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【発明の名称】 動物のサニタリー飼育装置
【発明者】 【氏名】宇留野 茂

【要約】 【課題】ケージの清掃や排泄物の処理の省力化が図れ、ケージ内の動物に適度な運動の機会を与えることができ、排泄物の実験材料又は飼料としての活用を効率化できる飼育装置を提供する。

【解決手段】動物を格納して飼育する飼育装置1であって、無端環状の多透孔帯状部材からなるコンベヤベルト33を有する床用コンベヤ装置30の上側ベルトによって、動物格納室の自動搬送床部を構成すると共に、前記上側ベルトの透孔を通過した排泄物を受ける排泄物処理用コンベヤ装置70を設けた。床用コンベヤ装置30の上側ベルトの移動先端部に洗浄手段50を設け、排泄物処理用コンベヤ装置70の上側ベルトの移動先端部には、排泄物をベルト面から離脱させる掻取板93を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】動物を格納して飼育する飼育装置であって、無端環状の多透孔帯状部材からなるコンベヤベルトを有する第1のコンベヤ装置の上側ベルトによって、動物格納室の自動搬送床部を構成すると共に、前記上側ベルトの透孔を通過した排泄物を受ける排泄物受け部を設けたことを特徴とする動物のサニタリー飼育装置。
【請求項2】前記第1のコンベヤ装置の上側ベルトを前記動物格納室の外部で洗浄する洗浄手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の動物のサニタリー飼育装置。
【請求項3】前記排泄物受け部は、無端環状の帯状部材からなり前記第1のコンベヤ装置の移動方向と交叉する方向に移動するコンベヤベルトを有する第2のコンベヤ装置を含んで構成されると共に、前記第2のコンベヤ装置の上側ベルトに付着した排泄物を離脱させる排泄物離脱手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動物のサニタリー飼育装置。
【請求項4】前記排泄物受け部で受けられた排泄物を回収する排泄物回収手段と、回収された排泄物を監視する排泄物監視手段と、該排泄物の状態に応じて前記第1のコンベヤ装置のコンベヤベルトの作動を制御する自動搬送床制御手段と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載の動物のサニタリー飼育装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療実験用又はペット用に飼育されている動物、若しくは動物舎の動物等を格納状態で飼育する飼育装置に関し、特に、飼育動物の排泄物の処理が簡便なサニタリー性の高い飼育装置に関する。
【0002】
【従来の技術】医療実験用又はペット用等の小動物は、金網等によって形成されたケージに格納して飼育される場合が多いが、小動物の排泄物の処理は、一般に、ケージの床に排泄物処理用のマットを敷設しておき、汚れた度にマットを取り替えるという方法で行われている。
【0003】特に、医療実験用の施設等、小動物を多数飼育する施設では、伝染病の蔓延を防止する為にもケージの衛生管理が重要であり、排泄物の処理及びケージ床部の清掃を頻繁に行う必要がある。又、小動物は格納状態で飼育されるので、ストレスがたまり易く、運動不足にもなるので、運動(即ち、遊び)の機会を適度に与える必要がある。その為、連続歩行の可能な回転式玩具等をケージ内に配設した飼育装置も提案されている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】しかし、排泄物の処理及びケージ内の清掃には労力を要し、多数の小動物を飼育する施設では、その為の人員及び作業時間が多大になる。又、玩具を装備したケージを導入するにはコストがかかる。そこで、本発明は、ケージの清掃や排泄物の処理の省力化が図れ、ケージ内の動物に適度な運動の機会を与えることができ、排泄物の実験材料又は飼料としての活用を効率化できる飼育装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係る動物のサニタリー飼育装置は、動物を格納して飼育する飼育装置であって、無端環状の多透孔帯状部材からなるコンベヤベルトを有する第1のコンベヤ装置の上側ベルトによって、動物格納室の自動搬送床部を構成すると共に、前記上側ベルトの透孔を通過した排泄物を受ける排泄物受け部を設けたことを特徴とする。
