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【発明の名称】 動物用固定器
【発明者】 【氏名】高橋 元彦

【氏名】澤居 米市

【要約】 【課題】動物の固定がより容易であり、かつ固定に伴う動物への負担をより軽減する動物用固定器の提供を課題とする。

【解決手段】動物を固定するための動物用固定器において、支持部材2、2及び固定床3により構成され固定すべきラットが載せられる固定台と、固定すべきラットの胴体を固定台に固定するゴムバンド7と、ゴムバンド7に設けられるフック8、9と、支持部材2の側面に設けられるアイ4とを有し、フックとアイとの係着によってラットの胴体がゴムバンド7により固定される動物用固定器を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動物を固定するための動物用固定器において、固定すべき動物が載せられる固定台と、固定すべき動物の胴体を固定台に固定する固定部材と、互いに着脱自在に係着し、この係着によって固定部材を固定台に係止する第一及び第二の係着部材とを有し、前記固定部材は前記第一及び第二の係着部材の係着によって動物の胴体を固定台に固定することを特徴とする動物用固定器。
【請求項2】 前記固定台は、固定された動物の下方に設けられ動物の排泄物を洗い流すための清掃用通路を有することを特徴とする請求項1記載の動物用固定器。
【請求項3】 前記清掃用通路は前記固定台を貫くトンネル状の通路であり、前記固定台は固定された動物の排泄器が当たる位置に開口し清掃用通路に到達する開口部を有することを特徴とする請求項2記載の動物用固定器。
【請求項4】 前記固定部材は伸縮自在な材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の動物用固定器。
【請求項5】 前記第一の係着部材は前記固定部材に設けられており、前記第二の係着部材は前記固定台に設けられていることを特徴とする請求項1記載の動物用固定器。
【請求項6】 前記動物は、保護すべき部位を覆うことなく動物に着用されるジャケット本体と、通気性を有すると共に前記保護すべき部位に接触しない間隔を置いて保護すべき部位を覆うように前記ジャケット本体に固定される保護体とを有する動物用ジャケットを着用している動物であり、前記固定部材は前記保護体に着脱自在に係止する係止部材を有することを特徴とする請求項1記載の動物用固定器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動物用固定器に関し、特に尾静脈採血に適しており、かつより精度の高い動物実験を可能にする動物用固定器に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料や医薬品等、薬剤の効能や影響を確認する手段としては、これらの薬剤を動物に塗布し又は服用させて動物の様子を経時的に観察する動物実験が従来より知られている。この動物実験では目視による観察や血液検査等、種々の方法を用いて上記の効能等を確認する。血液検査のための採血をする場合では、動物を一時的に固定する必要がある。
【0003】動物の固定に用いられる動物用固定器としては、四隅に糸止めを有する金属板と、おもりを有し金属板が斜めに立つように金属板を支持する脚部とを有するスタンド型のものが従来より知られている。この動物用固定器は、動物の四肢をそれぞれ糸で縛り、動物の全身が伸びるように引っ張り前記糸を糸止めで固定することにより動物を固定するものである。
【0004】ところで血液検査は薬剤試験において服用効果を確認する上で有効な検査であるが、同時に動物実験においては動物の状態、特にストレスの有無が検査結果に大きく影響することが知られている。したがって血液検査においては動物にとってふだんとあまり変わらない環境を提供し、採血時を含めて動物にストレスをかけないことが精度の高い動物実験を行う上で重要である。
【0005】しかしながら従来の動物用固定器では、動物が固定されることを非常に嫌がり、時として実験者に激しく噛みつき怪我を負わせることもあった。このように激しく拒絶するような場合では動物に過度のストレスが生じており、このような動物による血液検査は個体差も大きく信頼性に欠けることがあった。
