| 【発明の名称】 |
魚釣用リール |
| 【発明者】 |
【氏名】南部 一弥
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| 【要約】 |
【課題】電装部品に対して過酷な環境下でも円滑に使用することが可能な電装部品を収容した魚釣用リールを提供すること【解決手段】電装部品を収容した収容部30の内側を水密構造とするシール部材46,48の外側面と、このシール部材と接して密封される支持板32とカバー体34と電気ケーブル36とに撥水層50を配置し、これらのシール部材と、支持板32とカバー体34と電気ケーブル36との境界部に水が付着するのを防止した。
【解決手段】電装部品を収容した収容部30の内側を水密構造とするシール部材46,48の外側面と、このシール部材と接して密封される支持板32とカバー体34と電気ケーブル36とに撥水層50を配置し、これらのシール部材と、支持板32とカバー体34と電気ケーブル36との境界部に水が付着するのを防止した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体に形成した収容部に電装部品を収容してなる魚釣用リールにおいて、前記収容部の内側を水密構造とするシール部材の外側面と、このシール部材と接して密封される被密封部材の外側面との少なくとも一方に撥水層を配置し、これらのシール部材と被密封部材との境界部に水が付着するのを防止したことを特徴とする魚釣用リール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣用リールに関し、特に、リール本体に形成した収容部に電装部品を収容してなる魚釣用リールに関する。 【0002】 【従来の技術及びその課題】一般に、魚釣用リールは、海水、水あるいは異物等が浸入し易い過酷な釣場環境で使用されることにより、電装部品の防水処理は不可欠である。このため、電装部品を収容する収容部の本体ケースと蓋体との間、および、電気的接続部とリード線取出し口との間等にゴム製のパッキンを介挿し、この収容部の内部を水密構造に形成する。 【0003】しかし、実釣時には、魚釣リールに水あるいは海水が付着し易く、特に、魚釣リールの角部、本体ケースと蓋との隙間、リード線と蓋体及びパッキンとの間隙等の狭隘部に水分が留まり易く、一旦付着した水分は乾き難く、長時間にわたって残留する。このため、濡れた状態で長時間放置すると、温度の急激な変化による収容部内の圧力低下等により、付着した水分が収容部内に進入することがある。また、パッキン類の防水性能を低下させることもある。 【0004】電装部品の収容部内は密封構造であるため、ごく僅かな水分でも、内部に進入すると、この収容部内に結露を生じさせ、また、パッキン類の防水機能が低下すると、収容部内に簡単に水分が進入することになる。このような収容部内に進入した水分は、電装部品を損傷させる要因となり、一方、水密構造の収容部内の点検あるいは修理は困難であり、したがって、魚釣用リールの円滑な使用が阻害される。このため、使用環境の厳しい釣場で使用し、濡れたまま放置した場合でも、電装部品を収容する収容部内への水分の進入を防止し、電装部品にとって過酷な環境下でも円滑に使用できる魚釣用リールが望まれている。 【0005】本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、電装部品に対して過酷な環境下でも円滑に使用することが可能な電装部品を収容した魚釣用リールを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明は、リール本体に形成した収容部に電装部品を収容してなる魚釣用リールにおいて、前記収容部の内側を水密構造とするシール部材の外側面と、このシール部材と接して密封される被密封部材の外側面との少なくとも一方に撥水層を配置し、これらのシール部材と被密封部材との境界部に水が付着するのを防止したことを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用リールを示す。本実施形態の魚釣用リールは、両軸受け型手巻きリールとして形成してあり、このリール本体10の一対の外側板12a,12bに、スプール14を具備したスプール軸14aの両端部が回転可能に支持されている。スプール軸14aの一端側には、ピニオン16がこのスプール軸14aと同軸状に配置され、後述するクラッチ板18により、図1に示すスプール軸14aの嵌合部14bに嵌合した嵌合位置と、この嵌合部14bから分離した脱出位置との間を移動することができる。 【0008】このピニオン16には、ハンドル軸20に装着された大径の駆動歯車22が常時噛合っており、ハンドル20aを介してハンドル軸20を回転したときに、ハンドル20aに作用する力が、ハンドル軸20から駆動歯車22を介してピニオン16に伝達される。 【0009】このように駆動歯車22を介してハンドル軸20で駆動されるピニオン16は、その外周面に周方向溝16aを形成してあり、この周方向溝16aにクラッチ板18が係合する。このクラッチ板18は、外側板12bの外側に配置したレバー24により、スプール軸14aの軸方向に沿って移動され、ピニオン16を図1に示す嵌合位置と、図示しない脱出位置との間で移動する。