トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 水槽装飾システム
【発明者】 【氏名】中島 義勝

【要約】 【課題】水槽内の液体中を浮揚する気泡を用いて、その水槽を観賞する者の興趣を引くことができる水槽装飾システムを提供すること。

【解決手段】圧縮空気は、エアポンプ5により給気パイプ4を経て気泡ノズル3へ供給され、微小孔3aから水槽2内の液体Wへ多数の気泡Bとして放出される。一方、水中ポンプ7により気泡管路6内の液体Wが吸引され、気泡管路6内に水中ポンプ7の吸込口7aへ向けた流れが生成される。気泡ノズル3から放出された気泡Bが水槽2の液体W中を浮上すると、気泡管路6の取水口8へ吸引される液体Wの流れに沿って、取水口8から気泡管路6内へ誘引される。誘引された気泡Bは、水中ポンプ7の吸引により液体Wと共に垂直管路6a内を下方へ流動した後に、水平管路6b内を水中ポンプ7へ向けて水平に流動する。気泡管路6は透明材料で形成された管状体なので、気泡管路6内での気泡Bの流動が観賞者により水槽2の壁材2a越しに観賞される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体を貯留可能に形成された水槽内を装飾するための水槽装飾システムにおいて、水槽内に配設されると共に気泡を放出する小孔が形成された放出部材と、その放出部材の小孔へ気体を供給する給気装置と、その給気装置により気体が供給される前記放出部材、又は、その放出部材により放出される気泡が水槽内の液体中を浮上する際の経路、に近接して水槽内に設けられ、液体が流入可能な取水口と、その取水口と連通すると共に前記水槽内に線状に延設され、光透過性材料で管状に形成された気泡管路と、その気泡管路に接続され、その気泡管路内の液体を吸引する吸引装置とを備えていることを特徴とする水槽装飾システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、液体を貯留可能に形成された水槽内を装飾する水槽装飾システムに関し、特に、水槽内の液体中を浮揚する気泡を用いて、その水槽を観賞する者の興趣を引くことができる水槽装飾システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】 観賞魚等の水棲生物を飼育するための水槽には、水棲生物の種類に応じて淡水や海水などの液体が貯留されている。この飼育用水槽では、飼育される水棲生物に酸素を供給するため、エアポンプにより圧縮された圧縮空気の気泡が水槽内の液体中へ放出されている。一方、近年、水棲生物の飼育用水槽のみならず、単に水が満たされた水槽を居住空間に設置して、その水槽をインテリアの一部として用いる者が現れている。例えば、水槽内をライトアップすると、上述したエアポンプから放出される気泡が照らし出され、その光が気泡で反射して、その反射光により気泡が幻想的に水中に浮かび上がる情景が創出されるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述したライトアップされる気泡は、単に、エアポンプから放出された気泡が水槽内の水中を上方へ浮上するだけのものであるため、観賞する者の予測を越える意外な動きをするものではない。よって、水槽内を観賞する者に大きな驚きを与えて、その者の興趣を引くような装飾効果や視覚効果を得ることができないという問題点があった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、水槽内の液体中を浮揚する気泡を用いて、その水槽を観賞する者の興趣を引くことができる水槽装飾システムを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するため、請求項1記載の水槽装飾システムは、液体を貯留可能に形成された水槽内を装飾するためのものであり、水槽内に配設されると共に気泡を放出する小孔が形成された放出部材と、その放出部材の小孔へ気体を供給する給気装置と、その給気装置により気体が供給される前記放出部材、又は、その放出部材により放出される気泡が水槽内の液体中を浮上する際の経路、に近接して水槽内に設けられ、液体が流入可能な取水口と、その取水口と連通すると共に前記水槽内に線状に延設され、光透過性材料で管状に形成された気泡管路と、その気泡管路に接続され、その気泡管路内の液体を吸引する吸引装置とを備えている。
