| 【発明の名称】 |
魚釣用電動リール |
| 【発明者】 |
【氏名】南部 一弥
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は魚釣用電動リールに関し、外部電源の寿命を確認し乍ら、安心して魚釣りを行うことのできる電動リールを提供することを目的とする。
【解決手段】リール本体に回転可能に支持されたスプールと、当該スプールを駆動するスプールモータとを備え、実釣時に外部電源に接続されて使用される魚釣用電動リールに於て、上記リール本体に、表示器と、電動駆動時の外部電源からの電流値を検出する電流検出手段と、外部電源からの通電時間を計測する計時手段と、電流検出手段と計時手段の計測値から消費電流値を演算,累積して、上記表示器に当該消費電流値を表示させる制御手段とを備えたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体に回転可能に支持されたスプールと、当該スプールを駆動するスプールモータとを備え、実釣時に外部電源に接続されて使用される魚釣用電動リールに於て、上記リール本体に、表示器と、電動駆動時の外部電源からの電流値を検出する電流検出手段と、外部電源からの通電時間を計測する計時手段と、電流検出手段と計時手段の計測値から消費電流値を演算,累積して、上記表示器に当該消費電流値を表示させる制御手段と、を備えたことを特徴とする魚釣用電動リール。 【請求項2】 制御手段は、電流検出手段と計時手段の計測値から演算,累積した消費電流値を、予め設定された外部電源の使用可能な消費電流値に対する割合として表示器に表示させることを特徴とする請求項1記載の魚釣用電動リール。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールをスプールモータで巻取り駆動する魚釣用電動リールに関する。 【0002】 【従来の技術】船釣り等、一般に深場の魚層を対象とした魚釣りを行う場合、魚釣用電動リール(以下、「電動リール」という)が広く使用されている。従来周知のようにこの電動リールは、リール本体に装着したスプールモータの駆動でスプールを回転させて釣糸の巻取りを行うもので、別途用意したバッテリ(外部電源)に接続してスプールモータを駆動させるようになっている。 【0003】また、昨今、電動リールは、実釣時の魚釣り操作性の向上を図るため多機能化,電子化が進んでいるのが現状であり、バッテリから供給される電力を利用してスプールの巻取り駆動を行うことは勿論、クラッチ機構のON/OFFの切換操作や超音波センサによる釣糸の糸長計測、また、釣糸繰出し時のスプールモータの駆動による糸送りに利用する等、バッテリの利用範囲が拡大し、実釣上に於けるバッテリの重要性は高いものとなっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、実釣での使用や時間の経過に伴いバッテリの充電量は低下するが、充電量が著しく低下すると、スプールモータによる巻取り操作ができなくなることは勿論、クラッチ機構の切換制御による棚取りや超音波センサによる糸長計測が行えなくなったり、モータ駆動による糸送りができなくなる等、多くの不具合が発生し、実釣上、釣人にとって心理的に不安である。 【0005】また、実釣時に、使用開始からどの程度バッテリを使用したかを知ることが難しく、実釣りに夢中になっている場合等は尚更であり、電動リールの駆動源となるバッテリの使用量(使用能力)が実際には把握できず、釣人が安心して電動リールを使用できないといった課題が残されている。尚、バッテリ自体に残量チェックメータ(電圧の残存容量)を装備したものが従来より知られているが、この従来例によれば、バッテリが特定されて使用上の制約を受け、また、バッテリにメータを組み込む構造上、部品点数が多く、更にまた、水密性の保持の面からも好ましくなかった。 