ピニオン16が嵌合位置に配置されると、スプール軸14aがハンドル軸20と連結され、ハンドル20aに作用する力により、スプール軸14aしたがってスプール14が回転される。一方、ピニオン16が脱出位置に配置されると、スプール軸14aとハンドル軸20とが分離され、スプール14はピニオン16に係りなく自由に回転することができる。なお、スプール14上に釣糸Tを均等に巻回するため、一対の外側板12a,12b間には、スプール14の回転に連動して、外側板12a,12b間を往復動する通常の釣糸案内装置(図示しない)を配置してある。 【0010】更に、一対の外側板12a,12b間には、表示部26および各種スイッチ28等の電装部品を収容する収容部30が設けられている。この表示部26には、例えば水深、魚の泳層、あるいは設定時間等の実釣に必要な情報を液晶表示させてもよく、また、スイッチ28は、例えば底からの距離測定開始スイッチあるいはリセットスイッチ等としてもよい。この収容部30は、全体を水密構造に形成し、内部の電装部品を水濡れから保護する。 【0011】図2に示すように、本実施形態における収容部30は、種々の電装部品を支える支持板32の全体をカバー体34で覆っており、この支持板32上に種々の電装部品を固定してある。この支持板32に固定された電装部品の駆動用電力は、この支持板32を貫通させた電気ケーブル36を介して、収容部30の外部から供給される。図2には、電装部品である表示部26の液晶パネル38およびこの液晶パネルの駆動用IC40を搭載した基板42を支持板32にビス止めし、カバー体34に設けた透明パネル44を通して液晶パネル38の表示を外部から見えるように形成した例を示してある。符号44aは、透明パネル44の一部を厚肉化したレンズ部を示す。なお、この収容部30内に収容される他の電装部品であるスイッチ類については、図示を省略してある。 【0012】このように種々電装部品を搭載した支持板32とカバー体34との間は、好適な接着剤で形成したシール部材46で密封固着し、支持板32とカバー体34とが分離できない構造に形成してある。また、この支持板32とこの支持板を貫通する電気ケーブル36との間は、グロメット状のゴム製パッキンで形成したシール部材48で密封してある。これにより、収容部30は、内部に水が浸入するのを防止した水密構造に形成される。勿論、カバー体34の透明パネル44の周部および基板42を支持板32に固定するビスの周部についても、必要な場合には、好適な接着剤等で水密構造に密封しておくのが好ましい。 【0013】本実施形態では、支持板32の周部には、収容部30の内側に突出するフランジ部32aと、収容部30の外側に開口する溝部32bとを形成してあり、この溝部32bに接着剤を充填してシール部材46を形成してある。これにより、支持板32とカバー体34との間に大きな接触面積が形成され、また、支持板32とカバー体34との双方に対する接着剤すなわちシール部材46の大きな接触面積を確保し、支持板32とカバー体34とを強固に固定する。また、電気ケーブル36の貫通部を密封するシール部材48の周部にも、収容部30の外側に開口する凹部32cを設けてあり、シール部材48が収容部30の外側に大きく突出して外側の部材と干渉するのを防止する。 【0014】更に、このように収容部30の内側を水密構造とするシール部材46,48の外側面すなわち収容部の外側に露出した面と、これらのシール部材46,48で密封される被密封部材である支持板32とカバー体34と電気ケーブル36とのそれぞれの外側面との境界部には、撥水層50を形成し、これらの境界部に水が付着するのを防止してある。 【0015】このような撥水層50は、シール部材46,48と支持板32とカバー体34と電気ケーブル36とのそれぞれの外側面に止着され、微小な撥水性粒子を含有する撥水性樹脂からなる撥水性被膜で形成される。なお、「止着」とは、例えば塗装(液体あるいは粉末等)、印刷、プリプレグや樹脂フィルムの巻装、蒸着、メッキ、その他接着等によって撥水性被膜を形成することを意味する。また、「撥水性」とは、水滴の接触角が、少なくとも130度以上、好ましくは140度以上、更に好ましくは150度〜180度の範囲であり、撥水作用の極めて大きな超撥水性を含むことを意味する。 【0016】このような撥水性被膜は、フッ素樹脂粒子などの撥水性粒子が分散混入された弗素樹脂やシリコーン樹脂等の撥水性樹脂を用いて形成され、吹き付け塗装や注入塗装等の方法で適宜、所要部位に塗布される。なお、本実施形態では、図2の(B)に示すように、撥水層50を支持板32の溝部32b内でシール部材46の外側面から支持板32とカバー体34との双方に延設させて形成し、凹部32c内でシール部材48の外側面から支持板32と電気ケーブル36との双方に延設させて形成したため、大きな止着面が形成される。更に、これらの撥水層50が溝部32bおよび凹部32c内でこれらの内壁に沿って配置したため、外部の部材との接触を防止しつつ大きな撥水面を形成する。 【0017】図3および図4は、電動リールの実施形態を示す。なお、本実施形態でも、基本的には上述の実施形態と同様であり、同様な部分には同様な符号を付してその詳細な説明を省略する。本実施形態では、更に電装部品であるスプール駆動モータ58がリール本体10Aに設けられており、スプール14は、ハンドル20aの巻取り操作、あるいは、スプール駆動モータ58の巻取り駆動のいずれでも回転することができる。