| 【発明の名称】 |
迷彩色の釣糸 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 崇郎
【氏名】高坂 幸利
【氏名】小泉 博康
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性樹脂、特にポリアミド系樹脂、ポリエーテル樹脂またはポリエステル樹脂の末端基であるアミノ基または/およびカルボキシル基がエンドキャッピング剤から選ばれた少なくとも1種またはその組み合わせによる化学修飾によって染料との高ないし低親和性を付与され、造粒化されてなる樹脂ペレット材料とし、該樹脂ペレットの複数種をブレンドした配合物を混練し、所望の孔径および形状の口金を備えた溶融紡糸装置を用いて溶融紡糸して糸条とし、その中に含まれるエンドキャッピング剤に対応する酸性染料および/または塩基性染料の複数染料を含む1または複数浴染液中で糸条に浸染を施す各工程からなる迷彩釣糸およびその製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2以上の色でランダムに着色された迷彩色の釣糸。 【請求項2】 2以上の迷彩色で釣糸の長手方向にサイド・バイ・サイドに着色された請求項1に記載された釣糸。 【請求項3】 釣糸が芯鞘構造からなり、芯部または/および鞘部が2以上の色でランダムに着色されている請求項1または2に記載された釣糸。 【請求項4】 釣糸の素材が、アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載された釣糸。 【請求項5】 熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂またはポリエステル樹脂である請求項4に記載された釣糸。 【請求項6】 熱可塑性樹脂が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6とナイロン66との共重合体、ナイロン46等のナイロンである請求項4に記載された釣糸。 【請求項7】 ナイロンが透明ナイロンである請求項6に記載された釣糸。 【請求項8】 エンドキャッピング剤を介して着色されている請求項1に記載された釣糸。 【請求項9】 アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂原料の複数ロットを供給しその各々に対し、末端基のキャッピング剤として、塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤、および酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤、から選ばれた1種または2種以上の組み合わせを配合し、得られた各樹脂配合物を溶融押出により造粒加工し、その結果末端基がエンドキャッピング剤で化学修飾された粒状ないし粉末状樹脂原料を調製する工程、前記樹脂原料の中から選ばれた2種以上の樹脂原料のブレンド体を混練後溶融紡糸することにより糸条を製造する工程、次いでこの糸条を酸性染料および塩基性染料から選択した相異なる色の複数染料を1浴槽または複数槽内に含む染液浴で浸染する工程により製造される請求項1に記載された釣糸。 【請求項10】 塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤が式(I) 【化1】
(式中、R1とR2は同一または異なって低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、Mはアルカリ金属を示す)で表される化合物であり、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤が式(II) 【化2】
(式中、R3とR4は同一または異なって異なって低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す)で表される化合物であり、酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤が式(III) 【化3】
(式中、R5、R6およびR7は同一または異なって、低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す)であることを特徴とする請求項9に記載された釣糸。 【請求項11】 アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である請求項9に記載された釣糸。 【請求項12】 ポリアミド樹脂はナイロン6またはナイロン66等のナイロンである請求項11に記載された釣糸。 【請求項13】 R1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4がp−トルイル基であり、R5、R6およびR7がt−ブチル置換フェニル基であることを特徴とする請求項10に記載された釣糸。 