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【発明の名称】 釣り用品
【発明者】 【氏名】清田 義春

【要約】 【課題】本発明の目的とするところは、釣竿等の釣り用品に生じる隙間や凹部に水滴が侵入することを防止し、長期間の使用に耐えるようにすると共に手入れをし易くすることにある。

【解決手段】本発明は、本体部材と、この本体部材に取り付ける部品との間に形成される凹部又は隙間13に撥水層14を形成した釣り用品である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体部材と、この本体部材に取り付ける部品と、上記本体部材の部品取付け部分のいずれかに形成される凹部又は隙間に撥水層を形成したことを特徴とする釣り用品。
【請求項2】 部品側の外面に撥水性被膜を形成して上記部品を本体部材に取り付けることで撥水層を付与するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の釣り用品。
【請求項3】 本体部材に部品を取り付けたときに生じる凹部又は隙間に撥水剤を充填したことを特徴とする請求項1に記載の釣り用品。
【請求項4】 本体部材と部品との間に、表面に撥水性を有する部材を介在させて本体部材と部品を固定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の釣り用品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿、リール、クーラといった各種の釣り用品に関する。
【0002】
【従来の技術】特開2000-83517号公報において知られるように釣竿には釣糸ガイドが設けられている。この釣糸ガイドはリング部の脚部を竿管の外周面に当てて糸巻きすることにより竿管に固定されており、この糸巻き部はエポキシ樹脂が含浸させられ、かつ外面がフッ素樹脂等で被覆されている。このため、上記糸巻き固定部の外表面には水滴が付きにくい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、釣糸ガイドの脚部は竿管の外周面から斜めに立ち上がるように取り付けられており、この脚部の内側裏面と竿管の外周面との間にはどうしても微小な隙間が形成される。このため、この隙間には水滴が溜り易い。
【0004】釣糸ガイドの脚部は変形し易く、又、繰り返し撓みや変形が生じるため、釣糸ガイドの脚部と竿管との間には微小な亀裂の隙間が形成され易い。この隙間付近に水滴が付着すると、亀裂の隙間を通じて水分が脚部と竿管との間の界面まで侵入してしまい、この水分が長期間の使用により釣り糸ガイドが腐食したり、剥離が進行したりして、釣糸ガイドにガタが発生したり外れたりする虞があることが判った。
【0005】また、上記のような隙間や凹部には塩やゴミが溜まりやすいが、水滴が侵入して、汚れや詰り等を促進することになっていた。また、上記のような隙間や凹部に溜まった汚れを落とす手入れは面倒で非常にしにくい。
【0006】また、竿管の竿尻に取り付ける尻栓等の竿尻部品と竿管の間にも隙間や凹部が形成されていることがあり、この隙間や凹部に水滴が侵入してこれが腐食や汚れ等を促進する原因になることも判った。
【0007】さらには竿管等に装着する銘版などのいわゆる装飾部品と本体部材との間、握り部材と本体部材との間、リールシートと本体部材との間等、釣竿に限っても各所に隙間や凹部が形成されており、これらの隙間や凹部に水滴が侵入して、これが腐食や汚れ等を促進する要因になることが判った。
【0008】勿論、リール、クーラといった他の釣り用品においても隙間や凹部が形成されていることがあり、上記同様な事情がある。
【0009】本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、釣竿等の釣り用品に生じる隙間や凹部に水滴が侵入することを防止し、長期間の使用に耐えるようにすると共にその手入れをし易くした釣り用品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、本体部材と、この本体部材に取り付ける部品と、上記本体部材の部品取付け部分のいずれかに形成される凹部又は隙間に撥水層を形成したことを特徴とする釣り用品である。
