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【発明の名称】 擬餌針
【発明者】 【氏名】田尻 隼人

【要約】 【課題】擬餌針の中、集魚糸や擬餌小片シートを釣り針本体に結わえ付けるタイプのものは、集魚糸や擬餌小片シートの留め部がある。この部分はワーム状としたものや鮮やかな色彩を持たせたものもあるが総じて視覚的な変化に乏しく、効果的な構造とはなっていなかった。

【解決手段】釣り針本体にワーム状部分を形成させた擬餌針であって該ワーム状部は、該釣り針本体に光沢のある糸を螺旋状に巻き、更にゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックを被覆することで形成されている、或いは、該ワーム状部が、該釣り針本体に光沢のある糸をゴム状弾性を示す細幅の糸状体と共に螺旋状に巻き上げたもの、更にはそのようなワーム状部をハリス部分に設けた擬餌針。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣り針本体にワーム状部分を形成させた擬餌針であって該ワーム状部は、該釣り針本体に光沢のある糸を螺旋状に巻き、更にゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックを被覆することで形成されたものであることを特徴とする擬餌針。
【請求項2】 少なくとも集魚糸と擬餌小片シートのいずれかを具備するものであって、これらを釣り針の胴部分に添わせた状態で該光沢のある糸が螺旋状に巻かれるものである請求項1記載の擬餌針。
【請求項3】 該集魚糸は金属光沢を呈するテープ状の糸を一定間隔で捩じった形状のものである請求項2記載の擬餌針。
【請求項4】 釣り針本体にワーム状部分を形成させた擬餌針であって該ワーム状部は、該釣り針本体に光沢のある糸をゴム状弾性を示す細幅の糸状体と共に螺旋状に巻き上げることで形成されたものであることを特徴とする擬餌針。
【請求項5】 少なくとも集魚糸と擬餌小片シートのいずれかを具備するものであって、これらを釣り針の胴部分に添わせた状態で該光沢のある糸が螺旋状に巻かれるものである請求項4記載の擬餌針。
【請求項6】 該集魚糸は金属光沢を呈するテープ状の糸を一定間隔で捩じった形状のものである請求項5記載の擬餌針。
【請求項7】 ハリスが結着された擬餌針であって、少なくとも該結着部分からハリス側にかけてワーム状部が形成されており、該ワーム状部は、該ハリスに光沢のある糸を螺旋状に巻き、更にゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックを被覆することで形成されたものであることを特徴とする擬餌針。
【請求項8】 ハリスが結着された擬餌針であって、少なくとも該結着部分からハリス側にかけてワーム状部が形成されており、該ワーム状部は、該ハリスに光沢のある糸をゴム状弾性を示す細幅の糸状体と共に螺旋状に巻き上げることで形成されたものであることを特徴とする擬餌針。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大きな集魚効果の期待できる新規な擬餌針の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生餌を使用しないタイプの釣り仕掛けの一つにサビキ仕掛けがあり多種市販されている。これに採用されている釣り針は、例外も少なくないが基本的に刺し餌を付けず視覚によって対象魚を誘うためのいわゆる「擬餌」に相当する部材を付属させている。
【0003】但しこの場合の擬餌は、ルアー釣りにおけるある種のルアーのように擬餌が構造上の主体となってこの擬餌体部分に針を取り付けられているというものではないし、イカ釣り針のように針自体の構造を特殊なものとして擬餌を形成させるというものではなく、典型的な形状の釣り針に小片のシートや束ねた糸などを固着しただけのものであることが多い。
【0004】視覚に頼って魚を寄せるというものであるので、この「小片のシート」或いは「束ねた糸」といった素材は、例えば鮮やかな色彩を持っていたり、水中での揺らぎに従ってキラキラと反射光を発する金属光沢やそれに代わる機能を持っていたりすることになる。
【0005】特に、「小片のシート」と「束ねた糸」とを併せ持っているタイプの擬餌針の場合は、上記「鮮やかな色彩」を「シート」に担当させ、「光沢」を「糸」に担当させるというように、機能を分担させると、擬餌針全体を見ると視覚上の変化が生じることになり、より大きな集魚効果が期待できる。