【0006】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、外部電源の寿命を確認し乍ら、安心して魚釣りを行うことのできる電動リールを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、リール本体に回転可能に支持されたスプールと、当該スプールを駆動するスプールモータとを備え、実釣時に外部電源に接続されて使用される電動リールに於て、上記リール本体に、表示器と、電動駆動時の外部電源からの電流値を検出する電流検出手段と、外部電源からの通電時間を計測する計時手段と、電流検出手段と計時手段の計測値から消費電流値を演算,累積して、上記表示器に当該消費電流値を表示させる制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0008】そして、請求項2に係る発明は、請求項1記載の電動リールに於て、制御手段は、電流検出手段と計時手段の計測値から演算,累積した消費電流値を、予め設定された外部電源の使用可能な消費電流値に対する割合として表示器に表示させることを特徴とする。 【0009】(作用)請求項1に係る電動リールによれば、電動駆動時の外部電源からの電流値を電流検出手段が検出し、外部電源からの通電時間を計時手段が計測する。 【0010】そして、制御手段は、電流検出手段と計時手段の計測値から消費電流値を演算,累積して、表示器に当該消費電流値を表示させる。また、請求項2に係る電動リールによれば、制御手段は、電流検出手段と計時手段の計測値から演算,累積した消費電流値を、予め設定された外部電源の使用可能な消費電流値に対する割合として表示器に表示させることとなる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は請求項1及び請求項2の第一実施形態に係る電動リールを示し、図に於て、1はリール本体3のフレーム、5,7は当該フレーム1の左右に取り付く側板で、両側板5,7間にスプール軸を介してスプール9が回転可能に支持されている。 【0012】スプール9は、スプールモータ11の駆動やハンドル13の巻取り操作で回転して釣糸が巻回されるようになっており、スプールモータ11はスプール9前方のフレーム1に一体成形されたモータケース内に収納されている。そして、側板7の側部前方には、特許第2977978号公報で開示された電動リールと同様、スプールモータ11のモータ出力を増減してスプール9の回転速度(釣糸の巻取り速度)を調節するパワーレバー(モータ出力調節体)15が、ハンドル13の回転方向と同方向へ操作可能に取り付けられており、図2に示すようにパワーレバー15は、側板7に内蔵されたポテンショメータ17に連結されている。そして、リール本体3上部の制御ボックス19に内蔵された後述する制御手段21は、パワーレバー15の操作量に応じたパルス信号のデューティ比としてスプールモータ11への電流通電時間率を可変制御し乍ら、モータ駆動回路23を介してモータ出力をモータ停止状態から最大値(0〜100%)まで連続的に駆動制御するようになっている。 【0013】また、図1に示すように側板7の側部後方には、当該側板7内に装着したクラッチ機構のクラッチレバー25が装着されており、当該クラッチレバー25の操作でクラッチ機構がON/OFFに切り換わって、スプール9へのスプールモータ11やハンドル13の駆動力が伝達/遮断されるようになっている。そして、スプール9の一側面にはマグネット27が装着されると共に、当該マグネット27の回転軌跡に対向してフレーム1に一対のリードスイッチ29が装着されており、これらはスプール9の回転方向と回転数を検出する回転数検出手段として機能する。そして、図2に示すようにリードスイッチ29は、リール本体3上部の側板5,7間に装着された制御ボックス19内の制御手段21に接続されている。 【0014】制御手段21はマイクロコンピュータからなり、当該制御手段21のROMには、特開平5−103567号公報で開示された魚釣用リールと同様の糸長計測方法がプログラムされており、制御手段21は、リードスイッチ29から出力されるスプール9の正転,逆転の判定信号をCPUに取り込んで釣糸の繰出しか巻取りかを判定すると共に、リードスイッチ29から取り込むスプール9の回転パルス信号をアップ・ダウンカウンタでカウントして、この計数値を基にRAMに記憶された糸長計算式をCPUで演算実行するようになっている。 【0015】そして、図1に示すように制御ボックス19の操作パネル31上には液晶の糸長表示器33が装着されており、CPUは上述した糸長計測値を表示駆動回路35を介して当該糸長表示器33に表示させるようになっている。従って、釣人は斯かる表示を確認し乍ら、所定の水深に仕掛けを繰り出すことができ、また、表示を確認し乍ら、ハンドル13やパワーレバー15の操作で釣糸を巻上げることが可能となる。 