【0006】また従来の動物用固定器では、動物に麻酔をかけることにより上記のように動物が激しく暴れる場面を回避することができるが、麻酔の使用は上記薬剤の効能に影響を及ぼすことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事項に鑑みなされたもので、動物の固定がより容易であり、かつ固定に伴う動物への負担をより軽減する動物用固定器の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決するための手段として、動物を固定するための動物用固定器において、固定すべき動物が載せられる固定台と、固定すべき動物の胴体を固定台に固定する固定部材と、互いに着脱自在に係着し、この係着によって固定部材を固定台に係止する第一及び第二の係着部材とを有し、固定部材は第一及び第二の係着部材の係着によって動物の胴体を固定台に固定することを特徴とする動物用固定器を提供する。
【0009】前記構成によれば、前記第一及び第二の係着部材を係着させることにより動物の胴体が固定部材によって固定台に固定されることから、動物の四肢のそれぞれを固定する従来の固定器に比べてより容易に動物を固定することが可能となる。
【0010】また前記構成によれば、動物の胴体のみを固定台に固定することから、固定された動物は四肢や尾及び頭部等の部位を動かすことができ、固定に伴う動物へのストレスをより低減させることが可能であり、固定に伴う動物への負担をより軽減することが可能である。
【0011】また本発明では、固定台は固定された動物の下方に設けられ動物の排泄物を洗い流すための清掃用通路を有する構成とすると、排泄物による動物の汚染が防止され、かつ動物を固定した状態で動物の排泄物を除去し動物用固定器を清潔な状態に保つことが可能であることから、固定に伴う動物への負担を軽減する上でより一層好ましい。
【0012】また本発明では、清掃用通路は固定台を貫くトンネル状の通路であり、固定台は固定された動物の排泄器が当たる位置に開口し清掃用通路に到達する開口部を有する構成とすると、排泄物や清掃作業による動物の汚染をより確実に防止し、動物をより清潔な状態に保つ上で好ましい。
【0013】また本発明では、固定部材は伸縮自在な材料で形成されている構成とすると、動物の体格差に対応することが可能であり、かつ固定部材の張力を調節することによって動物を固定するための力を調節することが可能であることから、汎用性を向上させ、かつ固定に伴う動物への負担を軽減する上でより一層好ましい。また動物をより容易に固定する上でも好ましい。
【0014】また本発明では、第一の係着部材は固定部材に設けられており、第二の係着部材は固定台に設けられている構成とすると、両係着部材の着脱がより容易となり、動物の容易に固定する上でより一層好ましい。
【0015】また本発明では、動物用ジャケットを着用している動物を固定するための構成としてより好ましい構成を提供する。すなわち固定すべき動物は、保護すべき部位を覆うことなく動物に着用されるジャケット本体と、通気性を有すると共に前記保護すべき部位に接触しない間隔を置いて保護すべき部位を覆うように前記ジャケット本体に固定される保護体とを有する動物用ジャケットを着用している動物であり、動物用固定器の固定部材には保護体に着脱自在に係止する係止部材を有する構成とすると、経皮吸収に関する薬剤試験や治療中の動物の検査等を行うにあたり、塗布部位や傷などを保護しつつ動物を容易に固定し、かつ固定に伴う動物の負担を軽減する上でより一層好ましい。以下、本発明の動物用固定器について、その構成をより詳しく説明する。
【0016】前記固定台は、固定すべき動物が載せられる台であり、このようなものであればその構造は特に限定されず、固定すべき動物の種類や大きさ等に応じて固定台の構成を適切に決めることが好ましい。固定台の大きさとしては適度な高さがあると実験者の操作が容易になるので好ましい。
【0017】固定台の幅としては、動物の大きさに応じて適度な幅であると固定台に載せられた動物の四肢が固定台両側部から垂れるため、四肢を縮めて固定される場合に比べて動物への負担を軽減させることができ好ましい。
【0018】固定台の形状としては、断面形状が上に凸である蒲鉾型であると、固定台に動物を載せたときに動物の四肢を固定台の両側部に垂らすのに好ましく、また固定すべき動物の大きさがある程度変わっても固定すべき動物を同様の状態で固定台に載せることができ、汎用性の面でも好ましく、かつ断面形状において角部がないことから固定時における動物への局所の圧迫が少なく、固定に伴う動物への負担を軽減する上でより好ましい。
