| 【発明の名称】 |
竿受装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】細見 康雄
【氏名】山根 卓朗
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| 【要約】 |
【課題】傾いて固定された場合であっても、全方向にその傾きを矯正して釣竿を水平に保持することができる竿受装置を提供する。
【解決手段】支軸11と竿保持部12との間に、両者間の相対的回動を許容する関節部14を設けた。関節部14は、球状突起部39と当接板23とを用いて構成した。関節部14の固定/固定解除を行うレリーサ15を装備した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣り場に固定することができる支軸と、支軸の先端側に配置され、釣竿を保持する竿保持部と、支軸と竿保持部との間に介在され、支軸に対する竿保持部の全方向への回動を許容する関節部とを備えたことを特徴とする竿受装置。 【請求項2】請求項1記載の竿受装置において、上記関節部は、上記支軸の先端に設けられた球状突起と、上記竿保持部側に連結され、球状突起の外周面に対して所定面圧状態で摺動可能に当接する当接面部とを備えたことを特徴とする竿受装置。 【請求項3】 請求項2記載の竿受装置において、上記球状突起の外周面または上記当接面部の少なくとも一方に、ローレットが形成されていることを特徴とする竿受装置。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の竿受装置において、上記関節部は、上記当接面部を上記球状突起に押圧固定する締結機構をさらに備えていることを特徴とする竿受装置。 【請求項5】 請求項4記載の竿受装置において、上記締結機構は、上記球状突起および当接面部に貫通配置される締結軸を備えたレリーサを有し、上記当接面部は、上記締結軸に対して相対的に変位するための変位許容穴を有していることを特徴とする竿受装置。 【請求項6】 請求項4記載の竿受装置において、上記締結機構は、上記球状突起および当接面部に貫通配置される締結軸を備えたレリーサを有し、上記球状突起は上記締結軸が貫通される貫通孔を有し、当該貫通孔の内面形状は、上記締結軸が上記球状突起に対して相対的に変位するために漏斗状に形成されていることを特徴とする竿受装置。 【請求項7】 請求項2ないし6のいずれかに記載の竿受装置において、上記球状突起は、球状部材からなり、当該球状部材は、その外周面から中心軸線に沿って形成された係合凹部を有し、上記支軸の先端部は、上記係合凹部に係合する係合凸部が形成されていることを特徴とする竿受装置。 【請求項8】 請求項7記載の竿受装置において、上記係合凹部は、上記係合凸部側へ突出する係止爪部材を有し、上記係合凸部は、上記係止爪部材が嵌め込まれる係止溝が形成されていることを特徴とする竿受装置。 【請求項9】 請求項2ないし8のいずれかに記載の竿受装置において、上記球状突起は、対向配置された一対の半球状部材からなり、各半球状部材の互いの対向面間に隙間を形成するために各対向面に対称に切欠段部が形成されていることを特徴とする竿受装置。 【請求項10】 請求項9記載の竿受装置において、上記一方の半球状部材の対向面に位置決め用ピンが突出形成され、上記他方の半球状部材の対向面に、上記位置決めピンと係合する位置決め孔が設けられていることを特徴とする竿受装置。 【請求項11】 請求項9または10記載の竿受装置において、各対向面が互いに離反する方向に各半球状部材を弾性付勢する弾性部材が、各半球状部材間に介在されていることを特徴とする竿受装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術の分野】この発明は、釣り場において釣竿を保持するための竿受装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特に石鯛釣りのように釣竿やリール等のタックルの重量が重い場合には、釣りの最中に釣人が常時釣竿を持っていることは非常に困難である。このため、従来から釣竿を支えて保持するための竿受装置が提供されている。一般的な竿受装置は、下端が鋭利に尖った支軸と、この支軸の上端に設けられた竿保持部とを有し、支軸を釣り場(磯等)に打ち込んで固定する。すなわち釣竿は、この固定された竿受装置の竿保持部により支持されるようになっている。 【0003】ところで、支軸を打ち込む釣り場は平坦でないことが多く、そのために竿受装置が傾いた状態で固定せざるを得ない場合があり、この場合には釣竿も傾いてしまう。従来の竿受装置には竿保持部を俯仰させる機構を備えたものもあり、釣竿の傾きが鉛直方向に沿うものである場合には、その俯仰機構により竿の傾きを矯正することができる。 