| 【発明の名称】 |
魚介類捕獲用かご |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 惠
|
| 【要約】 |
【課題】人為的に餌を配置することなく魚介類を捕獲可能な魚介類捕獲用かごを提供する。
【解決手段】基部環体1に複数の張り骨体2a,2b,2cの両端を組み立て、その外周に網体3を張設してかご体17を構成し、同かご体17の側面にかご体17内部に向かって狭窄したテーパー状の侵入路4を形成すると共に、侵入路4に戻らず部9を形成してなる魚介類捕獲用かごにおいて、侵入路4の略先端方向に間隙を多数形成した密集状の柔軟な生餌付着部5を配設した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基部環体(1)に複数の張り骨体(2a,2b,2c)の両端を組み立て、その外周に網体(3)を張設してかご体(17)を構成し、同かご体(17)の側面にかご体(17)内部に向かって狭窄したテーパー状の侵入路(4)を形成すると共に、侵入路(4)に戻らず部(9)を形成してなる魚介類捕獲用かごにおいて、侵入路(4)の略先端方向に間隙を多数形成した密集状の柔軟な生餌付着部(5)を配設してなる魚介類捕獲用かご。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、餌無しの魚介類捕獲用かごに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、魚介類捕獲用かごとして、特許第2769145号に開示されているように、基部環体に複数の張り骨体の両端を組み立て、この張り骨体の外周面に網体を張設してかご体を構成し、このかご体の側面に魚類等の侵入口を形成し、侵入口の内周縁部からかご体内部に向かって、漸次狭窄した円筒テーパー状の網で形成した侵入路を形成し、侵入路に一旦侵入した魚類等が逆行しないように戻らず部を設けた魚介類捕獲用かごがある。 【0003】この魚介類捕獲用かごには、かご内部で侵入路の侵入方向において、生餌付着部を侵入路の張り糸に取り付けており、この生餌付着部に小えび等の餌を収納しておき、小えびを魚介類誘因の餌として、魚介類を捕獲するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる魚介類誘因の餌は、長時間海中に入れておく間に腐敗したり、海流の勢いにより海水でふやけた餌の一部がもぎ取られて分散し、魚介類の誘因が減殺されてしまい、魚介類の捕獲効率が低下するおそれがあった。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は、基部環体に複数の張り骨体の両端を組み立て、その外周に網体を張設してかご体を構成し、同かご体の側面にかご体内部に向かって狭窄したテーパー状の侵入路を形成すると共に、侵入路に戻らず部を形成してなる魚介類捕獲用かごにおいて、侵入路の略先端方向に間隙を多数形成した密集状の柔軟な生餌付着部を配設してなる魚介類捕獲用かごを提供せんとするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】この発明では、網体で袋状に形成した生餌付着部を侵入路の略先端方向に配設した魚介類捕獲用かごを海底に沈めて配置しておくと、張設したかご体の網体の網目を通過して生餌付着部に海水中のプランクトンが付着していき、この付着したプランクトンを餌とする小えび等が網体の網目を通過して集合してきて、生餌付着部に付着する。この小えび等を誘因として、魚介類が生餌付着部に向かい侵入路に侵入していき、かご体内部に入り捕獲される。 【0007】従って、侵入路の先端方向には、人為的に魚介類の餌を配置しておく必要はなく、生餌付着部をかご体内部に配置しておくだけで、プランクトン、小えびがそれぞれ誘因となって魚介類が集まり、侵入路を介して戻らず部からかご体内部で捕獲されるものである。 【0008】ここで、生餌付着部は、網体に限らず、綿状の繊維素材の密集体でもよく、また、柔軟素材の多孔シート板や、布を丸めたものでも良い。 【0009】 【実施例】この発明の実施例を図面に基づき説明すれば、図1は、本発明による魚介類捕獲用かごAの全体平面図であり、同魚介類捕獲用かごAは、基部環体1と、3本の張り骨体2a,2b,2cよりなる骨組2とを網体3で被包してかご体17を形成すると共に、前記網体3の側面に魚介類cの侵入路4を設け、内部に配設した生餌付着部5の中の餌により魚介類cを誘因捕獲するものである。 