体力を低下させ、最終的には餓死に至らせることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】301014786
【氏名又は名称】山崎 収一
【出願日】 平成13年3月26日(2001.3.26)
【代理人】 【識別番号】100109472
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 直之
【公開番号】 特開2002−281883(P2002−281883A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−88269(P2001−88269)