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【発明の名称】 中空貫通式筒状構造の擬似餌
【発明者】 【氏名】井上 泰雄

【氏名】近藤 盛典

【要約】 【課題】簡易な構造で擬似餌としての機能を持ち、合わせて使用中の自転を抑止して扱いやすくする。

【解決手段】中空貫通した筒状の金属及び樹脂製材料の両端、もしくは一方の端を鋭角状に切断加工し、さらに鋭角状の切り口と同一方向に先端部を反らせるように曲げることで擬似餌とする。金属製の場合には、同自重の空気室を持つ樹脂製擬似餌並みの泳ぎと、それ以上の飛距離を達成する。スプーン、メタルジグと呼ばれる金属製擬似餌に対しては、それ以上の滑らかな泳ぎを確保し、加えて使用中の自転を抑止する。また自重、全長の変更が容易で、事後処理で飛距離、泳ぎの変更が可能である。筒体の形状が多角筒体、錐体であっても同様である。樹脂素材である場合には、金属製に比べて軽量であるため、一層の滑らかな泳ぎを実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状体の両端もしくは、一方の端を鋭角に切断した後、鋭角に切断した先端部を反らせるように曲げ、内部に水を通すようにした金属製及び樹脂製の擬似餌。
【請求項2】 中空内に筒状もしくは中空錐状、あるいは棒状、板状、球状の金属及び樹脂部材を挿入した後、遊びを持たせて固定した請求項1の擬似餌。
【請求項3】 中空内に金属製及び樹脂製部材を挿入した後、動かないように固定した請求項1の擬似餌。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空貫通した金属及び樹脂素材からなる筒状の形状であり、その両端、もしくは一方の端を鋭角状に切断し、さらに鋭角状の切り口の先端部を反らせるように曲げる、これらの条件を欠くことなく総合して初めて可能になる擬似餌である。筒状体及び錐状体の中心部を中空貫通とすることで水を導き通し、加えて自重の軽量化と使用中の回転抑止に貢献し、連続的な左右への反転運動と、ヘッド部とテール部の連続的な左右への横振り運動の発生を高めるように作用する。また本発明は、中空内に遊びを持たせて固定した加工部材を組込むことで打音の発生、自重の変更、飛距離の変更を同時に実現する。加えて組込む部材の自重、大きさ、形状、取付け位置の違いによって水中における泳ぎを変更できる。また本発明は、中空内の組込み部材を固定することによっても自重の変更、飛距離の増大に加えて任意に重心位置が設定でき、泳ぐ際の動きの変更や引き寄せ速度の変更を可能にする。
【0002】
【従来の技術】空気室を持たず中心部まで金属、あるいは樹脂素材を充填したソリッド型疑似餌は、自重が重く動きが鈍重であり、その動きは加える力の強弱加減に左右される度合が高く、使用者の技量が擬似餌の泳ぎを決定付ける。
【0003】柱体、錐体の擬似餌が中空貫通型でないソリッド型の場合、自重が重くなり引き寄せる速度が遅くなるにともない沈下現象が顕著に現れ、その解消に引き寄せ速度を高める必要があり、歩く程度の速度、あるいはそれ以下の速度で引き寄せたとき擬似餌としての機能が著しく低下する。
【0004】全長に対し胴幅が細いソリッド型の疑似餌は、引き速度の低下にともない沈下現象を起こし、擬似餌としての機能が低下する傾向が顕著になる。
【0005】ソリッド型の疑似餌は沈下現象によって根掛かりが発生しやすい。
【0006】柱体及び錐体のソリッド型疑似餌は、自転しやすく糸よれ現象が起きる。
【0007】水中で叩音を発生させるためには専用の構造が必要になる。
【0008】先端の肉厚を先細りにしたテーパー加工は、特別な金型を必要とし生産コストを高める要因になる。
【0009】特定の金型を使用するため製造過程で全長の変更、自重の変更、重心位置の変更、泳ぎの変更、飛距離の変更が難しく、一部の変更であっても新たな金型を必要とする。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の解決しようとする課題を簡易な構造と簡易な製造方式で実現する。
【0011】使用者の力量に関わりなく擬似餌として機能を発揮する。
【0012】下記3点で同自重程度の空気室を持つ樹脂製擬似餌並み、もしくはそれ以上の機能を備える。
(ア)水中における泳ぎが同等程度の滑らかさを備える。
(イ)引き寄せ速度の変化で上下の泳層幅がより広く確保する。
(ウ)同一の条件で投げたときより遠くまでの飛距離を得る。
【0013】下記3点で同自重程度の金属製の擬似餌並み、もしくはそれ以上の機能を備える。
(エ)中速で沈下せず滑らかに泳ぐ。
(オ)低速度で沈下せず滑らかに泳ぐ。