【0010】かかる基部環体1は、一定重量を有する丸棒状鋼材により略円形状に形成して、同重量により重錘としての機能も兼用するようにしており、また、同基部環体1の左右側には、左右枢着環6a,6bを設けている。 【0011】また、張り骨体2a,2b,2cは、略半円弧形状に形成した丸棒状鋼材よりなり、それぞれ、左右端部を、上記左右枢着環6a,6bに前後回動自在に枢着している。 【0012】そして、張り骨体2a,2b,2cは、魚介類捕獲用かごAの使用状態において、最後方の張り骨体2cを、基部環体1の後半部に密接せしめて、同環体1に配設したフック7により係脱自在に係止固定し、他の張り骨体2a,2bを、基部環体1の前後から上方向に約45度の位置において、同骨組2を被包した網体3と連結しながら、同網体3の張力を利用して固定している。 【0013】更に、網体3の側面、即ち、最前方の張り骨体2aと基部環体1の前半部に囲繞された網体側面3aには、侵入路4を設けている。 【0014】侵入路4は、かご体17の内部に向かって先細りテーパー状に形成しており、その基端部を上記網体側面3aの略中央部に開設した略円形状の侵入口8の内周縁に連設している。 【0015】また、侵入路4の内側端には、網体よりなる戻らず部9を内部方向に延設しており、同戻らず部9の先端部9aは、図1に示すように、魚介類捕獲用かごAの前後長の略中間部に配置すると共に、開口自由端としている。 【0016】かかる構造によって、一旦、魚介類捕獲用かごAの内部に侵入した魚介類cが戻らず部9の先端部9aから逆方向へ移動するのを防止し、魚介類cが侵入路4から逃げ出てしまわないようにしている。 【0017】そして、侵入路4と戻らず部9との接合位置には、侵入路4と戻らず部9を拡開するための円形状の口枠10を連設している。 【0018】かかる口枠10の下端部には、同口枠10と前記基部環体1との間隔を所定間隔に維持するため口枠用張り糸11の一端を結着しており、同口枠用張り糸11の他端を基部環体1を被包する網体3に結着して、口枠10を魚介類捕獲用かごAの内側下方に牽引するようにしている。 【0019】また、口枠10の先方に位置する戻らず部9の先端部9aの上下端部には、それぞれ、上下張り糸12a,12bの一端を結着しており、同上下張り糸12a,12bの他端は、基部環体1の後端部に連結される最後方の張り骨体2cに隣接する張り骨体2bの中央部と、最後方の張り骨体2cの中央部にそれぞれ緊縛し結着している。 【0020】そして、図1に示すように、戻らず部9の先端部9aと、魚介類捕獲用かごAの最後方との略中間にあたる位置、すなわち、魚介類捕獲用かごAの前後長の後方から約1/4の位置において、前記上下張り糸12a,12b同士を連結する連結張り糸13の一端を上張り糸12aに結着すると共に、他端を下張り糸12bに結着して、両張り糸12a,12bを連結している。 【0021】連結張り糸13の長さは、前記口枠10の直径と略同一としており、側面視したときに、戻らず部9の先端部9a側が先細りしないようにしている。すなわち、戻らず部9の先端部9aは、縦長の楕円形状に開口しており、側面視すると、図1に示すように口枠10の直径と略同一長さに伸開しており、平面視すると、図2に示すように口枠10よりも内側に縮閉している。また、連結張り糸13には、前記生餌付着部5を取り付けている。 【0022】かかる構成によって、魚介類捕獲用かごAの組立時は、戻らず部9を同魚介類捕獲用かごAの内側方向に所定張力で牽引することができ、かつ、生餌付着部5を侵入路4の略先方において宙に浮いた状態で魚介類捕獲用かごA内に支持することができる。 【0023】特に、戻らず部9の先端部9aを縦長の楕円形状に開口させたので、魚介類cにとって、入りやすく出にくい戻らず部9とすることができる。 【0024】上記は、魚介類捕獲用かごAを使用状態に組み立てた場合の説明であるが、同かごAの折り畳みに際しては、フック7を解除して、最後方の張り骨体2cを、基部環体1の前部方向に回動すれば、3本の張り骨体2a,2b,2cは、基部環体1の前部上方にまとまって、魚介類捕獲用かごAは、略円形平面状に折り畳まれ、搬送、保管に便利な形状となるものである。 【0025】かかる折り畳み時には、前記口枠用張り糸11と、上下張り糸12a,12bと、連結張り糸13とは完全に弛緩状態となるので、生餌付着部5を自由に操作して、生餌付着部5のメンテナンスや掃除等を容易に行うことができる。 【0026】また、前記したように、口枠10は口枠用張り糸11によって基部環体1を被包した網体3に連結されているので、折り畳み時に、侵入路4や戻らず部9が揺動して、持ち運びの邪魔になったりすることもない。 