【0011】請求項2に係る発明は、部品側の外面に撥水性被膜を形成して上記部品を本体部材に取り付けることで撥水層を付与するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の釣り用品である。
【0012】請求項3に係る発明は、本体部材に部品を取り付けたときに生じる凹部又は隙間に撥水剤を充填したことを特徴とする請求項1に記載の釣り用品である。
【0013】請求項4に係る発明は、本体部材と部品との間に、表面に撥水性を有する部材を介在させて本体部材と部品を固定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の釣り用品である。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形態に係る釣竿について図1及び図2を参照して説明する。図1に示すように、釣竿1は、例えばFRPから成る複数の竿体から竿管2を構成した振出形式の竿であり、竿管2には複数の釣糸ガイド3が取り付けられている。元竿と他の竿管の先端に取り付けられる釣糸ガイド3は固定的に取り付けられ、元竿以外の竿管の中間に設けられる釣糸ガイド3は移動可能なものである。竿管2の竿尻側に形成したリールシート4に装着したリール5からの釣糸6は上記各釣糸ガイド3を順に通って穂先側に導かれている。
【0015】元竿に取り付けた釣糸ガイド3は図2に示すように、金属やセラミック等によって作られたリング部7を有してなり、このリング部7はフレーム8によって保持され、フレーム8から延長する一対の金属製の脚部9a,9bによって上記竿管2に支持固定されている。一方の脚部9aは竿管2の軸方向へ湾曲しながら前方に延び、他方の脚部9bは竿管2の軸方向へ湾曲しながら後方に延びている。脚部9a,9bの延出先端部分は竿管2の周面に接合される固定部10a,10bとなっており、竿管2の周面に当てた状態での固定部10a,10bと竿管2に糸11を巻き付けて固定部10a,10bを竿管2に固定している。この糸巻き部にはエポキシ樹脂を含浸させ、その糸巻き部の外面をフッ素樹脂等の被覆材12で被覆してある。
【0016】竿管2の周面から立ち上がる釣糸ガイド3の脚部9a,9bの内がわ裏面と竿管2の外周面との間にはどうしても微小な隙間(又は凹部)13が形成されるが、この隙間13内に撥水層14を充填的に形成するようにする。撥水層14は超撥水性材料を隙間13内に充填するように塗布することによって形成できる。
【0017】撥水層14は隙間13の内表面に対してのみ、層状に形成しても良い。また、隙間13の部分のみならず、脚部9a,9bの隣接する他の表面にも連ねて撥水層14を形成すれば隙間13周辺の撥水性能をより向上させることができる。
【0018】なお、撥水層14は、複数層で形成することもできるが、単層または一体に同時に加熱硬化する複数層に形成するとよい。これは撥水性被膜の層間剥離を防止し、確実に水分の侵入を防止できるようになるからである。
【0019】撥水層14に用いる超撥水性材料としては、水の接触角が130度以上、好ましくは140度以上、特に好ましくは150〜180度であるような極めて高い超撥水性を有する材料が望ましい。このような超撥水性材料は、例えば、撥水性樹脂に撥水性粒子を混入することにより効率的に得ることができる。この場合、撥水層14の露出表面に微小な凹凸が形成されるので、露出表面の撥水性が高まる。
【0020】上記撥水性樹脂としては、弗素系樹脂やシリコン系樹脂を挙げることができる。撥水性樹脂としてはそれ以外の材料を用いることもできるが、水の接触角が130度以上、好ましくは140度以上の表面性質が得られる材料を用いることが望ましい。
【0021】また、撥水性粒子としては、四弗化エチレン樹脂、四弗化エチレン樹脂−六弗化ポリプロピレン共重合樹脂、三弗化塩化エチレン樹脂、弗化ビニル樹脂、四弗化ビニリデン樹脂、四弗化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、弗化エチレン樹脂−エチレン共重合樹脂、エチレン−三弗化エチレン共重合樹脂、その他酸化ケイ素やシリコン樹脂等を挙げることができる。