【請求項14】 アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂原料の複数ロットを供給しその各々に対し、末端基のキャッピング剤として、塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤、および酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤、から選ばれた1種または2種以上の組み合わせを配合し、得られた各樹脂配合物を溶融押出により造粒加工し、その結果末端基がエンドキャッピング剤で化学修飾された粒状ないし粉末状樹脂原料を調製する工程、前記樹脂原料の中から選ばれた2種以上の樹脂原料のブレンド体を混練後溶融紡糸することにより糸条を製造する工程、次いでこの糸条を酸性染料および塩基性染料から選択した相異なる色の複数染料を1浴槽または複数槽内に含む染液浴で浸染する工程からなることを特徴とする迷彩色の釣糸の製造方法。 【請求項15】 アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項14に記載された釣糸の製造方法。 【請求項16】 ポリアミド樹脂がナイロン6またはナイロン66等のナイロンであることを特徴とする請求項15に記載された釣糸の製造方法。 【請求項17】 エンドキャッピング剤が請求項10に記載の化合物から選ばれていることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載された釣糸の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、2以上の色でランダムに着色された迷彩色の釣糸およびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、釣りの漁法が高度化するにつれて、釣糸に対してもより一層の高性能化が求められるようになり、高強度で低伸度、耐磨耗性に優れた釣糸が種々開発されている。しかしながら、従来の釣糸は、無色か少なくとも単色のものが一般的であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】近年、釣人口が激増し、また、漁法も飛躍的に高度化してきているが、一方、魚の釣に対する警戒心も一段と高まってきている。かかる魚の警戒心への対応策としては、釣糸を高強度することにより糸をより細くする方策やその他いくつかの方策が採られてきているが、決めてとなる方策がないのが現状で、魚との知恵比べが続いている。 【0004】 【課題を解決するための手段】本願発明者らは、かかる状況に鑑み鋭意研究した結果、釣糸を2以上の色でランダムに着色して迷彩を施した迷彩色釣糸の創製に成功すると共に、このような迷彩色釣糸によって、魚の警戒心を著しく低下させることができるという知見を得、本願発明を完成した。 【0005】すなわち、本発明は、(1)2以上の色でランダムに着色された迷彩色の釣糸、(2)2以上の迷彩色で釣糸の長手方向にサイド・バイ・サイドに着色された前記(1)に記載された釣糸、(3)釣糸が芯鞘構造からなり、芯部または/および鞘部が2以上の色でランダムに着色されている前記(1)または(2)に記載された釣糸、(4)釣糸の素材が、アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性樹脂である前記(1)〜(3)のいずれかに記載された釣糸、(5)熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂またはポリエステル樹脂である前記(4)に記載された釣糸、(6)熱可塑性樹脂が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6とナイロン66との共重合体、ナイロン46等のナイロンである前記(4)に記載された釣糸、(7)ナイロンが透明ナイロンである前記(6)に記載された釣糸、(8)エンドキャッピング剤を介して着色されている前記(1)に記載された釣糸、(9)アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂原料の複数ロットを供給しその各々に対し、末端基のキャッピング剤として、塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤、および酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤、から選ばれた1種または2種以上の組み合わせを配合し、得られた各樹脂配合物を溶融押出により造粒加工し、その結果末端基がエンドキャッピング剤で化学修飾された粒状ないし粉末状樹脂原料を調製する工程、前記樹脂原料の中から選ばれた2種以上の樹脂原料のブレンド体を混練後溶融紡糸することにより糸条を製造する工程、次いでこの糸条を酸性染料および塩基性染料から選択した相異なる色の複数染料を1浴槽または複数槽内に含む染液浴で浸染する工程により製造される前記(1)に記載された釣糸、(10)塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤が式(I) 【化4】