【0006】この請求項1記載の水槽装飾システムによれば、吸引装置によって、水槽内に線状に延設された気泡管路内の液体が吸引される。この吸引によって、水槽内の液体が取水口から気泡管路内へ吸引され、気泡管路内に取水口側から吸引装置側へ向けた液体の流れが生成される。一方、給気装置により放出部材の小孔へ気体が供給され、その気体が放出部材の小孔から水槽内の液体中へ気泡として放出される。放出部材、又は、放出部材から放出された気泡が液体中を浮上する際の経路には、気泡管路と連通する取水口が近接して設けられている。このため、放出部材から放出された気泡は、取水口へ向けて流動する液体と共に、気泡管路内へ誘引されて液体と共に気泡管路内を流動する。気泡管路は光透過性材料で形成されるので、気泡管路内へ誘引された気泡の流動が水槽の壁材越しに観賞される。
【0007】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の水槽装飾システムの一実施例である観賞用水槽システム1の縦断面図であり、気泡管路6内を流動する気泡Bを透視している。なお、図1中では、水中ポンプ7の吐出口7bから吐出される液体Wの流れを実線の矢印で、気泡管路6及び気液分離管11内を流動する液体W及び気泡Bの流れを点線の矢印で、気泡ノズル3から放出された気泡Bが浮力により浮上する流れ(浮上経路9)を2点鎖線の矢印で、図示している。
【0008】図1に示すように、観賞用水槽システム1は、透明樹脂板や透明ガラス板などの透明材料で形成された壁材2aが周囲に立設された水槽2を備えており、水槽2内には観賞魚などの水棲生物の種類に応じて、淡水または海水などの液体Wが貯留されている。なお、図1中では、水槽2内で飼育される観賞魚などの水棲生物の図示を省略している。
【0009】水槽2の底部には、水槽2内の液体W中で飼育される水棲生物に酸素を供給するための気泡ノズル3が配設されている。この気泡ノズル3は略中空球体状に形成されており、その外周面には多数の微小孔3aが貫通形成されている。気泡ノズル3には可撓性を有する管状体である給気パイプ4の一端が接続されており、この給気パイプ4内と気泡ノズル3の各微小孔3aとは連通されている。給気パイプ4は、水槽2の底部から水槽2の外部へ延設されており、かかる給気パイプ4の他端には、エアポンプ5が接続されている。エアポンプ5は、大気中の空気を吸い込んで圧縮し、給気パイプ4へ供給する空気圧縮装置である。
【0010】一方、水槽2内には、透明樹脂や透明ガラス等の透明材料で側面視略L字状の管状体に形成された気泡管路6が配設されている。気泡管路6は、水槽2内の略垂直方向へ直線状に延設される垂直管路6aと、その垂直管路6aの下端から略直角に屈曲されて水槽2内の略水平方向へ直線状に延設される水平管路6bとを備えている。気泡管路6の垂直管路6aは、その上端が水槽2の上部に設けられており、その下端が水槽2の底部に達している。また、気泡管路6の水平管路6bは、その一端(図1左側)が垂直管路6aの下端に連設されており、その他端(図1右側)が水中ポンプ7の吸込口7aと接続されている。このように気泡管路6は、気泡ノズル3から放出された気泡Bが液体W中を浮上する方向(浮上経路9(図1中の2点鎖線の矢印))とは異なる方向へ延設されている。
【0011】水中ポンプ7は、気泡管路6内に満たされた液体Wを吸引するための吸引装置であり、水槽2の底部に設置されている。水中ポンプ7は、その内部へ液体Wを吸い込む吸込口7aと、その内部から液体Wを吐き出す吐出口7bとを備えており、吸込口7aへ吸い込まれた液体Wを吐出口7bから水槽2内へ排出することができる。また、水中ポンプ7は、例えば、多数の微小孔を有する多孔質の繊維体で形成されたフィルタ7cが内装されており、このフィルタ7cによって、水中ポンプ7内に吸い込まれた液体Wに含まれる汚濁物質を捕集して、吐出口7bから液体Wを水槽2内へ吐き出すことができる。従って、水中ポンプ7を稼動させることにより、水槽2内の液体Wの浄化を行うことができるのである。