【0022】撥水層14の表面に形成される微小な凹凸表面は、撥水性被膜の形成の際に表面の溶剤の量を多くしておき、溶剤を揮発させることにより形成することもできる。その際、撥水性材料のモノマーあるいはオリゴマーをポリマー化することにより形成することができる。その際、撥水層14が完全に形成される前に膜内からガスを発生させて、撥水層14中に微細な穴を多く設けることにより、凹凸を形成することもできる。或いは、撥水性粒子よりも粒径の大きい粒子を混入することにより形成することも可能である。
【0023】撥水層14の微小な凹凸表面は凹部と凸部とが組み合わされて形成されているが、この場合、「微小」という概念は、微小な凹凸の凹部に入った空気が凹部内に保持され、その凹部に水滴が入り込むことが出来ない程度の小さいことである。具体的な例としては、撥水層14の表面を平面上に見たときに、凹部と凸部との組み合わせ個数が、単位面積(例えば、1mm2 )当たりに換算して、100個以上または1000個以上、好ましくは、5000〜100万個またはそれ以上形成されていることが望ましい。また、別の言い方をすると、「微小」という概念は、凹部と凸部との高低差が、10μm以下、好ましくは、0.1〜5μmであって、かつ、凹部と凸部との間のピッチが、10μm以下、好ましくは、0.1〜5μmに設定されていることが望ましい。
【0024】また、撥水層14の厚さは、膜状に設ける場合、1μm〜100μmの範囲内で任意に設定することができる。撥水性樹脂に混入する撥水性粒子を、単一の形状や大きさでなく、2種類以上の様々な形状や大きさのものとすることにより、撥水層14の表面の凹凸形状を複雑な形状にすることができ、それによって撥水性を一層向上させることができる。また、外観性を向上させるために、撥水層14を透明または略透明に形成することが望ましい。
【0025】また、材料の物性、例えば撥水性樹脂と撥水性粒子の比重差や表面張力の差を利用したり、被膜の形成時に遠心力を利用したり、撥水性粒子の含有量の異なる撥水性樹脂を段階的に複数回コーティングすることにより達成することができる。
【0026】超撥水層中の撥水性粒子の混入比率は、30%( 断面の面積比率 )より多くすることが好ましく、40〜70%の範囲がより好ましい。それによって、撥水性粒子の突出を多くすることができ、より高い撥水性能の表面を得ることができる。
【0027】本発明の釣竿における撥水層14の形成法は、スプレーによるコーティング法、ディッピング法(塗液注入後、不要分を除去)、刷毛塗り等により行なうことができ、また、メッキ法を用いて形成することも可能である。
【0028】以上説明したように、本実施形態では、竿管2の周面から立ち上がる釣糸ガイド3の脚部9a,9bの内がわ裏面と竿管2の周面との間に形成される微小な隙間(又は凹部)13内に撥水層14を形成したので、隙間13には撥水性が付与されることになる。従って、この隙間13の部分が水に濡れても撥水し、水滴が微小な隙間13に侵入したり留まったりすることがなく、乾燥状態を維持し、水分の影響による腐食や汚れ等の促進が阻止される。また、取付け部の剥離が進行しても撥水性を発揮し、破損が進行したり、部品がとれたりすることが極力防止でき、長期間の使用に耐えられる。特に、毛細管現象により微小な隙間13に水分が侵入することを防止する。
【0029】また、隙間や凹部には塩やゴミ等が溜まりやすいが、このような部分に撥水性を付与することで、塩やゴミが溜まりにくい。また、仮に隙間や凹部に汚れが溜まっても容易に除去しやすく手入れがし易い。
【0030】また、本実施形態では、隙間13の周辺にも撥水層14を形成するようにしたから隙間13の周辺にも水滴が付着することを防止でき、したがって、水滴が隙間13に侵入することをより確実に防止し、高度の乾燥状態に維持できると共に固定部の強度を向上できる。
【0031】以上の如く、本実施形態のものによれば、隙間や凹部のように水滴が溜り易い部分や、特に微小隙間や剥離部分のように毛細管現象により水分が侵入し易い部分に撥水層を形成したため、隙間や凹部に水滴が溜ったり毛細管現象により水分が侵入したりしない。
【0032】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形態について図3乃至図5を参照して説明する。本実施形態は上述した第1の実施形態での釣糸ガイド3のリング部7とこれを保持するフレーム8の関係において撥水層21を形成する複数種の実施例を示す。