(カ)引き寄せ速度の変更で容易に表層から中層の間の泳層が選べる。
【0014】同程度の全長の擬似餌と比較したとき、外形がより細い仕上げであっても十分な泳ぎが得られる。
【0015】使用中の自転を抑止する。
【0016】引き寄せ速度が遅い場合でも急激に沈むことなく、一定の泳層を維持する。
【0017】後後付け部材で打音発生が可能な構造である。
【0018】後後付け部材で任意の位置に重心が設定でき、このことによって自重、飛距離、泳ぎ、引き寄せ速度の変更を可能とし、これらの要素を最適状態で組合わせることを可能とする。
【0019】引き寄せる速度に応じた水流効果が得やすい。
【0020】生産行程が簡易で、かつに全長、自重の変更が容易である。
【0021】上下、左右からの輪郭差を小さくする。
【0022】速度の変更により表層と中層と間の浮き沈みが自在である。
【0023】根掛かりの発生率が他の金属製及び樹脂製擬似餌と比較して低下する。
【0024】
【課題を解決するための手段】(キ) 本発明は、外形を筒状体及び錐状体とする。
(ク) 本発明は、中空貫通構造によって軽量化を計る。
(ケ) 本発明は、中空貫通構造の胴内に水を通すことによってソリッド型で同形状の擬似餌と想定比較した場合、水に触れる表面積が広くなり水流抵抗を受けやすく、この水流抵抗を浮力方向のエネルギーに利用する。
(コ) 水中での泳ぎを得るために両端もしくは、一方の端を鋭角に切断加工し、さらに切断面の先端を反らせるように曲げる。
(サ) 筒状の構成素材は、金属及び樹脂とする。
(シ) 本発明の中空部に筒体、中空錐体、もしくは棒状及び球状の金属あるいは樹脂部材を挿入し、中空内で動くように遊びを持たせて固定する。
(ス) 本発明の中空部に金属及び樹脂素部材を固定する。
【0025】
【実施例】筒状に加工した金属部材の両端を鋭角に切断した例で本発明を紹介すると、道糸を結ぶ片方をヘッド、釣りバリを装着するもう片方をテールとした場合、鋭角に切断加工した断面は先端の肉厚がテーパー状で先細りとなり、この先端部を曲げて反らせるようにした後、ヘッド側に道糸を結ぶためのリング用の穴を、テール側にリングを介して釣りバリを組込むためのリング用の穴を空ける。これに必要部材を組込むことで擬似餌となる。ヘッド側、テール側の先端部の反り具合は筒状の部材の素材、肉厚、全長、直径によって変更し、各実施例によって最適とされる曲げ角度を決定する。なお、曲げ角度は、泳ぎに対する相互干渉の度合いを確かめたうえで決定する。
【0026】上記実施例(0025)で示した本発明の場合で、中空部に筒状型の部材を組込んだ例を紹介すると、部材の直径は中空部の内径以下の大きさで、左右、上下方向に十分な遊び空間のある部材を組込む。これをヘッド側の道糸を結ぶリングとまとめ左右、上下に動くような自由度のある状態で固定する。この結果、引き速度や引き具合によって内部の部材が左右、上下に揺れ動いて内壁に当たり打音を発生する。
【0027】上記実施例(0025)で示した本発明の場合で、金属部材を中空部内の任意の位置に固定することで重心位置の変更を可能にする。この結果、泳ぎの選択自由度が高まり、加えて飛距離の増大と最適な引き寄せ速度の幅を広げる。
【0028】
【発明の効果】本発明は、中空貫通構造としたことで、同一形状、同一素材のソリッド型擬似餌と比較した場合、自重が軽量であり、下記の効果が得られる。
(セ)自重の軽量化により切れのある滑らかな泳ぎを確保する。
(ソ)遅い速度で引いても擬似餌としての十分な泳ぎと不必要な沈下を抑制し加えて一定の泳層を維持する。
(タ)中空貫通構造により中心部に水を通すことで、水と触れる面積が拡大し、引き寄せ時の水流抵抗が得やすい。これが浮力方向のエネルギーとして作用し、同時に泳ぎ姿勢の安定を確保し自転を抑止する。
(チ)中空貫通構造とそれにともなう軽量化との相互効果により、水流抵抗によって発生するエネルギーを擬似餌の泳ぎに変換しやすくする。
【0029】本発明は、両端、もしくは一方の端を鋭角に切断加工し、さらに先端を反らせるように曲げることにより下記の効果を得ている。
(ツ)胴を軸に規則的、連続的な左右への反転運動と、ヘッド部とテール部の規則的、連続的な左右への横振り運動の発生。
(テ)前後もしくは片方の先端部を反らせるように曲げ、その箇所が水流抵抗を受けることで、擬似餌としての動きを得る大きな要因とする。
【0030】鋭角切断加工は、筒状構造体を横置きにしたとき左右の端を上から斜め下へ、もしくは下から斜め上へ切断加工することで実施される。この鋭角加工のみでは、胴を軸とした規則的、連続的な反転運動と、ヘッド部とテール部の規則的、連続的な左右への横振り運動が得られない。そのため先端部を反らせるように曲げ加工を施す。この結果、先端部と後端部の反り面が水中で水流抵抗を受け、連続的な動きを得るためのエネルギーを得る。しかし、それのみでは本発明が求める十分な動きが得られない。すなわちソリッド型と比較した場合、中空貫通による自重の軽量化を果たし、加えて胴内に水を通過させることで、水流抵抗の小さなエネルギーを効率的に擬似餌の泳ぎに結び付けるものである。