(式中、R1とR2は同一または異なって低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、Mはアルカリ金属を示す)で表される化合物であり、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤が式(II) 【化5】
(式中、R3とR4は同一または異なって異なって低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す)で表される化合物であり、酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤が式(III) 【化6】
(式中、R5、R6およびR7は同一または異なって、低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す)であることを特徴とする前記(9)に記載された釣糸、(11)アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂である前記(9)に記載された釣糸、(12)ポリアミド樹脂はナイロン6またはナイロン66等のナイロンである前記(11)に記載された釣糸、(13)R1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4がp−トルイル基であり、R5、R6およびR7がt−ブチル置換フェニル基であることを特徴とする前記(10)に記載された釣糸、(14)アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂原料の複数ロットを供給しその各々に対し、末端基のキャッピング剤として、塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤、および酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤、から選ばれた1種または2種以上の組み合わせを配合し、得られた各樹脂配合物を溶融押出により造粒加工し、その結果末端基がエンドキャッピング剤で化学修飾された粒状ないし粉末状樹脂原料を調製する工程、前記樹脂原料の中から選ばれた2種以上の樹脂原料のブレンド体を混練後溶融紡糸することにより糸条を製造する工程、次いでこの糸条を酸性染料および塩基性染料から選択した相異なる色の複数染料を1浴槽または複数槽内に含む染液浴で浸染する工程からなることを特徴とする迷彩色の釣糸の製造方法、(15)アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする前記(14)に記載された釣糸の製造方法、(16)ポリアミド樹脂がナイロン6またはナイロン66等のナイロンであることを特徴とする前記(15)に記載された釣糸の製造方法、(17)エンドキャッピング剤が前記(10)に記載の化合物から選ばれていることを特徴とする前記(14)〜(16)のいずれかに記載された釣糸の製造方法、に関する。 【0006】本発明の具体的な実施の態様は、アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂製の釣糸を製造するに際し、前記熱可塑性合成樹脂原料の複数ロットを供給しその各々に対し、前記末端基のキャッピング剤として、塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤、ならびに酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤、から選ばれた1種または2種以上の組み合わせを配合し、得られた各樹脂配合物を溶融押出により造粒加工し、その結果末端基がエンドキャッピング剤で化学修飾された粒状ないし粉末状樹脂材料を調製する工程、前記樹脂材料の中から選ばれた2種以上の樹脂材料のブレンド体を混練後所望の太さの糸条に溶融紡糸して糸条を製造する工程、次いで糸条を、酸性染料および塩基性染料から選択した相異なる色の複数染料を1浴槽または複数浴槽内に含む染液浴で浸染する工程により製造される迷彩色の釣糸である。 【0007】また他の具体的な実施の態様は、アミノ基または/およびカルボキシル基を末端に有する熱可塑性合成樹脂の該末端基が、塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤、酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤、ならびに酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤、からなるグループから選ばれた少なくとも1種または2種以上のキャッピング剤で化学修飾された例えばポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を混合溶融紡糸し、前記各キャッピング剤に対応する酸性染料および塩基性染料で染色することを特徴とする迷彩色の釣糸の製造方法である。 【0008】前記に述べた具体的な実施の態様において、(1)アミノ基または/およびカルボキシル基を末端基として有する熱可塑性樹脂は好ましくはポリアミド系樹脂、特にナイロン6またはナイロン66である。 (2)上記エンドキャッピング剤を表す式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7で示される低級アルキル基で置換されていてもよいフェニル基における低級アルキル基としては好ましくは炭素数C1〜C6の直鎖、分枝状のアルキル基であって、具体的には例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチルが例示される。またMで表されるアルカリ金属としてナトリウム、カリウムが例示される。 (3)樹脂末端基のエンドキャッピング剤において好ましい例は、樹脂を塩基性染料可染性にするキャッピング剤の場合、ナトリウムスルホフェニルアミノ−ビス(p−三級ブチル−フェノキシ)トリアジンであり、樹脂を酸性染料易染性にするキャッピング剤の場合、ヘキサメチレンジアミン−p−トルエンスルフォネートであり、樹脂を酸性染料難染性にするキャッピング剤の場合、トリス(p−三級ブチル−フェノキシ)−トリアジンである。 【0009】エンドキャッピング剤によるポリアミド樹脂の化学修飾では次のような反応が起こり、それが次後に使用される染料との親和性を付与するものと考えられる。しかしながら下記するエンドキャッピング剤(C)の場合は親和性を付与するものではないが、他の親和性付与性のもの(例えばエンドキャッピング剤(B))と組み合わせることによって、染色後に色の濃淡効果を発揮させることができる。 【0010】樹脂を塩基性染料可染性にする場合:【化7】
【0011】樹脂を酸性染料易染性にする場合:【化8】
【0012】樹脂を酸性染料難染性にする場合:【化9】
【0013】 【発明の実施の形態】本発明の迷彩釣糸において、対象とする熱可塑性合成樹脂は末端にアミノ基または/およびカルボキシル基を有する耐熱性、機械的性質に優れた樹脂であり、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。 【0014】本発明で用いるポリアミド樹脂とは、脂肪族、脂環族または芳香族ジアミン、例えばジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルアミン)、m−またはp−キシリレンジアミン等およびジカルボン酸、例えばアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタール酸等またはその誘導体の重縮合によって得られるポリアミド;ε−カプロラクタム、ω−ラウリンラクタム等のラクタム類からの開環重合により得られるポリアミド;ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸の重縮合によって得られるポリアミドまたはこれらの混合物、あるいはポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリデカンアミドを主成分とする共重合体が例示される。しかしながら好ましいポリアミド樹脂はポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ナイロン6とナイロン66との共重合体等のナイロンである。また、透明ナイロンも好ましい。 【0015】また、ポリアミド樹脂としては、アラミドと呼ばれる芳香族系ポリアミドも好適に用いられる。アラミド繊維は、パラ系アラミドまたはメタ系アラミドがあり、パラ系アラミド樹脂としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(東レ・デュポン株式会社製、商品名ケブラー)およびコポリパラフェニレン−3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド(帝人株式会社製、商品名テクノーラ)などが挙げられ、メタ系アラミド樹脂としては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(デュポン社製、商品名ノーメックス)などのメタ系全芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。 【0016】本発明で用いられるポリエーテル樹脂とは、グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ピナコールなどまたはその誘導体の重縮合によって得られるポリエーテル;例えばエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類またはその誘導体の開環重合によって得られるポリエーテル;例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類の付加重合によって得られるポリエーテルなどが挙げられる。またポリエーテルを主成分とする共重合体であってもかまわない。 【0017】本発明で用いられるポリエステル樹脂とは、多価アルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等および多塩基酸、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、アジピン酸等またはその誘導体の重縮合により得られる樹脂をいう。