| 【発明の名称】 |
有害鳥獣用牧柵 |
| 【発明者】 |
【氏名】會田 豊治
|
| 【要約】 |
【課題】水田放し飼いのアヒル・合鴨などを有害鳥獣から守り、設置及び回収が簡便な有害鳥獣用牧柵を提供する。
【解決手段】広いスパンの間の柵柱本体1と柵柱固定型ブロック2は、それぞれにおいて設置位置及び据付け角度調整ができ、取付け・取外しも自在とし、また前記柵柱本体1の固定化を安定させるために長さ調整可能な補助支持棒10を具備し、その取付け・取外しが自在であって、防護ネット15及び線条21がネット上部ワイヤー17とネット下部ワイヤー18支持のもとで、自在に包囲移動して取付できるカーテン方式にし、防護する箇所を立体とする側部面の他に上部面においても防護ネット15若しくは線条21を形成し、必要に応じて前記の防護する上部面に衝撃電気を流すことができ、またほ場区画内を中間仕切り柵によって複数に分割及び解除する装備を具備した省力化対策の有害鳥獣用牧柵である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 柵柱本体及び柵柱固定型ブロックにおいて、それぞれが取付け・取外しを自在とし、また前記柵柱の固定化を安定させるために長さ調整可能な補助支持棒を具備し、その取付け・取外しが自在である構造を特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【請求項2】 前記牧柵を構成する防護ネット及び線条が、それぞれのスパンの間の柵柱本体及び柵柱固定型ブロックに取付けてある上端部及び下端部ワイヤー支持のもとで、自在に包囲移動できるカーテン方式を特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【請求項3】 前記請求項1の柵柱本体及び柵柱固定型ブロックの間が、据付固定位置を必要に応じて前後移動調整でき、また前記柵柱本体の据付角度の調整もできる構造を特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【請求項4】 前記請求項1・2・3の牧柵を利用して、防護する所が立体とする側部面の他に上部面においても防護ネット及び線条を形成し、また必要に応じて前記の防護する上部面の箇所に衝撃電気を流すことも可能で、前記防護ネット及び線条の使用材質は、鋼線・綿質製・ビニール質製を利用した構造を特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【請求項5】 前記請求項1・2・3・4の牧柵を利用して、ほ場区画内を自然対応型上下動作方式による中間仕切り柵によって、複数の区画に分割及び解除することが、自在にできる装置を具備することを特徴とする有害鳥獣用牧柵である。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、有害鳥獣用牧柵に関する。特に本発明は水田にアヒル・合鴨放し飼いの有害鳥獣用牧柵装置及び方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の牧柵は、家畜である羊・牛・馬などの適応する仕様構造のものであった。例えば、(1)特開平6−237662号公報に開示されているように、家畜を強制若しくは半強制的に衝撃電気を利用して、前記家畜を誘導する装置。(2)特開平8−112055号公報に開示されているように、家畜などの外部からの侵入防護手段を、立体とする側部面を対象にした電気柵である。 【0003】また一般的な牧柵施設は、設置期間が1年以上の継続的設置であり、設置場所も水田のような畦畔の幅の狭い箇所でないため、境界線上において作業上の支障及び制約が発生しないこと。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】水田での牧柵利用期間は田植え後から出穂期前後の一定期間のため、それ以外の期間は不要である。同時に前記牧柵が凸起しているため、作付・収穫・管理作業に支障を及ぼすため、不要の時点で速やかに回収しなければならなく、その設置及び回収作業に大変な労力を必要とし、大きな出費となる。 【0005】水田区画ほ場に前記牧柵を設置する場所は、主に幅の狭い畦畔であるため、空間スペースがなく、イネ作付後の管理作業に支障を及ぼす問題がある。特に前記牧柵の設置は、ほ場の隣地境界線所有者が他人である場合、凸起物が通行を伴う作業に、支障の出ることがないよう注意を払った設置をしなければならない。 【0006】前記牧柵は、防護する個所が立体とする側部面のみを主とするものであって、イネ栽培ほ場で、アヒル・合鴨放し飼いして除草・害虫の採喰駆除する場合に、上部面から飛来する鳶・カラスなどの餌食として犯されやすく、前記除草・害虫駆除効果が芳しくない所が少なくなかった。 【0007】水田におけるアヒル・合鴨などの放し飼いの場合、隅々まで行き届く除草及び害虫の採喰効果を上げるには、特に100a区画規模の場合、牧柵を複数に区画を分割若しくは解除して、アヒル・合鴨の集団的和合型移動の特性を利用し、誘導でない自然対応型で適宜前記アヒル・合鴨移動しないと前記除草・害虫の均等効果が芳しくない。 