| 【発明の名称】 |
薬剤揮散装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鎌谷 光宣
【氏名】野村 美治
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| 【要約】 |
【課題】当該薬剤揮散装置に関わる特定部品の使用寿命が経過したこと等を正確に外部に表示可能な薬剤揮散装置を提供する。
【解決手段】薬剤揮散装置10は、外気にさらされることで時間測定を開始した後所定時間が経過したことを表示可能な計時手段24を外部から目視可能な状態で収納するとともに通気開口23が設けられたハウジング21aを有するインジケータ25と、当該薬剤揮散装置の作動を調節するスイッチ16とを備え、更に、スイッチ16の状態に応じて通気開口23を開閉する蓋部材15を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外気にさらされることで時間測定を開始した後所定時間が経過したことを表示可能な計時手段を外部から目視可能な状態で収納するとともに通気開口が設けられたハウジングを有するインジケータと、当該薬剤揮散装置の作動を調節するスイッチとを備えた薬剤揮散装置であって、前記スイッチの状態に応じて前記通気開口を開閉する蓋部材を備えたことを特徴とする薬剤揮散装置。 【請求項2】 前記蓋部材が前記スイッチの動きに連動して前記通気開口を開閉することを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散装置。 【請求項3】 外気にさらされることで時間測定を開始した後所定時間が経過したことを表示可能な計時手段を外部から目視可能な状態で収納するとともに通気開口が設けられたハウジングを有するインジケータと、有効成分を保持した薬剤保持体と、前記薬剤保持体に気流を当てるファンと、該ファンの作動を調節するスイッチとを備えた薬剤揮散装置であって、前記スイッチの動きに連動して前記通気開口を開閉する蓋部材を備えたことを特徴とする薬剤揮散装置。 【請求項4】 前記通気開口が前記ハウジングの上面に設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤揮散装置。 【請求項5】 前記ハウジングの収納空間が、前記計時手段の厚さの2倍以上の深さを有することを特徴とする請求項4に記載の薬剤揮散装置。 【請求項6】 前記蓋部材が前記通気開口を開いた際に、その蓋部材が前記ファンからの気流を前記通気開口へと案内することを特徴とする請求項3に記載の薬剤揮散装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、当該薬剤揮散装置に関わる特定部品の使用寿命が経過したこと等を外部に表示するためのインジケータを備えた薬剤揮散装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、薬剤揮散装置として、スイッチ操作により薬剤の揮散を調節するものがある。例えば、有効成分を保持した薬剤保持体を筐体内に支持し、筐体内に装備されたファンより生起する気流を前記薬剤保持体に当てて、有効成分を筐体外に揮散させるものがある。ファンは、筐体に備えられたスイッチをオンされることで作動する。 【0003】このような薬剤揮散装置には、インジケータが備えられたものがある。薬剤揮散装置は使用を重ねるうちに、揮散によって薬剤保持体に保持された有効成分の残量が減っていき、ついには薬剤保持体の交換等が必要となる。インジケータは、薬剤保持体を使用し始めた時から計時を開始し、その後所定時間が経過したら、計時開始から所定時間が経過したことを外部に表示する。インジケータとしては、外気にさらされることで体積が小さくなっていく昇華性物質を用いたもの等が使用されている。ユーザーは、インジケータを観察することで、薬剤保持体の交換時期を知ることができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述したような薬剤揮散装置では、スイッチがオンされてファンより生起する気流が薬剤保持体に当てられた時のみに、実質的に薬剤保持体から有効成分が揮散されていく。しかし、従来のインジケータでは、このようにスイッチのオン/オフに応じて薬剤保持体から有効成分が揮散されたりほとんど揮散されなかったりすることが考慮されていなかった。したがって、薬剤保持体の交換時期を正確に表示することができず、結果としてユーザーが、まだ使用できる薬剤保持体を交換してしまったり、使用寿命がすでに経過した薬剤保持体を使用し続けてしまったりすることがあった。特に、薬剤保持体の使用寿命が長く設定されている場合にこのようなことが起こりやすかった。 