【0019】固定台は防水性(非浸水性)の材料で構成されていることが好ましく、このような固定台を形成する材料としては、例えばステンレスやアルミニウム等の金属、プラスチックスやゴム等の樹脂等を例示することができる。
【0020】前記固定部材は、固定すべき動物の胴体を固定台に固定するためのものである。固定部材は、動物の胴体に上方から被さって動物の胴体を固定台に固定するものであっても良いし、固定すべき動物が後述する動物用ジャケットを着用している動物のように保護具や治療用器具、検査用器具などを装着している場合では、これらを固定台上に固定することで動物の胴体を固定台に固定するものであっても良い。
【0021】また固定部材は動物の胴体を固定するのに十分な構成であれば良く、単数でも複数でも良い。単数の固定部材で動物の胴体を固定する場合では、動物の胴体を固定するのに十分な大きさのものを用いる。このような固定部材としては、例えばバンド状やネット状の部材等を例示することができる。特に固定部材はゴムなどの伸縮自在な材料で形成されていることが好ましい。
【0022】前述の固定部材は第一及び第二の係着部材によって動物の胴体を固定台に固定する。すなわち第一及び第二の係着部材とは、互いに着脱自在であり、かつ互いに係着することで固定部材を固定台に止め、固定部材が動物の胴体を固定する状態を形成する部材である。第一及び第二の係着部材としては、上記のように互いに係り合って接続される部材であれば良く、例えばフックとアイ、ボルトとナット、ボタンとボタンホール、面ファスナー、ファスナー等の着脱自在な部材を挙げることができる。
【0023】第一及び第二の係着部材は前記の固定状態を形成することのできる任意の位置に設けられていれば良く、例えば第一及び第二の係着部材の両方が固定部材に設けられていても良いし、第一の係着部材が固定部材に設けられ、第二の係着部材が固定台に設けられていても良い。また第一及び第二の係着部材は複数設けても良く、その設置数については固定部材の形状や数量、固定すべき動物の形状や大きさ等によって適宜決定することが好ましい。
【0024】前記清掃用通路は、固定すべき動物の下方に設けられ、固定時の動物による排泄物を洗い流すための通路である。したがって清掃用通路は固定時の動物による排泄物が排出され、この通路に排出された排泄物を洗い流せるように設けられていれば良い。このような清掃用通路としては、例えば固定台表面を縦断する溝のように上方が開放された通路を例示することができる。
【0025】また清掃用通路は、固定台を貫くトンネル状の通路であっても良く、この場合では固定された動物の排泄器が当たる位置に開口し清掃用通路に到達する開口部が固定台に設けられる。このような清掃用通路及び開口部を形成すると、固定状態の動物と清掃用通路とは開口部を除いて固定台によって遮られており、動物を濡らすことなく排泄物を容易に洗い流すことが可能であり好ましい。
【0026】前記開口部は、固定された動物が排泄した場合に排泄物を清掃用通路に排出するためのものであり、このようなものであれば特にその構造について限定されない。開口部はスライド式の蓋を有する開口部であっても良く、蓋のスライド範囲において開口面積や開口位置を自在に調整し、体格や種類、性別の異なる動物にも対応可能な構成としても良く、このような構成とすると汎用性をより高める上で好ましい。
【0027】ところで薬剤のうち皮膚外用剤を用いる動物実験では、動物の皮膚に薬剤を塗布し、薬剤の効能等を経時的に観察する場合があり、このような観察では目視による観察の他にも血液検査を行うことが有効である。このような動物実験を行う場合では、薬剤の塗布箇所を保護する動物用ジャケットを動物に着用させることが薬剤の効能や影響を正確に把握する上でより好ましい。
【0028】ここで前記の動物用ジャケットについて説明する。動物用ジャケットには様々なものが知られているが、前述した皮膚外用剤を用いる動物実験を行う場合では、動物に着用されるジャケット本体と、このジャケット本体に固定される保護体とを有する動物用ジャケットであることが、動物への装着の容易さや保護すべき部位の保護等の観点から好ましい。