【0016】また、操作パネル31上には、糸長表示器33に隣接して底/棚設定スイッチ37と第1,第2リセットスイッチ39,41が装着されており、既述したように制御手段21は、リードスイッチ29から取り込むスプール9の回転パルス信号をカウントし、この計数値を基に長計算式を演算実行して糸長計測値を糸長糸長表示器33に表示させるが、図3に示すように糸長表示器33には、水面からの仕掛けの位置を表示する上カラ表示部33aと底/棚位置からの仕掛けの位置を表示する底/棚カラ表示部33bが設けられている。 【0017】そして、釣糸(仕掛け)がスプール9から繰り出されると、制御手段21はリードスイッチ29からの回転パルス信号を基に釣糸の繰出し量を演算して、この糸長計測値を上カラ表示部33aに表示する。そして、釣糸が竿先から水面まで繰り出された処で釣人が第1リセットスイッチ39を操作すると、図3の如く上カラ表示部33aの表示値が「0.0」にリセットされるようになっている。 【0018】この後、釣人が釣糸を繰り出していくと、図4に示すように糸長計測手段で計測された糸長計測値が上カラ表示部33aに表示され、そして、釣糸が例えば42.3m繰り出されて仕掛けが着底した処で底/棚設定スイッチ39を操作すると、図5に示すように底/棚カラ表示部33bに「0.0」が表示されて底位置が設定され、以後、図6に示すように釣糸の巻取りに伴う水面からの仕掛けの位置と底からの仕掛けの位置が、上カラ表示部33aと底/棚カラ表示部33bに、夫々、表示されるようになっている。 【0019】そして、実釣に際し、図示しない給電コードを介して電動リール43を外部のバッテリに接続すると、制御手段21や糸長表示器33等が起動し、以後、クラッチレバー25のクラッチOFF操作で釣糸が繰り出され、また、パワーレバー15やハンドル13の操作で釣糸が巻き取られるが、既述したように従来、この種の電動リールは、使用開始からどの程度バッテリを使用したかを知ることが難しく、このため、実釣時に突然バッテリ切れになってしまう虞があり、釣人が安心して電動リールを使用できないといった不具合が指摘されていた。 【0020】そこで、本実施形態は、電動リール43に接続したバッテリからの電動駆動時の電流値を検出する電流検出器45をリール本体3に装着すると共に、バッテリからの通電時間を計測するタイマ(計時手段)47を制御ボックス19内に装着して、これらを夫々制御手段21に接続し、制御手段21のCPUが電流検出器45とタイマ47の計測値から消費電流値(Ah)を演算,累積して、これを操作パネル31上に装着した液晶の消費電流表示器49に表示させることを特徴としている。 【0021】即ち、一般的にこの種の電動リールに於て、繰り出した釣糸を1分間巻き上げるのに要する釣り1回当たりの電流値は6A前後である。そして、釣り1日当たりの巻上げ総数が60回とすると、1日当たりのバッテリの消費電流は6Ah前後であり、一方、魚釣りに使用されるバッテリの寿命(消費電流値)は、実釣り2日で12Ah程度といわれている。 【0022】そこで、上述したように本実施形態は、電流検出器45とタイマ47の計測値から実釣時のバッテリの消費電流値を演算,累積して、これを操作パネル31上の消費電流表示器49に表示させるように構成したもので、図1及び図7に示すように消費電流表示器49は、糸長表示器33の下部に沿って操作パネル31の左右方向に装着されている。 【0023】そして、消費電流表示器49は6つの矩形状の表示部49aに区画されたバー表示構造となっており、全表示領域が使用バッテリの寿命領域、即ち、消費電流値12Ahとして設定されている。そして、表示部49aの一つ宛が、夫々、2Ahの消費電流値を表示し、電流検出器45とタイマ47の計測値から演算,累積された消費電流値が2Ah宛増加する毎に、制御手段21が表示部49aを左側から順次点灯していくようになっており、本実施形態は、演算,累積した消費電流値を、予め設定されたバッテリの使用可能な消費電流値(12Ah)に対する割合として消費電流表示器49に表示させるものである。 【0024】従って、図7はバッテリの現在の消費電流値、即ち、バッテリの現在の使用量が4Ahであることを示し、そして、第2リセットスイッチ41を操作すると、消費電流表示器49の表示がリセットされるように構成されており、釣人が例えば図7に示す状態でバッテリに充電したような場合、第2リセットスイッチ41を操作すればよいようになっている。 