【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、当該薬剤揮散装置に関わる特定部品の使用寿命が経過したこと等を正確に外部に表示可能な薬剤揮散装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前述した本発明の目的は、下記構成によって達成することができる。 ■ 外気にさらされることで時間測定を開始した後所定時間が経過したことを表示可能な計時手段を外部から目視可能な状態で収納するとともに通気開口が設けられたハウジングを有するインジケータと、当該薬剤揮散装置の作動を調節するスイッチとを備えた薬剤揮散装置であって、前記スイッチの状態に応じて前記通気開口を開閉する蓋部材を備えたことを特徴とする薬剤揮散装置。 ■ 前記蓋部材が前記スイッチの動きに連動して前記通気開口を開閉することを特徴とする前記■に記載の薬剤揮散装置。 ■ 外気にさらされることで時間測定を開始した後所定時間が経過したことを表示可能な計時手段を外部から目視可能な状態で収納するとともに通気開口が設けられたハウジングを有するインジケータと、有効成分を保持した薬剤保持体と、前記薬剤保持体に気流を当てるファンと、該ファンの作動を調節するスイッチとを備えた薬剤揮散装置であって、前記スイッチの動きに連動して前記通気開口を開閉する蓋部材を備えたことを特徴とする薬剤揮散装置。 ■ 前記通気開口が前記ハウジングの上面に設けられたことを特徴とする前記■〜■のいずれかに記載の薬剤揮散装置。 ■ 前記ハウジングの収納空間が、前記計時手段の厚さの2倍以上の深さを有することを特徴とする前記■に記載の薬剤揮散装置。 ■ 前記蓋部材が前記通気開口を開いた際に、その蓋部材が前記ファンからの気流を前記通気開口へと案内することを特徴とする前記■に記載の薬剤揮散装置。 【0007】前記■の構成によれば、スイッチの状態に応じてインジケータの通気開口の開閉度合いが蓋部材によって調節されるので、スイッチの状態に応じてその状態が変化したり消耗したりする特定の部品(薬剤保持体、電池等)の使用寿命や有効寿命を、インジケータによって正確に計って外部に表示することができる。前記■の構成によれば、蓋部材がスイッチの動きに連動して通気開口を開閉するので、蓋部材を動かすためのアクチュエータ等を別途設ける必要がなく、構成を簡素化できる。前記■の構成によれば、スイッチの状態に応じてインジケータの通気開口の開閉度合いが蓋部材によって調節されるので、スイッチの状態に応じて有効成分の残量が減っていく薬剤保持体の使用寿命や有効寿命を、インジケータによって正確に計って外部に表示することができる。なお、「薬剤保持体に気流を当てるファン」としては、ファンから薬剤保持体に向かう気流を生起させる押し出し式のものでもよいし、薬剤保持体からファンに向かう気流を生起させる吸い込み式のものでもよい。前記■の構成によれば、特定の部品の使用寿命や有効寿命をインジケータによって正確に計る機能が向上する。例えば、計時手段として昇華性物質を用いた場合、昇華性物質から生じる気体の比重が空気の比重より重いため、ハウジング内が昇華性物質で飽和した気体で充満されるようになる。このとき、昇華性物質で飽和した気体が緩衝材として機能し、昇華性物質をとりまく環境を常にほぼ一定とすることができる。したがって、環境変化に伴う、昇華性物質の蒸散速度のばらつきを顕著に抑制できるので、特定の部品の使用寿命や有効寿命をインジケータによって正確に計る機能が向上する。前記■の構成によれば、例えば計時手段として昇華性物質を用いた場合、緩衝材として機能する昇華性物質で飽和した気体の層の厚さを十分に確保でき、環境変化に伴う、昇華性物質の蒸散速度のばらつきを顕著に抑制できる。前記■の構成によれば、通気開口が開かれた際にはファンからの気流が蓋部材によってインジケータへと案内され、その気流が計時手段に当たる。これにより、通気開口が開かれた際の計時手段をとりまく環境を常にほぼ一定とすることができる。したがって、薬剤保持体の使用寿命や有効寿命を、インジケータによって正確に計る機能が向上する。 【0008】本発明において計時手段は、外気にさらされることで状態が変化するものであればよく、その形態は特に限定されない。例えば、昇華性物質の他に、経時的に縮小するようなゲル等も採用できる。また、減感剤の蒸散により顕色剤と色素が反応して担体が発色するような、計時を開始してから所定時間経過後に変色するもの(着色インジケータ)や、計時を開始してから所定時間経過後に担体に文字等が浮き出るものも採用できる。更に、気化性物質(香料、フィトンチッド、防錆剤、防カビ剤、防菌剤の中から適当なもの、たとえば色のあるもの、匂いのあるもの)などを選択使用できる。 【0009】昇華性物質としては、トリシクロ[3,3,1,13,7]デカン(商品名アダマンタン:出光石油化学株式会社製)、シクロドデカン(商品名アイサワ−D:出光石油化学株式会社製)、パラジクロルベンゼン、シュウノウ、ナフタリン、イソプロピルトリオキサン(商品名サンサブリ:小川香料株式会社製)、テトラヒドロジシクロペンタジエン(商品名TMN:出光石油化学株式会社製)等を例示できる。 