【0004】しかしながら、従来の竿受装置ではこのような鉛直方向の傾きを矯正することはできるが、鉛直方向に交差する方向の傾きを矯正することができなかった。このため、釣竿がかかる方向に傾いた状態で保持せざるを得ない状況では、釣竿を安定して支持することができず、しかも、魚がヒットした瞬間には、釣竿に本来予定しない方向の力が作用してしまうという不都合もある。 【0005】そこで、本発明の目的は、どの方向に傾いて固定された場合であっても、釣竿を水平に保持することができる竿受装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】(1) 本願発明者は、竿保持部と支軸との間に支点を形成し、この支点を中心に竿保持部をあらゆる方向に変位(回動)させることができれば、上記目的を達成することができると考えた。 【0007】(2) そこで、本願に係る竿受装置は、釣り場に固定することができる支軸と、支軸の先端側に配置され、釣竿を保持する竿保持部と、支軸と竿保持部との間に介在され、支軸に対する竿保持部の全方向への回動を許容する関節部とを備えたことを特徴とするものである。 【0008】この構成によれば、関節部により支軸と竿保持部との間に支点を形成し、支軸に対して竿保持部を全方向に回動させることができるから、仮に支軸が傾いて固定され、それにより竿保持部が傾いた場合であっても、その傾きを矯正して竿保持部を水平に保つことができる。 【0009】上記関節部は、上記支軸の先端に設けられた球状突起と、上記竿保持部側に連結され、球状突起の外周面に対して所定面圧状態で摺動可能に当接する当接面部とを備えて構成することができる。このようにすれば、竿保持部と共に摺動し得る当接面部が、支軸の球状突起に対して所定の摩擦力で保持されることになる。そして、この摩擦力に抗して竿保持部を回動させることにより、竿保持部の傾きを矯正して水平にすることができる。 【0010】さらに、上記球状突起の外周面または上記当接面部の少なくとも一方に、ローレットを形成することもできる。このようにすれば、上記当接面部と球状突起との間の摩擦力を大きくすることができ、竿保持部を確実に水平に保持することができる。 【0011】(3) 上記関節部に、上記当接面部を上記球状突起に押圧固定する締結機構を備えることもできる。これにより、竿保持部を球状突起に固定することができるから、たとえ釣竿の重量が重くても、釣竿の重量によって竿保持部が支軸に対して回動してしまうのを防止することができる。 【0012】(4) 上記締結機構は、上記球状突起および当接面部に貫通配置される締結軸を備えたレリーサを用いて構成し、上記当接面部に、上記締結軸に対して相対的に変位するための変位許容穴を設けてもよい。この場合、レリーサとしては公知のものを採用することができるが、一例としては自転車用車輪のハブを自転車フレームに着脱するためのクイックレリーサや自転車用シートを自転車フレームに固定するためのクイックレリーサを採用することができる。かかるクイックレリーサは軽量コンパクトで且つ安価であるという利点がある。 【0013】クイックレリーサを使用した場合は、その締結軸を上記当接面部および球状突起に貫通させて両者を締め付けることにより竿保持部を支軸に対して固定することができる。また、クイックレリーサを操作して上記当接面部と球状突起との押圧状態を解除すると、クイックレリーサの締結軸が当接面部の変位許容穴に対して相対的に変位可能となるから、当接面部が球状突起に対して摺動可能となる。これにより竿保持部を支軸に対して全方向に回動させることができ、支軸の傾きを矯正して水平を保つことができる。なお、クイックレリーサを使用しない場合は、たとえば、ボルトおよびナットによる締結機構を採用することができ、その場合は、ボルトを上記当接面部および球状突起に貫通させ、ナットを締め付けることにより竿保持部を支軸に対して締結固定することができる。また、ナットを緩めて上記当接面部と球状突起との固定状態を解除することにより、当接面部が球状突起に対して摺動可能となる。 【0014】(5) また、上記締結機構は、上記球状突起および当接面部に貫通配置される締結軸を備えたレリーサを用いて構成し、上記球状突起に上記締結軸が貫通される貫通孔を設け、当該貫通孔の内面形状を、上記締結軸が上記球状突起に対して相対的に変位するために漏斗状に形成することもできる。この場合においても、レリーサとしては上記クイックレリーサを採用することができる。そして、これを採用した場合は、その締結軸を上記当接面部および球状突起に貫通させて両者を締め付けることにより竿保持部を支軸に対して固定することができる。 【0015】また、クイックレリーサを操作して上記当接面部と球状突起との押圧状態を解除すると、クイックレリーサの締結軸が貫通している貫通孔が漏斗状に形成されているから、締結軸は貫通孔の内面により規定される範囲内で自由に変位可能となる。