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【発明の名称】 捕虫器
【発明者】 【氏名】藤田 達也

【要約】 【課題】ゴキブリ等の昆虫類を確実に捕獲あるいは捕獲率を高めることができる捕虫器を、簡単な構成で経済的に提供することである。

【解決手段】捕虫器1は、一枚のシートに、粘着剤層29を有する底板2と、底板2の両側のそれぞれに側板7、斜側板8及び天井板3並びに側板7、斜側板8及び天井板4とを折目線5、9及び10により区分して設け、これらの折目線5、9及び10で折り曲げて、粘着剤層29が内面に位置するように天井板3、4間を係合して組み立てることにより、両端面に端面入口31をそれぞれ形成すると共に、側板7及び斜側板8の面上に切込線を設けて側面入口30を形成し、この側面入口30を形成している入口孔の下縁部に連継した跳上片12を内方へ傾斜する状態で設けてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一枚のシートに、粘着剤層を有する底板と、この底板の両側のそれぞれに側板及び天井板とを折目線により区分して設け、これらの折目線で折り曲げて、粘着剤層が内面に位置するように前記天井板間を係合して組み立てることにより、両端面に端面入口をそれぞれ形成すると共に、前記側板面に切込線を設けて側面入口を形成し、この側面入口を形成している入口孔の下縁部に連継した跳上片を内方へ傾斜する状態で設けてなることを特徴とする捕虫器。
【請求項2】側面入口が側板面に設けた凹形状の切込線によってなると共に、この凹形状の切込線により側面入口の入口孔の下縁部に連継するように切り出された耳片によって跳上片が形成される請求項1に記載された捕虫器。
【請求項3】端面入口を形成している底板に連継した端縁部を傾斜片として内方へ傾斜する状態で設けた請求項1又は2に記載された捕虫器。
【請求項4】傾斜片が、底板端縁と側板端縁との間に設けられた連結部を屈曲することによって固定できるようにした請求項1、2又は3に記載された捕虫器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴキブリ等の昆虫類を確実に捕獲することができる捕虫器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一枚のシートに、粘着剤層を有する底板と、この底板の両側のそれぞれに側板及び天井板とを折目線により区分して設け、これらの折目線で折り曲げて、粘着剤層が内面に位置するように前記天井板間を係合して組み立てることにより構成される捕虫器が、ゴキブリ等の昆虫類を捕獲するために汎用されている(例えば、実開昭61−191780号公報)。このような捕虫器は、粘着剤自体に誘引剤を混合してあるいは粘着剤層の面上に誘引剤を配置して、ゴキブリを誘引し、粘着剤の粘着力により捕獲できるように仕組まれている。
【0003】また、ゴキブリ等の昆虫類は、狭く暗い場所を好む習性を有するものが多いから、捕虫器は、全体として偏平な形状で、しかも内部が暗くなるように構成されているのが一般的であり、この捕虫器の偏平形状は、ゴキブリ等の昆虫類の通路となっている家具の下部などの狭い場所に押し入れた状態で配置して使用するのに都合がよい。
【0004】従来の一般的な捕虫器は、展開状態の図6で示すように、一枚のシート材の面上に、底板36から折り目線37で区分された側板38と折目線41で区分された側板42をそれぞれ対向する側辺に設けられている。このシート材の組立状態は、図7で示すように、組立時の捕虫器35における両側面を切り抜いて形成された端面入口43と、側板38の面部分を切り抜いて形成された側面入口39とが設けられている。そして、捕獲確率を高めることを意図して、これらの入口39及び43は四方側面の位置に設けられていると共に、対象とする昆虫類が入り易いように、各入口39及び43には何ら障害物を設けない状態で単に設けられている。
