| 【発明の名称】 |
魚釣用スピニングリール |
| 【発明者】 |
【氏名】堤 わたる
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| 【要約】 |
【課題】巻取り駆動操作の円滑化を図りながら、リール本体の軸方向の小型化を図った魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【解決手段】リール本体内に配設されるスプール軸15の回転筒軸12の前方側とロータ3との間、及び後方側とリール本体2との間に夫々軸受17,18を介在させ、これらの軸受を介してスプール軸15を回転筒軸12の内周に接触しない状態で前後移動可能に支持した魚釣用スピニングリールにおいて、回転筒軸12を歯部後側に配設した歯部後側軸受38で支持すると共に、スプール軸15の後方側の軸受18を、歯部後側軸受38に対して少なくとも一部が軸方向に重合するように形成したことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハンドル駆動軸上の駆動歯車に噛合する歯部を具備し、ロータと一体的に回転する回転筒軸と、先端部にスプールを支持し、前記回転筒軸内に挿通されて前後動可能なスプール軸とを有し、前記スプール軸の前記回転筒軸の前方側とロータとの間、及び後方側とリール本体との間に夫々軸受を介在させ、これらの軸受を介して前記スプール軸を前記回転筒軸の内周に接触しない状態で前後移動可能に支持した魚釣用スピニングリールにおいて、前記回転筒軸を歯部後側に配設した歯部後側軸受で支持すると共に、前記スプール軸の後方側の軸受を、前記歯部後側軸受に対して少なくとも一部が軸方向に重合するように形成したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ロータと一体回転する回転筒軸と、この回転筒軸内を前後動するスプール軸の支持構造に特徴を有する魚釣用スピニングリールに関する。 【0002】 【従来の技術】通常、魚釣用スピニングリールは、先端にスプールを支持したスプール軸が、ハンドルの巻取り操作に連動回転する回転筒軸の空洞部を前後動するように支持された構造となっている。この場合、スプール軸は、ハンドルの巻取り操作に伴って駆動されるオシレーティング機構により、回転筒軸内を揺動しながら前後動することから、回転筒軸の内周との間で摩擦抵抗を生じてしまい、長期間の使用で摩耗したり、あるいは巻取り時の強負荷によって偏摩耗する等、良好な巻取り性能が維持できなくなってしまう。 【0003】また、このような摩耗を抑制すべく、両者の接触面を高精度に仕上げるとコストが高くなってしまい、更には、接触面の仕上げ状態、あるいは油の潤滑性が悪いと、巻取り操作時に食い付きや焼き付き現象が生じたりする等の不具合が生じ易い。 【0004】そこで、回転筒軸の内周とスプール軸の外周が直接接触しないように、両者の間に若干の隙間を形成すべく、回転筒軸の前後において、スプール軸を軸受けする技術が実公昭50−24542号で開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した公報に開示されている技術は、回転筒軸に形成され駆動歯車と噛合する歯部の後側支持部の軸方向後方側に、スプール軸の支持部を隣接して配設していることから、軸受部分が軸方向に長くなり、リール本体が軸方向に大型化してしまう。 【0006】この発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、巻取り駆動操作の円滑化を図りながら、リール本体の軸方向の小型化を図った魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、ハンドル駆動軸上の駆動歯車に噛合する歯部を具備し、ロータと一体的に回転する回転筒軸と、先端部にスプールを支持し、前記回転筒軸内に挿通されて前後動可能なスプール軸とを有し、前記スプール軸の前記回転筒軸の前方側とロータとの間、及び後方側とリール本体との間に夫々軸受を介在させ、これらの軸受を介して前記スプール軸を前記回転筒軸の内周に接触しない状態で前後移動可能に支持した構成となっており、前記回転筒軸を歯部後側に配設した歯部後側軸受で支持すると共に、前記スプール軸の後方側の軸受を、前記歯部後側軸受に対して少なくとも一部が軸方向に重合するように形成したことを特徴とする。 