【0006】このようなタイプの擬餌針に採用されるシートは水中で揺らぎ易い方が集魚効果が高いということで、薄い耐水紙、スキンと呼ばれるラテックスシート、等々が採用される。釣り針への固定は、束ねた糸及び/又はシートを釣り針の胴部分に沿わせた状態で、ナイロン糸を巻き付けるか、溶融プラスチックを塗布し固化させるという方法でなされている。固定された部分は、糸を巻いたものの場合には小さなワームの如き全体形状を呈するし、プラスチック塗布の場合にはその色彩によって、ある程度の集魚効果が期待できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのワーム状部分、或いは塗布プラスチックが固化した部分というものは、元来が「小片のシート」や「束ねた糸」を固定するためのものであって、極く小さい部分であることが多く、大きな集魚効果が求められるものではなかった。また、このワーム状部分、或いは塗布プラスチックが固化した部分は、いずれの場合にも金属光沢を有する部材が使用されていないし、釣り針本体の胴部分に金属光沢を有する集魚糸が配置されていてもその光沢が、ナイロン糸や塗布されたプラスチック等によって被覆されていることになり、その光沢がもたらす集魚効果を釣り針の胴部分で反映させることが不可能になってしまう。
【0008】またいわゆる集魚糸は光沢があって美しいものではあるが、柔軟性には欠けるものばかりである。これを集魚糸に用いた場合には、束ねられた糸が水流に負けず水中で円錐体を作るような形で開いているのが好ましいため、その剛性(コシ)は幸いするが、これを単体で釣り針の胴部分に巻いて固定するとなるとそのコシが邪魔して作業は非常に困難になる。
【0009】よって、釣り針本体の胴部分にワームのような部分を有する擬餌針自体はこれまでにも多種多数あったが、集魚効果が期待できるような光沢を備えた製品がこれまで存在していなかった。
【0010】更に、上記ワームのような部分が仮に鮮やかな金属光沢を有しており十分な集魚効果を持つものであれば、これを大型化することに何ら支障はなく、その場合には水流によってシートや集魚糸が針先から離反してしまうといった事態も回避しやすくなる。また場合によっては従来の「小片のシート」や「束ねた糸」を省略することさえも可能である。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は上記諸点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を完成させたものであり、その特徴とするところは、釣り針本体にワーム状部分を形成させた擬餌針であって該ワーム状部は、該釣り針本体に光沢のある糸を螺旋状に巻き、更にゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックを被覆することで形成されている、或いは、該ワーム状部が、該釣り針本体に光沢のある糸をゴム状弾性を示す細幅の糸状体と共に螺旋状に巻き上げることで形成されている点にある。
【0012】なお本明細書中において「擬餌」とは、集魚効果を「視覚」に依存するためのもので、釣り針本体とは別の構成のものである。従って、擬餌針は擬餌体と釣り針とにより成る、ということになる。現実の製品では、本発明のタイプの擬餌針が、擬餌体と釣り針を組み合わせただけの形態、即ち釣り人がハリス等を結着して釣り仕掛けを製作する時の一部品用として市販される場合も当然あるが、ハリス(エダ糸)を結着した複数本のものをミキ糸に間隔を空けて配置したものが、既成仕掛けとして市販されることも少なくない。
【0013】なお、ハリス(エダ糸)は、釣り針の胴部の端に結着されるわけであるが当該部分は、環を形成させその孔にハリスを通して結着する形式のものと、胴部に巻かれたハリスが抜落しないように端部にストッパーとして「タタキ」と呼ばれる張出構造部を設けた形式のもの等がある。本発明においてはそのいずれの形式の釣り針であっても適用可能であり、上記「環」「タタキ」等々を総称する語句として「チモト部」という語句を使用するものとする。
【0014】本発明において「ワーム状部」は必須であり、このワーム状部の構造が本発明の最大の特徴部分となっている。そして「集魚糸」或いは「擬餌小片シート」に関しては、その具体的な構造はもとよりそれらの存在自体についても本発明は特には限定しないものとする。語句について述べると「集魚糸」は、魚が興味を示すような光沢や色彩を有する糸であり、第一の発明においては、従来使用されているもののほとんどが使用可能である。またその形状も、単なる直線状の糸に限らず、テープ状の糸を一定間隔で捩じった形状のものなど種々のものが採用可能である。