【0033】まず、図3で示す実施例ではリング部7の表面に超撥水性材料を塗布し、撥水層21を形成した後、リング部7にフレーム8を組み付けるようにしたものである。この実施例ではリング部7にフレーム8を固定する前に撥水性処理を施すため、リング部7の露出外周面のみならず、リング部7とフレーム8の両部材間に形成される隙間や凹部22にも撥水層21が存在する。両部材間内にも撥水層21が存在する。勿論、フレーム8の露出外周面にも撥水層21が存在する。
【0034】なお、撥水層21は、複数層で形成することもできるが、単層または一体に同時に加熱硬化する複数層に形成するとよい。撥水性被膜であっても層間剥離を防止することができるからである。
【0035】部品表面に形成した撥水被膜により固定部分の水滴の侵入を防止する撥水層21を形成するので、その撥水層21を効率よく簡易に形成できる。また、隙間や凹部22に水滴が侵入することを確実に防止でき、固定部の強度を維持できる。
【0036】また、超撥水性被膜には耐摩耗性粒子を混入することができる。この場合、耐摩耗性粒子が撥水性被膜の表面に突出するように形成することで、撥水性被膜の表面に釣糸が接触しても、撥水性被膜の早期の磨耗を防止することができる。耐摩耗性粒子としては、シリカ、アルミナ、ガラス、SiC、ステンレス鋼等を用いることができる。
【0037】耐摩耗性粒子の大きさは特に限定されないが、撥水性被膜に含まれている他の粒子、例えば撥水性粒子の大きさよりも大きくかつ撥水性被膜の膜厚よりも小さいことが好ましい。撥水性粒子の粒子径は、例えば0.1μm〜1μmであり、耐摩耗性粒子の粒子径は、例えば0.2μm〜5μmである。その結果、大きさの異なる複数種の粒子が突出して、複合的な凹凸面を形成することができる。なお、耐摩耗性粒子の量は、撥水性粒子の量よりも少ないことが望ましい。
【0038】このように、撥水性被膜の表面に耐摩耗性粒子による凹凸と撥水性粒子の集合による凹凸からなる複合的な凹凸面を形成することにより、被膜の耐久性を向上させることができるとともに、撥水性を更に向上させることができる。特に撥水性粒子と耐摩耗性粒子とを、材料等、異なる性質とした場合には、その性質に応じた特性を付加した凹凸面を形成することができる。
【0039】耐摩耗性粒子の混入比率は特に限定されないが、1重量%以上、通常は3〜30重量%が適当である。
【0040】図4で示す実施例ではリング部7にフレーム8を固定した後にリング部7とフレーム8の両部材の露出外周面全体に撥水性処理を施したものであり、このため、リング部7とフレーム8の両部材間には撥水層が存在しないが、両部材間に形成される隙間や凹部22内には撥水層21が存在する。また、フレーム8の露出外周面にも撥水層21が存在する。
【0041】図5で示す実施例ではリング部7とフレーム8の両部材の結合部間に介在して撥水層21を設け、この介在層としての撥水層21により結合部の隙間や凹部22に撥水処理を施したものである。
【0042】撥水性を持たせる介在層としてはスペーサ等の部品や充填材その他のものを利用することができる。隙間や凹部22に水滴が侵入することをより確実に防止でき、また、結合部の固定強度を向上できる。
【0043】各実施例での撥水層21の超撥水性材料その他の処理態様は第1の実施形態で述べたものが適用できる。また、各実施例ではリング部7とフレーム8の両部材間の隙間や凹部に撥水処理を施してあるので、隙間や凹部の部分が水に濡れても撥水し、乾燥状態を維持する。
【0044】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形態について図6を参照して説明する。本実施形態は例えば、釣竿の釣糸ガイド、握り部、各種ハンドル、リールシート、竿尻部品、栓体又は装飾部材(ネームやシール等)その他の部品と、これらの部品を取り付ける部材との固定部における隙間や凹部に撥水処理を施すようにしたものである。
【0045】図6にその具体例を示す。すなわち、取付け対象部材31に部品32を嵌合する受け部33を形成し、部品32を受け部33に嵌め込み、部品32の嵌合奥端面を受け部33の底面部に接着固定する。さらに部品32の側面と受け部33の嵌合面間の隙間に撥水層34を形成し、撥水処理を施した。撥水層34の超撥水性材料その他の処理態様は第1の実施形態で述べたものが適用できる。