【0012】気泡管路6の垂直管路6aの上端面には、その気泡管路6内と連通する開口である取水口8が設けられている。この取水口8は、気泡管路6内へ水槽2内の液体Wを流入させるための開口であり、気泡ノズル3から放出される気泡Bが液体Wの浮力により自然と浮上(浮揚)する際の経路(以下、「浮上経路」と称す)9に近接して設けられている。この気泡Bの浮上経路9は、気泡ノズル3から略直上方向へ向かう経路である。
【0013】なお、水槽2内で観賞魚などの水棲生物を飼育する場合には、取水口8へ水棲生物が引き込まれることを防止するため、網状体や布などの多孔質材により取水口8を塞いでも良い。このようにすれば、取水口8から気泡管路6内へ液体Wを流入させつつ、多孔質材によって取水口8へ水棲生物が引き込まれることを防止することができる。
【0014】取水口8が設けられた気泡管路6の垂直管路6aの上方には、その垂直管路6aの上端面と離間して気泡収集部材10が配設されている。気泡収集部材10は、気泡ノズル3から放出され水槽2の上部へ浮上してきた気泡Bを取水口8の近傍へ収集する略半球ドーム状の部材であり、取水口8との対向面に凹面状に彎曲した案内面10aが形成されている。この案内面10aによって、水槽2の底部から浮上してきた気泡Bを受け止めて、気泡Bを取水口8の近傍に収集することができる。なお、図1では、気泡収集部材10を垂直管路6aの上方に支持する支持部材の図示を省略している。
【0015】また、気泡管路6における水平管路6bには、その水中ポンプ7側の端部の近傍に気液分離管11が接続されており、この気液分離管11は、透明樹脂や透明ガラス等の透明材料で直線状の管状体に形成されている。気液分離管11の下端は水平管路6bの外周上面に接続され水平管路6b内に連通される一方、気液分離管11の上端は水槽2の上部から液体Wの液面より上方へ延出されている。気泡管路6へ流入した気泡Bは、垂直管路6aを通過して水平管路6b内を流動し、気液分離管11の下端に到達すると、気液分離管11内を浮上する。この気液分離管11の上端面には、気液分離管11内と連通する開口である排気口11aが設けられており、かかる排出口11aから気液分離管11内へ侵入した気泡Bを大気中へ放出することができる。
【0016】気液分離管11は、気泡管路6内を流動する気泡Bを、水中ポンプ7の吸込口7aへ流入する前に気泡管路6内の液体Wから分離して排出口11aから大気中へ放出するので、気泡管路6内を流動した気泡Bが水中ポンプ7へ流入することを防止することができる。従って、気液分離管11によって、水中ポンプ7への気泡Bが流入が防止されるので、かかる気泡Bによる水中ポンプ7の吸引力の低下や、水中ポンプ7の損傷を抑制することができる。
【0017】次に、観賞用水槽システム1の動作について説明する。まず、エアポンプ5および水中ポンプ7が稼動される。エアポンプ5によって、給気パイプ4へ圧縮空気が供給されると、圧縮空気が給気パイプ4を経て気泡ノズル3へ供給される。気泡ノズル3へ到達した圧縮空気は、気泡ノズル3の微小孔3aから水槽2内の液体W中へ放出され、放出された圧縮空気は多数の気泡Bとなり、浮上経路9に沿って水槽2内を上方へ浮上する。
【0018】一方、水中ポンプ7によって、気泡管路6内の液体Wが吸引されると、その吸引により気泡管路6内に取水口8から水中ポンプ7の吸込口7aへ向けた流れが生成される。この流れに伴って、水槽2内の液体Wは、取水口8から気泡管路6の垂直管路6a内へ流入し、垂直管路6a内を流動した後に、水平管路6b内を流動して、水中ポンプ7の吸込口7aへ吸引される。吸引された液体Wは、フィルタ7cにより汚濁物質が除去されてろ過された後に、水中ポンプ7の吐出口7bから水槽2内へ還流される。