【0029】前記ジャケット本体は動物の保護すべき部位(例えば動物背部の皮膚等)を覆うことなく動物に着用されるものが好ましく、このようなジャケット本体としては、動物の四肢がそれぞれ挿通される四肢用孔部と、この四肢用孔部に四肢を挿通しかつ前記保護すべき部位を開放した状態でジャケット本体を動物に固定するジャケット本体固定部と、ジャケット本体に前記保護体を着脱自在に固定する保護体固定部とを有するジャケット本体を例示することができる。
【0030】前述した各固定部には従来より知られている種々の着脱自在な部材を用いることができ、このような部材としては前述した係着部材と同様のものを用いることができる。またジャケット本体は動物の排泄器が当たる位置に開口するジャケット開口部を有することがより好ましい。
【0031】前記保護体は通気性を有すると共に保護すべき部位に接触しない間隔を置いて保護すべき部位を覆うようにジャケット本体に固定されるものが好ましい。このような保護体としては、例えば有孔体、網目体、格子体等のものを用いることができ、その形状としては保護すべき部位の位置や大きさ及び形状、動物の大きさ等に応じて種々の形状を採用することができる。保護体縁部の形状としては、例えば円形、楕円形等の非円形、方形等の多角形等の形状を挙げることができ、保護体の断面形状としては、例えば方形等の多角形、蒲鉾型、馬蹄型等の形状を挙げることができる。
【0032】前述したような動物用ジャケットを着用した動物を本発明の動物用固定器に固定する場合では、固定部材と動物用ジャケットとを接続するための手段として、前記保護体に着脱自在に係止するフック等の係止部材を前記固定部材に設けることが動物を容易に固定する上で好ましい。またこのような係止部材は複数設けても良く、固定すべき動物の種類や保護体の形態等に応じて適所に設けることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態における動物用固定器は図1及び図2に示される固定台と、図3に示される固定部材とを有する。固定台は台座1と、台座1上に固定される二つの支持部材2、2と、それぞれの支持部材2の上方に跨り接着により固定されている曲板状の固定床3とを有する蒲鉾型の固定台である。台座1の下面には板状ゴム部材で形成された滑り止め10が設けられている。
【0034】支持部材2の側部にはアイ4が二つずつ(計四つ)設けられている。また支持部材2、2は所定の間隔を有して配置されており、支持部材2、2の間隙は清掃用通路5を形成している。また固定床3の後部には切り欠き状の開口部6が形成されている。なお台座1、支持部材2、2、及び固定床3は樹脂製の部材であり、防水性を有している。
【0035】固定部材はゴムバンド7であり、ゴムバンド7の両端部にそれぞれ設けられたフック8、9を有している。フック8、9はアイ4に係止可能なフックである。
【0036】次に固定すべき動物をラットとし、前述の動物用固定器にラットを固定する手順について説明する。本発明ではラットは動物用ジャケットを着用していても良く、まずラットが着用しても良い動物用ジャケットの一例について説明する。
【0037】動物用ジャケットは図4に示されるようにラットの背部を保護すべき部位として開放するジャケット本体11と、図5に示されるようにステンレス製の針金によって蒲鉾型の格子体に形成されている保護体12とを有している。
【0038】ジャケット本体11は四肢用孔部と、ジャケット本体11から側方に延びる装着用固定バンド13、14と、四肢用孔部の側部から延出する保護体固定用バンド15と、保護体固定用バンド15に設けられた保護体固定用フック16とを有している。装着用固定バンド13、14には不図示の面ファスナーがそれぞれ設けられており、ジャケット本体11には前記面ファスナーに着脱自在なもう一方の面ファスナー17、18がラットの胴回り方向に延出するように設けられている。
【0039】またジャケット本体11には図示しないが後肢用の四肢用孔部の間には切り込みが設けられ、この切り込みの切り込み口を縫い合わすことで形成されたジャケット開口部が設けられており、ジャケット本体の着用によって動物の排泄器がジャケット本体に覆われない構成とされている。
【0040】ラットへのジャケット本体11の着用に際しては、ジャケット本体11の四肢用孔部のそれぞれにラットの四肢を挿通させ、前記ジャケット開口部にラットの尾を挿通させ、ラットの頸部付近で装着用固定バンド13を面ファスナー17で固定し、ラットの腰部付近で装着用固定バンド14を面ファスナー18で固定する。このようにしてラットにジャケット本体11を着用させる。前述した面ファスナーの係着によってジャケット本体11をラットに着用させることから、面ファスナーの係着可能な範囲で体格の異なるラットや他の動物にもジャケット本体11を着用させることが可能である。