【0015】また「擬餌小片シート」は、薄くて小さなシートとして定義するがこの場合の「シート」という語句は、「フィルム」と区別される狭義のものではないので、非常に薄いものも含むものとする。またこの擬餌小片シートの材質には種々のものが採用されているが、ゴム状弾性を示すラテックスシートであれば耐水性が高く薄ければ薄いほど水中で揺らぎ易いものとなるので好適である。
【0016】「ワーム状部」は、釣り針上に配置される部材であって、光沢のある糸を用いており、その光沢を活かすように釣り針上に固定したことが本発明の特長となっている。この固定の形態は一通りではなく、第一の発明においては「釣り針本体に光沢のある糸を螺旋状に巻き、更にゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックを被覆する」という形態、第二の発明においては「釣り針本体に光沢のある糸をゴム状弾性を示す細幅の糸状体と共に螺旋状に巻き上げる」という形態で固定される。
【0017】第一の発明では、光沢のある糸のみが先ず釣り針に螺旋状に巻かれる。光沢のある糸は通常剛性が高く螺旋状に巻いた状態を保持させるのは容易ではないので、光沢糸を巻いた状態で、これを固定するために、ゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックで被覆する。
【0018】第二の発明では、光沢糸とゴム状弾性を示す細幅の糸状体とは共に螺旋状に巻かれる。共に巻くということは、光沢糸とゴム状弾性を示す細幅の糸状体をひとまとめにして巻くことを意味する。またどちらかのみが露出するような形態では巻かれることはない。なお、ゴム状弾性を示す細幅の糸状体は当然伸びやすいものであるし、光沢糸は通常伸縮性が小さいので、共に巻く場合にはちょっとした要領が必要となる。即ち、糸状体をわずかに伸ばしながら巻くようにすれば、この糸状体の復元力(縮もうとする力)によって釣り針上に確実に固定されることになる。
【0019】なお本発明は、このようなワーム状部を釣り針本体に設けたものに限らず、ハリス部分に設けるようにしたものも含んでいる。即ち、ハリスが結着された擬餌針であって、少なくとも該結着部分からハリス側にかけてワーム状部が形成されており、該ワーム状部は、該ハリスに光沢のある糸を螺旋状に巻き、更にゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックを被覆することで形成されたもの、或いは該ハリスに光沢のある糸をゴム状弾性を示す細幅の糸状体と共に螺旋状に巻き上げることで形成されたもの、であることを特徴とする擬餌針である。
【0020】ワーム状部自体の構造については、釣り針本体に設けられるものと基本的に変わるものではない。効果としては、釣り針本体に設けられた場合と同様の集魚効果以外に、ワーム状部がハリスを保護することとなるのでハリス切れを軽減することができるという効果を持つことになる。
【0021】またハリスにワーム状部が形成されている場合に、釣り針本体にワーム状部が形成されているか否かは限定しないし、製作方法についても限定しない。なお、ハリス上のワーム状部の長さに関しても、意匠上の要求、対象魚の種類や大きさ、或いは釣法等々によって種々あり得るものであるが、本発明者が試作した範囲では0.5〜10cm程度の長さが適当であった。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面に基づき本発明を更に詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明に係る擬餌針1(以下単に「本発明針1」という)の一例を示すものであり、図より明らかなように本発明針1は、ハリスHに結着されたものであって、釣り針本体2、複数本の集魚糸3、ラテックスシート4とにより構成されるものである。また図示した本発明針1はサビキ釣り用仕掛けの一部でもある(仕掛け全体については図示略)。本例で使用した集魚糸3は、金属光沢があり、捩じり加工を施した細板状のプラスチック糸であり、複数本が束ねられている。捩じり加工が施されているので、そうでないものに比べて剛性(コシ)が少し高くなり水中での揺らぎかたは小さくなるが、水中で光を浴びたときのキラキラと反射光を発する特性に関しては、捩じり加工を施していないものに比して格段に大きくなっている。
【0024】本発明針1の全体形状は、シルエットとしては従来の擬餌針と大差はないが、釣り針本体2の胴部分21に形成されているワーム状部5が大きなものとなっておりその外表面を見ると、糸状弾性体6(本例ではラテックスシート4と同一素材のものを細幅としたものを使用している)と光沢糸7(本例では集魚糸3と同一のものを使用している)のいずれもが露出するように螺旋状に巻かれた構造となっている。