【0010】薬剤保持体に保持させる有効成分としては、害虫防除剤、殺菌剤、芳香剤、消臭剤等を例示できる。害虫防除成分として代表的なものを、以下に例示する。 ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工業株式会社製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(一般名バイオアレスリン、商品名エスバイオール:ユクラフ社製) ・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名エキスリン:住友化学工業株式会社製) ・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン:商品名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・5−プロパギル−2−フリルメチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フラメトリン:商品名ピナミンDフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名プラレトリン、商品名エトック:住友化学工業株式会社製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル−dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート(一般名テラレスリン:住友化学工業株式会社製) ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン、商品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製) ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ネオピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリン:住友化学工業株式会社製) ・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ペルメトリン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製) ・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノトリン、商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジメチルビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名エンペントリン、商品名ベーパースリン:住友化学工業株式会社製) ・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート(一般名トランスフルスリン) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等。 【0011】また、上記した化合物に例えば構造上類似し、実質的には同様の薬効のある化合物も挙げることができる。例えばエンペントリンの場合3位の2個の置換基はメチル基であるが、その置換基として他のアルキル基、不飽和アルキル基又はハロゲン原子である化合物を用いることもできる。この他にも、フィプロニール、S−1295、イミプロトリンなどの殺虫剤やメトプレン(イソプロピル(2E−2E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−トリメチルドデカ−2,4−ジエノエート)、ピリプロキシフェン、82−[1−メチル−2−(フェノキシフェノキシ)エトキシ]ピリジン)などの昆虫幼若ホルモン、ジフルペンズロン(1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)、テフルベンズロン(1−(3,5−ジフルオロベンゾイル)ウレア)などの昆虫キチン形成阻害化合物などが挙げられる。 【0012】こうした中でも、常温で難揮散性のものが好ましく、さらに、プラレトリン、レスメトリン、バイオアレスリン、フラメトリン、テラレスリン、トランスフルスリンが特に好ましい。このような害虫防除成分は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。また、これらの類縁体も用いられる。