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【発明の名称】 人工魚礁
【発明者】 【氏名】リ ジュンウー

【要約】 【課題】廃棄資源である廃棄コンクリート枕木を再利用して製作,運搬,保管コストを節減した,海中に設置して魚の棲息環境をよくする人工魚礁を得る。

【解決手段】両端が互いに重なるように井桁状に複数段積んだ廃棄コンクリート枕木(11)(12)と,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分を包むように結合する結合ワイヤ(13)と,結合ワイヤ(13)同士を結束して結合力を高める結束ワイヤ(14)と,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分の外側を包むように設置される,底部固定板(20),天部固定板(22),及び下部が底部固定板(20)に固定され,上部が天部固定板(22)に差し込まれて結合される固定ねじ棒(21)とを備えたことを特徴とする廃棄コンクリート枕木を利用した人工魚礁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端が互いに重なるように井桁状に複数段積んだ廃棄コンクリート枕木と,前記廃棄コンクリート枕木の重なり部分を包むように前記廃棄コンクリート枕木を結合する結合ワイヤと,前記結合ワイヤ同士を結束し,前記結合ワイヤ同士の結合力を高める結束ワイヤと,前記廃棄コンクリート枕木の重なり部分の外側を包むように設置される,底部固定板,天部固定板,及び下部が前記底部固定板に固定され,上部が前記天部固定板に差し込まれて結合される固定ねじ棒と,を備えたことを特徴とする人工魚礁。
【請求項2】 前記井桁状に複数段積んだ廃棄コンクリート枕木の内側に設置され,先端が前記廃棄コンクリート枕木のレール固定口に固定された略X字型の結束棒をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の人工魚礁。
【請求項3】 前記廃棄コンクリート枕木の重なり部分の外側が,略U字型の固定ボルト,ナット,及び天部固定板で固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の人工魚礁。
【請求項4】 前記廃棄コンクリート枕木の重なり部分の略中央部位にはそれぞれ貫通孔が設けられ,前記貫通孔には固定棒が差し込まれ,前記固定棒の上下部が固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の人工魚礁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,海中に設置して魚の棲息環境をよくするための人工魚礁に関するもので,廃物資源である廃棄コンクリート枕木をリサイクル利用することで製作コストや運搬コストを節減したものである。
【0002】
【従来の技術】海中で魚がよく育つような棲息環境を作るため,従来は,図7に示すような六面体形状や多面体形状で,各面の中央と内部が空洞になっている人工魚礁(1)をコンクリートで製作し,海中に設置していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし,上記従来の人工魚礁(1)は,コンクリートを成形枠型に流し込んで製作しなければならず,完成まで製作所にて製作する必要がある。このため,製作所から設置場所まで運搬する際に,その嵩を減らすことができず,製作コスト,運搬コスト,保管コストがかかっていた。
【0004】このような問題を解決するために,図8に示すような廃棄コンクリート電柱(2)を利用した人工魚礁(3)が提案されている。図8は,従来の,廃棄コンクリート電柱を利用した人工魚礁の斜視図,図9は,その要部斜視図である。この人工魚礁(3)は,廃棄コンクリート電柱(2)を一定の長さに切断して,各頂点に結合部材(4)を付け,ボルト(5)やナット(6)を使って六面体形状に組み立てる構成になっている(図8,図9)。
【0005】このような従来の人工魚礁(3)は,廃棄資源であるコンクリート電柱のリサイクルとして有効である。しかし,電柱(2)を一定の長さに切断する必要があるため,切断にともなう費用がかかり,また,直径が異なる廃棄コンクリート電柱(2)を使用すると,均衡が取れなくなるという問題がある。
【0006】特に,廃棄コンクリート電柱(2)を人工魚礁(3)の大きさにあわせて切断する場合,電柱(2)の内部に鋼線が入っていているので切断作業が難しく,また切断しても,切断面の強度が落ちて耐久性が弱まるので,寿命を長くすることができなかった。