【0005】なお、このシート材の組立は、各側板38を折目線37で内折れさせると共に、その端縁の取手40部分を折目線で外折れさせて重ね合わせる。次いで、両側の側板42の耳片42aを折目線44で内折れさせて、耳片42aの端縁中央に設けられた切込線45を挿入することによって、重ね合わせた取手40を端部側から挟んだ状態で固定することによってなる。また、粘着材層47は、基板46の面上に塗布等の手段で形成され、この基板46が捕虫器35の底板36の面上に配設されている。48は、捕虫器35の設置面である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来の捕虫器35では、その側面入口39や端面入口43を単に設けただけのものであるので、例えば、ゴキブリ成虫のように長足で体力のある昆虫類を確実に捕獲できない場合がある。即ち、ゴキブリ成虫は、誘引されて側面入口39や端面入口43から捕虫器35内に侵入し、その粘着剤層47の面上に達する。この場合、側面入口39や端面入口43には何ら障害物がないから、侵入は容易であるが、侵入した時に到達する位置は側面入口39や端面入口43の付近であることが多い。このように入口付近で粘着剤層47により捕獲されても、ゴキブリ成虫はその長足と体力によって入口から逃走することが可能である。
【0007】また、この種の捕虫器35は、長期間に亘り一定の場所に設置して使用される。従って、捕虫器35の粘着剤層47の粘着性能も低下するから、ゴキブリのように徘徊する昆虫類の脚部が一度くらい粘着剤層の面上に接触しただけでは、その長足で体力のある昆虫類については確実に捕獲できないことがある。
【0008】そこで、本発明は、ゴキブリ等の昆虫類を確実に捕獲あるいは捕獲率を高めることができる捕虫器を、簡単な構成で経済的に提供することを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明の捕虫器は、一枚のシートに、粘着剤層を有する底板と、この底板の両側のそれぞれに側板及び天井板とを折目線により区分して設け、これらの折目線で折り曲げて、粘着剤層が内面に位置するように前記天井板間を係合して組み立てることにより、両端面に端面入口をそれぞれ形成すると共に、前記側板面に切込線を設けて側面入口を形成し、この側面入口を形成している入口孔の下縁部に連継した跳上片を内方へ傾斜する状態で設けてなることを特徴とする。
【0010】上記した本発明の捕虫器では、組立られた捕虫器における側板に前記側板面に切込線を設けて側面入口を形成し、この側面入口を形成している入口孔の下縁部に連継した跳上片を内方へ傾斜する状態で設けられているから、この跳上片が一種の障害となっている。従って、ゴキブリ成虫等が側面入口から捕虫器内に侵入するには、上記した跳上片を乗り越えることが必要になるので、ゴキブリ成虫は跳上片を乗り越えて粘着剤層面上に飛び下りる状態で侵入することになる。
【0011】この結果、捕虫器内に侵入したゴキブリ成虫等のほとんどは、粘着剤層の中央位置付近に達することになる。従って、ゴキブリ成虫等は、粘着剤層面を歩行しても、その歩行のたびに粘着剤による粘着作用が倍加されて、その侵入した側面入口あるいはその他の入口に到達するまでの歩行が困難となり、最終的には、その粘着剤層により捕獲されることになる。
【0012】また、たとえ侵入した側面入口に到達できたとしても、跳上片は入口孔の下縁部に連継して内方へ傾斜する状態で設けられており、捕虫器の内方から跳上片を乗り越えることは極めて困難であるから、ゴキブリ成虫等の逃走を確実に阻止することができる。
【0013】本発明の捕虫器は、側面入口が側板面に設けた凹形状の切込線によってなると共に、この凹形状の切込線により側面入口の入口孔の下縁部に連継するように切り出された耳片によって跳上片が形成される構成を含む。
【0014】上記したような切込線により側面入口の入口孔の下縁部に連継するように切り出された耳片によって跳上片が形成される場合には、シート材の面上に切込線を形成するだけで側面入口及び跳上片を形成することができるから、製造が容易であり、しかも経済的である。
【0015】また、上記した凹形状の切込線により切り出される耳片により形成される跳上片は中央が凸形状となる。このため、ゴキブリ成虫のような比較的に大型の昆虫類が捕虫器に侵入するときには、前記したようにその跳上片を乗り越えることになるが、ゴキブリの幼虫等の小型の昆虫類は、その跳上片の側辺から容易に捕虫器内に侵入することが可能である。従って、上記した跳上片の存在によって、この捕虫器による昆虫類の捕獲率が低下することはない。
【0016】本発明の捕虫器は、端面入口を形成している底板に連継した端縁部を傾斜片として内方へ傾斜する状態で設けた構成を含む。
【0017】上記した傾斜片は、端面入口の下縁部で内方へ傾斜する状態で設けられているので、昆虫類が捕虫器内へ侵入する際の一種の障害となっているから、端面入口からの侵入の障害となる。しかし、ゴキブリ成虫が捕虫器内に侵入したときには、前記した側面入口からの侵入の場合と同様に飛び込んで侵入する状態となるから、侵入してきたゴキブリ成虫は同様に粘着剤層の中央部付近に到達する。この結果、前記した跳上片による場合と同様の作用が発揮される。また、この傾斜片は、上記したように、端面入口で傾斜して構成され、昆虫類の侵入を阻止するようにも機能するから、前記した側面入口からの侵入を促進することにもなる。