【0027】上記構成の魚介類捕獲用かごAにおいて、本発明の要旨となるのは、生餌付着部5に関するものである。 【0028】すなわち、本生餌付着部5は、魚介類捕獲用かごAの使用時に餌を人為的に取り付けたり、収納したりする形式のものではなく、一定素材の一定形状、形態で構成した生餌付着部5を単に魚介類捕獲用かごA内に配設しておくだけのものである。 【0029】このように、人為的に餌を収納していない生餌付着部5を魚介類捕獲用かごAと共に海底や川底や湖底や池底等に沈めて配置しておくと、図4に示すように、水の流れによって、水中のプランクトンaが生餌付着部5の表面や、内部に付着し、このプランクトンaを誘因として集まった小えびbが生餌付着部5の表面や内部に付着し、同生餌付着部5で生棲活動を行う。 【0030】特に、海や川や湖や池の水流が、魚介類捕獲用かごAの侵入口8側から戻らず部9側に向かって流れるように魚介類捕獲用かごAを配置することにより、生餌付着部5にプランクトンaが付着しやくなる。さらには、水中の海草や藻dも生餌付着部5に絡みつき、生餌付着部5は、プランクトンaや小えびbが生棲しやすい環境となる。 【0031】この状態を誘因として、魚介類cが侵入路4の略先方位置に集合した小えびbを餌とすべく、魚介類捕獲用かごAに集まり、侵入路4から戻らず部9を通過して、魚介類捕獲用かごA内部に侵入し、捕獲される。 【0032】特に、生きた小えびbが生餌付着部5において生棲活動をしている状態を魚介類cの誘因とするため、魚介類cに警戒心を抱かせることなく、自然の生きた小えびbの給餌状態と同じ形態を生餌付着部5に現出できる。 【0033】従って、何ら餌を人為的に給餌しなくても、効率の良い魚介類cの捕獲が行えることになる。 【0034】ここで、生餌付着部5の構成の各種実施例について述べる。 【0035】第1実施例は、図3に示すように、網体を縦長の袋体5-1に形成し、袋体5-1の内部を中空状として、その上下端を絞ってその上下端を前記連結張り糸13の上端部側と下端部側とにそれぞれ結着しており、張り骨体2a,2b,2cを組み立てた際に、侵入路4の先方において、袋体5-1が縦方向に配置されるようにしている。 【0036】袋体5-1は網体で形成しているので、その網目構造にプランクトンaや小えびbが付着しやすく、しかも、同網目構造には海草や藻dも付着しやすいので、プランクトンaや小えびbにとって、生棲しやすい環境となる。 【0037】特に、小えびbが袋体5-1の網目構造を通って同袋体5-1の内部に潜り込むと、小えびbの繁殖が活発になり、より魚介類cの誘因となり易い効果がある。かかる効果を最大限に引き出すためには、袋体5-1を形成する網体の縦糸及び横糸の間隔を、2〜4cmとするのが好ましい。かかる間隔とすることにより、袋体5-1に対するプランクトンaの付着も良好となる。 【0038】袋体5-1は、ナイロンテグスや木綿糸やポリエチレン糸等の材料を使用することができるが、材料はこれに限定されない。 【0039】第2実施例は、図5(a)に示すような網状シート5-2を単に侵入路4の先方の連結張り糸13に配設するだけのものであるが、網状シート5-2は、海流や川の流れに対面するように配置して、かかる海流や川の流れが網状シート5-2の網目構造を通過するようにしており、流れによって運ばれてきた海草や藻dが網状シート5-2の網目に絡みつきやすいようにしている。そして、網状シート5-2に絡みついた海草や藻dにより、プランクトンaや小えびbが網状シート5-2に誘引され易いようにしている。 【0040】従って、簡単な構造にも関わらず、プランクトンaや小えびbの付着繁殖しやすい構造となる。 【0041】通常、魚介類捕獲用かごAは、水流が魚介類捕獲用かごAの侵入口8側から戻らず部9側に向かって流れるように配置するので、上記網状シート5-2は、魚介類捕獲用かごAの網体側面3aに対面するように配置する。 【0042】なお、やや海草や藻dが絡みつきにくくはなるが、網状シート5-2を網体側面3aに対して垂直に配置してもよく、かかる配置とすることによって、魚介類cが魚介類捕獲用かごAの内部に入り込みやすくすることもできる。 【0043】また、網状シート5-2は、第1実施例における袋体5-1と同様に、ナイロンテグスや木綿糸やポリエチレン糸等の材料から形成することができるが、材料は、これに限定されない。さらには、網状シート5-2の縦糸及び横糸の間隔は、2〜4cmとするのが好ましい。 【0044】第3実施例は、スポンジや発砲ウレタンや発泡スチロール等のような多孔性素材からなるシート5-3(図5(b))や球体5-3'(図5(c))を侵入路4の先方の連結張り糸13に配設するものである。 