【0006】請求項2に係る動物のサニタリー飼育装置は、前記第1のコンベヤ装置の上側ベルトを前記動物格納室の外部で洗浄する洗浄手段を設けたことを特徴とする。請求項3に係る動物のサニタリー飼育装置は、前記排泄物受け部は、無端環状の帯状部材からなり前記第1のコンベヤ装置の移動方向と交叉する方向に移動するコンベヤベルトを有する第2のコンベヤ装置を含んで構成されると共に、前記第2のコンベヤ装置の上側ベルトに付着した排泄物を離脱させる排泄物離脱手段を設けたことを特徴とする。
【0007】請求項4に係る動物のサニタリー飼育装置は、前記排泄物受け部で受けられた排泄物を回収する排泄物回収手段と、回収された排泄物を監視する排泄物監視手段と、該排泄物の状態に応じて前記第1のコンベヤ装置のコンベヤベルトの作動を制御する自動搬送床制御手段と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0008】
【発明の作用】請求項1に係る動物のサニタリー飼育装置は、動物格納室の床部(即ち、自動搬送床部)を多透孔部材で構成すると共に、排泄物受け部を設けた。飼育動物の排泄物のうち、第1のコンベヤ装置のコンベヤベルトの透孔を通過可能なものは、排泄物受け部で受ける。
【0009】又、動物格納室の床部を、第1のコンベヤ装置によって自動搬送可能に構成した。排泄物が床部に残留したり、透孔の周りに排泄物が付着し床部が汚れたりした場合は、第1のコンベヤ装置を作動し、床部を順次新規な部分に取り替える。更に、飼育動物の生活リズム等に合わせ、適度な時刻に、適度な時間、適度な速度で、自動搬送床部を間欠的又は連続的に移動させることによって、動物格納室の床部を動物の歩行器として機能させることもできる。
【0010】請求項2に係る動物のサニタリー飼育装置では、既使用の自動搬送床部(即ち、第1のコンベヤ装置の上側ベルト)は、コンベヤベルトの移動に伴い、洗浄手段によって洗浄される。請求項3に係る動物のサニタリー飼育装置では、第1のコンベヤ装置のコンベヤベルトを通過した排泄物は、第2のコンベヤ装置のコンベヤベルトによって受けられ、そして、第2のコンベヤ装置のコンベヤベルトの移動に伴い、移動先端部において、排泄物離脱手段により離脱される。
【0011】請求項4に係る動物のサニタリー飼育装置は、排泄物受け部から排泄物を回収し、回収された排泄物を監視し、排泄物の量、性状、成分及び排泄の回数等に応じて、自動搬送床部の取替え時期や、動物の健康状態を判断し、第1のコンベヤ装置の作動にフィードバックする。この場合、実験資料として利用、飼料としての利用等、排泄物の回収目的に照らし合わせて、回収排泄物の状態を判断し、コンベヤベルトの最適な作動状態が決定される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示す動物のサニタリー飼育装置1は、ネズミ等の医療実験用の動物を、1つの動物格納室で格納状態にて飼育するものであり、ケージ部材10、床用コンベヤ装置30、洗浄装置50、排泄物処理用コンベヤ装置70、排泄物回収箱90、を含んで構成され、支持台2に固定支持される。
【0013】ケージ部材10は、動物格納室(即ち、ケージ)の天井と周側壁とを構成するものであり、天面部11と側壁部12、13、14、15とを含んで構成される底面開放型の箱体である。ケージ部材10は、金属製又は樹脂製の網、或いは多透孔板等、通気可能な材料で構成されており、対向する2つの側壁部(図中の左側側壁部15、と右側側壁部13)に取り付けられたL字型の支持脚16、16を介して、支持台2に固定支持されている。