【0041】次にラットの背部に保護体12を載せ、保護体固定用フック16を保護体12の適当な格子に掛ける。このようにして保護体12がジャケット本体11に固定される。
【0042】動物用固定器へのラットの固定については、まず固定床3にラットを載せる。このときラットの排泄器が開口部6の位置に来るようにラットを固定床3に載せる。ラットは固定床3上で腹這いになった状態で固定床3に載せられる。一方の支持部材2に設けられたアイ4にはゴムバンド7のフック8を掛ける。
【0043】ラットが固定床3に載せられたらゴムバンド7のフック9を掛けることによりラットの胴体を固定する。前述した動物用ジャケットを着用したラットを固定する場合では、図6から図8に示すようにアイ4と同数、すなわち四本のゴムバンド7を用い、フック9を保護体12の適当な格子に掛けることでラットを固定する。この場合ではフック8は本発明における第一の係着部材であり、アイ4は本発明における第二の係着部材であり、フック9は本発明における係止部材である。
【0044】動物用ジャケットを着用していないラットを固定する場合では、図9に示すように二本のゴムバンドを用い、もう一方の支持部材2に設けられたアイ4にフック9を掛けることでラットを固定する。この場合ではフック8及びフック9は共に本発明における第一の係着部材であり、アイ4は本発明における第二の係着部材である。
【0045】このように本実施の形態における動物用固定器はフックを適所に掛けるだけでラットの胴体を固定台に固定することができる。またフックの係止でラットを固定できることから、容易にかつ迅速にラットを固定することができ、ラットの拒絶による実験者の負傷もより少なくすることができる。
【0046】また図6から図9に示されるように、本実施の形態における動物用固定器に固定されたラットは胴体が固定台に固定されることから、四肢や頭部及び尾を動かすことが可能である。したがって本実施の形態における動物用固定器では、動物の四肢を固定する従来の固定器に比べてより自然な状態でラットを固定することができ、固定により発生するラットのストレスをより低減させることができる。またフック9を掛ける位置によってもラットに対する拘束力を調節することができ、ラットの固定具合をより精密に調整することが可能である。
【0047】またラットの排泄器は開口部6によって開放されていることから、固定時のラットが排泄物を排泄した場合でも排泄物は開口部6から清掃用通路5に排出され、固定されているラットを汚染しない。したがって排泄物での汚染によるラットのストレス発生を防止することができる。また排泄物はふき取っても良いし、清掃用通路5から取り出しても良いし、さらには水洗によって清掃用通路5から流出させても良く、このような清掃用通路5を設けることで動物用固定器をより清潔に保つことが可能になる。
【0048】また水洗する場合でも、固定されているラットと清掃用通路5との間は固定床3によって隔てられているため、水洗で用いる水がラットを濡らすことがなく、排泄物の除去に伴い発生するラットのストレスをより軽減することができる。
【0049】また本実施の形態における動物用固定器では清掃用通路5及び開口部6が設けられていることから、尾が自由な状態でラットを固定することができ、尾静脈採血が容易である。
【0050】またラットが動物用ジャケットを着用している場合では背部を保護しつつラットの採血が可能であることから、外用剤を用いる動物実験ではより信頼性の高い動物実験を行うことが可能であり、ラット背部の治療等を行う場合でもより有効である。
【0051】また本実施の形態における動物用固定器では、固定部材としてゴムバンド7を用いることから安価に固定部材を構成することができる。さらに異なる長さや太さのゴムバンドを複数用意することにより、ゴムバンドの張力を調整することが容易に可能であり、動物に対する拘束力を調節することができ、動物の体格差に応じた固定等も容易である。
【0052】また本実施の形態における動物用固定器では、台座1に滑り止め10が設けられていることから、動物の固定や採血時における安定性が向上し、動物の固定や採血等の操作をより容易かつ正確に行うことができる。