これらのうち常温で揮散しやすいものについては、例えば、揮散を調整するためのカバーを設けたり、ポリブテン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン等の炭化水素類や、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ブチルなどのエステル類からなる揮散調整剤を併用したりすることで、難揮散性となり長時間にわたって害虫防除効果を得ることができる。 【0013】薬剤保持体に薬剤を保持させる際に、薬剤保持体に薬剤を容易に含浸させるための理由で液状薬剤を低粘度化する添加剤として、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシルなどの脂肪酸エステルやイソプロピルアルコール、ポリエチレングリコール、脱臭ケロシンなどの溶剤を必要に応じて使用することができる。また、薬剤保持体に薬剤を保持させる際に、その他の補助成分とともにこれを保持させることができ、例えば、蒸散促進用助剤として昇華性物質を添加すると揮散効果が高まってよい。害虫防除成分としてピレスロイド系化合物を使用する場合には、これに対して有効な既知の共力剤を混合することも好ましい。さらにBHTやBHAなどの酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加すると光、熱、酸化などに対する安定性が高まる。 【0014】薬剤保持体は、形態、材質、サイズ等を任意に設定できるが、簡単な構造で、通気性の大きいものが好ましい。例えば、ハニカム形状、すのこ形状、蛇腹形状、網形状、スリット形状、格子形状又は開孔を設けた紙類等の構造のものを採用できる。各セルの形状も本発明の効果の面では問題にならない。上記した以外の形状として、例えば6角形蜂の巣形状でも、円形状、S字形状でもよい。通気性ケース(枠体)中に、粒体、ブロック、粉砕物等を、通気性を阻害しないように収納した通気性担体も、薬剤保持体として使用しうる。 【0015】薬剤保持体を形成する材質は、有効成分を十分に保持できるものであれば特に限定されない。しかし、保持した有効成分を一時に揮散させるようなものより、要求される時間にわたって同じ量の有効成分を連続的に揮散させることができるような材質であることが好ましい。例えば紙類(濾紙、パルプ、リンター、厚紙、ダンボール等)、樹脂類(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、高吸油性ポリマー等)、セラミック、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、天然繊維(木綿、絹、羊毛、麻等)、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維、天然繊維等からなる不織布、編織布等の布綿、多孔性ガラス材料、多孔性金属材料、金網等が挙げられる。 【0016】また、薬剤保持体は、有効成分を含む薬剤を保持し、これらの一種又は二種以上を組み合わせて任意の形状にして使用するものであってもよい。薬剤保持体に有効成分等を保持させるには、薬剤保持体に薬剤を滴下塗布、含浸塗布、スプレー塗布等の液状塗布方法、液状印刷、はけ塗り等の方法、或いは薬剤保持体へ貼りつけする方法等を用いることができる。更に、使用する組成物が液状のものでない場合、或いは溶剤を使用しない場合、混練込み、塗布、印刷等の方法を適用できる。 【0017】薬剤保持体に保持される有効成分量は、通常、当該薬剤保持体の飽和含浸量までとするが、薬剤保持体に別途補給用容器を吸液材を介して連結することにより、長期間にわたり連続的に容器内の液がなくなるまで使用可能な形態にすることもできる。 【0018】ファンとしては、ロータリーファン、シロッコファン、ピエゾファン等を採用できる。薬剤揮散装置に電源を供給する手段としては、アルカリ電池、マンガン電池、水銀電池等を使用できる。太陽電池、カドニカ電池、蓄電池等も使用できる。また家庭用商用電源を用いてもよい。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の薬剤揮散装置の第1実施形態である害虫防除装置10を示す斜視図である。害虫防除装置10は、ファン12を内蔵した筐体11と、薬剤保持体20とを有している。薬剤保持体20は、略四角形枠状の枠体21と、枠体21の内側に設けられたハニカム状の薬剤保持部22とを有している。本実施形態では、薬剤保持体20にインジケータ25が一体的に設けられている。すなわち、枠体21の一部21aが四角形枠から外周側に突出されて、インジケータ25のハウジングとなっている。枠体21及びハウジング21aは、透明樹脂等の透明部材からなっている。ハウジング21a内には、昇華性物質からなる円盤状の計時手段24が収納されている。透明なハウジング21aを透して外部から計時手段24を目視できる。