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【発明の名称】 釣 竿
【発明者】 【氏名】下野 誠

【要約】 【課題】キャスティングおよびファイティングの双方の操作性を向上させることができる釣竿を提供する。

【解決手段】グリップ部12を、グリップ本体15および半円筒状部材16により構成した。グリップ本体15と半円筒状部材16との間に開口部23および指挿入空間24を構成した。開口部23および指挿入空間24は、指が挿入しやすい寸法とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣竿本体と、その基端部を支持するグリップ部を有する釣竿であって、上記グリップ部は、グリップ本体と、グリップ本体との間に所定の指挿入空間を形成してグリップ本体の外側を被うように配置された囲繞部材とを有し、囲繞部材は、上記指挿入空間内に指を挿入するための開口部が形成されていることを特徴とする釣竿。
【請求項2】 請求項1記載の釣竿において、上記指挿入空間のグリップ本体と囲繞部材との隙間寸法は、25mm〜40mmに設定されていることを特徴とする釣竿。
【請求項3】 請求項1または2記載の釣竿において、上記囲繞部材の外径は、70mm〜110mmに設定されていることを特徴とする釣竿。
【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の釣竿において、上記囲繞部材は、半円筒状部材により構成されていることを特徴とする釣竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術の分野】この発明は、釣竿、特にそのグリップの形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】釣竿は、仕掛けやルアーのキャスティングのほか、魚がヒットした場合にはファイティングを支援するための道具である。特に大型魚を対象とする釣竿の場合は、そのグリップの形状が、ルアーを遠方まで正確にキャストし、かつファイト時には釣人が確実にホールドできるような構造であることが望ましい。
【0003】キャスティングを良好に行うためには釣竿のグリップの外径は一般に細径の方が有利である。一方、ファイティングを良好に行うためには、グリップの外径は太径の方が有利である。かかる相反する要求に対して従来の釣竿では、キャスティングに支障を来さない程度の細さで、且つファイティングに支障を来さない程度の太さの径を有するグリップを備えたものがある。
【0004】しかしながら、かかる形状のグリップを有する釣竿では、キャスティングの操作性およびファイティングの操作性の双方をある程度犠牲にせざるを得ない。これらを両立させるためには、グリップの外径を自在に変化させることのできる機構を実現すればよいが、簡単かつ軽量でしかも安価に実現することは困難である。また、グリップを細径にしておき、ファイティング時にたとえばアダプタ等を装着することによって結果としてグリップを太径にすることも考えられるが、魚がヒットした後にかかるアダプタを装着するのは困難であるし、アダプタの着脱は面倒である。
【0005】そこで、本発明の目的は、キャスティングおよびファイティングの双方の操作性を向上させることができる釣竿を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、釣竿のグリップの形状を工夫することにより上記目的を達成することができると考えた。
【0007】そこで、本願に係る釣竿は、釣竿本体と、その基端部を支持するグリップ部を有する釣竿であって、上記グリップ部は、グリップ本体と、グリップ本体との間に所定の指挿入空間を形成してグリップ本体の外側を被うように配置された囲繞部材とを有し、囲繞部材は、上記指挿入空間内に指を挿入するための開口部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】この構成によれば、釣竿のグリップ部は、グリップ本体の外側に囲繞部材が配置された構造となるので、細径のグリップ本体を囲繞するように太径の囲繞部材が配設されたものとなる。したがって、キャスティング時には、囲繞部材の開口部から指を指挿入空間へ挿入して細径のグリップ本体を把持することによって、良好なキャスティングを行うことができる。また、ファイティング時には、太径の囲繞部材を把持し、あるいは脇に挟むなどして、確実に釣竿をホールドすることができる。
【0009】特に、上記指挿入空間のグリップ本体と囲繞部材との隙間寸法は、25mm〜40mmに設定することができる。かかる寸法に設定することにより、指挿入空間への指の挿抜が容易であると共に、囲繞部材の外径寸法を小さく抑えることが可能となる。すなわち、上記隙間寸法を小さくした場合は、指の挿入が困難となり、上記隙間寸法を大きくした場合は、囲繞部材の外径寸法が必要以上に大きくなってしまうが、上記寸法に設定することにより、指の挿抜が容易でありながら、囲繞部材の外径寸法をファイティングに適した寸法に設定することができる。
【0010】また、上記囲繞部材の外径は、70mm〜110mmに設定するのがこのましい。かかる寸法に設定することにより、釣竿を良好にホールドすることができる。
【0011】さらに、上記囲繞部材は、半円筒状部材により構成することができる。囲繞部材をかかる形状とすることにより、囲繞部材を簡単に製造することができると共に、指の挿抜が容易で、しかも釣竿を良好にホールドすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿の構造を示す正面図である。
【0014】同図を参照して、この釣竿10は、釣竿本体11と、これを支持するグリップ部12とを備えており、グリップ部12には、リール13を固定するためのリールシート14が設けられている。本実施形態の特徴とするところはグリップ部12の構造にあり、グリップ12は、グリップ本体15と、これを被うように配設された半円筒状部材16(囲繞部材)とを備えている点である。
【0015】釣竿本体11は、公知の要領で製造することができ、たとえばカーボン繊維を筒状に形成して構成されている。そして、図示していないが、釣竿本体11の所要の位置には、釣糸を案内するガイド部材が配設されている。この釣竿本体11の基端部26は、グリップ部12によって支持されている。