【0018】上記した傾斜片が、底板端縁と側板端縁との間に設けられた連結部を屈曲することによって固定できるようにした捕虫器の構成によれば、傾斜片の傾斜状態の安定化させることができる。この連結部については、傾斜片に対する屈曲位置を明確にし、その固定作業を容易にするために、予め折目線や折曲用の破線が設けられていることが好ましい。この折目線等については、例えば、内折れ線と外折れ線により構成することができる。
【0019】本発明の捕虫器については、紙材等の一枚シート材の面上に折目線を設け、これらの折目線により区分された、底板と、側板と、天井板とを形成し、底板の両側に折目線を設けて側板と天井とを組み立てるようにした点については、従来の捕虫器と同様である。また、天井板の上部に、例えば、天井板面に切込線を設けて、その切込線によって形成された部分を起立させて得られる取手を設けることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1に、実施の形態の捕虫器1を展開した状態で示した。この捕虫器1は、一枚のシート材からなり、このシート材に、底板2の両側に平行な折目線5及び9を介して側板7と、斜側板8とが設けられ、斜側板8との折目線10を介しては天井板3又は4が設けられている。29は、底板2の面上に塗布された粘着剤層である。
【0021】天井板3及び4には板面上に凹凸状の切込線11が折目線10の端部間に折目線9を渡る位置にまで形成されている。天井板3及び4をそれぞれ折目線10で内折れさせた時に、切込線10によって側板7及び斜側板8の面上に、図3に示す側面入口30がそれぞれ形成されると共に、切込線11により切り出された両側の突部13を含む部分が庇状に外方へ突出するようになっている。また、折目線10で内折れさせた時に、突部13間の凹部によって形成される耳片部分が、各側板7上の開孔縁の跳上片12となる。各側板7の面上には、跳上片12を仕切るように破線14が設けられており、破線14で跳上片12を折り曲げて傾斜させることができる。
【0022】天井板3の端縁中央には、係合部18を形成する切込線19が設けられている。係合部18は、折曲線5、9及び10で側板7、斜側板8及び天井板3あるいは天井板4をそれぞれ内折れさせてから、天井板4の対応する面上部を切り込んだ係合線20に挿入することにより、天井板3と天井板4とを係合させることができる。
【0023】各側板7の端部と底板2の端部との間はそれぞれ切欠いたように形成され、これらの切欠き部分を連結するように環状部15がそれぞれ形成されている。環状部15には、底板2及び側板7との間に折目線16が設けられていると共に、これらの折目線16の中間位置に折目線17が設けられている。
【0024】天井板4の端縁に沿っては破線22により区分された把手21が設けられている。破線22は破断用として形成され、その一端はシート材の一方の側端にまで及んでいるが、他端はシート材の他方の側端近傍に及んでいる。また、把手21の面上には、この側端近傍部に短手方向に沿って折曲用の破線23及び24が形成され、これらの破線23、24の間には傾斜破線が設けられている。また、破線24対して垂直な向きであって、把手21の長手方向にに沿っては折曲用の破線25が設けられている。天井板4の面上中央には切込線27による取手26が設けられ、切込線27の端部間に渡る折目線28で折り曲げることができるようになっている。
【0025】図2に示すように、折曲線5を折曲するのに先立って、破線22に沿って天井板4の端縁部分を破断し、その破断片を破線24は反対側へ折り返えすことにより、把手21としての機能を有効に発揮するように構成することができる。また、把手21については、図3に示すように、破線25が外向きとなるように折り曲げて把手21を山形状に変形することができ、これにより把手21の機械的強度を強化できるようになっている。この強化構成は、傾斜破線23を凸形にすると共に、傾斜破線を凹形にすることにより維持させることができる。
【0026】折目線5、9及び10で側板7、斜側板8、天井板3あるいは天井板4をそれぞれ内折れさせてから、係合部18を係合線20内に挿入して天井板3と天井板4とを係合させることにより、図3に示すように、このシート材を捕虫器1として立体的に組み立てることができる。