【0046】撥水層34は取付け対象部材31と部品32の間の隙間及び部材間の凹部35に存在し、その隙間や凹部35の部分が水に濡れても撥水し、乾燥状態を維持するように機能する。従って、隙間や凹部35に水滴が溜ったり毛細管現象により隙間等に水分が侵入したりしない。隙間や凹部の部分が水に濡れても撥水し、乾燥状態を維持する。
【0047】(第4の実施形態)本発明の第4の実施形態について図7及び図8を参照して説明する。本実施形態は釣竿のリール装着装置としてのリールシートに係り、このリールシート41は図7に示すように、釣竿の竿管42の手元部(竿尻側端部)に設けられている。リールシート41は図8に示すように、内部に竿管42を貫通させて竿管42に装着される合成樹脂製の略筒状のシート本体44と、シート本体44の外周に装着され、かつシート本体44の長手方向に沿って移動可能な移動フード46と、この移動フード46に連結されてシート本体44に螺着されると共に移動フード46をシート本体44の長手方向に沿って移動させるナット部材48とを備える。
【0048】本実施形態において、シート本体44は、竿管42と別体に形成され、竿管42に接着剤等によって固定されているが、竿管42とシート本体44を一体に形成したものでも良い。
【0049】シート本体44の基端部には図示しない魚釣用リールの取付脚部の一方を受けてこれを係止する固定フード50が形成されている。この固定フード50の部分には図示ない魚釣用リールの一方の取付脚部が挿入される空間と、この空間内に上記一方の取付脚部を導入するための開口52が設けられている。
【0050】シート本体44には、上記魚釣用リールの取付脚部を載置するための平坦なリール脚載置部54が形成されている。また、シート本体44の先端側外周面には雄ネジ56が形成されている。
【0051】尚、固定フード50とリール脚載置部54と雄ネジ56はシート本体44と一体形成されることが望ましいが、別体に形成しても良く、取付け形態は任意である。また、固定フード50が移動フード46と同様にシート本体44の長手方向に沿って移動できるようにしても良い。
【0052】上記移動フード46は筒状のフード本体62と、フード本体62の基端部に固着され、かつ魚釣用リールの取付脚部を受けてこれを係止させるリール脚受け部64とが設けて構成されている。リール脚受け部64は、例えば合成樹脂によって形成されており、魚釣用リールの取付脚部が挿入される空間と、この空間内に上記取付脚部を導入するための開口66とが設けられている。フード本体62は金属または合成樹脂等によって形成されている。フード本体62の先端は径方向の内側に折り曲げられており、これによりナット部材48と連結される連結部62aを形成している。ナット部材48の外周面には連結部62aが嵌合する溝(凹部)63が設けられている。
【0053】また、フード本体62の基端部における周方向の一部には径方向の内側に突き出す凸部62bが押し込み形成されている。この凸部62bはシート本体44の外周に長手方向に沿って形成された長溝60に嵌り込んで係合しており、シート本体44に対する移動フード46の回転を防止する。したがって、移動フード46はシート本体44に対して回転することなく、シート本体44の軸方向(長手方向)に沿ってのみ移動できるようになる。
【0054】ナット部材48は筒状を成しており、シート本体44の先端側部分の外周に回転可能に装着されている。ナット本体70の内周面には雌ネジ71が形成され、この雌ネジ71はシート本体44の雄ネジ56に螺合している。そしてナット部材48を回転することによりナット部材48はシート本体44の軸方向に移動し、ナット部材48が移動する方向に移動フード46を追従させるようになっている。
【0055】図7に示すように、ナット本体70の外周面には滑り止め用の多数の凹凸72が形成されている。
【0056】尚、ナット本体70の外周に補強リングを設けても良い。補強リングとしては、金属材料、特に耐食性のあるSUS、BS、チタン、Al等によって形成される。無論、他の金属や、セラミックス、合成樹脂等によって形成されていても良い。補強リングの基端縁を径方向の内側に折り曲げ、ナット本体70の溝(凹部)63内に延出する突当て部を形成し、突当て部を移動フード46の連結部62aと当接するようにしても良い。