【0008】本発明は、このような、前記牧柵利用の生産現場で、従来の牧柵仕様の困窮な実情に着目して考案なされたものであって、その牧柵利用期間において設置と回収が簡便で、しかも前記牧柵の設置場所となる隣地境界線上及び畦畔を利用する管理作業が、良好な環境のもとで経営規模拡大ができ、生産コスト低減に寄与する有害鳥獣用牧柵を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の牧柵は、柵柱本体及び柵柱固定型ブロックにおいて、それぞれが取付け・取外しを自在とし、また前記柵柱の固定化を安定させるために長さ調整可能な補助支持棒を具備し、その取付け・取外しが自在である構造を特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【0010】上記によると、ほ場で、縦方向及び横方向に複数設置する柵柱本体と柵柱固定型ブロックの使用数及び材質規格は、設置及び回収作業効率優先を基本とし、最小限度の数にするため、防護ネット及び線条設置時における引張及び風荷重に耐える構造計算で求めた仕様のものを用いる。そして、前記柵柱本体をサポートする補助支持棒は、ほ場の変化に伴う不正形ほ場などの必要箇所に適宜使用する。 【0011】請求項2記載の牧柵は、前記牧柵を構成する防護ネット及び線条が、それぞれのスパンの間の柵柱本体及び柵柱固定型ブロックに取付けてある上端部ワイヤーと下端部ワイヤー支持のもとで、自在に包囲移動できるカーテン方式を特徴とする有害鳥獣用牧柵装置である。 【0012】上記によると、柵柱本体及び柵柱固定型ブロックに上端部ワイヤー及び下端部ワイヤーを取付時点で、予め、防護ネットとその両端部耳紐に付着のネットリングが、それぞれのワイヤー上で自在に移動できる状態で取付けてあるものを用いて、それぞれのスパンごとの柵柱本体及び柵柱固定型ブロックのワイヤーリングに、防護ネットの上端部ワイヤー及び下端部ワイヤーをそれぞれ固定する。 【0013】その時、それぞれの上端部及び下端部ワイヤーの端部を、ワイヤー締め具を用いて、それぞれのスパンにおいて適度の強さに張る。同時に下端部ワイヤーと地面との空間を少なくするために、アンカーを用いて前記空間調整を図る。 【0014】請求項3記載の牧柵は、前記請求項1の柵柱本体及び柵柱固定型ブロックの間が、据付固定位置を必要に応じて前後移動調整でき、また前記柵柱本体の据付角度の調整もできる構造を特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【0015】上記によると、ほ場の変化に伴うために、予め牧柵設置場所の事前調査をし、管理作業などの通行に適応する設置位置調整及び据付け角度調整して設置する。 【0016】請求項4記載の牧柵は、前記請求項1・2・3の牧柵を利用して、防護する位置が立体とする側部面の他に上部面においてもネット及び線条を形成し、また必要に応じて前記の防護する上部面の箇所に衝撃電気を流すことが可能で、前記防護するネット及び線条の使用材質は、鋼線・綿質製・ビニール質製を利用した構造を特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【0017】上記によると、設置及び回収効率の高い前記牧柵の設置は、立体とする側部面にビニール質製ネットを利用し、上部面に綿質製若しくはビニール質製の線条の利用を基本とする。また飛来する有害鳥類で、上部面防護対策を強化する手段として、線条を用いた衝撃電流を流すことができる。 【0018】請求項5記載の牧柵は、前記請求項1・2・3・4の牧柵を利用して、ほ場区画内を自然対応型上下動作式による中間仕切り柵によって、複数の区画に分割及び解除することができる装置を具備することを特徴とする有害鳥獣用牧柵である。 【0019】上記によると、前記柵柱本体及び柵柱固定型ブロックに、中間仕切り柵上下支持枠を設け、その固定枠上を、ネット若しくは線条を利用した一体の中間仕切り柵上下動作枠が向側方向と対を形成して、上下に動作することで、ほ場区画内を複数に分割及び解除することを可能にする。必要に応じて前記線条に衝撃電気を流すことも可能とする。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る牧柵の実施の形態を図面を参照にして説明する。 【0021】図1において、柵柱固定型ブロック2を示し、境界線上の問題及び作業上の支障にならないことを考慮し、土中に適度の深さに据付け後、土を埋め戻し周辺部を十分突き固め、適宜養生期間を置いた後に、図2で示す柵柱本体差込凸部3を固定型ブロック受入凹部4に差込む。また牧柵回収作業の時は、柵柱本体1を柵柱固定型ブロック2から引抜くだけで可能とし、同時にその後の管理作業などの通行において安全を確保するため、図2が示すように固定型ブロック受入凹部4の上端部に安全蓋8をする。 【0022】前記柵柱本体差込凸部3を挿入後、柵柱本体1の下部と一体の柵柱本体プレート5を図3で示すように、プレート標準設定(a)からプレート前後移動(b)に調整後、固定ボルト6で堅結する。補強リブ7は、柵柱本体1と柵柱本体プレート5を補強するものである。 【0023】図4は、柵柱本体1の安定性を保つためのサポータである補助支持棒10を示したものである。柵柱リブ9に補助支持棒10を図示していないボルトで固定し、前記補助支持棒10の脚部を田んぼの土中に挿入し長さの調整を図る。