【0027】このようにして組立てられた捕虫器1については、両端面位置に端面入口31がそれぞれ形成されると共に、前記したように、折目線10で内折れさせる際に、切込線11により側板7乃至斜側板8の面上部分にそれぞれ形成される側面入口30が形成される。
【0028】各側面入口30の跳上片12は、側板7の面に対して鋭角となるように内方へ傾斜されている。従って、ゴキブリ成虫のような比較的に大型の昆虫類32は、図4に示すように、側面入口30から跳上片12を乗り越え、しかも跳上片12から飛び跳ねるような状態で粘着剤層29の中央付近の面上に達する。この昆虫類32が到達する位置は、侵入してきた側面入口30やその他の入口31から離間したところであるのに加えて、跳上片12が内方に傾斜しているため、粘着剤層29の面上を走行することができる体力を有する昆虫類32であっても、その昆虫類32が捕虫器1内から逃走してしまうのを効果的に阻止することができる。
【0029】また、ゴキブリ幼虫のような小型の昆虫類ついては、側面入口30における跳上片12の側部のより低い端縁部分から捕虫器1内に侵入することができる。従って、跳上片12の存在により捕虫率が低下することはない。
【0030】端面入口31は、図5に示すように、底板2と、側板7と、斜側板8と、天井板3あるいは天井板4との各端縁により形成されている。各端面入口31については、底板2の端縁部分によってなる傾斜片2aについては、それぞれ底板2の端縁に沿って設けられている折目線6で内折れさせて、捕虫器1の内方に傾斜する状態に形成される。各傾斜片2aの両側端は、折目線16を外折れさせ、折目線17を内折れさせることにより、環状部15により傾斜片2aを両側から固定できるようになっている。
【0031】傾斜片2aは、端面入口31の開口面を狭めるものであり、昆虫類の侵入を阻するように作用することにもなるが、反面、傾斜片2aはその傾斜構成により、一旦侵入してきた昆虫類の逃走を阻止し、また、側面入口30からの侵入する昆虫類の割合を可及的に増大させて、前記したような作用、効果を有効に発揮させることができる。
【0032】取手26は、切込線27により切り込まれた部分を折目線28で上方に折り曲げることにより実用化することができる。取手26により天井板4の面上に形成される開孔は、捕虫器1内の中央部分の状態を確認することができる一種ののぞき窓として機能する。従って、この開孔から捕虫器1で捕獲した昆虫類の数や種類を外部から容易に確認することができる。
【0033】このように構成される捕虫器1は、把手11を介してゴキブリ用捕虫器1の全体を移動操作できる。従って、狭く奥まった所へも容易に設置し、また取り出すことができる。また、把手11は、天井板9に連継されているため、捕虫器1の本体部分の設置状態に影響を与えずに、安定した状態で所定の場所に設置することができる。
【0034】底板2の内面に塗布した粘着剤層29の面上には、その粘着剤自体に含有させた誘引剤、あるいは別途に配設された誘引剤に誘引されて、傾斜片2aや跳上片12を乗り越えて側面入口30や端面入口31から侵入してくる昆虫類を粘着剤層の粘着力で確実に捕獲できる。
【0035】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されるから、次のような効果が発揮される。本発明の捕虫器の構成によれば、捕虫器の側面入口の下縁部に跳上片を設け、捕虫器内に侵入する昆虫類が常に底板面の粘着剤層面の中央付近に到達するようにしたので、侵入した昆虫類を確実に捕獲することができる。
【0036】また、このような跳上片を凹形状の切込線を設けるだけで形成する場合には、跳上片を側面入口の下縁部に跳上片を極めて簡単にかつ経済的に形成することが可能である。
【0037】また、端面入口を構成する下縁部に傾斜片を設けた構成によれば、この傾斜片による昆虫類の逃走防止に加えて、側面入口からの昆虫類の侵入を可及的に増大させて、上記した跳上片による作用を一層有効に発揮させることが可能である。
【0038】また、上記した傾斜片については、底板と側板間に連結部を設けることにより、簡単な構成で、その傾斜状態を安定化させることができる。
【出願人】 【識別番号】000149181
【氏名又は名称】株式会社大阪製薬
【出願日】 平成13年1月15日(2001.1.15)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
【公開番号】 特開2002−209498(P2002−209498A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−6194(P2001−6194)