【0016】グリップ部12は、上記リールシート14と、グリップ本体15と、半円筒状部材16とを有し、リールシート14とグリップ本体15とは一体的に形成されている。
【0017】リールシート14の構造は公知のものを採用することができ、本実施形態では、リール13の脚部の一端側を保持するフード部17と、他端側を保持するフード部材18とを有している。このフード部材18はナット部材19と連結されており、ナット部材19を回転させることによって、フード部材18がフード部17に対して近接/離反するようになっている。すなわち、フード部材18がフード部17に近接することによってリール13の脚部を締め付けて固定し、離反することによってリール13の脚部をリールシート14から取り外せるようになっている。
【0018】グリップ本体15は、図に示すようにリールシート14に連続して形成されており、断面が略円形となるように形成されている。もっとも、グリップ本体15をリールシート14とは別個に構成して、両者を所要の連結手段で連結することもできる。また、グリップ本体15の断面形状についても、円形に限らず多角形状に形成することも可能である。本実施形態では、グリップ本体15の外径寸法は、25mmに設定されているが、20mm〜30mm程度に設定することができる。なお、グリップ本体15は、樹脂、コルク等により構成することができる。
【0019】次に、図2および図3は、グリップ部12の後端側の要部斜視図であり、図2は半円筒状部材16の後端部分の構造を詳細に示し、図3は、半円筒状部材16の先端部分の構造を詳細に示している。
【0020】図2および図3に示すように、グリップ本体15の外側を被うように半円筒状部材16が配設されている。半円筒状部材16は、断面が半円形の部材であって、グリップ本体15の外周面に沿って配置されている。半円筒状部材16は、たとえば樹脂や金属等により構成することができる。なお、安全性を向上させるために、半円筒状部材16の後端角部16aは、いわゆるR面に形成されている。また、半円筒状部材16の先端側は、図1および図3に示すように漸次縮径されており、滑らかにグリップ本体15と連続するように形成されている。
【0021】また、半円筒状部材16の先端部20は、環状に形成されており、グリップ本体15の外周面に嵌め合わされている。さらに、半円筒状部材16の内周面には、連結部材21,22が突設されており、各連結部材21,22はグリップ本体15の外周面と連結されている。したがって、半円筒状部材16は、上記環状の先端部20および連結部材21,22によってグリップ本体15に取り付けられている。
【0022】図4は、図2におけるA−矢視図である。同図に示すように、連結部材21は、3つの連結片21a,21b、21cを有しており、これらによって3方向からグリップ本体15と半円筒状部材16とが連結されている。なお、連結部材22についても同様に、連結片22a、22b、22cを備えている。また、本実施形態では2つの連結部材21,22を設けているが、2つに限定されることはなく、さらに多数の連結部材を設けることもできる。
【0023】本実施形態に係る釣竿10によれば、グリップ本体15の外側に半円筒状部材16が配置されるので、グリップ部12の構造は、細径のグリップ本体15を囲繞するように太径の半円筒状部材16が配設された形状となる。すなわち、グリップ本体15と半円筒状部材16との間に開口部23が形成され、しかも、グリップ本体15の外周面と半円筒状部材16の内周面との間に、釣人が指を挿入するための指挿入空間24が構成される。
【0024】したがって、キャスティング時には、開口部23から指を挿入して細径のグリップ本体15を把持することによって、良好なキャスティングを実現することができる。一方、ファイティング時には、太径の半円筒状部材16を把持し、あるいは脇に挟むなどして、確実に釣竿10をホールドすることができる。
【0025】このように、本実施形態では、グリップ部12が、細径のグリップ本体15と太径の半円筒状部材16とを有するから、大小の径の異なるグリップを備えていることになり、必要に応じてグリップ本体15または半円筒状部材16を握り換えることによって、良好なキャスティングとファイティングを同時に実現することができる。
【0026】特に、上記指挿入空間24の寸法(すなわち、グリップ本体15と半円筒状部材16との間の隙間寸法)を25mm〜40mmに設定することにより、指挿入空間24への指の挿抜が容易であると共に、半円筒状部材16の外径寸法を小さく抑えることができ、その結果、指の挿抜が容易でありながら、半円筒状部材16をファイティングに適した寸法に設定することができる。
【0027】また、半円筒状部材16の外径を70mm〜110mmに設定することにより、釣竿10をより確実にホールドすることができ、大型の魚がヒットした場合であっても、容易に釣竿10を操作することができる。
【0028】加えて、本実施形態では、グリップ部12の大径となる部分を構成するために上記半円筒状部材16を採用しているので、当該大径となる部分を簡単かつ安価に構成することができるという利点がある。もっとも、半円筒状の部材に限定されることはなく、他の形状であってもグリップ本体15を囲繞するような部材であって、構造的にグリップ部12の外径が大きくすることができるものであればよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように本願発明によれば、グリップ部の構造が細径のグリップ本体と、これを囲繞する太径の囲繞部材とにより構成されているから、キャスティング時にはグリップ本体を把持してキャスティングを行い、ファイティング時には囲繞部材を把持してファイティングを行うことができる。しかも、グリップ本体および囲繞部材の外径寸法を適宜設定することにより、良好なキャスティングとファイティングを同時に実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成13年5月28日(2001.5.28)
【代理人】 【識別番号】100107940
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 憲吾 (外8名)
【公開番号】 特開2002−345366(P2002−345366A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−158351(P2001−158351)