ハウジング21aの一方側(送風方向に見て上流側。図では下側)の面には、通気開口23が設けられている。 【0020】筐体11に内蔵されたファン12は、複数の翼を有しており、同様に筐体11に内蔵されたモータ(図示せず)とともに、いわゆる軸流送風機構を構成している。筐体11の電源保持部11aにセットされた電源からモータに電源が供給される。ここでは電源保持部11aが単1電池収納型になっている。モータが駆動されると、押し出し式のファン12による気流が生起し、筐体11の後面(図では下面)及び側面に設けられた吸気口11bから外気が吸引され、その外気が薬剤保持体20に当てられる。電源保持部として、複数種類の電池を収納可能なものを採用して、例えば、薬剤揮散装置10を屋外で短時間使用する際には容量が小さく軽い電池をセットし、薬剤揮散装置10を室内に固定して長時間使用する際には容量が大きい電池をセットする、などの使い分けができるようにすることもできる。 【0021】筐体11には、薬剤保持体20を筐体11内にセットするための取付開口13が設けられている。取付開口13を介して薬剤保持体20を筐体11内にセットすると、薬剤保持部22がファン12の送風方向下流側に隣接配置される。また、筐体11内に備えられた長方形板状の蓋部材15によって、インジケータ25の通気開口23が塞がれる。蓋部材15の通気開口23を塞ぐ部分(ここでは蓋部材15の中央部分)は、通気開口23を確実に塞げるような高い弾性を有する弾性部15aとされている。 【0022】筐体11内に薬剤保持体20をセットした後、複数のスリット状の揮散口14aが設けられた前面板14によって取付開口13を閉じることで、害虫防除装置10の使用準備が完了する。筐体11には、ファン12を回転・停止させるとともに蓋部材15を開閉移動させるスイッチ16が設けられている。このスイッチ16は、図1に示す状態においてファン12を停止(オフ)させ、蓋部材15によってインジケータ25の通気開口23を塞ぐものである。図中矢印Aで示すように、スイッチ16を筐体11の前面に沿った方向、かつ蓋部材15に向かう方向へスライドさせることで、ファン12を回転(オン)させるとともに、蓋部材15を開くことができる。 【0023】図2は、蓋部材15の動きを説明するために、薬剤保持体20を筐体11内から取り外した状態でスイッチ16をオン状態にした様子を示す図である。図2に示すように、蓋部材15はその一辺を回転中心として回転移動され、傾斜した状態となっている。また、ファン12からの気流の一部をインジケータ25の通気開口23へと向かわせるような態様で、蓋部材15は傾斜している。 【0024】図3に基づいて、蓋部材15がスイッチ16の動きに連動する様子を説明する。スイッチ16には、蓋部材15に当接する箇所に傾斜面16aが形成されている。長方形板状の蓋部材15には、スイッチ16の傾斜面が当接する突出片15bが設けられている。また、蓋部材15の突出片15が設けられた側の反対側には、回転軸となる軸部15cが設けられている。軸部15cには、蓋部材15を閉方向に常時付勢する付勢手段としてのコイルばね17が設けられている。 【0025】図3(A)に示すように、スイッチ16がオフの状態では、蓋部材15及びその弾性部15aが、インジケータ25(図2参照)におけるハウジング21aの通気開口23が設けられた面に対して平行となり、弾性部15aによって通気開口23が塞がれる。このとき、蓋部材15の突出片15bには、スイッチ16の傾斜面16aの端部が当接している。スイッチ16を図中矢印A方向にスライドしていくと、スイッチ16の傾斜面16aが突出片15bの上に乗り上げていき、それに伴って突出片15b及び蓋部材15が押し下げられていき、ついには図3(B)に示すようなスイッチ16がオンの状態となる。この時、蓋部材15は図2に示したような傾斜状態となる。 【0026】図2に示すように、スイッチ16がオンされて薬剤保持体20から害虫防除成分が揮散される時には、通気開口23が開かれて、インジケータ25の計時手段24が外気と反応する。この時ファン12からの気流の一部が、蓋部材15によって案内され通気開口23を通過して計時手段24に当たる。このように計時手段24にほぼ一定した風を当てることで、通気開口23が開かれた際の計時手段24をとりまく環境を常にほぼ一定にできる。そして、スイッチ16がオフされると、図1に示したように蓋部材15がインジケータ25の通気開口23を塞ぐ。この時、計時手段24の状態の変化(体積減少等)が停止される。 【0027】以上説明したような害虫防除装置10によれば、スイッチ16のスライドに連動してインジケータ25の通気開口23が蓋部材15によって開閉される。したがって、害虫防除装置10が断続的に使用されても、薬剤保持体20の使用寿命や有効寿命を、インジケータ25によって正確に計って外部に表示することができる。