トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 走行式防除機
【発明者】 【氏名】宮崎 昌宏

【氏名】荒木 琢也

【氏名】東 邦道

【要約】 【課題】ポンプ容量を大きくしなくても、片側散布のみのアーム噴管を往復して使用することにより従来の両側散布のものと同じ面積の散布ができると共にアーム噴管を折り畳むことにより狭い場所でのアーム噴管の旋回が可能となって作業性が良くなる走行式防除機を得る。

【解決手段】複数個の噴口8を有しかつ走行車体1の一側方に突出したアーム噴管7を備え、かつこのアーム噴管7は折り畳み,引き延ばしが自在でしかもアーム根元の部分で水平方向に旋回して左右両側方の各突出位置にそれぞれ止めて自在に使用できるようにしてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個の噴口を有しかつ走行車体の一側方に突出したアーム噴管を備え、かつこのアーム噴管は折り畳み,引き延ばしが自在でしかもアーム根元の部分で水平方向に旋回して左右両側方の各突出位置にそれぞれ止めて自在に使用できるようにしたことを特徴とする走行式防除機。
【請求項2】 走行車体上の手元の一操作により、アーム噴管の折り畳み,旋回,引き延ばしが一連の動きとして行えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の走行式防除機。
【請求項3】 アーム噴管を、アーム根元の部分で上下方向の位置に変更調節できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の走行式防除機。
【請求項4】 走行車体上の手元の一操作により、アーム噴管の上昇,折り畳み,旋回,引き延ばし,降下が一連の動きとして行えるようにしたことを特徴とする請求項3記載の走行式防除機。
【請求項5】 アーム噴管を水平面に対して傾斜する位置に止めて使用できるようにしたことを特徴とする請求項1または3記載の走行式防除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は走行式の防除機に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の走行式防除機は、広域散布を考えて、走行車体の左右両側にそれぞれ噴管を突出させてこの左右両側の各噴管から一斉に散布しているので、送液ポンプによる送液力が左右両側の噴管に二分されるために、ポンプの容量をその分片側散布のものに比べて大きくする必要がある。
【0003】また、傾斜畑や傾斜樹園地において、散布精度を向上させるためには、アーム噴管と作物との距離を一定にする必要がある。
【0004】さらに、小区画圃場や傾斜地園では、作物が密植されているために、本機が旋回する枕地をできるだけ小さくする必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る走行式防除機はかかる問題点を解消するためになされたもので、ポンプ容量を大きくしなくても、片側散布のみのアーム噴管を往復して使用することにより従来の両側散布のものと同じ面積の散布ができると共に、アーム噴管を折り畳むことにより狭い場所でのアーム噴管の旋回が可能となって作業性が良くなるし、またアーム噴管のみを旋回させることにより本機を旋回させる裸地を少なくできるので片方の作業場端まで作物が栽植されていても円滑に散布操作が行えるし、さらに本機の旋回をしなくてもよいので本機自体を旋回させる操作回数が少なくなって安全な作業が確保できる。
【0006】請求項2の発明に係る走行式防除機は、走行車体上の手元の一操作によりアーム噴管の折り畳み,旋回,引き延ばしが一連の動きとして行えることにより、作業方向を切り換えて往復する時にアーム噴管を折り畳んで旋回させた後,引き延ばすという一連の動作を手元の一操作で行える。
【0007】請求項3の発明に係る走行式防除機は、アーム噴管をアーム根元の部分で上昇させてから旋回させることにより旋回時にアーム噴管が茶樹等の作物に触れて作物を痛めないし、散布精度を向上させるためにアーム噴管を上げ下げできるのでアーム噴管と作物との間隔を適正なものに自在に調節できる。