【0008】上記した構成のように、スプール軸の後方側の軸受を、回転筒軸の歯部後側軸受に、少なくとも一部が軸方向において重合するように形成したことで、その重合する分、軸方向におけるスペースの効率化が図れ、リール本体の小型化が可能となる。また、スプール軸が回転筒軸の内周に接触しない状態で前後移動可能に支持されていることから、両者の間で摩擦等が生じることはなく、円滑な巻取り操作が行なえる。 【0009】 【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は、魚釣用スピニングリールの全体構成を示した部分断面図、図2は、スプール軸の前方側の支持部分を拡大して示す図、図3は、スプール軸の後方側の支持部分を拡大して示す図である。 【0010】魚釣用スピニングリール1は、釣竿に装着するための脚部2aが形成されたリール本体2と、リール本体前方に回転可能に配されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール5とを有している。 【0011】前記ロータ3は、円筒部3aと一対のベール支持部材(図示せず)が設けられており、各支持部材の先端には、ベール3bを保持したベール支持アーム3cが釣糸巻取り位置と釣糸放出位置との間で反転可能に支持されている。 【0012】前記スプール5は、釣糸が巻回される巻回胴部5aと、この巻回胴部5aに巻回される釣糸を規制する前フランジ5b及びスカート部5cとを有しており、スカート部5cは、前記ロータ3の円筒部3aを覆っている。 【0013】リール本体2内には、ハンドル軸7が回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル8が取り付けられている。ハンドル軸7には、以下に述べる駆動機構が係合しており、前記ロータ3及びスプール5は、ハンドル8を巻取り操作することで、この駆動機構を介して、夫々回転駆動及び前後動されるようになっている。 【0014】駆動機構は、前記ハンドル軸7に取り付けられる駆動歯車(フェースギヤ)10と、ハンドル軸7と直交する方向に延出し、内部に軸方向に延出する空洞部が形成された回転筒軸12とを備えている。この回転筒軸12の後方側には、駆動歯車10に噛合するように歯部12aが形成されており、その前部には、回転筒軸と一体回転するように前記ロータ3が取り付けられている。 【0015】ロータ3の回転筒軸12に対する取付けは、図2に示すように、ロータの前壁部3dの中央に形成された嵌合孔3eを回転筒軸12の外周に対して回り止め固定すると共に、回転筒軸12の先端部に形成された雄螺子部12bに対して、ロータナット13を螺入することでなされる。この場合、前壁部3dの中心部には、嵌合孔3eと同芯で嵌合孔3eよりも大径の凹所3fが形成されており、ここにロータナット13に形成された袋螺子部13aが嵌合されて、ロータ3は抜け止めされた状態で回転筒軸12に取り付けられている。 【0016】また、回転筒軸12は、後述するように、リール本体に対して、軸方向に複数箇所配設される軸受を介して、安定して回転できるように支持されており、その空洞部には、ハンドル軸7と直交する方向に延出し、先端側にスプール5を支持したスプール軸15が軸方向に移動可能に挿通されている。 【0017】この場合、スプール軸15は、その外周が回転筒軸12の空洞部の内周と接触しないように、すなわち両者の間に隙間が形成されるように、回転筒軸12の前方側においてロータ3との間で支持されると共に、回転筒軸12の後方側においてリール本体2との間で支持されている。本実施の形態では、回転筒軸12の前方側における支持は、前記ロータ3を固定するロータナット13との間に介在される軸受17(前方側軸受)でなされ、回転筒軸12の後方側における支持は、リール本体2内に形成された支持部2bに支持された軸受18(後方側軸受)でなされる。 【0018】また、スプール軸15の後端部には、スプール軸を前後動させるオシレート機構が配設されている。本実施形態におけるオシレート機構は、スプール軸15の後端部に取り付けられ、スプール軸に対して略直交する方向に延出する長孔20aを有する摺動体20と、前記駆動歯車10と一体的に設けられた歯車10aに噛合する連動歯車22とを備えており、連動歯車22には、径方向外側に、前記長孔20aと係合する偏芯突部22aが突設されている。 【0019】これにより、連動歯車22がハンドル8の回転操作に伴って駆動歯車10を介して回転すると、偏芯突部22aは、その回転軌跡により長孔20a内を上下動し、摺動体20(スプール軸15)を前後動させる。 