そのため、竿保持部を支軸に対して、上記貫通孔の内面により規定される範囲内で回動させることができ、その結果、支軸の傾きを矯正して水平を保つことができる。 【0016】なお、上記「漏斗状」とは、貫通孔の内面形状がいわゆるすり鉢状に形成されている場合も含まれる。この場合には、締結軸は貫通孔の内面により規定される範囲内で全方向に(いわゆるジャイロ状に)変位可能となる。 【0017】(6) 上記球状突起は、球状部材からなり、当該球状部材は、その外周面から中心軸線に沿って形成された係合凹部を有し、上記支軸の先端部は、上記係合凹部に係合する係合凸部を有するように構成することもできる。このようにすれば、球状部材を支軸の先端に取り付けるだけで球状突起を形成することができ、簡単に関節部を構成することができる。すなわち、球状部材の係合凹部に支軸の係合凸部を係合させるだけで、関節部の球状突起を構成することができる。 【0018】特に、上記係合凹部に、上記係合凸部側へ突出する係止爪部材を設け、上記係合凸部に、上記係止爪部材が嵌め込まれる係止溝を設けることもできる。このようにすれば、球状部材の係合凹部と支軸の係合凸部を係合させることにより、係止爪部材が係止溝に嵌め込まれ、球状部材を確実に支軸の先端に設けることができるという利点がある。 【0019】(7) 上記球状突起を、対向配置された一対の半球状部材により構成し、各半球状部材の互いの対向面間に隙間を形成するために各対向面に対称に切欠段部を形成することもできる。このようにすれば、球状突起を構成した場合に内部にスリット状の隙間が形成される。このため、球状突起に上記当接面部が押圧された状態では、その押圧力によって球状突起が弾性変形する。したがって、球状突起に対する当接面部の押圧力を確保することができる。 【0020】また、上記一方の半球状部材の対向面に位置決め用ピンを突出形成し、上記他方の半球状部材の対向面に、上記位置決めピンと係合する位置決め孔を設けることもできる。このようにすれば、球状突起を形成する際に位置決めピンと位置決め孔を係合させることにより、各半球状部材の相対的位置を位置決めすることができ、外周面に段差等の無い球状突起を構成することができる。 【0021】さらに、上記各対向面が互いに離反する方向に各半球状部材を弾性付勢する弾性部材を、各半球状部材間に介在させることもできる。このようにすれば、球状突起に形成された係合凹部が常時拡開される方向に弾性力が付加されることになる。したがって、支軸の先端への球状突起の着脱作業が容易となる。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。 <第1の実施形態>図1は、本発明の第1の実施形態に係る竿受装置の正面図である。 【0023】この竿受装置10は、たとえば磯釣りを行う際に、支軸11を釣り場(磯)に打ち込んで固定し、その状態で竿保持部12によって釣竿13を水平に保持しておくためのものである。本実施形態に係る竿受装置10の特徴とするところは、支軸11を磯に直立させることができない場合であっても、竿保持部12の傾きを矯正して常に釣竿13を水平に保つことができるようになっている点である。 【0024】竿受装置10の概略構成について説明する。竿受装置10は、支軸11と、支軸11の上方(先端側)に配置された竿保持部12と、これらの間に形成された関節部14と、関節部14の固定/固定解除を行うレリーサ15(締結機構)とを備えている。すなわち、竿保持部12は、関節部14を介して支軸11に対して回動し、これにより竿保持部12の傾きを矯正することができるようになっている。 【0025】図2は、竿受装置10の断面図であって、上述した各部の構造を詳細に図示したものである。図1,図2および後述の各図面を参照して、各部の構成について詳述する。 【0026】(1) 支軸支軸11は、たとえばステンレス鋼等の耐腐食性の高い材料からなる丸棒部材により構成することができる。なお、軽量化を考慮すれば、チタン合金を採用するのが好ましい。支軸11は磯に打ち込むためのものであるから、下端部にテーパが形成され鋭利に形成されている。 【0027】支軸11の上部(先端部)は、図2に示すように関節部14と係合する。このため、支軸11の上部には、係合凸部16が形成されている。この係合凸部16は関節部14側に設けられた係合凹部17と係合するようになっている。 【0028】また、係合凸部16は、支軸11の周方向に形成された係止溝18を有し、これにより、全体として図に示すような段付形状を呈している。この係止溝18は、後述する係合凹部17の板ばね部材19(係止爪部材)と嵌合するようになっており、両者が嵌合することによって支軸11が関節部14に係止されるようになっている。