【0008】請求項4の発明に係る走行式防除機は、走行車体上の手元の一操作によりアーム噴管の上昇,折り畳み,旋回,引き延ばし,降下が一連の動きとして行えることにより、作業方向を切り換えて往復する時にアーム噴管を上げてから折り畳んで旋回させた後,引き延ばして下げるという一連の動作を手元の一操作で行える。
【0009】請求項5の発明に係る走行式防除機は、アーム噴管を水平面に対して傾斜する位置に止めて使用できることにより、傾斜畑や傾斜樹園地であってもアーム噴管を傾けて傾斜に合わせられるので、アーム噴管と作物との距離が一定になって散布精度が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.請求項1,2の発明の一実施の形態を図1〜図3について説明する。図1は正面図、図2は図1を右からみた図、図3は作業場を示す図である。
【0011】図において、1はエンジン2により走行する走行車体、3は走行車体1の操作ハンドル、4はエンジン2により駆動されるホース巻取機、5は走行車体1の前方に保持部材6により回転自在に立設された導液管、7は導液管5の上端に接続されかつ水平方向に延びてその中央部で二つ折り構造になっているアーム噴管、8はアーム噴管7に固定した枝管9に複数個づつ配設した噴口、10はアーム噴管7を二つ折りにしたり,引き延ばしたりするためのパワーシリンダー、11はアーム噴管7を走行車体1の左右両側の位置にそれぞれ止めるためのリミットスイッチで、アーム噴管7の旋回時の位置決めを行う。
【0012】12はホース巻取機4に巻収したホース、13はホース12に防除液を供給するためのセットエンジン付き送液ポンプ、14は防除液の収容タンクで、この収容タンク14と送液ポンプ13は図3に示すように軽トラックに搭載されている。なお、導液管5は、その下部を図示しないがホース12のホース巻取機4側端部に接続されると共にモータ15により保持部材6内で回転するようになっている。
【0013】今、図3に示す作業場(ここでは茶畑をいう)の状態において、ホース12をホース巻取機4から後方に繰り出しながら本機を茶樹間の通路16に沿って前進(図中右向き)させる。このときアーム噴管7が通路16の上方に突出し、送液ポンプ13により収容タンク14内の防除液がホース12から導液管5を通ってアーム噴管7に送液されて各噴口8から散布されるので、通路16の上方の二列の茶樹に防除液が散布される。
【0014】そして、通路16の終点に達すると、アーム噴管7をパワーシリンダー10の引っ張り力により二つ折りにした後、モータ15により導液管5を回転させて二つ折りのアーム噴管7を旋回(この場合図中矢印で示すように走行車体1の後方側に旋回する)させ、走行車体1の左側から右側に移動させる。リミットスイッチ11の作動によりアーム噴管7が右側方の位置に停止すると、パワーシリンダー10の押し出し力により引き延ばし、アーム噴管7がリミットスイッチ11により右側方に突出した位置で固定される。
【0015】この状態のまま本機を通路16に沿って後進させると、今度は通路16の下方の二列の茶樹に防除液が散布される。この時、ホース巻取機4によりホース12を巻き取りながら本機は後進する。
【0016】このように本機が通路16を一往復することにより、左右両側の二条づつの計四条の茶樹に広域散布ができる。しかも、この場合送液ポンプ13としてはアーム噴管7が片側にあるので、小容量のポンプで散布が可能になる。
【0017】なお、図示のものでは二条一括散布を行うアーム噴管7を示したが、一括散布の行う条数に制限はなくアーム噴管7の長さを適宜選択すればよいし,その噴口8も枝管9を設けずにアーム噴管7に直に設けても良い。
【0018】次に、アーム噴管7を旋回させる際の一連の動作,つまりアーム噴管7を二つ折りするためのパワーシリンダー10の駆動と、アーム噴管7を180度旋回させるための導液管5の回転のためのモータ15の駆動と、リミットスイッチ11により旋回が停止した後でアーム噴管7を引き延ばすためのパワーシリンダー10の駆動との各動作が操作ハンドル3の位置で行えるので、手元の一操作によりアーム噴管7の折り畳み,旋回,引き延ばしが一連の動きとして行える。