【0019】ところで、気泡ノズル3から放出された気泡Bは、浮上経路9に沿って水槽2の液体W中を浮上し、気泡管路6に設けられた取水口8の近傍へ到達すると、その一部が取水口8へ液体Wの流れに伴って、取水口8から気泡管路6の垂直管路6aへ誘引される。一方、取水口8を通り過ぎた気泡Bの一部は、気泡収集部材10の案内面10aに沿って、取水口8の周囲に収集され、この収集された気泡Bが取水口8へ向かう液体Wの流れに伴って、取水口8から気泡管路6の垂直管路6a内へ誘引される。尚、気泡収集部材10により収集されなかった残りの気泡Bは、液体W中を更に浮上して、大気中へ放出される。
【0020】気泡管路6の垂直管路6a内へ誘引された気泡Bは、水中ポンプ7による吸引により液体Wと共に垂直管路6a内を下方へ向けて流動した後に、水平管路6b内を水中ポンプ7へ向けて流動する。気泡管路6は、透明材料で形成された管状体であるので、かかる気泡管路6内での気泡Bの流動が観賞者により水槽2の壁材2a越しに観賞される。気泡管路6内を流動した気泡Bは、気液分離管11へ到達すると、気液分離管11内を経て排出口11aから大気中へ排出され、気泡管路6内を流動する液体Wから分離される。
【0021】以上説明したように、本実施例の観賞用水槽システム1によれば、気泡Bが液体Wと共に流動する気泡管路6は透明材料で形成されているので、水槽2を外部から観賞する者が気泡管路6の存在に気付きにくくされている。しかも、かかる気泡管路6は、気泡ノズル3から放出された気泡Bの浮上経路9(図1中の2点鎖線の矢印)とは異なる方向へ延設されているので、かかる気泡管路6内で気泡Bを液体Wと共に流動させることにより、浮上経路9とは異なる方向へ流動させて、かかる気泡Bがあたかも水槽2内の液体W中を自由に浮遊しているかの様に見せることができる。
【0022】このように気泡Bを気泡管路6内で流動させることにより、通常、水槽2内の液体W中を浮上する気泡Bを、観賞者の予想に反した方向へ流動させることができる。よって、かかる気泡Bの意外な流動により、水槽2の壁材2a越しに水槽2内を観賞する者を楽しませることができ、水槽2内を気泡Bの意外な流動により装飾することができる。しかも、かかる水槽2内をライトアップすれば、気泡Bで反射する光により水槽2内を更に装飾して、観賞者の興趣を引くことができるのである。
【0023】しかも、気泡ノズル3から放出された気泡Bは、水槽2内の液体W中を浮上経路9に沿って浮上した後に取水口8から気泡管路6内へ吸引されるので、かかる気泡Bが水槽2内の液体W中を浮上する間に液体W中へ酸素を供給することができるのである。
【0024】次に、図2から図8を参照して、上述した観賞用水槽システムの変形例について説明する。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図2(a)は、第2実施例の観賞用水槽システム20の部分的な縦断面図であり、図2(b)は、第3実施例の観賞用水槽システム30の部分的な縦断面図であり、図中では、気泡管路6へ向けた液体W及び気泡Bの流れを点線の矢印で、気泡ノズル3から放出された気泡Bが浮力により浮上する流れを2点鎖線の矢印で、図示している。第2及び第3実施例の観賞用水槽システム20,30は、第1実施例の観賞用水槽システム1に対して、気泡ノズル3及び取水口8との位置関係を変更したものである。
【0025】図2(a)に示すように、第2実施例の観賞用水槽システム20によれば、気泡Bを放出する気泡ノズル3の下方には気泡管路6に開口形成された取水口8が気泡ノズル3と所定の間隔を隔てつつ近接して設けられており、気泡管路6は、気泡ノズル3の反配設側(図2(a)下側)である下方へ向けて直線状に延設されている。一方、図2(b)に示すように、第3実施例の観賞用水槽システム30は、気泡ノズル3の右方には、その気泡ノズル3と所定の間隔を隔てつつ近接して、気泡管路6に開口形成された取水口8が設けられており、気泡管路6は、気泡ノズル3の反配設側(図2(b)右側)である水平に直線状に延設されている。
【0026】このように第2実施例の観賞用水槽システム20及び第3実施例の観賞用水槽システム30によれば、気泡ノズル3から放出されたばかりの多数の気泡Bを取水口8から気泡管路6内へ吸引して、気泡管路6内を下方や水平方向へ向けて流動させることができる。即ち、気泡ノズル3から放出され液体W中を更に上方へ浮上するはずの気泡Bを、観賞者の予想に反して、気泡ノズル3から放出された後に下方や水平方向へ向けて流動させることができる。よって、かかる気泡Bの意外な流動により、水槽2の壁材2a越しに水槽2内を観賞する者を楽しませることができる。