係止溝18は支軸11の全周にわたって形成するようにしてもよいし、支軸11の一部に形成するようにしてもよい。要するに、上記板ばね部材19と確実に嵌合することができるものであればよい。 【0029】なお、係合凸部16の先端部は縮径されて小径部20が形成されている。この小径部20の作用効果については後述する。 【0030】(2) 竿保持部図3は、図1におけるA−A断面矢視図である。また、図4は、竿保持部12の構造を示す要部分解斜視図である。図1ないし図4に示すように、竿保持部12は関節部14に固定されており、支持フレーム21と、竿フレーム22とを備えている。 【0031】図4を参照して、支持フレーム21はたとえば鋼板で構成することができ、後述する関節部14の当接板23に固着されている。固着手段としては溶接が一般的であるが、接着剤等の他の既知の手段を採用することもできる。支持フレーム21は、対向配置された一対の側板24,25と、これらを連結するクロスメンバ26とを有する。 【0032】側板24,25は、支持軸27を介して竿フレーム22を支持するものであり、全体として略三角形状に形成されている。側板24,25の一端部には、支持軸27を支持する軸支持孔28が形成されている。また、側板24,25の他端部には上記クロスメンバ26が配置されている。これにより、各側板24,25の他端部同士が連結されており、支持フレーム21の剛性を向上させている。さらに、クロスメンバ26には上下方向に貫通するねじ孔29が設けられている。そして、このねじ孔29に俯仰調整ねじ30がねじ込まれている。この俯仰調整ねじ30の作用効果については後述する。 【0033】一方、竿フレーム22は、ベース部材31と、その内部に配置された竿受本体32とを備えている。 【0034】ベース部材31はたとえば鋼板により構成することができ、本実施形態では側板部37と底板部38とを有する断面U字状に形成されている。なお、ベース部材31の一端側は、底板部38が取り除かれており、一対の梁状に形成されている。この一対の梁状部分の端部に軸挿通孔33,34が設けられており、これら軸挿通孔33,34はその中心軸が一致している。軸挿通孔33,34には、上記支持軸27が挿通されるようになっており、これにより、ベース部材31は支持フレーム31に対して支持軸27を中心に回動自在に支持される。 【0035】竿受本体32は、図1に示すように釣竿13を載置し保持するものである。竿受本体32は、鋼等により構成することができるが、釣竿13を保護するために合成樹脂等により構成することもできる。竿受本体32は、図4に示すように細長のブロック状に形成されており、その上面部に長手方向に沿って釣竿13を載置するための湾曲面35が形成されている。また、竿受本体32の一端部には、アーチ部36が上方に延設されており、竿受本体32の当該部分は、載置された釣竿13を囲繞することができるようになっている。 【0036】ここで、上記俯仰調整ねじ30が支持フレーム21側にねじ込まれており、その先端部が支持フレーム21に支持されたベース部材31の底板部38に当接するようになっている。したがって、この俯仰調整ねじ30を回してその先端部の位置を調整することにより、支持フレーム21に対して竿フレーム22全体が俯仰するようになっている。 【0037】(3) 関節部図1および図2を参照して、関節部14は、球状突起部39(球状突起)と、これに装着された上記当接板23とを備えている。 【0038】図2および図3を参照して、当接板23はたとえば鋼板等により構成することができ、本実施形態では、細長の板状部材を屈曲形成することによって略U字状に形成されている。 【0039】すなわち、当接板23は、基板部40と、基板部40の両端部に垂直下方に延設された延設部41,42と、さらにこれらにそれぞれ下方に延設されたクリップ部43,44とを有している。クリップ部43,44は左右対称形状に形成されており、一定の曲率半径となるように湾曲されている。この一定の曲率半径とは、上記球状突起部39の外周面46の曲率半径と一致されている。したがって、当接板23を球状突起部39に装着した状態で、クリップ部43,44がぴったりと球状突起部39の外周面46と当接し、かつ摺動可能となっている。このとき、クリップ部43,44の内周面は、球状突起部39の外周面46と当接する当接面45(当接面部)を構成している。 【0040】また、図に示すように、当接板23のクリップ部43,44には、後述するレリーサ15の締結軸63が挿通される締結軸挿通孔64が設けられている。この締結軸挿通孔64は円形に形成されており、締結軸63ががたつくことなくぴったりと嵌め込まれるようになっている。 【0041】当接板23を球状突起部39に装着した状態では、当接面45と球状突起部39の外周面46との間に摩擦力が発生し得る。