ポリエステルを主成分とする共重合体であってもかまわない。また、全芳香族ポリエステル樹脂(例えば、株式会社クラレ製、商品名ベクトラン)等も好ましく用いられる。ポリテレフタル酸エチレン等の飽和ポリエステル樹脂も用いることができる。 【0018】上記樹脂の分子量に制限は特にないが、アミノ基または/およびカルボキシル基の末端基が10〜100mmol/kg、特に20〜80mmol/kgであることが望ましい。またアミノ基、カルボキシル基を末端に有していない樹脂に関しては、自体公知の方法により、末端にアミノ基または/およびカルボキシル基を導入することができる。例えば、末端基が水酸基である場合、水酸基をナトリウムアルコキシド化し、アミノ基またはカルボキシル基を有し、かつトシル基を有する化合物と有機溶媒中加熱攪拌することにより、アミノ基またはカルボキシル基を末端に有する樹脂を作ることができる。 【0019】本発明の対象とするその他の熱可塑性樹脂としては、例えば、特に溶融性のあるポリイミド樹脂、さらにはポリベンズイミダゾール(イソフタール酸と3,3’−ジアミノベンジジンとの重縮合物)、ポリベンズイミダゾピロロン(ピロメリット酸2無水物と3,3’−ジアミノベンジジンとの重縮合物)等が挙げられる。前記ポリアミド系樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂はそれらの単独でもあるいは共通の末端基を有する他の熱可塑性樹脂とのブレンドの形でも使用することができる。 【0020】前記熱可塑性樹脂の末端アミノ基または/およびカルボキシル基に反応して末端を化学修飾し、次後に施される染料との様々なレベルの親和性(高から低まで)を与えるエンドキャッピング剤の好ましいものは、(A)塩基性染料可染性タイプキャッピング剤、例えば4−ナトリウムスルホフェニルアミノ−ジフェノキシトリアジン; (B)酸性染料易染性キャッピング剤、例えばヘキサメチレンジアミン−p−トルエンスルホネート; (C) 酸性染料難染性キャッピング剤、例えばトリフェノキシトリアジン(トリフェニルシアヌレート)である。 そしてポリアミド樹脂等に対してほぼ当量からやや過剰量、具体的には0.9〜1.2倍の当量で添加される。 【0021】末端にアミノ基または/およびカルボキシル基を有するポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂またはポリエステル樹脂とエンドキャッピング剤とからなる配合物は、例えば押出機(1軸または2軸スクリュー)と切断機とからなるペレタイザーによって加熱溶融され、ストランドに押出され、次いで適切な長さに細断されて粒状ないし粉状好ましくは粒状または粉末ペレットに造粒される。例えばポリアミド樹脂の場合、加熱温度はその種類に応じて異なるが、220〜270℃(ナイロン6、ナイロン66)である。このときポリアミド樹脂の末端基がキャッピング剤との反応により化学修飾された構造の、樹脂ペレット材料、特に迷彩釣糸の製造に適した材料が得られる。 【0022】次に迷彩釣糸の製造を、特にポリアミド樹脂を例に述べる。先ず前述のように、3種のキャッピング剤A、B、Cをそれぞれ単独使用したポリアミド樹脂ペレット材料(計3種)、2種同士の組み合わせ(A+B、A+C、B+C)を使用した樹脂ペレット材料(計3種)または3種の組み合わせ(A+B+C)を使用した同じくポリアミド樹脂ペレット材料(1種)をそれぞれ調製しておく。さらに必要ならばキャッピング剤無添加のポリアミド樹脂ペレットも材料の1つとして使用する。 【0023】次いでこれら樹脂ペレット材料を目的とする配色の迷彩模様に染色または着色するために適宜複数種(2〜5種)を組み合わせて、通常のブレンド法例えばハンドブレンド、タンブラー、ヘンシェルミキサーなどを用いてブレンドする。このブレンド物を、公知の方法に従い、所望の孔径および形態の口金を備えた溶融紡糸装置を用いて溶融紡糸し糸条とする。 【0024】また、サイド・バイ・サイドと呼ばれる糸にすることも好ましい。製造方法としては、3種のキャッピング剤A、B、Cを各々単独使用したポリアミド樹脂ペレット(計3種)、2種同士の組み合わせ(A+B、A+C、B+C)を使用した樹脂ペレット材料(計3種)または3種の組み合わせ(A+B+C)を使用した同じくポリアミド樹脂ペレット材料(1種)をそれぞれ調製しておく。さらに必要ならばキャッピング剤無添加のポリアミド樹脂ペレットも材料の1つとして使用する。これらの樹脂について、サイド・バイ・サイドの公知の製造方法に従い、マルチ押出し機による溶融紡糸し、サイド・バイ・サイドのモノフィラメントを得る。 【0025】さらに、芯鞘構造からなる糸であってもかまわない。製造方法としては、3種のキャッピング剤A、B、Cを各々単独使用したポリアミド樹脂ペレット(計3種)、2種同士の組み合わせ(A+B、A+C、B+C)を使用した樹脂ペレット材料(計3種)または3種の組み合わせ(A+B+C)を使用した同じくポリアミド樹脂ペレット材料(1種)をそれぞれ調製しておく。