【0027】図3は、第4実施例の観賞用水槽システムに用いられる気泡管路41を部分的に拡大視した縦断面図であり、図中では、気泡管路41へ向けた液体W及び気泡Bの流れを点線の矢印で図示している。第4実施例の気泡管路41は、第1実施例の気泡管路6に対して、取水口を設ける箇所を変更したものである。図3に示すように、気泡管路41は、その垂直管路6aの上端面が閉塞されると共に、その垂直管路6aの上端外周面に垂直管路6a内へ連通する取水口42が複数穿設されている。よって、複数の取水口42から液体W中を浮上する気泡Bを気泡管路41内へ誘引することができる。
【0028】図4は、第5実施例の観賞用水槽システム50における気泡管路6内を流動する液体Wから気泡Bを分離するための気液分離器51の外観斜視図である。第5実施例の観賞用水槽システム50は、第1実施例の観賞用水槽システム1に対して、気液分離管11に代替して、気液分離器51により気泡管路6内の液体Wから気泡Bを分離するものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。尚、図4では、気泡管路6の一部を図示している。
【0029】図4に示すように、気液分離器51は、透明樹脂や透明ガラス等の透明材料で平板状に形成された6枚の底板51a、側壁板51b〜51e及び天板51fにより中空箱状体に形成されており、その気液分離器51の内部には各板51a〜51fにより閉塞された内空間が設けられている。底板51aは長方形状に形成されており、その底板51aの1つの短辺には側壁板51bが、底板51aの1つの長辺には側壁板51cが、底板51aのもう1つの短辺には側壁板51dが、底板51aのもう1つの長辺には側壁板51eが、それぞれ立設されている。側壁板51b,51dは略合同な台形状に形成され、側壁板51c,51eは長方形状に形成されている。
【0030】また、側壁板51bには気泡管路6の水平管路6bの端部が接続されており、その水平管路6bは気液分離器51の内空間と連通されている。更に、側壁板51dには気液分離器51の内空間と連通する導管52の一端が接続される一方、導管52の他端は水中ポンプ7の吸込口7aと接続されている。導管52は、気液分離器51と水中ポンプ7とを接続するための管状体であり、気泡管路6と同様に透明材料で形成されている。
【0031】天板51fは、側壁板51eから側壁板51cへ向けて上昇傾斜されており、このため、天板51fの下面で形成された気液分離器51の内空間の天井面も側壁板51eから側壁板51cへ向けて上昇傾斜されている。更に、天板51fの側壁板51c側の縁部には、気液分離器51の内空間と連通する複数の排出孔51hが穿設されている。また、気液分離器51の内空間は、気泡管路6の水平管路6b内を流動する液体Wの流動方向(図4中の矢印X)と直交する断面積A1が、気泡管路6及び導管52の断面積A2,A3に比べて大きくされており、気泡管路6の水平管路6bから気液分離器51の内空間へ流入した液体Wの流速が大幅に減速するように形成されている。
【0032】第5実施例の観賞用水槽システム50によれば、気泡管路6を流動する液体W及び気泡Bの混合流が気液分離器51へ到達すると、その液体W及び気泡Bの混合流は、側壁板51b側から気液分離器51の内空間へ流入して減速される。気液分離器51の内空間へ流入した液体Wが減速されると、液体W中に混入した気泡Bは、気液分離器51の内空間に充満する液体W中を天板51fへ向けて浮上し、その天板51fの下面、即ち、気液分離器51の内空間の天井面に沿って側壁板51c側へ案内される。
【0033】この案内により、気泡Bは排出孔51hの下方へ到達し、その排出孔51hから気液分離器51の外へ排出される。この結果、気液分離器51の内空間へ流入した液体Wから気泡Bを分離することができるのである。気泡Bが分離された後、気液分離器51の内空間の液体Wは、水中ポンプ7の吸引によって、気液分離器51の内空間を側壁板51b側から側壁板51d側へ徐々に流動し、導管52内へ流速を増して流入し、水中ポンプ7の吸込口7aへ吸引される。