したがって、当接板23の基板部40、延設部41,42、クリップ部43,44の寸法を適宜設定することにより、上記当接面45と外周面46とが所定の面圧状態で当接し、一定の摩擦力が発生する。そして、この摩擦力が釣竿13が載置された竿保持部12全体を保持し得る程度に設定することができる。 【0042】この場合、当接面45および上記球状突起部39の外周面46の少なくともいずれか一方に、ローレット(図示せず)を形成するのが好ましい。これにより、上記当接面45と外周面46との間の摩擦係数が増大し、容易に両者間に所要の摩擦力を発生させることができる。 【0043】次に、図5は、球状突起部39の分解斜視図である。 【0044】図2および図5を参照して、球状突起部39は、本実施形態では球状部材により構成している。これにより、球状突起部39を容易に構成することができるという利点があるが、球状部材に限定されることなく、要するに球状突起部39としては、上記外周面46が球状に形成されているものであればよい。また、球状部材は鋼等により構成することもできるが、樹脂により構成することにより軽量化が図れる。 【0045】球状突起部39は、二分割された球状部材により構成されている。すなわち、球状突起部39は、左右対称に形成された半球状部材47,48により構成されている。各半球状部材47,48には、左右方向に漏斗状の貫通孔65,66が設けられている。この場合、「漏斗状」とは、貫通孔65,66の内面形状がいわゆるすり鉢状に形成されていることを意味する。この貫通孔65,66には、レリーサ15の締結軸63が挿入される。これら貫通孔65,66による作用効果については後述する。 【0046】各半球状部材47,48は、その下端部に半円形の孔49,50が設けられている。そして、この孔49,50に連続して切欠部が設けられており、これにより、各半球状部材47,48には切欠段部51,52が形成されている。したがって、各半球状部材47,48を合致させることにより、球状突起部39の外周面46から中心軸線に沿って上述した係合凹部17が形成され(図2参照)、かつ各半球状部材47,48の対向面53,54間に隙間55が形成される(図2参照)。この隙間55の作用効果については後述する。 【0047】さらに、半球状部材48の対向面54には、ピン部56(位置決め用ピン)が突出形成され、半球状部材47の対向面53には、このピン部56の位置に対応する位置にピン孔57(位置決め用孔)が設けられている。各半球状部材47,48を合致させると、ピン部56がピン孔57に嵌め込まれるようになっており、これにより、各半球状部材47,48を位置決めした状態でぴったりと嵌め合わせることができるようになっている。その結果、球状突起部39の外周面46を、段差等の無い良好な球面とすることができる。 【0048】また、各半球状部材47,48の孔49,50には、板ばね部材19が装着されている。この板ばね部材19は、孔49,50の内面から外方に若干突出するように配置されている。このため、上述したように支軸11の係合凸部16を上記係合凹部17に嵌め込むことにより(図2参照)、板ばね部材19が弾性変形し、その弾性力で係合凸部16の係止溝18に押し付けられる。これにより、係合凸部16と係合凹部17との係合は、強固なものとなる。なお、板ばね部材58,59に代えてピン等を採用することもできる。 【0049】加えて、本実施形態では、各半球状部材 47,48の対向面53,54間にコイルばね60(弾性部材)が介在されている。すなわち、各対向面53,54にばね挿入孔61,62が設けられており、これにコイルばね60の両端部が挿入されている。このコイルばね60の作用効果については後述する。 【0050】(4) レリーサ(締結機構) 図1を参照して、レリーサ15は、後述するように当接板23のクリップ部43,44を球状突起部39に押し付けるものであり、当接面45と球状突起部39の外周面46とが押圧されることにより、両者間に生じる摩擦力で当接板23を球状突起部39に固定するものである。なお、本実施形態では、自転車用車輪のハブを自転車フレームに着脱するためのクイックレリーサを採用している。このレリーサ15は軽量コンパクトでり、かつ安価であるという利点がある。 【0051】レリーサ15は公知のものであるが、その構成を簡単に説明する。レリーサ15は、上記締結軸63と、その両端部に配置された締付部67,68と、被締結部材(本実施形態では当接板23)を保護する締付パッド69とを備えている。そして、締付部67には操作レバー70が設けられており、これを操作することにより、締付部67に内蔵されたカム機構が作動して締付部67,68が互いに近接/離反するようになっている。なお、締付部67,68が速やかに離反するように、ばね71,72が配置されている。 