さらに必要ならばキャッピング剤無添加のポリアミド樹脂ペレットも材料の1つとして使用する。これらの樹脂について、芯鞘の公知の製造方法に従い、専用ダイによる溶融紡糸し、芯鞘構造からなるモノフィラメントを得る。また、芯材には原着した樹脂ペレットを用いてもよく、好ましくは白であるのがよい。 【0026】糸条は最後に、1浴槽内にそれぞれのキャッピング剤に対応する酸性染料および/または塩基性染料を含み、さらに酢酸などで酸性にし、ユニソルトなどで汚染防止を施した1浴液中で、例えば80〜100℃にて30〜60分間浸染処理を施されて、最終的に迷彩模様の入った釣糸が得られる。またこの場合、酸性染料と塩基性染料とをそれぞれ別の1浴槽として合計2浴槽とし、あるいは複数の酸性染料浴槽と複数の塩基性染料浴槽との合計数の複数の染料浴槽とし、糸条をそれぞれの浴液中で所望の順序で染色してもよい。要するに複数の浴槽を用いて糸条を染色してもよい。 【0027】前記浸染処理において使用される酸性染料および塩基性染料は、慣用のものから適宜、所望の色を選んで使用することが出来る。塩基性染料、広義にはカチオン染料はアミノ基または置換アミノ基を含み色素部分が陽イオンの染料であって、例えばトリフェニルメタン染料(例C.I. BasicRed 9、C.I. Basic Violet 14、C.I. Basic Green4、C.I. Basic Blue 5 )、アゾ染料(例C.I. Basic Brown 1)、シアニン染料(例C.I. Basic Orange 21、C.I. Basic Yellow 11)など、他にアントラキノンカチオン染料(青色)も挙げられる。 【0028】酸性染料はスルホン酸基またはカルボン酸基を有する標準的酸性染料;スルホン酸基と、アゾ基のオルト位置に水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を有し染色中にクロム錯塩化される酸性媒染染料;クロム、コバルト、ニッケルまたは銅により錯塩化された金属錯塩酸性染料に大別される。酸性染料は濃赤、緑、青等の鮮明色の色;酸性媒染染料は黒、茶、紺などの濃色;金属錯塩酸性染料は赤或いはベージュ、オリーブ、グレーなどの淡色を要求される場合にそれぞれ適しているので、所望の色調に応じて適宜選択することが出来る。 【0029】あらゆる色が揃っており種類の最も多い標準的酸性染料は例えばアゾ染料、特にモノアゾ染料(例オレンジII、C.I. Acid Orange 7);緑、青色が主体のアントラキノン染料、特に1,4−ジアミノアントラキノン(例C.I. Acid Blue 40);赤、青、紫、緑が主体のトリフェニルメタン染料(例C.I. Acid Blue 83);キサンテン染料(例C.I. Acid Red 51など);黄色のピラゾロン染料(C.I. Acid Yellow 23)などが挙げられる。酸性媒染染料は例えばo,o’−ジヒドロキシアゾベンゼン骨格を有するモノアゾ染料(例C.I. Mordant Black 11)が挙げられる。金属錯塩酸性染料は例えばコバルト系の1:2型(金属原子:染料分子が1:2)(例C.I.Acid Red 296、C.I. Acid Violet 78)、1:1型(例C.I. Acid Red 184)などが挙げられる。 【0030】本発明により得られる迷彩色の糸は、公知の方法に従って組むことで組紐にしてもよいし、また公知の方法に従って製紐することにより製紐糸としてもよい。また、これらの糸条を使用して、漁網など、釣糸以外の周辺用途に用いることもできる。 【0031】 【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例1ポリアミド樹脂としてナイロン6(ユニチカナイロンA1030BRL)を用い、エンドキャッピング剤として下記表1に記載の各物質を、ナイロン6樹脂のアミノ基、カルボキシル基末端基の1.2倍当量分を添加して、ペレタイザーで250℃にて溶融混練して、ナイロン6樹脂の末端がキャッピング剤で化学修飾された粒状の樹脂ペレット1〜3を得た。 【0032】 【表1】
【0033】表1中、キャッピング剤の酸性染料易染性タイプのエンドキャッピング剤(A)はヘキサメチレンジアミン−p−トルエンスルフォネート、塩基性染料可染性タイプのエンドキャッピング剤(B)はナトリウムスルホフェニルアミノ−ジフェノキシトリアジン、酸性染料難染性タイプのエンドキャッピング剤(C)はトリフェニルシアヌレートである。上記樹脂ペレット1、2および3の等重量を適度に混合後、溶融押出機に供給して加熱溶融し、孔径30mmφの口金を備えた押出機に供給して紡糸口金から紡出せしめ、ノズル孔直下20cmの位置に設置した20℃の水浴中で冷却する。この紡出糸を195℃で5.2倍に延伸して125dに太さのナイロン6樹脂からなる糸条を得た。続いてこの糸条を酸性染料(赤)と塩基性染料(青)とを等重量で含む1浴染液中で60〜80℃にて30分間浸染させることにより、綺麗な迷彩色を呈する釣糸を得た。なお、酸性染料(赤)としてSuminol Mild Red(住友化学工業株式会社製)、そして塩基性染料(青)としてAizen Cathion Blue(保土谷化学工業株式会社製)が使用された。 