【0025】尚、上記第2リセットスイッチ41に代え、例えば消費電流表示器49の全表示部49aが点灯、即ち、演算,累積されたバッテリの消費電流値が12Ahになった処で、制御手段がリール本体に装着したアラームを鳴らしてその旨を釣人に報知すると共に、消費電流表示器49の表示が自動的にリセットされるように構成してもよい。 【0026】本実施形態はこのように構成されているから、実釣時に給電コードを介して電動リール43を外部のバッテリに接続すれば、制御手段21等が起動し、そして、ハンドル13やパワーレバー15の操作でスプール9に釣糸が巻回されると共に、パワーレバー15の操作に応じモータ出力が調節され、また、釣糸の繰出しや巻上げに伴い糸長が計測されて、その糸長計測値が上カラ表示部33aや底/棚カラ表示部33bに表示されることとなる。 【0027】そして、この実釣時に、電流検出器45がバッテリからの電動駆動時の電流値を検出してその計測値を制御手段21に出力すると共に、タイマ47がバッテリからの通電時間を計測してその計測値を制御手段21に出力する。而して、制御手段21のCPUは、電流検出器45とタイマ47の計測値から消費電流値を演算,累積して、2Ah毎に表示部49aを左側から順次点灯していくこととなる。 【0028】従って、釣人は斯かる表示を見ることで、バッテリの現在の使用量を確認することが可能となる。そして、例えば図7に示す消費電流値4Ahの状態で釣人がバッテリに充電した場合、第2リセットスイッチ41を操作することで、消費電流表示器49の表示がリセットされることとなる。 【0029】このように本実施形態は、バッテリの現在の消費電流値を、予め設定されたバッテリの使用可能な消費電流値に対する割合として操作パネル31上の消費電流表示器49に表示させるようにしたので、本実施形態によれば、釣人はバッテリの実際の使用量を釣場で実際に視認することができ、この結果、突然のバッテリ切れによるトラブルがなく、安心して電動リール43を使用することが可能となった。 【0030】而も、既述したようにバッテリ自体に残量チェックメータを装備した従来例にあっては、バッテリが特定されて使用上の制約を受ける等の不具合があったが、本実施形態によれば斯かる不具合もない。図8は請求項1及び請求項2の第二実施形態に係る電動リールの糸長表示器と消費電流表示器を示し、本実施形態は、上記消費電流表示器49に代え、糸長表示器33の近傍の左下方に円形状の液晶の消費電流表示器51を装着して、予め設定されたバッテリの使用可能な消費電流値に対する現在のバッテリの消費電流値の割合を、上記消費電流表示器51にデジタル表示させるようにしたものである。 【0031】そして、その他の構成は上記第一実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。また、図9は請求項1及び請求項2の第三実施形態に係る電動リールの糸長表示器を示し、本実施形態は、糸長表示器33-1内の左下方に消費電流表示部53を設けて、当該消費電流表示部53に、バッテリの使用可能な消費電流値に対する現在のバッテリの消費電流値の割合をデジタル表示させたものである。 【0032】而して、これらの各実施形態にあっても、既述した第一実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能となり、突然のバッテリ切れによるトラブルがなく、安心して電動リール43を使用することができることとなった。 【0033】 【発明の効果】以上述べたように、各請求項に係る発明によれば、釣人はバッテリの実際の使用量を釣場で実際に視認することができるため、突然のバッテリ切れによるトラブルがなくなり、安心して電動リールを使用することが可能となった。 【0034】而も、既述したようにバッテリ自体に残量チェックメータを装備した従来例にあっては、バッテリが特定されて使用上の制約を受ける等の不具合があったが、本実施形態によれば、斯かる不具合が生ずることもない。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072718 【弁理士】 【氏名又は名称】古谷 史旺
|
| 【公開番号】 |
特開2002−325529(P2002−325529A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月12日(2002.11.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−133035(P2001−133035) |
|