【0031】端部の鋭角切断加工により、先端が細くなるテーパー仕上げを可能とする。金属製擬似餌、特にスプーン型擬似餌において先端部をテーパー状に仕上げとするには専用の金型、高圧力のプレス機を必要とし、生産工場の限定と生産コストの上昇を招き、商品化を妨げる要因となる。本発明は、先端部を鋭角に切断加工する行程で、自動的に横断面が先細り形状となり、その結果、水絡みのよい滑らかな泳ぎを生み出す。
【0032】中空貫通の筒体、錐体を鋭角に切断加工し、先端を曲げることで擬似餌とするため、構造が簡単であり製造行程が簡易になる。
【0033】水を中空の胴内部に導き入れ後部から出すことを可能とする。この結果、より小さい力で引き寄せることができ引き寄せ時の負担を軽減する。また胴内部に水を通過させることで自転を抑制し、引き寄せる際の動きを安定させ、加えて糸よれの原因を解消する。胴中心部を中空貫通としない柱体及び錐体のソリッド型擬似餌は、引く速度を速めるにともない自転運動が顕著に現れる。本発明は、引く速度のいかんにかかわらず自転運動を抑止し、必要以上の高速でない限り擬似餌本来の動きを維持する。中心部を中空としない柱体及び錐体の擬似餌では、本発明が求める人の歩行速度前後の速度で引き寄せた場合、連続的な動きが得られず、沈下して擬似餌としての機能が得にくいという課題が残る。本発明は中空貫通とすることで、水との接触面を増やしこれらを解消するものである。
【0034】本発明は、外形が筒体、錐体であるため上下、左右横から確認したとき太い、細いの輪郭差が小さい。従来の金属製擬似餌を代表するスプーン型擬似餌の場合、横からの輪郭が肉薄であり、真上と真下からの輪郭が幅広であるため視認位置によって輪郭に大きな違いが認められる。本発明では左右横からと、真下、真上からの輪郭差が小さく、四方に対し同程度の存在感を示す。
【0035】空気室を備えたリップ付き樹脂製擬似餌と金属製のスプーン型擬似餌を合わせた動きを示し、一つの擬似餌で異なる種類の泳ぎを実現する。
【0036】本発明は、胴部の輪郭を細身に成形できる。空気室を備えた樹脂製擬似餌と同様に胴部を備えているが、樹脂製では難しいまでの細身の輪郭を可能とする。なお、金属素材のメタルジグ及びスプーンと呼ばれている擬似餌において同様の細身の仕上げとした場合、遅い引き寄せ速度では自重に対する水流抵抗力が不足し十分な動きが得られない。本発明は、中空構造としたことによって軽量化が計れ、これらの課題を細身の体型とした場合においても解決する。
【0037】根掛かりを回避するため引き寄せ速度を若干速めるだけで、容易に表層近くに浮き上がらせることができる。本発明は、それ自体に浮力はないが、引き寄せる速度に応じて浮力を備えたかのように表層へ浮上し、その場合においても規則的、連続的な反転運動と、ヘッド部とテール部の規則的、連続的な左右への横振り運動を発生する。従って根掛かりの多い場所においては、引き寄せる速度を若干、速めることで表層に浮き上がり根掛かりを回避しながら擬似餌としての機能を発揮する。
【0038】本発明は筒体及び錐体の肉厚を変更することで自重が変更できる。また、中空内に組み込む部材によっても自重の変更を可能とするほか、全長を変更することでも自重の変更と泳ぎの変更が可能になる。
【0039】筒体、錐体の長さを変更することで、全長の異なる擬似餌が容易に製造でき、生産コストが軽減できる。
【0040】筒体、錐体、棒状、球体等の素材を加えて二重構造とすることで使用中に打音を発生する。また、これらの自重、大きさ、取付け位置を変更することで泳ぎが変えられる。
【0041】後付けで加工素材を中空内に固定することで、容易に重心位置、飛距離、泳ぎの異なる擬似餌をつくることができる。
【0042】素材は金属、樹脂においても同様の効果が得られる。樹脂素材では道糸を結ぶカ所と釣りバリを装着するカ所に金属製の補強素材を備えることにより擬似餌としての機能を高める。
【出願人】 【識別番号】501268701
【氏名又は名称】有限会社天馬制作所
【出願日】 平成13年5月31日(2001.5.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−354964(P2002−354964A)
【公開日】 平成14年12月10日(2002.12.10)
【出願番号】 特願2001−204076(P2001−204076)