【0034】よって、水中ポンプ7へ流入する液体Wに気泡Bが混入することを抑制して、かかる気泡Bによる水中ポンプ7の吸引力の低下や、水中ポンプ7の損傷を抑制することができる。しかも、排出孔51hから排出される気泡Bが水槽2の液体W中を浮上することにより、水槽2内を装飾することもできる。
【0035】図5は、第6実施例の観賞用水槽システム60における気泡管路6内を流動する液体Wから気泡Bを分離するための気液分離器61の外観斜視図である。第6実施例の観賞用水槽システム60は、第5実施例の観賞用水槽システム50における気液分離器51の形状を変更したものである。以下、第1および第5実施例と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。尚、図5では、気泡管路6の一部を図示している。
【0036】図5に示すように、気液分離器61は、透明樹脂や透明ガラス等の透明材料の板状体で6面が閉塞された中空直方体に形成されており、その内部には閉塞された内空間が設けられている。気液分離器61の内空間の横幅L、高さH及び奥行きDは、横幅Lが最も長くされており、その横幅Lに対して、高さH、奥行きDの順に短くされている(L>H>D)。
【0037】気液分離器61は、その横幅L方向の一端面に気泡管路6の水平管路6bの端部が接続されており、横幅W方向の他端面に導管52の一端が接続されている。水平管路6b及び導管52は気液分離器61の内空間とそれぞれ連通されており、導管52の他端は水中ポンプ7の吸込口7aと接続されている。導管52は、気液分離器61と水中ポンプ7とを接続するための管状体であり、気泡管路6と同様に透明材料で形成されている。
【0038】また、気液分離器61の上端面には、気液分離器61の内空間と連通する複数の排出孔61aが穿設されている。また、気液分離器61の内空間は、気泡管路6の水平管路6b内を流動する液体Wの流動方向(図5中の矢印X)、即ち、横幅L方向と直交する断面積A4が、気泡管路6及び導管52の断面積A2,A3に比べて大きくされており、気泡管路6の水平管路6bから気液分離器61の内空間へ流入した液体Wの流速が大幅に減速するように形成されている。
【0039】第6実施例の観賞用水槽システム60によれば、気泡管路6を流動する液体W及び気泡Bの混合流が気液分離器61へ到達すると、その液体W及び気泡Bの混合流は、気液分離器61の内空間へ流入して減速される。気液分離器61の内空間へ流入した液体Wが減速されると、液体W中に混入した気泡Bは、気液分離器61の内空間に充満する液体W中を浮上し、排出孔61aから気液分離器61の外へ排出される。この結果、気液分離器61の内空間へ流入した液体Wから気泡Bを分離することができるのである。
【0040】図6は、第7実施例の観賞用水槽システム70における気泡管路6内を流動する液体Wから気泡Bを分離するための気液分離器の縦断面図であり、図中では気泡B及び液体Wの流れを点線の矢印で図示している。第7実施例の観賞用水槽システム70は、第6実施例の観賞用水槽システム60における気液分離器61に対して、気液分離器61の内空間内に5枚の仕切板71〜75を設けたものである。以下、第6実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0041】5枚の仕切板71〜75は気液分離器61の内空間の長手方向(図6の左右方向)に略等間隔で設けられている。各仕切板71〜75の一端は気液分離器61の内空間の内壁面にそれぞれ当着されており、各仕切板71〜75の他端側にはその厚さ方向に貫通する開口部71a〜75aがそれぞれ穿設されている。ここで、開口部71a,73a,75aは分離空間72の上壁面側に設けられる一方、開口部72a,74aは気液分離器61の内空間の下壁面側に設けられている。この結果、気液分離器61の内空間には、これらの仕切板71〜75及び開口部71a〜75aによってジグザグ状の流路が形成されている。