【0014】ケージ部材10には、飼育動物の出入用の扉17と、給水装置18と、給餌装置19と、が設けられている。給水装置18は、この飼育装置1の外部から延設される給水管の先端に形成されたノズルであり、適宜、ケージ内に水分を供給する。給餌装置19は、ケージ天面部11のくり抜き部位に配設された餌皿である。かかる餌皿は、長方形の1つの角部を凹状に切り欠いた形状の底面部を有し、該底面部の周縁を起立させた形状である。
【0015】餌皿の長手側の起立縁部の中央には、餌皿を傾斜させる為のハンドル20が設けられており、該ハンドル20を図中A方向に回転することによって、餌皿が傾斜する。餌をケージ内に供給する際は、切り欠かれた側を下方に傾け、飼育動物が切り欠かれた部分から餌皿内の餌を獲得できるようにする。この場合、ハンドル20は、コンピュータ制御によって自動的に回転されても良いし、手動で回転しても良い。
【0016】かかるケージ部材10の下方には、自動搬送床部を構成するための床用コンベヤ装置30が配設されている。床用コンベヤ装置30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に対して平行且つ水平に並列配置された従動ローラ32と、これらのローラ31、32の間に巻掛けられた無端環状のコンベヤベルト33と、を含んで構成され、ケージ部材10の開放底部を下方から覆うようにして近接させ、駆動ローラ31及び従動ローラ32の支持脚35、39を介して支持台2に固定される。
【0017】駆動ローラ31は、水平方向(図中左右方向)に延びる回転軸34を有し、該回転軸34を軸受する支持脚35、35を介して、支持台2に取り付けられている。回転軸34の一端には、駆動ローラ31を回転させる為のモータ装置36が連結されており、モータ装置36と駆動ローラ31との間には、洗浄装置50の回転ブラシ51を回転させる為のプーリー37、37が軸着されている。
【0018】従動ローラ32は、回転軸38を軸受する支持脚39、39を介して、支持台2に取り付けられている。駆動ローラ31と従動ローラ32とには、コンベヤベルト33が巻き掛けられており、駆動ローラ31の回転に伴って、図中B方向に移動する。かかるコンベヤベルト33は、ローラ径に追従し得る程度の可撓性と、ケージの床面として機能し得る程度の緊張性及び強度を有する帯状部材によって構成され、該帯状部材には、飼育動物の排泄物が通過できる程度の透孔が多数設けられている。この場合、コンベヤベルトの材質としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル製のものが好ましい。又、多透孔部材としては、網状の部材、或いは多透孔板が好ましい。
【0019】コンベヤベルト33のうち上側(即ち、搬送側)に位置する部位(即ち、上側ベルト)において、ケージの自動搬送床部が形成されるように、コンベヤベルト33の上側ベルトの周縁部は、ケージ部材10の周側壁12、13、14、15よりも外方に張り出している。ケージ部材10とコンベヤベルト33の上側ベルトとによって規制される空間が飼育動物の格納空間となる為、ケージ部材10の周側壁(12、13、14、15)の下端部は、可能な限りコンベヤベルト33の上側ベルトに近接させておく。
【0020】この場合、ケージ部材10の周側壁のうち、少なくともコンベヤベルト33の上側ベルトの移動先側の側壁部12は、飼育動物の排泄物が通過できる程度の間隙21を介して、下端部がコンベヤベルト33の上側ベルトに近接されている。かかる間隙21は、床用コンベヤ装置30の上側ベルトの透孔を通過できず残留した排泄物を、コンベヤベルト33の移動によりケージ外に排出させる為のものであり、間隙幅は、コンベヤベルト33の透孔の口径よりも広い。