【0034】実施例2実施例1の樹脂ペレット1、2および無処理のナイロン6樹脂ペレットを等重量混合し、実施例1と同様に処理して糸条を得た。この糸条を塩基性染料(青)と酸性染料(黄色)とを等重量で含む1浴染液中60〜80℃で30分間浸染させて、迷彩色を呈する釣糸を得た。なお、塩基性染料(青)としてAizen Cathion Blue(保土谷化学工業株式会社製)か、塩基性染料(黄色)としてMaxilon Brill Flavine Yellow(ヘキスト社製)が使用された。 【0035】実施例3実施例1の樹脂ペレット1と2との等重量混合物および2と3との等重量混合物をマルチ溶融押出機にそれぞれ供給して加熱溶融し、孔径20mmφの口金を備えたマルチ押出機に供給して、紡糸口金から紡糸・融着せしめ、ノズル孔直下20cmの位置に設置した20℃の水浴中で冷却した。この紡出糸を200℃で、5倍に延伸して125dの太さのナイロン6樹脂からなるサイド・バイ・サイドの糸条を得た。続いてこの糸条を酸性染料(赤)と塩基性染料(青)とを等重量で含む1浴染液中で60〜80℃にて30分間浸染させることにより、綺麗な迷彩色を呈する釣糸を得た。なお、酸性染料(赤)としてSuminol Mild Red(住友化学工業株式会社製)、そして塩基性染料(青)としてAizen Cathion Blue(保土谷化学工業株式会社製)が使用された。 【0036】実施例4芯部を構成する成分として、白色のポリアミド樹脂を用い、鞘部を構成する成分としては、実施例1の樹脂ペレット3種を等量ずつ混合したものを用いた。芯部成分を円状孔に導入し、同時に鞘部成分は芯部をつつむように導入し、芯鞘複合流を形成し、マルチ溶融押出機に供給して加熱溶融し、内側の孔径5mmφ、外側の孔径20mmφの口金を備えた押出機にそれぞれ供給して、紡糸口金から同時に紡出させ、口金下20cmの位置に設置した20℃の水浴中で冷却して芯鞘構造の糸条を得た。その後、87℃の加熱ロ−ルで予備延伸し、110℃で延伸・熱処理し巻き取ることにより芯鞘複合繊維を得た。続いてこの糸条を酸性染料(赤)と塩基性染料(青)とを等重量で含む1浴染液中で60〜80℃にて30分間浸染させることにより、綺麗な迷彩色を呈する釣糸を得た。なお、酸性染料(赤)としてSuminol Mild Red(住友化学工業株式会社製)、そして塩基性染料(青)としてAizen Cathion Blue(保土谷化学工業株式会社製)が使用された。 【0037】実施例5実施例1の樹脂ペレットを等重量混合した。この樹脂ペレット混合物100重量部に対してヘキスト社製ポリエチレンワックスRE−520(分子量2000の側鎖型ポリエチレンワックス)を3重量部加え、ドライブレンドし、これを直径40mmの溶融押出機に供給して溶融した後、吐出量312g/minで34個のオリフィスを有する口金より紡出した。紡出糸条を15℃の水中で冷却固化させて30m/minの速度で引き取り、連続して90℃の温水浴中で3.5倍に熱延伸し、引き続いて195℃の熱風炉内で1.7倍に熱延伸を行い、さらに205℃の熱風炉内で0.91倍に弛緩熱処理を行い、550デニールのモノフィラメント糸を得た。このようにして得たモノフィラメント紡出糸を実施例1と全く同様にしてきれいな迷彩色を呈する釣り糸を得た。その特性値は下記のとおりであった。 直線強度:8.50g/d結節強度:6.80g/d【0038】 【発明の効果】本発明の迷彩色の釣糸は、迷彩色の選択により魚の警戒心を著しく低下させることができることから、釣人が釣の対象する魚種や釣場に応じて釣糸を選択できるよう、バラエティーある迷彩色の釣糸を提供することができる。また、本発明の迷彩色の釣糸の製造方法によれば、化学的方法によってポリアミド樹脂等の末端を化学修飾する方法であって、多色着色であっても染料に対応するキャッピング剤で化学修飾された熱可塑性樹脂ペレット材料を複数使用するので、1回のみの染色工程で着色でき、製造方法が極めて簡易化される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115234 【氏名又は名称】ユニチカグラスファイバー株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年8月1日(2001.8.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077012 【弁理士】 【氏名又は名称】岩谷 龍
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| 【公開番号】 |
特開2002−345378(P2002−345378A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月3日(2002.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−233828(P2001−233828) |
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