【0042】尚、上述した第5から第7実施例では、気液分離器51,61を水槽2内に設置したが(図4から図6参照)、かかる気液分離器51,61は、必ずしも水槽2内の液体W中に設置する必要はなく、水槽2の外部における大気中に設置しても良い。また、水槽2の外部において気泡管路6内の液体Wから気泡Bを分離する場合、必ずしも上述した気液分離器51,61を用いる必要はなく、例えば、図7に示す貯留タンク81を用いても良い。
【0043】図7は、第8実施例の観賞用水槽システム80の部分的な縦断面図であり、図中では、貯留タンク81へ流入する液体W及び気泡Bの流れを点線の矢印で、貯留タンク81及びポンプ84から流出する液体Wの流れを実線の矢印で、図示している。第8実施例の観賞用水槽システム80は、第5実施例の観賞用水槽システム50における気液分離器51(図4参照)に代替して、貯留タンク81により気泡管路6内の液体Wから気泡Bを分離するものである。以下、第5実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0044】図7に示すように、貯留タンク81は、水槽2の外部に設置されており、導管82を介して気泡管路6の水平管路6bと接続されている。この貯留タンク81は、上面が開放された直方体状の容器体であり、その内部には液体Wが貯留されている。また、貯留タンク81は、導管83を介して水槽2の外部に設置されるポンプ84の吸込口84aに接続されており、このポンプ84の吐出口84bには水槽2へ液体Wを還流させる還流パイプ85が接続されている。
【0045】この第8実施例の観賞用水槽システム80によれば、ポンプ84の吸引に伴って、気泡管路6を流動する液体W及び気泡Bの混合流が貯留タンク81へ流入して減速される。貯留タンク81へ流入した液体Wが減速されると、液体W中に混入した気泡Bは、貯留タンク81内に貯留される液体W中を浮上して、貯留タンク81の上面の開放部分から大気中へ放出される。この結果、貯留タンク81へ流入した液体Wから気泡Bを分離することができる。
【0046】気泡Bが分離された後、貯留タンク81内の液体Wは、ポンプ84の吸引によって導管83内へ流速を増して流入し、その導管83を介してポンプ84の吸込口84aへ吸引される。よって、水中ポンプ7へ流入する液体Wに気泡Bが混入することを抑制して、かかる気泡Bによる水中ポンプ7の吸引力の低下や、水中ポンプ7の損傷を抑制することができる。その後、ポンプ84へ流入した液体Wは、吐出口84bから還流パイプ85を経て水槽2へ還流されるのである。
【0047】図8は、第9実施例の観賞用水槽システム90における気泡管路6内を流動する液体Wから気泡Bを分離するための気液分離管91の外観斜視図であり、図中では、気泡管路6内における液体W及び気泡Bの流れを点線の矢印で図示している。尚、図8では、気泡管路6の一部を図示している。
【0048】第9実施例の観賞用水槽システム90は、第1実施例の観賞用水槽システム1における気液分離管11の形態を変更したものである。図8に示すように、気液分離管91は、透明樹脂や透明ガラス等の透明材料で直線状の中空円柱体に形成されており、その下端が水平管路6bの外周上面に接続されて水平管路6b内に連通している。
【0049】気液分離管91の上端は液体W中に沈設されており、その気液分離管91の上端面には、気液分離管91内に連通する多数の排出孔91aが穿設されている。このように第9実施例の観賞用水槽システム90によれば、気泡管路6の水平管路6bを流動する液体W及び気泡Bの混合流は、気液分離管91の下端に到達すると、気液分離管91内を浮上して、多数の排出孔91aから気液分離管91の外へ排出される。この結果、気泡管路6内で流動する液体Wから気泡Bを分離することができる。
【0050】尚、上記の気液分離管91の数は、必ずしも1つに限られるものではなく、例えば、気泡管路6に複数の気液分離管91を設けても良い。また、第9実施例では、気液分離管91の形状を中空円柱体としたが、かかる気液分離管の形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、中空な直方体などの形状であっても良い。