【0057】また、移動フード46とナット部材48との連結部にナット部材48の回転時にクリック音を発生させるクリック機構(図示せず)を設けても良い。
【0058】以上のような構成のリールシート41にあっては各所に隙間や凹部が形成されることになる。例えば、固定フード50には魚釣用リールの取付脚部が挿入される空間が外に開口して設けられており、移動フード46にも魚釣用リールの取付脚部が挿入される開口した空間が形成されている。また、フード本体62の外周には凸部62bを押し込み形成したことにより長手方向に沿った溝状の凹部63が形成されている。ナット部材48の外周面には連結部62aが嵌合する溝60が設けられている。シート本体44とナット部材48とは螺合するため、筒状のナット部材48の前端には開口ができてしまう。勿論、シート本体44とナット部材48の螺合部にも隙間や凹部が形成され、これはナット部材48の前端開口を通じて外部に連通している。ナット本体70の外周面には滑り止め用の多数の凹凸71が形成されている。ナット本体70の外周には補強用部材を嵌め込む溝を設けることもある。これらの状況はいずれも隙間や凹部を形成する要因である。
【0059】そして、本実施形態ではこのように形成される隙間や凹部に撥水層を形成し、撥水処理を施した。撥水層の超撥水性材料その他の処理態様は第1の実施形態で述べたものが適用できる。例えば、図8には移動フード46の凹部63の内面に被膜状の撥水層75を形成したものを示す。隙間や凹部によっては撥水層75を充填するように形成したものでもよい。
【0060】このように隙間や凹部に撥水層を形成し、撥水処理を施すことにより、その隙間や凹部の部分が水に濡れても撥水し、そこには水滴が溜まらないので、乾燥状態を維持することができる。
【0061】(第5の実施形態)本発明の第5の実施形態について図9を参照して説明する。本実施形態は中通し竿80のトップガイド取付け端に撥水層を形成し、撥水処理を施した例である。
【0062】図9に示すように、トップガイド81を取り付ける竿管82の部分の外表面に撥水層83を形成したものである。トップガイド81を取り付ける竿管82の外表面の部分には段差等の凹部84や隙間などが形成されるが、この付近に撥水層83を形成したので、その部分が、水に濡れても撥水し、乾燥状態を維持する。
【0063】(第6の実施形態)本発明の第6の実施形態について図10を参照して説明する。本実施形態は釣竿に装着されるネーム版やシール等の装飾部材、例えば銘版91の取付け用凹部92に撥水層93を形成したものである。
【0064】本実施形態では図10に示すように釣竿の竿管94の手元端に取り付けられた封止用尻栓95の外端面に形成した取付け用凹部92に銘版91を嵌め込み、接着によって銘版91を固定したものである。銘版91を嵌め込んだ取付け用凹部92において銘版91と取付け用凹部92の間には隙間96が形成されるが、この隙間96に撥水層93を充填的に形成する。このため、この付近が水に濡れても撥水し、乾燥状態を維持する。
【0065】尚、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、他の形態にも適用が可能である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、凹部又は隙間に撥水層を形成したことにより水切りが良くなり、その凹部又は隙間に水滴が侵入したり溜まったりすることを防ぐことができる。このため、水分の影響による腐食や汚れ等を防止できる。また、隙間や凹部に水滴が溜ったり毛細管現象により水分が侵入したりしないため、取付け部の剥離により破損が進行したり、部品がとれたりすることを防止でき、長期間の使用に耐えられる。また、隙間や凹部には塩やゴミが溜まりやすいが、この部分に撥水性を付与することで塩やゴミが溜まりにくい。また、仮に隙間や凹部に汚れが溜まっても容易に除去しやすく手入れがし易い。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2002−291378(P2002−291378A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−101580(P2001−101580)