また、薬剤保持体20にインジケータ25が一体的に設けられているので、薬剤保持体20を交換することでインジケータ25の交換もでき、使い勝手が良い。 【0028】図4は、本発明の第2実施形態である害虫防除装置30を示す斜視図である。なお、以下に説明する実施形態において、既に第1実施形態で説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。図4に示すように、害虫防除装置30は、ファン12を内蔵した筐体11と、薬剤保持体40とを有している。筐体11内には、円盤状の回転蓋部材35が設けられている。回転蓋部材35には通気孔35aが設けられている。ここでは、扇形状の一対の通気孔35aが採用されている。回転蓋部材35は、スイッチ36に連設されたクランク棒36aの先端に接続されており、スイッチ36の動きに連動して回転する。 【0029】薬剤保持体40の枠体41の一部41aは、四角形枠から外周側に突出されて、インジケータ45のハウジングとなっている。枠体41及びハウジング41aは透明部材からなっており、透明なハウジング41aを透してそのハウジング41a内に収納された計時手段24を外部から目視できる。そして、ハウジング41aの一方側(送風方向に見て上流側。図では下側)の面には、回転蓋部材35の通気孔35aの形状に対応した形状の通気開口43が設けられている。 【0030】図5は、薬剤保持体40の下面図である。ハウジング41aには、回転蓋部材35によって開閉可能な通気開口43が設けられている。すなわち、扇形状の一対の通気開口43が設けられている。この通気開口43を介して、計時手段24が外気にさらされる。なお、薬剤保持体40は、ネット状の薬剤保持体でもよく、薬剤保持部22がネットでもよい。 【0031】図6に基づいて本実施形態の作用を説明する。図6(A)に、スイッチをオフ状態にしたときの回転蓋部材35とインジケータ45の様子を示す。この時、インジケータ45の通気開口43は蓋部材35によって塞がれ、計時手段24の状態の変化(体積減少等)が停止される。スイッチがスライドされていくと、クランクピン36aによって回転蓋部材35が回転されていき、ついには図6(B)に示すようなスイッチがオンの状態となる。この時、インジケータ45の通気開口43と蓋部材35の通気孔35aとが送風方向に見て重なる。すなわち、インジケータ45の通気開口43が開かれて、計時手段24が外気にさらされる。 【0032】以上説明したような害虫防除装置30によれば、スイッチ36のスライドに連動してインジケータ45の通気開口43が回転蓋部材35によって開閉される。したがって、害虫防除装置30が断続的に使用されても、薬剤保持体40の使用寿命や有効寿命を、インジケータ45によって正確に計って外部に表示することができる。 【0033】図7は、本発明の第3実施形態である害虫防除装置50を示す斜視図である。図7に示すように、害虫防除装置50は、ファン12を内蔵した筐体11と、薬剤保持体20とを有している。筐体11内には、長方形板状の蓋部材55が設けられている。蓋部材55には弾性部55aが設けられている。蓋部材55は、スイッチ56の動きに連動して直線的に移動して、薬剤保持体20のインジケータ25における通気開口23を開閉する。すなわち、蓋部材55はスイッチ56に接続されており、スイッチ56のスライド方向に対して平行に直線移動することで、通気開口23を開閉する。 【0034】以上説明したような害虫防除装置50によれば、スイッチ56のスライドに連動してインジケータ25の通気開口23が蓋部材55によって開閉される。したがって、害虫防除装置50が断続的に使用されても、薬剤保持体20の使用寿命や有効寿命を、インジケータ25によって正確に計って外部に表示することができる。 【0035】図8は、本発明の第4実施形態である害虫防除装置60を示す斜視図である。この害虫防除装置60は、上記した実施形態と同様なファンを筐体61内に内蔵している。本実施形態では、筐体61の側面に、薬剤保持体70をセットするための取付開口63が設けられており、筐体61の前面64には取付開口が設けられていない。そして、筐体61の前面64付近に、長方形板状の蓋部材65が設けられている。本実施形態では、蓋部材65の下面に弾性部が設けられている。蓋部材65は、スイッチ66に接続されている。 【0036】薬剤保持体70の枠体71の一部71aは、四角形枠から外周側に突出されて、インジケータ75のハウジングとなっている。枠体71及びハウジング71aは透明部材からなっており、透明なハウジング71aを透してそのハウジング71a内に収納された計時手段24を外部から目視できる。本実施形態では、ハウジング71aの上面に通気開口73が設けられている。ここでいう「上面」とは、害虫防除装置60の使用状態における、装置60内にセットされた薬剤保持体70のハウジング71aの上側の面を意味する。