【0045】多孔性素材を用いることによって、その孔14内にプランクトンaを付着させることができ、しかも、同孔14内には、海草や藻dも付着させることができるので、プランクトンaにとって生棲しやすい環境とすることができる。 【0046】さらに、多孔性素材に小えびbが潜り込める大きさの孔14を設ければ、小えびbも多孔性素材内に定着させることができる。 【0047】また、多孔性シート5-3を使用する場合には、第2実施例の網状シート5-2と同様に、海流や川の流れに対面するように配置して、海流や川の流れが多孔性シート5-3の孔14を通過するようにしており、流れによって運ばれてきた海草や藻dが多孔性シート5-3の孔14に絡みつきやすいようにしている。 【0048】すなわち、多孔性シート5-3は、魚介類捕獲用かごAの網体側面3aに対面するように配置する場合も、網体側面3aに対して垂直に配置する場合もあり得る。 【0049】また、多孔性球体5-3'を使用する場合は、図5(c)に示すように、小径の多孔性球体5-3'を網体からなる収納袋15に複数収納して、同収納袋15の上下端を連結張り糸13の上端部側と下端部側にそれぞれ結着するようにしており、各多孔性球体5-3'間にも小えびbが潜り込めるようにしている。 【0050】なお、大径の多孔性球体5-3'を形成して、同多孔性球体5-3'を単一で連結張り糸13に配設することもできる。 【0051】第4実施例は、布を丸めて形成した塊体5-4を侵入路4の先方の連結張り糸13に配設しておくものである。図5(d)に示すように、布は無作為に丸めて、布に多数の襞16が生じるようにしており、同襞構造にプランクトンaや小えびbを付着させている。 【0052】しかも、同襞構造には海草や藻dも付着しやすいので、プランクトンaや小えびbにとって、より生棲しやすい環境となる。なお、襞構造は、布に規則的にドレープを形成して、作為的に形成してもよい。 【0053】第5実施例は、図5(e)に示すような繊維素材の密集体5-5を侵入路4の先方の連結張り糸13に配設しておくものである。 【0054】密集体5-5としては、綿のように、最初から繊維素材が密集しているものをそのまま利用したり、糸状のものを無作為にまとめて密集させて利用したりすることができる。 【0055】繊維素材の密集体5-5を用いることによって、繊維と繊維との間にプランクトンaや小えびbを付着させることができ、しかも、同繊維間には海草や藻dも付着させることができるので、プランクトンaや小えびbにとって、生棲しやすい環境とすることができる。 【0056】以上説明してきたように、本生餌付着部5は、一定素材の一定形状、形態に構成することによって、プランクトンaや小えびbが定着して生棲しやすい空間が形成されており、魚介類を誘引する餌をわざわざ用意しなくても、前記空間に生きたプランクトンaや小えびbを生棲させて、生餌として活用することができる。 【0057】また、生餌付着部5に前記空間を形成することによって、水中の海草や藻dも生餌付着部5に絡みつきやすくなるので、かかる海草や藻dによって、生餌付着部5をプランクトンaや小えびbの生棲により適した環境とすることができる。 【0058】 【発明の効果】本発明によれば、基部環体に複数の張り骨体の両端を組み立て、その外周に網体を張設してかご体を構成し、同かご体の側面にかご体内部に向かって狭窄したテーパー状の侵入路を形成すると共に、侵入路に戻らず部を形成してなる魚介類捕獲用かごにおいて、侵入路の略先端方向に間隙を多数形成した密集状の柔軟な生餌付着部を配設しているので、同生餌付着部に水中のプランクトンが付着させると共に、同プランクトンを誘因として小えびを生餌付着部に集めることができ、さらに、同小えびを誘因として魚介類を生餌付着部に集めることができる。すなわち、かご体内部に人為的に魚介類の餌を配置しなくても、魚介類をかご体内部に誘導し、捕獲することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591049284 【氏名又は名称】佐藤 惠
|
| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080160 【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−291375(P2002−291375A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−101425(P2001−101425) |
|