【0051】以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0052】例えば、第1実施例では、水槽2の壁材2a、気泡管路6及び気液分離管11の各部材を透明材料でそれぞれ形成したが、これらの各部材2a,6,11の材料は必ずしも透明材料である必要はなく、光を透過可能な材料(光透過性材料)であれば、例えば、半透明の樹脂や半透明のガラスなどの半透明材料であっても良い。即ち、水槽2内を観賞する観賞者が、水槽2内を浮上経路9に沿って浮上する気泡Bや、気泡管路6内や気液分離管11内を流動する気泡Bを、水槽2の外部から観賞することができれば良い。
【0053】また、観賞用水槽システム1の水槽2内で水棲生物を飼育する必要は必ずしもなく、観賞用水槽システム1を単にインテリアの一部として室内等の設置場所に設置して観賞しても良い。更に、水中ポンプ7内に内装されるフィルタ7cの材質は、必ずしも多孔質の繊維体に限られるものではなく、例えば、多数の微小孔を有する多孔質セラミックス材であっても良い。また、水中ポンプ7内にフィルタ7cを内装する必要は必ずしもなく、例えば、水中ポンプ7の吐出口7bをろ過装置に接続し、液体Wをろ過装置で浄化した後に、水槽2へ還流させても良い。
【0054】第1実施例では、取水口8の周囲に気泡Bを収集するため、取水口8の上方に気泡収集部材10を配設したが、かかる気泡収集部材10は必ずしも取水口8の上方に配設する必要はなく、水中ポンプ7による気泡管路6内の液体Wの吸引力が、水槽2の液体W中を浮遊する気泡Bを取水口8の近傍へ誘引するのに充分な大きさであれば、気泡収集部材10がなくても良い。
【0055】本実施例では、本発明の吸引装置としての水中ポンプ7やポンプ84への気泡Bの流入を抑制するため、気液分離管11,91や気液分離器51,71、又は、貯留タンク81を用いたが、吸引装置への気泡の流入を抑制する手段は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ポンプの吐出口に液体から気泡を分離する気液分離室を設けて、かかる気液分離室により液体から気泡を分離して、液体のみを加圧室に還流して自吸を行う自吸式ポンプを用いて、気泡管路内の液体Wを吸引しても良い。
【0056】また、本実施例では、気泡管路6の形状を側面視略L字状に形成したが、かかる気泡管路の形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、気泡管路を螺旋状に延設したり、気泡管路を水槽内に網の目状に延設しても良い。即ち、気泡管路により構成される気泡Bの流動経路を多種多様な形態に形成することによって、水槽内の装飾性や視覚効果をより向上することができる。
【0057】
【発明の効果】 本発明の水槽装飾システムによれば、水槽内に線状に延設される気泡管路は、その気泡管路内の液体が吸引装置により吸引されることによって、放出部材から放出された気泡を、水槽内の液体と共に取水口から吸引して、その気泡管路内を流動させることができる。よって、例えば、気泡管路を、液体中を浮上する気泡の経路と異なる方向へ延設すれば、気泡管路内を流動する気泡があたかも液体中を自由に浮遊しているかの様に見せることができる。このように気泡を気泡管路内に流動させることにより、通常、水槽内の液中を浮上する気泡を、観賞する者の予想に反した方向へ流動させることができる。よって、かかる気泡の意外な流動により、水槽の壁材越しに水槽内を観賞する者を楽しませることができ、水槽内を気泡の意外な流動により装飾することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】598095215
【氏名又は名称】中島 義勝
【出願日】 平成13年4月2日(2001.4.2)
【代理人】 【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道
【公開番号】 特開2002−291371(P2002−291371A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−103085(P2001−103085)