【0019】実施の形態2.請求項3,4の発明の一実施の形態を図4について説明する。図4は要部のみを示す斜視図で、図中前記実施の形態1のものと同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0020】図において、17は保持部材6に上下動可能に支持した昇降部材、18は昇降部材17を上下方向の位置に変更調節するための昇降用動力機構(モータ)、19は導液管5の上端部分にあってアーム噴管7の根元を枢支する横軸、20はアーム噴管7を横軸19を支点として上下動させるためのアーム傾き度調節用パワーシリンダー、21は昇降部材17に回転自在に保持された導液管5を水平方向に旋回させるための旋回用動力機構(モータ)である。
【0021】このように昇降用動力機構18により昇降部材17を上下方向の位置に変更調節できるようにしておくと、アーム噴管7を二つ折りする前に上昇させ,アーム噴管7を上昇させたまま旋回させることができるので、旋回時にアーム噴管7が茶樹に触れて茶樹を痛めないし、また旋回後アーム噴管7を降下位置に決める時に茶樹との間隔を適正なものに自在に調節できる。
【0022】そして、アーム噴管7を旋回させる際の一連の動作,つまりアーム噴管7を上昇させるための昇降用動力機構18の駆動と、アーム噴管7を二つ折りするためのパワーシリンダー10の駆動と、アーム噴管7を180度旋回させるための導液管5の回転のための旋回用動力機構21の駆動と、リミットスイッチ11により旋回が停止した後でアーム噴管7を引き延ばすためのパワーシリンダー10の駆動と、アーム噴管7を降下させるための昇降用動力機構18の駆動との各動作が操作ハンドル3の位置で行えるので、手元の一操作によりアーム噴管7の上昇,折り畳み,旋回,引き延ばし,降下が一連の動きとして行える。
【0023】実施の形態3.請求項5の発明の一実施の形態を図4について説明する。図4に示すようにアーム傾き度調節用パワーシリンダー20によりアーム噴管7を横軸19を支点として上下動するようにしておくと、傾斜畑や傾斜樹園地である場合にその傾斜に合わせてアーム噴管7の傾き度を調節できるので、傾斜畑や傾斜樹園地の散布であっても茶樹に対する各噴口8の距離を一定にでき散布精度の向上が図れる。
【0024】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によればポンプ容量を大きくしなくても、片側散布のみのアーム噴管を往復して使用することにより従来の両側散布のものと同じ面積の散布ができると共に、アーム噴管を折り畳むことにより狭い場所でのアーム噴管の旋回が可能となって作業性が良くなるし、またアーム噴管のみを旋回させることにより本機を旋回させる裸地を少なくできるので片方の作業場端まで作物が栽植されていても円滑に散布操作が行えるし、さらに本機の旋回をしなくてもよいので本機自体を旋回させる操作回数が少なくなって安全な作業が確保できるという効果が得られる。
【0025】請求項2の発明によれば走行車体上の手元の一操作によりアーム噴管の折り畳み,旋回,引き延ばしが一連の動きとして行えるので、作業方向を切り換えて往復する時にアーム噴管を折り畳んで旋回させた後,引き延ばすという一連の動作を手元の一操作で行えるという効果が得られる。
【0026】請求項3の発明によればアーム噴管をアーム根元の部分で上昇させてから旋回させるので旋回時にアーム噴管が茶樹等の作物に触れて作物を痛めないし、散布精度を向上させるためにアーム噴管を上げ下げできるのでアーム噴管と作物との間隔を適正なものに自在に調節できるという効果が得られる。
【0027】請求項4の発明によれば走行車体上の手元の一操作によりアーム噴管の上昇,折り畳み,旋回,引き延ばし,降下が一連の動きとして行えるので、作業方向を切り換えて往復する時にアーム噴管を上げてから折り畳んで旋回させた後,引き延ばして下げるという一連の動作を手元の一操作で行えるという効果が得られる。
【0028】請求項5の発明によればアーム噴管を水平面に対して傾斜する位置に止めて使用できるので、傾斜畑や傾斜樹園地であってもアーム噴管を傾けて傾斜に合わせることができ、アーム噴管と作物との距離が一定になって散布精度が向上するという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000183842
【氏名又は名称】初田工業株式会社
【出願日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−238432(P2002−238432A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−205479(P2001−205479)