【0052】このレリーサ15を使用する場合は、締結軸63を当接板23および球状突起部39に貫通させる。そして、操作レバー70を操作して締付部67,68を近接させることにより、当接板23と球状突起部39とが強固に締め付けられて関節部14を固定することができる。これにより、竿保持部12全体を支軸11に対して固定することができる。また、操作レバー70を操作して締付部67,68を離反させることによって当接板23と球状突起部39との押圧状態を解除することができ、これにより、関節部14の回動が可能となって、竿保持部12全体を支軸11に対して回動させることができる。 【0053】なお、上述したように、当接板23の基板部40、延設部41,42、クリップ部43,44の寸法を適宜設定し、釣竿13が載置された竿保持部12全体を支軸11に対して保持し得るように、当接板23と球状突起部39との摩擦力を確保することにより、このレリーサ15を無くすこともできる。 【0054】(5) 竿受装置の使用要領次に、本実施形態に係る竿受装置10の使い方について、各部の作用効果と共に説明する。 【0055】まず、釣り場において磯に支軸11の下端部を打ち込む。この作業は、ハンマー等を用いて支軸11の小径部20(図2参照)をたたきながら行う。この小径部20を設けることにより、支軸11の係合凸部16の損傷を防止することができる。すなわち、竿受装置10を長期間にわたって使用すると、ハンマー等でたたかれる部分は変形することになるが、本実施形態では小径部20を設けているから、当該小径部20が変形するだけで、支軸11の係合凹部16が変形することはない。したがって、竿受装置10の機能を長年にわたって維持することができる。 【0056】支軸11を磯に固定した後、図1に示すように竿保持部12に釣竿13をセットする。この作業は、釣竿13の竿尻部分を竿保持部12の先端側からアーチ部36へ挿入する。これにより、竿尻がアーチ部36に引っかけられて保持される。このとき、支軸11を磯に直立させることができない場合には、釣竿13も傾いてしまう。 【0057】しかし、関節部14が設けられており、上述のように関節部14は、球状突起部39に対して当接板23が摺動可能に当接しているから、当接板23を球状突起部39に対して回動させることにより、支軸11に対して竿保持部12をあらゆる方向に回動させることができる。したがって、支軸11が傾いて、それにより竿保持部12が傾いた場合であっても、関節部14によって竿保持部12の傾きを矯正し、釣竿13を水平に保つことができる。 【0058】特に、本実施形態では、当接板23が竿保持部12と共に回動し、その当接面46が球状突起部39の外周面46と摺動可能に当接しているから、釣竿13の傾き(すなわち竿保持部12の傾き)を矯正する場合には、竿保持部12全体を手で把持して回動させることにより、簡単に傾きの矯正をすることができるという利点がある。しかも、レリーサ15により、当接板23を球状突起部39に固定することができるから、たとえ釣竿13の重量が重くても、一旦水平に矯正した釣竿13が不用意に傾いてしまうことがない。 【0059】また、図2に示すように、レリーサ15の締結軸63が漏斗状に形成された貫通孔65,66に挿通されているから、レリーサ15による固定を解除して竿保持部12の傾きを矯正する際に、締結軸63は貫通孔65,66の内面により規定される範囲内で全方向に自由に変位することができる。つまり、この貫通孔65,66の内面により区画される空間内の任意の位置に締結軸63を配置することができ、しかもその状態でレリーサ15により固定することができる。このように、当接板23を簡単かつ確実にあらゆる方向へ迅速に回動させ、固定することができるという利点がある。 【0060】ただし、貫通孔65,66は、本実施形態のようにいわゆるすり鉢状に形成するほかに、次のようにしてもよい。すなわち、レリーサ15による固定を解除したときは、図2に示すように、球状突起部39が支軸11に対して支軸11の軸方向回りに回動することができる。また、上述したように、竿保持部12は、支持軸27を中心にして支持フレーム21に対して俯仰するようになっている。したがって、貫通孔65,66は、締結軸63が、支軸11回りに回動する方向および支持軸27回りに回動する方向の双方に直交する方向に変位できるように形成することもできる。また、貫通孔65,66は、締結軸63が、支軸11回りに回動する方向に直交する2つの方向に変位できるように形成することもできる。 【0061】さらに、本実施形態では、球状突起部39を球状部材により構成しているから、簡単かつ安価に関節部14を構成することができるという利点がある。