【0025】図2(a)(b)(c)は本発明針1の製造方法の一例を経時的且つ概略的に示したものである。但し本発明は図示した製造方法のみに限定されるものではない。先ず釣り針本体2の胴部分21に添うように集魚糸3複数本とラテックスシート4を配置し、チモト部22にハリスHにて端部を固定する〔同図(a)〕。
【0026】次に糸状弾性体6と光沢糸7を、釣り針本体2のチモト部22近傍に留めた上で胴部分21に螺旋状に巻き上げてゆく〔同図(b)〕。既述したように、この巻き上げ作業時に糸状弾性体6を少し引き伸ばし気味にしておくと、糸状弾性体6が縮もうとするため釣り針6に強固に固定されることとなって好適である。
【0027】そして適当な長さまで巻き上げ最終部分を留めればワーム状部5が完成することになる〔同図(c)〕。留める方法は、結着するのが一般的であるが他の方法を用いても良い。また結着する場合も、光沢糸7が内側(釣り針の表面に近い方)になるようにした上で、糸状弾性体6のみを結着すれば、結び目が目立たず外観の良好なものとなる。
【0028】なおワーム状部5が十分な光沢を有している場合にはこれのみで集魚効果を備えていることになるので、本発明針1にとって集魚糸3或いはラテックスシート4は不可欠のものではなくなる。図3(a)(b)はそのような本発明針1の一例を示すものであり、同図(a)は釣り針本体2の胴部分21のチモト部22近くに設けた例であり、図1の例と位置的には同じ例である。同図(b)は、釣り針本体2の中央付近に設けた例である。即ちワーム状部5は、釣り針本体2の針先23を覆うような位置でない限り、どこに設けても構わないと言えるので、対象魚によって、或いはデザイン上の要求によって、様々なバリエーションが存在し得ることになる。更に、図示は省略するが本発明針1に設けられるワーム状部5の個数についても制限はないので、複数個設けることも可能である。
【0029】次に図4(a)(b)は、ワーム状部5の構造に関する他の例を示すものであり、釣り針本体2に光沢糸7を巻き上げた後に、同図(a)の場合は透明な糸状弾性体6を巻き上げることで、同図(b)の場合は透明プラスチック8(本例ではアクリル樹脂を使用した)を塗布固化させることで、該光沢糸7を被覆した例である。光沢糸7本来の光沢は、被覆される糸状弾性体6やプラスチック8の透明度或いは厚さによって減じられることになるが、染料等によって着色されたものを使用すれば、光沢の色彩を変更することもできるので色彩鮮やかなワーム状部5を形成しやすいとも言える。
【0030】図5(a)(b)は、本発明の更に他の例を示すものであり、通常のハリス付き釣り針、ハリスが結着された本発明針1の、ハリスH上にワーム状部5が形成されている。これは、歯の鋭い魚(ハモ、アナゴ、タチウオ等)を釣る際、その歯でハリスを傷つけハリス切れを起こしてしまう可能性があり、これを防止するためのものでもあり、従来ハリスにパイプを被せたり、プラスチック製の集魚玉を複数ハリスに通していたものに代わるものである。勿論、ワーム状部5自体は光沢糸7の光沢を有しているので、集魚効果はこれら従来のパイプ等に比して大きなものとなる。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る擬餌針は、釣り針本体にワーム状部分を形成させた擬餌針であって該ワーム状部は、該釣り針本体に光沢のある糸を螺旋状に巻き、更にゴム状弾性を示す透明で細幅の糸状体を螺旋状に巻き上げるか透明な溶融プラスチックを被覆することで形成されている、或いは、該ワーム状部が、該釣り針本体に光沢のある糸をゴム状弾性を示す細幅の糸状体と共に螺旋状に巻き上げることで形成されていることを特徴とするもの、或いはそのようなワーム状部をハリス部分に設けたことを特徴とするものであり、光沢糸が釣り針本体に螺旋状に巻かれており、その光沢が十分に外観できるように構成されているので、大きな集魚効果が期待できる極めて高度な発明である。
【出願人】 【識別番号】392002000
【氏名又は名称】株式会社ハヤブサ
【出願日】 平成13年9月26日(2001.9.26)
【代理人】 【識別番号】100080724
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 久喜
【公開番号】 特開2002−325525(P2002−325525A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2001−293694(P2001−293694)