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【発明の名称】 釣 竿
【発明者】 【氏名】菅谷 英二

【要約】 【課題】各種の部品の装飾が長期間に亘って維持できる耐久性に優れた外観の釣竿を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明は、竿管1aに部品5を装着した釣竿であって、前記部品5は、少なくとも一部が透明状に形成されると共に、その透明状部分の内側に装飾層12が形成されており、前記部品5を装飾層12が視認可能となるように竿管1aに配設したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 竿管に部品を装着した釣竿であって、前記部品は、少なくとも一部が透明状に形成されると共に、その透明状部分の内側に装飾層が形成されており、前記部品を前記装飾層が視認可能となるように竿管に配設したことを特徴とする釣竿。
【請求項2】 前記装飾層と竿管との間には、空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】 前記部品は、前記装飾層と竿管との間に介在される接着剤によって竿管に固定されると共に、前記装飾層は、隠蔽性を有することを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸ガイド、リールシート、栓体等、各種の部品が装着される釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、釣竿には、釣糸ガイド、リールシート等、様々な部品が装着されており、通常、これらの部品は、不透明な材料で形成されていたり、或いは、部品の外側に塗装等の装飾層を形成して装飾性や外観の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塗装等の装飾層を外側に施した各種の部品は、傷が付き易く、また、剥がれたりする等、長期間に亘って綺麗な外観を維持することができない。
【0004】一方、上記したような各種の部品を透明な材質で形成し、これを、接着剤によって釣竿に装着すると、細身又は小型化した外観イメージのある釣竿にすることができるが、接着ムラ等が透明層を介して外観として現れてしまうため、現実として、そのような透明部品を、接着ムラ無く装着することは困難である。
【0005】本発明は、このような問題に着目して成されたものであり、各種の部品の装飾が長期間に亘って維持できる耐久性に優れた外観の釣竿を提供することを目的とする。更に、本発明は、各種の部品を透明状にすることで、細身又は小型化した外観イメージを与え、かつその部品を固定するための接着剤等が隠蔽でき、外観に優れた釣竿を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、釣竿を構成する竿管に部品を装着した釣竿において、前記部品は、少なくとも一部が透明状に形成されると共に、その透明状部分の内側に装飾層が形成されており、前記部品を前記装飾層が視認可能となるように竿管に配設したことを特徴としている。
【0007】上記した構成によれば、部品に形成された装飾層は、その部品の透明状の部分を介して視認され、しかも、部品の透明状部分の内側に形成されることから、装飾層が外部には露出せず、傷付き、剥がれ等が生じることはない。
【0008】なお、上記した構成において、透明状とは、光を完全に透過する透明なものに加え、色彩や模様等を含んだ半透明なのものを含む概念である。すなわち、内側に形成した装飾層が、外観として認識できる程度の透明度を有していれば良い。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。この実施形態に係る釣竿1は、元竿管1a、複数(この実施形態では2本)の中竿管1b、及び穂先竿管1cを備えて振り出し式に構成されたものであり、元竿管1aには、リールRが装着されるリールシート5が設けられている。また、各竿管には、リールRから繰り出される釣糸を案内する釣糸ガイド(固定ガイド20、及び固定ガイド間に配設され、軸方向に移動可能な遊動ガイド21)を複数備えた構成となっている。