また、上述のように板ばね部材19と係止溝18とにより係合凹部17と係合凸部16との係合を強固なものとできるから、球状部材を確実に支軸11に取り付けることができ、関節部14の剛性を確保することができる。 【0062】しかも、本実施形態では、球状突起部39を二分割された半球状部材47,48により構成し、上述した隙間55を形成しているから、球状突起部39に当接板23が押圧された状態では、その押圧力によって各半球状部材47,48が弾性変形し、その反力によって球状突起部39に対する当接板23の押圧力を確保することができる。したがって、当接板23を球状突起部39に対して確実に保持することができるという利点がある。 【0063】なお、本実施形態では、隙間55を形成するために図5に示すような切欠段部51,52を設けたが、これに代えて、図6に示すような切欠段部51a,52aを設けることもできる。すなわち、同図に示す切欠段部51a,52aは、各半球状部材47,48の孔49,50に連続する矩形の段部である。このような形状の切欠段部51a,52aを設けた場合であっても、球状突起部39に当接板23が押圧された状態では、その押圧力によって各半球状部材47,48が弾性変形し、その反力によって球状突起部39に対する当接板23の押圧力を確保することができる。 【0064】また、半球状部材47,48には、上述したピン部56およびピン孔57が設けられており、球状突起部39の外周面46を、段差等の無い良好な球面とすることができるから、当接板23を滑らかに回動させることができ、竿保持部12の傾き矯正を円滑に行うことができる。 【0065】加えて、各半球状部材47,48間に上記コイルばね60を配設したので、各半球状部材47,48は常時拡開される方向に弾性力が付加されることになる。したがって、係合凹部17が常時拡開されるように弾性付勢されるから、支軸11への球状突起部39の着脱作業が容易であるという利点もある。 <第2の実施形態>次に、本発明の第2の実施形態について説明する。 【0066】図7は、本発明の第2の実施形態に係る竿受装置80の断面図であり、図8は、図7におけるB−B矢視図である。 【0067】本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、第1の実施形態では球状突起部39に対する回動を許容するために球状突起部39の内部に漏斗状の貫通孔65,66を設けたのに対し、本実施形態では、球状突起部39側にはレリーサ15の締結軸63が挿通される真直穴81を形成し、当接板23に当該当接板23が変位するための変位許容穴82を設けた点である。なお、その他の構成については上記第1の実施形態と同様であるので、図7および図8において同様の構成については同様の参照符号を付してその説明を省略する。 【0068】すなわち、図7および図8に示すように、当接板23のクリップ部43,44に長穴状の変位許容穴81が形成されている。そして、レリーサ15の締結軸63は上記真直穴81に挿通され、その両端部が変位許容穴82に挿通されている。したがって、当接板23を回動させる際には、上記第1の実施形態では締結軸63と共に当接板23を回動させるようになっていたが、本実施形態では、締結軸63は球状突起部39に固定されたままであり、この締結軸63が変位許容穴82に対して相対的にスライドすることによって、当接板23が回動される。 【0069】よって、本実施形態についても上述した第1の実施形態と同様の作用を奏し、支軸11を磯に直立させることができない場合であっても、関節部14によって竿保持部12の傾きを矯正し、釣竿13を水平に保つことができる。 【0070】 【発明の効果】以上のように本願発明に係る竿受装置によれば、支軸を直立させて固定することができなくても、支軸に対して竿保持部をあらゆる方向に回動させることができるから、釣竿を常に水平に支持することができ、釣竿に意図しない方向への力が作用することも防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
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| 【出願日】 |
平成13年4月2日(2001.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065868 【弁理士】 【氏名又は名称】角田 嘉宏 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−291390(P2002−291390A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−103529(P2001−103529) |
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