本実施形態では、装置60内にセットされた状態における薬剤保持体70のハウジング71aの、筐体61の前面64側の面が、ハウジング71aの上面となっている。例えば、害虫防除装置60が斜めの状態(前面64が装置を設置する面に対して傾いた状態)で使用される場合、その斜めの状態における装置内にセットされた薬剤保持体のハウジングの上側の面に、通気開口73を設けておくことができる。 【0037】本実施形態における通気開口73は、通気開口73より小さい複数の小孔73aを設けたフィルム(カバー部材)によって塞がれている。フィルムとして、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂からなるものを採用できる。しかし、カバー部材の形態は、これに限定されず、例えば網状のものを用いることも考えられる。また、微多孔を有する適宜なカバー部材を用いてもよい。さらに、ガス透過性の樹脂フィルムを用いることも考えられる。なお、薬剤保持体70は、通気性ケースに小さなブロック状の保持体が通気性を損なわないように収納されたものでもよい。 【0038】本実施形態におけるインジケータ75のハウジング71aは、その収納空間が、昇華性物質からなる計時手段24の厚さの2倍以上の深さを有している。ハウジング71aの収納空間は、計時手段24の体積の2倍以上の容積を有していることが好ましい。例えば、円盤状の計時手段24として、イソプロピルトリオキサンからなる直径11mm、厚さ3.5mmのものを用いる場合、ハウジング71aの収納空間の深さ(上下方向寸法)を、7mm以上とすることができ、10mm程度(計時手段の厚さの2.5〜3倍程度)にするのが特に好ましい。ハウジング71aの深さの上限は、インジケータ75の不要な大型化を招くことを回避できるように、適宜決定される。例えば、計時手段24の厚さの10倍以下とすることができる。 【0039】図8に示す状態において、スイッチ66はファンをオフさせ、蓋部材65はインジケータ75の通気開口73を塞ぐ。図中矢印Bで示すように、スイッチ66をスライドさせることで、ファンをオンさせることができるとともに、スイッチ66に接続された蓋部材65を開くことができる。この時、筐体61の前面64側から、計時手段24を目視できる。蓋部材65は、スイッチ66のスライド方向に対して平行に直線移動することで、通気開口73を開閉する。 【0040】以上説明したような害虫防除装置60によれば、昇華性物質などから生じる気体の比重が空気の比重より重いため、通気開口73が開状態のときも閉状態のときも、ハウジング71a内が昇華性物質などで飽和した気体で充満される。こうして、計時手段24をとりまく環境をほぼ一定とすることができ、環境変化に伴う昇華性物質などの蒸散速度のばらつきを顕著に抑制できるので、薬剤保持体70の使用寿命や有効寿命を、インジケータ75によって正確に計って外部に表示することができる。 【0041】なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。例えば、薬剤保持体を出し入れする開口を開閉する部材(前面板14など)の開閉(薬剤保持体の交換)に併せて、ファンのオン・オフと蓋部材の開閉とを行う構成とすることもでき、こうすれば薬剤揮散装置の故障等を減らすことができる。例えば、ファンを有しないタイプの薬剤揮散装置にも本発明を適用できる。 【0042】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、スイッチの状態に応じてインジケータの通気開口の開閉度合いが蓋部材によって調節されるので、スイッチの状態に応じてその状態が変化したり消耗したりする特定の部品の使用寿命や有効寿命を、インジケータによって正確に計って外部に表示することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100539 【氏名又は名称】アース製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年10月2日(2001.10.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105647 【弁理士】 【氏名又は名称】小栗 昌平 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−209500(P2002−209500A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月30日(2002.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−306442(P2001−306442) |
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