【0010】図2乃至図4は、上記したように構成された釣竿のリールシートを示す図であり、図2は、元竿管に装着されたリールシート部分の側面図、図3は、リールシート部分の縦断面図、そして、図4は、リールシートの縦断面図である。
【0011】上述したように、釣竿には、各種の部品が取り付けられており、この実施形態では、リールを装着するリールシートが以下のように構成されている。なお、釣竿1を構成する各竿管1a〜1cは、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維に樹脂を含浸させた、いわゆるFRP等によって形成されたものであり、その外表面に各種の部品が取り付けられる。
【0012】前記リールシート5は、リール脚を所定位置に保持するリール脚載置部5bを具備する本体部5aを有しており、この本体部5aには、軸方向に貫通し、前記元竿管1aが挿通される貫通孔5cが形成されている。
【0013】前記本体部5aには、その上面側にリール脚の前側を受け入れる固定フード5dが形成されていると共に、その両側面部後方側に、一対の案内溝5eが軸方向に沿って形成されており、この案内溝に沿って、リール脚の後側を受け入れる移動フード7がスライド可能に設けられている。また、本体部5aの下面側には、膨出部5fが形成されて、その握持性の向上を図っている。
【0014】前記したリールシート5は、その軸方向の前後において、元竿管に嵌入された位置決め部材10に当て付けられて位置決めが成されている。この場合、位置決め部材10の表面にテーパを形成しておくことで、本体部5aと元竿管1aの表面とを滑らかに移行させておくことが望ましい。或いは、このようなテーパを有する位置決め部材は、塗装等による肉盛りによって形成することも可能である。
【0015】なお、リールシート5を元竿管1aに嵌入固定する際には、このような位置決め部材は、必ずしも設けておく必要性はない。
【0016】上記したリールシート5の本体部5aは、透明もしくは半透明の材料によって一体的に形成されている。具体的に、このような透明状の本体部5aは、ナイロン、ポリカーボネート、アクリル、ウレタン等、透明性のある合成樹脂を射出成形することで一体的に形成することが可能である。そして、このように形成された本体部5aは、その内側全体(透明状部分の内側全体)に装飾層12が形成されており、元竿管1aに対して、装飾層12との間に接着剤(接着層)を介在することで嵌入固定される。
【0017】前記元竿管1aには、その表面を全体的に、もしくは部分的に覆う素材が取着されていても良く、本体部5aは、元竿管の表面に直接、又は間接的に固定される。また、元竿管1aは、その表面に、必要に応じて塗装等を形成しておいても良い(外観が美しい素材であれば、それを活かすべく、透明又は半透明の塗装を行なうか、又は無塗装としておいても良い)。この場合、使用する塗料としては、素材への密着性、素材の撓りに耐えられる可とう性、接着剤との相性等を考慮し、エポキシ、ウレタン、アクリルウレタン系等の樹脂で、鉛筆硬度で2B〜4H位のものを用いることが好ましい。
【0018】また、元竿管1aと本体部5aとを接着する接着剤は、管素材又は塗装面への密着性、素材の撓り、部品の外力や熱等による変形を考慮し、エポキシ、ウレタン、シアノアクリレート、アクリル、ゴム系などの樹脂を用いたものを使用するのが好ましい。また、図に示すような、元竿管1aに対して管状の部品を接着する嵌合接着の場合は、それらのクリアランス(径差)を0.05〜0.6mm程度に設定して、接着層を25〜30μm程度にしておくのが好ましい。なお、嵌合のクリアランスは、接着剤の粘度が高い場合は大きくし、低い場合は小さく設定しておくのが良い。
【0019】前記透明状部分の内側に形成される装飾層12は、隠蔽性のあるものを用いるのが好ましく、これは、例えば、塗装によって形成することが可能である。この場合、塗装に際して用いられる塗料としては、接着剤との相性、透明部品との密着性、透明部品の外力や熱等による変形等を考慮し、ウレタン、アクリルウレタン、アクリル、エポキシ系等の樹脂を用いたものを使用するのが良く、特に、隠蔽力を出すためには、アルミ顔料、或いはカーボンブラック、チタンホワイト、チタンイエロー等の隠蔽力の大きい顔料を用いるのが良い。