【0007】そこで本発明は,上記従来の問題を解決し,一定長さと優れた強度とをもつ廃棄コンクリート枕木を利用して人工魚礁を製作することで,製作費,原料費,運搬費が安価で,強固かつ長寿命な人工魚礁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の廃棄コンクリート枕木を利用した人工魚礁は,両端が互いに重なるように井桁状に複数段積んだ廃棄コンクリート枕木と,廃棄コンクリート枕木の重なり部分を包むように廃棄コンクリート枕木を結合する結合ワイヤと,結合ワイヤ同士を結束してその結合力を高める結束ワイヤと,廃棄コンクリート枕木の重なり部分の外側を包むように設置される,底部固定板,天部固定板,及び下部が底部固定板に固定され,上部が天部固定板に差し込まれて結合される固定ねじ棒と,を備えたことを特徴とする。
【0009】このような構成により,製作費,原料費,運搬費が安価で,強固かつ長寿命な六面体形状の人工魚礁が得られる。
【0010】上記構成でさらに,井桁状に複数段積んだ廃棄コンクリート枕木の内側に,先端が廃棄コンクリート枕木のレール固定口に固定された略X字型の結束棒を備えることで,斜め方向の歪みに強い,より強固な人工魚礁が得られる。
【0011】また,廃棄コンクリート枕木の重なり部分の外側を,略U字型の固定ボルト,ナット,及び天部固定板で固定したり,また,廃棄コンクリート枕木の重なり部分の略中央部位にそれぞれ貫通孔を設け,貫通孔に固定棒を差し込み,固定棒の上下部をナット等で固定したりすることで,廃棄コンクリート枕木をより強固に固定してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に,本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略している。
【0013】図1は,本発明の実施形態の人工魚礁(10)の斜視図,図2は,側面図である。本実施形態の廃棄コンクリート枕木を利用した人工魚礁(10)は,両端が互いに重なるように井桁状に複数段積んだ廃棄コンクリート枕木(11)(12)と,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分を包むように廃棄コンクリート枕木(11)(12)を結合する結合ワイヤ(13)と,結合ワイヤ(13)同士をさらに結束し,結合ワイヤ(13)同士の結合力を高める結束ワイヤ(14)と,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分の外側を包むように設置される,底部固定板(20),天部固定板(22),及び下部が底部固定板(20)に固定され,上部が天部固定板(22)に差し込まれて結合される固定ねじ棒(21)とを備え,略六面体形状に構成される(図1,図2)。
【0014】廃棄コンクリート枕木(11)(12)は,側面から見たときに梯形に組み立てられる(図2)。廃棄コンクリート枕木(11)(12)は,内部に鋼線が内蔵されている。そしてそれぞれの上面には,両側にレールを固定するためのレール固定口(11’)(12’)が,汽車の重さが加わわってもレールが動かないように強固に固定されている。
【0015】図3は,本実施形態の人工魚礁の結合状態を示す側面図である。廃棄コンクリート枕木(11)(12)には,両端から内側に一定の長さをおいて略中央部位に貫通孔をあけている。廃棄コンクリート枕木(11)(12)の内部には縦方向に強度を補うための鋼線が入っているが,穴をあける略中央部位には鋼線が配置されていないため,ドリルなどで容易に貫通孔をあけることができる。
【0016】貫通孔のあいた廃棄コンクリート枕木(11)の二本(1対)を,まずコンクリート枕木の長さより短い間隔で平行に配置する。その上に,垂直方向に互い違いにして二本(1対)の廃棄コンクリート枕木(12)を配置する。そして,廃棄コンクリート枕木(11)(12)にあけた貫通孔を一致させ,固定棒(40)を差し込む。このように一層に廃棄コンクリート枕木を二本ずつ置いて複数層組み上げていく(図3)。
【0017】図4は,本実施形態の人工魚礁の結合状態を示す平面図である。廃棄コンクリート枕木(11)(12)の両側には,レール固定口(11’)(12’)が二個ずつ配置されている。廃棄コンクリート枕木(11)(12)を井桁上に積むのに邪魔になる外側のレール固定口は,酸素溶接機で取り外してもよい(図示せず)。また,内側のレール固定口(11’)(12’)は,廃棄コンクリート枕木(11)(12)を積むときのつっかえとして利用することができる(図4)。
【0018】廃棄コンクリート枕木(11)(12)を積むとき,内側のレール固定口(11’)(12’)は,最上段に積まれた廃コンクリート枕木(11または12)が外側に掛かるようにして,内側に移動しないようにするとよい。
【0019】本実施形態の人工魚礁(10)では,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の使用個数と積み重ねる層数によってその大きさを決められる。このため,人工魚礁(10)を設置する海底の状況によって様々な大きさのものを作ることができる。