【0020】リール本体2には、ロータ3の逆回転を防止するように逆転防止機構が設けられている。本実施形態の逆転防止機構は、転がり式の一方向クラッチ25によって構成されており、この一方向クラッチは、リール本体2の前部に突出形成された筒部2cと回転筒軸12との間に配設されている。 【0021】一方向クラッチ25は、回転筒軸12に回り止め固定された内輪26と、リール本体の筒部2cに回り止め固定された外輪27と、内輪及び外輪との間に配され、保持器28によって保持された複数のコロ29を備えて構成されている。この場合、保持器28は、リール本体の外部に配設された操作レバー(図示せず)によって所定角度回動可能に構成されており、この操作レバーを切換操作することで、回転筒軸12を正逆転可能状態/逆転防止状態に切換えできるように構成されている。なお、切換操作できない逆転防止状態だけの構成であっても良い。 【0022】リール本体の筒部2cの開口部分には、支持体30が嵌合されており、一方向クラッチ25の抜け止めを果たすと共に、回転筒軸12を前方側で支持する軸受31を支持している。また、筒部2cの先端部分には、キャップ状の抜け止めカバー33が、筒部の外周との間で螺合されており、筒部2cの開口を覆って前記一方向クラッチ25及び支持体30等を抜け止め規制している。 【0023】なお、回転筒軸12は、上述したように、前記軸受31以外の複数箇所、具体的には、歯部12aの前側及び後側において、リール本体2との間で、夫々軸受(歯部前側軸受)37及び軸受(歯部後側軸受)38によって支持されている。そして、上記したような回転筒軸12、スプール軸15の支持構造において、前記スプール軸15の後方側軸受18は、図3に示されるように、回転筒軸12の歯部後側軸受38との間で、少なくとも一部が軸方向において重合するように形成されている。 【0024】具体的には、回転筒軸12の歯部12aの後方側には、軸方向に突出する環状支持部12cが形成されており、この環状支持部12cと前記リール本体の支持部2bとの間に軸受38が支持されている。この場合、環状支持部12cは、軸受38の軸方向長さの略半分程度まで延出して軸受38の内輪部を支持しており、残りの部分に後方側軸受18の先端側18aが入り込んで環状支持部12cと対向することで、後方側軸受18の一部が、歯部後側軸受38に重合した状態となっている(図において、重合する範囲を符号Aで示してある)。 【0025】以上のように構成された魚釣用スピニングリールによれば、ハンドル8を巻取り操作することで、ロータ3が駆動歯車10及び回転筒軸12を介して回転駆動され、かつスプール5が歯車10a、連動歯車22、摺動体20及びスプール軸15を介して前後動されるので、釣糸は、ロータ3のベール支持アーム3cに設けられた釣糸案内部(図示せず)を介してスプールに対して均等に巻回される。 【0026】なお、上記した構成によれば、回転筒軸12の空洞部の内周とスプール軸15の外周とは、接触しないような支持構造、すなわち回転筒軸12の回転及びスプール軸15の前後動に際しては、両者は接触しないようになっているため、巻取り駆動操作を円滑に行なうことができる。また、前方側軸受17は、ロータ3の凹所3f内に、中心部分が入り込むロータナット13によって支持されているため、その支持状態が安定する。 【0027】そして、スプール軸15の後方側軸受18を、回転筒軸12の歯部後側軸受38に対し、少なくとも一部が軸方向において重合するように形成したことで、スプール軸15の充分な支持長さの維持を図りながら軸受部分の軸方向の短縮化が図れ、リール本体の小型化が可能となり、魚釣操作性、携帯性が向上する。 【0028】次に、本発明の別の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態では、魚釣用スピニングリールの全体構成についてはその説明を省略し、スプール軸の後方側の支持部分のみを図示して、上記した実施形態と異なる部分について説明する。 【0029】図4は、本発明の第2の実施形態を示す図である。この実施形態では、回転筒軸12の歯部12aの後方側に、軸方向に突出する環状支持部12cが形成されており、この環状支持部12cとリール本体の支持部2bとの間で歯部後側軸受38が支持されている。環状支持部12cには、先端側内周に、環状切欠部12dが形成されており、この部分に、後方側軸受18の先端側18aが入り込むことで、後方側軸受18の一部が、歯部後側軸受38に重合した状態となっている。 