【0020】このような隠蔽力の大きい顔料を用いれば、装飾層としての隠蔽塗膜層を薄く(25μm以下)形成できるので、嵌合クリアランスに与える影響も少なく、軽量性を保つことができる。また、隠蔽塗膜層を多層にすることにより、外観を更に向上することも可能である。例えば、透明部品に直接塗る塗料をカラークリヤーにして、その後、メタリック塗料を塗れば、キャンディートーンになり、パール塗料を先に塗り、その後、白を塗れば、パールホワイトとなる。
【0021】上記したように、透明状の部分の内側に、塗料等による装飾層を形成する方法としては、例えば、部品が、短い円筒形状(長さが200mm未満)のものであれば、通常のスプレー塗装を用いることが可能である。また、内径が15mm以上で、長さが200〜400mm位の場合は、ガン吹き塗装を行なうことで形成することが可能である。具体的には、例えば、部品を300〜1200rpmで回転しながら、噴射ノズル又は部品を一定の速度でトラバースさせて塗装することで、薄く均一な隠蔽塗膜層を形成することが可能である。なお、それより細いか、それより長い部品の場合には、塗料に、部品の一端の一部をディッピングし、ストローのように吸い上げることにより、隠蔽塗膜層を形成することが可能である。
【0022】また、内部にアルミフレーク状の光輝性顔料やホログラムチップ等の粒子を含ませた透明な樹脂を塗料として塗装すると、部品の内面にそのような粒子が均一に並ぶことにより、光輝性のある隠蔽塗膜層となり、外観の向上が図れる。さらに、内側に、見る角度によって変色する塗装を行ない、その後、隠蔽塗膜層を形成することで、より深みのある外観とすることができる。
【0023】また、装飾層は、上記した塗装以外にも、例えば、装飾性のある部品を内面に取着したり、或いは、二重成形する等、様々な方法を用いて形成することが可能である。
【0024】上述したように、リールシートの本体部5aを透明状とし、その内側に装飾層12を形成しておくことで、内側の装飾層は、透明状部分によって深みのある外観にすることができると共に、部品の外側に装飾層を形成するよりも、釣竿(元竿管)が細身で小型のイメージを与えることが可能となる。また、装飾層12が内部にあるので、装飾層の傷付き、剥離等が防止でき、耐久性に優れた装飾層を有する釣竿とすることができる。さらに、部品であるリールシートを固定するための接着剤は、装飾層12として隠蔽性のあるものを用いることによって、密着不具合等により接着ムラ(充填不十分領域)があっても、それを外部から認識することができないため、外観の向上が図れる。
【0025】また、本実施形態によれば、リールシートの固定フード5d部分は、リール脚の色が見えることとなり、その近傍は、装飾層12が見えることから、変化にとんだ外観となる。
【0026】なお、本発明における釣竿に装着される部品は、上記した実施形態のように、全ての部分が透明状に形成されていなくても良く、少なくとも一部が透明状となって、その内側に外部から認識できる装飾層が形成された構成となっていれば良い。また、透明状の部分の内側全てに装飾層が形成されていなくても良く、部分的に装飾層が形成された構成であっても良い。また、装飾層は、複数の層で形成しても良く、例えば、装飾層を保護する保護層を重ねて形成しておいても良い。さらに、取り付けられる部品の外側には、塗料による塗装や、インキ印刷を行う等、限定されることはない。ただし、少なくとも一部は、内部の装飾層が視認できるように形成しておく。また、部品と竿管との間に境界面が生じる場合は、この境界面を覆うように、塗料の塗布やインキ印刷を行なうのが良い。
【0027】上記したような透明状の部分の内側に形成される装飾層については、釣竿の竿管外周に接着される接着面となっている必要性はない。すなわち、例えば、図5に示すリールシートのように、透明状の部分を膨出させて、竿管表面との間に空間Sが形成されるように膨出部5f´を形成した場合、その膨出部5f´の内面に装飾層12を形成することで、接着面としない構成にすることも可能である。
【0028】このような構成においても、装飾層の傷付き、剥離が防止される等、同様な作用効果を得ることができる。
【0029】本発明における釣竿に装着される部品は、上記したリールシート以外にも、例えば、釣糸ガイド、グリップ、栓体、上栓、装飾部品(例えば、リングやプレート)、等、各種の部品が該当する。