【0020】所定の高さに廃棄コンクリート枕木(11)(12)を積んだ後は,コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分の外側に,結合ワイヤ(13)を利用して一回ずつ縛り,結合ワイヤ(13)同士をさらに結束ワイヤ(14)で引っ張り,結合ワイヤ(13)の結合力が増すようにする。これにより,コンクリート枕木(11)(12)が動かないように固く結束することができる。
【0021】そして,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の貫通孔に差し込んだ固定棒(40)の両側にはワッシャー(41)を当ててナット(42)で締め,廃棄コンクリート枕木(11)(12)をしっかり固定するようにする。
【0022】また,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分の下部には,固定ねじ棒(21)が垂直に設置された底部固定板(20)を置き,固定ねじ棒(21)は廃棄コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分の上方に密着したまま置き,最上層の廃棄コンクリート枕木(11または12)の上方には,天部固定板(22)を位置させる。そして,天部固定板(22)に固定ねじ棒(21)を差し込んで,ナット(23)で固定する(図2)。
【0023】図5は,本実施形態の人工魚礁の結束棒の設置状態を示す平面図である。必要により,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の内側には,略X字型の結束棒(50)を固定させ,結束棒(50)の先端をレール固定口(11’)(12’)に溶接して結合してもよい。結束棒(50)を結合する理由は,廃棄コンクリート枕木(11)(12)で製作した人工魚礁(10)が斜めに歪むのを防ぐためである(図5)。
【0024】図6は,本実施形態の他の構成の人工魚礁の結合状態を示す側面図である。この構成では,固定ねじ棒(21)を使用しないで,略U字型の固定ボルト(30)で固定している。略U字型の固定ボルト(30)は,廃棄コンクリート枕木(11)(12)の重なり部分を包むように配置した後,固定ボルト(30)の上部に固定板(31)を嵌めてナット(32)で固定すればよい(図6)。
【0025】本実施形態の人工漁礁は,廃棄コンクリート枕木(11)(12)を,底部固定板(20),固定ねじ棒(21),天部固定板(22),ナット(23)のみで固定して組み立ててもよく,また,廃棄コンクリート枕木(11)(12)を,略U字型の固定ボルト(30),天部固定板(31),ナット(32)のみで固定して組み立ててもよい。また,これらに加え,廃棄コンクリート枕木(11)(12)に貫通孔を設けて,固定棒(40),ワッシャー(41),ナット(42)でより強固に固定して組み立ててもよく,またさらに,結束棒(50)を用いて,その先端をレール固定口(11')(12')に溶接で固定して,組み立てた廃棄コンクリート枕木(11)(12)が斜めに歪まないようにしてもよい。
【0026】本実施形態の人工漁礁は,廃棄資源である廃棄ンクリート枕木をリサイクルすることができ,廃棄コンクリート枕木の高い強度により長期にわたって使用することができる。また,コンクリートの毒性を取り除いた状態で使用することにより,すぐに魚介類の棲息地として利用することができる。
【0027】また,本実施形態の人工漁礁は,廃棄コンクリート枕木を設置現場に近い所まで運んだ後,そこで組み立てが行われるので,成型枠型が置かれた場所で成型した後に移動させる従来の人工魚礁に比べて,かなりの運搬費用を減らすことができる。
【0028】以上,添付図面を参照しながら本発明の人工魚礁の好適な実施形態について説明したが,本発明はこの例に限定されない。いわゆる当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0029】
【発明の効果】本発明は,廃棄コンクリート枕木で人工魚礁を製作することにより,廃棄処分も難しい廃棄コンクリート枕木を再利用することができ,また,人工魚礁の運搬および保管の費用を減らすこともできる。特に,製作費用を安価にすることができるので,海中の魚類の棲息環境を改善することができる。
【出願人】 【識別番号】502134823
【氏名又は名称】リ ジュンウー
【出願日】 平成14年4月16日(2002.4.16)
【代理人】 【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明 (外2名)
【公開番号】 特開2002−345362(P2002−345362A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2002−113038(P2002−113038)