【0053】また本実施の形態における動物用固定器では、支持部材2と固定床3とを有し、支持部材2により固定床3を所定の高さに支持する構成としたことから、ラットの固定作業や採血作業等の固定した動物に対する作業に適した高さにラットを支持し、上記作業をより容易に行うことができる。
【0054】なお本実施の形態では二つの支持部材2によって固定床3を支える構成としたが、支持部材2の数を四つに増やし、かつボルト及びナット等の締着部材を用いて台座1上の任意の位置に支持部材2を固定できる構成としても良い。このような構成によれば固定すべき動物の種類や体格差に応じて、台座1の大きさの範囲において固定台の大きさを適切に設定することが可能である。
【0055】また本実施の形態では固定床3を支持部材2に接着して固定する構成としたが、例えばボルト及びナット等の締着部材による固定、凸条及び凹条の摺動自在な嵌合等により固定床3を支持部材3に対して着脱自在に固定できる構成としても良い。このような構成によれば固定すべき動物の種類や体格差に応じて固定床3を適切に選択することも可能である。
【0056】また支持部材2や台座1はジャッキ構造等のように高さ調整が可能な部材であっても良く、このような構成によれば固定すべき動物の種類や体格差等に適切に対応することが可能であり、かつ固定した動物に対する種々の作業に適した高さに動物を支持することができ、上記作業をより一層容易に行うことも可能である。
【0057】
【発明の効果】本発明の動物用固定器は、固定すべき動物が載せられる固定台と、固定すべき動物の胴体を固定台に固定する固定部材と、互いに着脱自在に係着し、この係着によって固定部材を固定台に係止する第一及び第二の係着部材とを有し、固定部材は第一及び第二の係着部材の係着によって動物の胴体を固定台に固定する構成としたことから、動物の固定がより容易であり、かつ固定に伴う動物への負担をより軽減する動物用固定器を提供することができる。
【0058】また本発明の動物用固定器では、固定台は、固定すべき動物の下方に設けられ動物の排泄物を洗い流すための清掃用通路を有する構成とすると、排泄物による動物の汚染が防止されることから前記汚染による動物のストレスを低減させる上でより効果的である。
【0059】さらに本発明の動物用固定器では、清掃用通路は固定台を貫くトンネル状の通路であり、固定台は固定された動物の排泄器が当たる位置に開口し清掃用通路に到達する開口部を有する構成とすると、排泄物による動物の汚染がより確実に防止され、かつ固定された動物が排泄物の除去による影響を受けにくいことから、動物のストレスを低減させる上でより一層効果的である。
【0060】また本発明の動物用固定器では、固定部材は伸縮自在な材料で形成されている構成とすると、動物に対する拘束力の調節し、固定すべき動物の体格差や種類にも対応することができ、動物を容易に固定し、かつ固定に伴う動物への負担を軽減する上でより一層好ましい。
【0061】また本発明の動物用固定器では、第一の係着部材は固定部材に設けられており、第二の係着部材は固定台に設けられている構成とすると、動物を容易に固定する上でより一層効果的である。
【0062】また本発明の動物用固定器では、動物は、保護すべき部位を覆うことなく動物に着用されるジャケット本体と、通気性を有すると共に前記保護すべき部位に接触しない間隔を置いて保護すべき部位を覆うようにジャケット本体に固定される保護体とを有する動物用ジャケットを着用している動物であり、動物用固定器においては保護体に着脱自在に係止する係止部材が固定部材に設けられている構成とすると、動物用ジャケットを着用している動物を容易に固定し、かつ動物用ジャケットを着用している動物に対して、固定に伴う負担を軽減する上でより一層効果的である。
【出願人】 【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
【出願日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【代理人】 【識別番号】100089244
【弁理士】
【氏名又は名称】遠山 勉 (外2名)
【公開番号】 特開2002−306011(P2002−306011A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−118157(P2001−118157)