【0030】図6〜図9は、図1に示した釣竿に装着されている遊動ガイド21の構成を示す図であり、図6は、縦断面図、図7は、図6のA−A線に沿った断面図、図8は、ガイドリングと遊動ガイド本体部との接着状態を示す部分断面図、そして、図9は、遊動ガイドの本体部の変形例を示し、ガイドリングと遊動ガイド本体部との接着状態を示す部分断面図である。
【0031】遊動ガイド21は、本体部22を備えており、この本体部22には、金属、セラミック等によって形成され、釣糸を摺動案内するガイドリング25が嵌入固定されるガイドリング孔22aと、釣竿の竿管が挿通する挿通孔22bが形成されている。
【0032】この構成において、本体部22は、上述したリールシートと同様、ナイロン、ポリカーボネート、アクリル、ウレタン等、透明性のある合成樹脂を射出成形することで一体的に形成されている。そして、このように形成された本体部22には、その内側部分(ガイドリング孔22a、挿通孔22b)に、それぞれ装飾層32a,32bが形成されている。
【0033】この場合、装飾層32a,32bは、上述したリールシート5の装飾層12と、同様な材料、手法によって形成されている。なお、遊動ガイド21は、竿管に沿ってスライドする(接着剤によって竿管表面に接着されない)ように構成されているため、装飾層32bについては、隠蔽性がないものを用いても差し支えない。
【0034】これに対し、ガイドリング孔22aには、ガイドリング25が嵌入して、接着固定されるため、装飾層32aについては、隠蔽性のあるものを用いるのが好ましい。すなわち、図8に示すように、本体部22のガイドリング孔22aに、接着層26によって部材本体(ガイドリング25)が接着固定されることから、装飾層32aを隠蔽性のある材料を用いることにより、接着層のムラ等を隠蔽でき、装飾層32aが透明状の本体部22を介して認識されるため、外観の向上が図れる。
【0035】なお、このように形成される装飾層についても、上述したように、適宜変形することが可能である。図9は、装飾層32aを、2層によって形成した構成例を示している。この場合、装飾層は、樹脂に光輝性のある粒子(例えば、ホログラムチップ等)を混入した第1の層37aと、隠蔽性のある塗料によって形成された第2の層37bを備えており、第2の層37bと部材本体(ガイドリング25)との間に接着剤26を介在させて、両者を接着固定している。
【0036】このような構成によれば、軽量感を与えつつ、深みのある光輝感を有する外観を得ることが可能となる。
【0037】なお、上記した構成では、遊動ガイド21を例にして説明したが、図1に示す固定ガイド20についても、同様に適用することが可能である。この場合、固定ガイドは、竿管表面に接着剤を介在させて固定されることから、竿管が挿通される挿通孔の部分に形成される装飾層については、隠蔽性のあるものを用いるのが良い。
【0038】以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の釣竿は、それに取り付けられる各種の部品の少なくとも一部が透明状に形成され、その内側に装飾層が形成されていれば良い。この場合、部品の透明状の部分が取り付けられる対象物としては、竿管以外にも、例えば、図6乃至図9に示したようなガイドリング(部品に対して取り付けられる部材本体)であっても良い。
【0039】
【発明の効果】以上、本発明によれば、釣竿に対して装着される各種の部品が透明状に形成されると共に、その内側に装飾を形成したため、その装飾が長期間に亘って維持できる耐久性に優れた外観の釣竿が得られる。また、各種の部品が透明状に形成されていることから、細身又は小型化した外観イメージを与え、かつその部品を固定するための接着剤等を隠蔽することが可能となって、外観に優れた釣竿が得られる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司 (外1名)
【公開番号】 特開2002−291379(P2002−291379A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−100225(P2001−100225)