同時に補助支持棒長さ調整ロックピンの差込み穴11に、図示してないロックピンを差込み、更にロックピン締付調整ネジ12を回転し、伸張の微調整を図る。 【0024】図5・図6及び図1に示す防護ネット15を柵柱本体1と柵柱固定型ブロック2に取付けるに当たり、予め、防護ネット上端部と下端部のそれぞれの耳紐に複数個付いているネットリング16に、ネット上部ワイヤー17とネット下部ワイヤー18を通しておく。 【0025】そして、上端ワイヤーリング13及び下端ワイヤーリング14に、ネット上部ワイヤー17及びネット下部ワイヤー18それぞれを、図示しないワイヤー締付具で適度の強さに張りワイヤー留め具20で固定する。ネットリング16とネット上部ワイヤー17及びネット下部ワイヤー18の構成で、カーテン方式の作用を利用して防護ネット15をスパン上で十分張った状態に展開してから、前記防護ネット15端部を固定する。また図6で示すように電源導入線23及び線条21を碍子22で支持固定する。 【0026】その後に防護ネット15下端部と地面の空間の空きを少なく保つため、地中アンカー19を必要箇所に複数個用いて前記防護ネット15を留める。 【0027】図7は、柵柱本体1及び防護ネット15上部を拡大表示したもので、上端部ワイヤ―リング13にネット上部ワイヤー17を通し、ワイヤー留め具20を利用して固定した状態を示す。 【0028】図8は、牧柵の概要及び牧柵の立体とする上部面において、線条21を利用した防護を示し、柵柱本体1に線条21及び電源導入線23を固定する碍子22で形成して、それぞれのスパンに張り巡られてある線条21から更に向側方向並列において線条21を必要とする複数本、張り巡らすことで前記上部面の防護作用を成す。線条21の材質選択及び衝撃電流の導入は、有害鳥類の変化に適宜対応する。 【0029】図9は、水田100アール区画ほ場用の牧柵を示した関係配置図であって、柵柱本体1及び柵柱固定型ブロック2一体を形成するものが、ほ場周囲の農道24に4個及び左右と奥の畦畔25に10個を配置した有害鳥獣用牧柵である。また左右の畦畔の間を柵柱本体1の上部を利用して線条21、7本設置してある。 【0030】図10及び図11に示すように、柵柱本体1及び柵柱固定型ブロック2に固定金具28を利用して中間仕切り柵上下支持枠29を取付て、複数(5本)の線条21を向側方向と対を形成した一体の中間仕切り柵上下動作枠30を、前記中間仕切り柵上下支持枠29上において上下動作することにより、区画の分割及び解除を自在に繰返すことを可能にしてある。 【0031】図10は、ほ場区画自然対応型上下動作式中間仕切り柵使用時(c)で、区画の分割を示し、図11は、ほ場区画自然対応型上下動作式中間仕切り柵未使用時(d)で、区画の解除を示している。 【0032】 【発明の効果】請求項1記載による発明によれば、柵柱のスパンを広くすることが牧柵の設置・回収作業の省力化につながることから、ほ場に柵柱固定型ブロックを一度設置することにより後は、柵柱本体の取付・取外しを繰返すのみでよく、毎年の設置及び回収作業の省力化を可能とする。従って、柵柱の取付・取外しに生じる過酷な力を必要とせず、大幅な作業労力改善ができ、経費の節減と大規模面積の水田のアヒル・合鴨放し飼いが可能である。 【0033】また補助支持棒を用いることで、柵柱固定型ブロックの小型化を可能とし、特に不正形ほ場などの使用に効果を発揮する。 【0034】請求項2記載による発明によれば、広いスパンの間を、カーテン方式によって防護ネットを展開することで、効率のよい牧柵の設置・回収作業を可能にする。 【0035】請求項3記載による発明によれば、柵柱本体の設置に当たり、特に畦畔を利用する管理作業などで通行に支障来さない角度に傾斜させること。また前記同様に柵柱本体プレート移動調整し、畦畔上における空間を保つことで、境界線上における良好な環境構築ができる。 【0036】請求項4記載による発明によれば、飛来する有害鳥類に対して線条を利用することで、立体とする上部面を防護することができる。特に水田アヒル・合鴨の放し飼いの場合、立体とする側部面及び上部面が一体の効果を発揮しない限り、牧柵の使命は無に近い。 【0037】請求項5記載による発明によれば、大区画の水田ほ場内を、簡便な中間仕切り柵の導入で、複数に区画を分割及び解除することができ、水田アヒル・合鴨などの放し飼い移動が、誘導方式でない自然対応型であることで、驚嘆挙動の発生が起こりにくく、イネの踏み潰し防止できることから、除草・害虫の採喰駆除の均等な効果を期待できる。 【0038】以上説明したように本発明の牧柵は、JAS法に基づく有機米栽培を一般農家の生産者に普及させることを可能にする。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】391038039 【氏名又は名称】會田 豊治
|
| 【出願日】 |
平成13年3月8日(2001.3.8) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−262755(P2002−262755A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月17日(2002.9.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−65617(P2001−65617) |
|