このスプール駆動モータ58は、図3に示すように、収容部であるモータケース60内に収容されており、本実施形態のモータケース60はスプール14の前方位置で、一対の外側板12a,12b間に取付けられている。 【0018】具体的には、図4に示すように、スプール駆動モータ58は、熱伝導性が良くかつ軽量な例えばアルミニューム等の材料で形成するのが好ましいモータケース60内に嵌入され、その駆動軸58aの両端側がモータケース60の端壁部と、このモータケース60の一部を形成する蓋部60aとで支持されると共に、ビスによって回り止めした状態で保持されている。このスプール駆動モータ58の駆動軸58aの一端側では、一方向クラッチ62が設けられ、他端側に設けられた好適な減速歯車機構64を介してスプール軸14aに連結されている。 【0019】なお、このようなリール本体10Aの内部は、水に濡れた釣糸を巻回するスプール14が配置されており、隙間の完全防水は困難であると共に、ピニオン16は回転し、クラッチ板18が係合するため、このリール本体10Aの内部に水が入り込むことは避け難いものであることから、蓋部60aの接合面およびビスの貫通部についても好適な接着剤等により、密封し、このモータケース60の内部を水密構造に形成していることは上述の収容部30と同様である。 【0020】また、一対の外側板12a,12b間に設けられ、上述の実施形態と同様な表示部26と各種スイッチ28とを有する収容部30Aは、表示部26に、スプール14からの釣糸の放出量等を表示し、各種スイッチ28には、スプール駆動モータ58のON/OFF等の基本操作を行うためのスイッチが含まれる。この収容部30Aは、図2を参照して説明した上述の実施形態における収容部30と同様な水密構造を備えている。 【0021】更に、本実施形態におけるモータケース60は、一端側の蓋部60aを2本の電気ケーブル66が貫通しており、これらの電気ケーブル66を介してスプール駆動モータ58が外部電源および制御手段に接続される。なお、本実施形態では、釣糸放出量を演算、処理する制御手段、およびスプール駆動モータ58と接続される外部電源等は図示を省略されている。 【0022】本実施形態の電気ケーブル66も、上述の実施形態における電気ケーブル36と同様に、グロメット状のゴム製パッキンで形成したシール部材68により、蓋部60aとの間を密封してある。また、電気ケーブル66の貫通部を密封するシール部材68の周部にも、収容部であるモータケース60の外側に開口する凹部60cを設けてあり、シール部材68がモータケース60の外側に大きく突出して外側の部材と干渉するのを防止する。 【0023】そして、このようにモータケース60の内側を水密構造とするシール部材68の外側面すなわちモータケース60の外側に露出した面と、これらのシール部材48で密封される被密封部材であるモータケースの蓋部60aと電気ケーブル66とのそれぞれの外側面との境界部には、撥水層50を形成し、これらの境界部に水が付着するのを防止してある。 【0024】本発明の上述の実施形態によると、表示部26と各種スイッチ類28とを収容する収容部30,30A、および、モータケース60を水密構造とし、シール部材46,48,68と、これらのシール部材と接して密封される被密封部材との間すなわちシール部材46と支持板32およびカバー体34との間、シール部材48と支持板32および電気ケーブル36との間、および、シール部材68と蓋部60aとの間の境界部に撥水層50が形成されることにより、これらの境界部に付着した水は、直ちに撥水層50ではじかれ、これらの境界部には残留しない。このため、長時間にわたって濡れた魚釣用リールを放置した場合であっても、シール部材46,48,68の近部に水が残留せず、例え温度の急激な変化で収容部30,30Aおよびモータケース60内の圧力が低下しても、これらの収容部およびモータケース内には水分が進入することはない。 【0025】したがって、収容部30,30Aおよびモータケース60の内側は、シール部材46,48,68のシール作用に加え、撥水層50による撥水作用により、防水効果が向上され、これにより、魚釣用リールを使用する環境および放置する環境が温度変化の激しい苛酷な釣場においても、電装部品を収容した魚釣用リールを円滑に使用することができる。 【0026】 【発明の効果】以上明らかなように、本発明によると、電装部品を収容する収容部の内側を水密構造とするシール部材の外側面と、このシール部材と接して密封される被密封部材の外側面との少なくとも一方に撥水層を配置し、これらのシール部材と被密封部材との境界部に水が付着するのを防止したことにより、電装部品に対して過酷な環境下でも、電装部品を収容した魚釣用リールを円滑に使用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月29日(2001.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−291384(P2002−291384A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−96185(P2001−96185) |
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