【0030】このような構成によれば、環状切欠部12dの軸方向長さを長くすることで、重合長さAをより長くすることが可能となり、さらに軸受部の軸方向の短縮化が図れ、リール本体の小型化が可能となる。 【0031】図5は、本発明の第3の実施形態を示す図である。この実施形態では、リール本体2内に形成されたの支持部2eが、歯部後側軸受38を支持すると共に、スプール軸15を支持する軸受(後方側軸受)としての機能を有している。そして、上記第2実施形態と同様、回転筒軸12の歯部12aの後方側に、軸方向に突出する環状支持部12cが形成され、この環状支持部12cと支持部2eとの間で歯部後側軸受38が支持されている。 【0032】前記環状支持部12cには、先端側内周に環状切欠部12dが形成されており、この部分に、支持部2eに一体的に形成され、スプール軸15の外周と接触する環状軸受部2e´の先端側が入り込むことで、後方側軸受の一部が、歯部後側軸受38に重合した状態となっている。なお、支持部2eの環状軸受部2e´には、樹脂製のカラー40が軸方向に移動できないように保持されており、このカラー40の内周がスプール軸15の外周と接触することでスプール軸を支持している。 【0033】このような実施形態によれば、上記した実施形態で得られる効果に加え、リール本体の支持部及びスプール軸の後方側軸受の構成が簡略化される。 【0034】図6は、本発明の第4の実施形態を示す図である。この実施形態では、回転筒軸12の歯部12aの後方側に突出形成された環状延出部12eが歯部後側軸受としての機能を有すると共に、リール本体2内に形成された支持部2fが、歯部後側軸受を支持し、かつスプール軸15を支持する軸受(後方側軸受)としての機能を有している。 【0035】リール本体の支持部2fには、スプール軸15と接触する環状軸受部2f´が一体的に形成されると共に、その径方向外側には、前記環状延出部12eを収容するように、環状溝部2hが形成されており、環状延出部12eは環状溝部2hの外周側と接触している。 【0036】このような構成によれば、重合長さAをより長くすることが可能になり、さらに軸受部の軸方向の短縮化が図れ、リール本体の小型化が可能となる。また、軸受として、転がり式のものを用いないため、構造が簡略化されてコストの低減が図れる。 【0037】なお、この実施形態においても、リール本体の支持部2fに、スプール軸15と接触する部分、及び環状延出部12eと接触する部分に、樹脂製のカラーを介在させても良い。 【0038】以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、ロータと一体回転する回転筒軸と、この回転筒軸内を前後動するスプール軸の支持構造に特徴を有しており、それ以外の構成については、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、図示したオープンフェースタイプの魚釣用スピニングリール以外にも、クローズドフェースタイプの魚釣用スピニングリール等にも適用することが可能である。また、軸受については、回転筒軸12及びスプール軸15を回転可能及び前後動可能に支持する構成であれば良く、その構造については特に限定されるものではない。 【0039】 【発明の効果】本発明によれば、スプール軸の充分な支持長さの維持を図りながら円滑な巻取り操作が行なえ、しかも、スプール軸の軸受部の軸方向長さが短縮化されることで、リール本体の軸方向における小型化が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月28日(2001.5.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097559 【弁理士】 【氏名又は名称】水野 浩司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−345371(P2002−345371A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月3日(2002.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−158426(P2001−158426) |
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