【0021】コンベヤベルト33の上側ベルトの移動先側の端部には、洗浄装置50が配設されている。洗浄装置50は、図3に示すように、回転ブラシ51、洗浄ノズル52、を含んで構成される。回転ブラシ51は、合成繊維等を植毛したロール体であり、駆動ローラ31に平行に延びる回転軸53を有する。この回転軸53には、プーリー54が軸着されており、該プーリー54は、駆動ローラ31のプーリー37との間に巻き掛けられたクロスベルト55によって、駆動ローラ31の回転に連動される。これによって、回転ブラシ51は、コンベヤベルト33の移動方向(図中B方向)とは反対方向(図中C方向)に回転する。
【0022】回転ブラシ51の回転軸53は、支持棒56によって軸受されており、該支持棒56は、駆動ローラ31の支持脚35に、揺動可能に軸支されている。支持棒56は、引張コイルバネ57を介して、駆動ローラ31の支持脚35に連結される。回転ブラシ51は、回転軸53を介して支持棒56に支持されているので、引張コイルバネ57の初期張力によって、コンベヤベルト33のベルト面に押し付けられる。
【0023】回転ブラシ51の下方には、複数の洗浄ノズル52が設けられている。洗浄ノズル52は、この飼育装置1の外部から延設される給水管に配設されており、回転ブラシ51とコンベヤベルト33との間を目掛けて、洗浄水を吐出する構成である。床用コンベヤ装置30のコンベヤベルト33の環の内側には、排泄物受け部としての排泄物処理用コンベヤ装置70が配設されている。
【0024】排泄物処理用コンベヤ装置70は、駆動ローラ71と、駆動ローラ71に対して平行且つ水平に配置された従動ローラ72と、コンベヤベルト73と、を含んで構成される。駆動ローラ71は、水平方向に延びる回転軸74を有し、該回転軸74を軸受する支持脚75、75を介し、支持台2に取り付けられている。駆動ローラ71の回転軸74の一端には、駆動ローラ71を回転させる為のモータ装置76が連結されている。
【0025】従動ローラ72も回転軸77を有し、該回転軸77を軸受する支持脚78、78を介して、支持台2に取り付けられている。排泄物処理用コンベヤ装置70のローラ71、72は、床用コンベヤ装置30のローラ31、32に対して直角に配置されており、これら4つのローラ71、72、31、32は、ケージ部材10を取り囲むように配置される。
【0026】排泄物処理用コンベヤ装置70のコンベヤベルト73は、ゴム、樹脂、布、或いは紙等、可撓性を有する帯状部材からなり、駆動ローラ71と従動ローラ72とに巻掛けられ、床用コンベヤ装置30のコンベヤベルト33の移動方向(図中B方向)に対して平面上直交する方向(図中D方向)に移動する。コンベヤベルト73の上側ベルトは、ケージの床部(即ち、床用コンベヤ装置33の上側ベルト)の透孔を通過した排泄物をこぼさず受け止めることができるよう、ケージ部材10の開放底部を包含し得る面積を有する。
【0027】コンベヤベルト73の上側ベルトの移動先側の端部には、排泄物回収箱90が配置されている。排泄物回収箱90は、排泄物処理用コンベヤ装置70のコンベヤベルト73のベルト幅に対応する長さの側壁部91,92を有する直方体状の天面開放型の容器であり、排泄物処理用コンベヤ装置70の側の側壁部91の上端縁には、排泄物離脱手段としての掻取板93が、排泄物処理用コンベヤ装置70の側に突出させて取り付けられている。かかる排泄物回収箱90は、掻取板93が排泄物処理用コンベヤ装置70のコンベヤベルト73に摺接するように、支持台2上に配置される。
【0028】本実施形態の動物のサニタリー飼育装置1を医療実験用ネズミの飼育装置に適用した場合の実施例を紹介する。ケージ部材10は、一辺Lが30cmの正方形状の天面部と、高さHが14.7cmの周側壁部とによって構成される筒型形状とした。床用コンベヤ装置30の駆動ローラ31及び従動ローラ32は、5cm径のものを使用し、39.7cmの距離Mをあけて配置した。コンベヤベルト33は、33cm程度のベルト幅Wを有するものを用いた。コンベヤベルト33には、7mm程度の網目のポリエチレン製のネットを用いた。
【0029】ケージ部材10の一側壁部12とコンベヤ装置30の上側ベルトとの間には、1cm程度の間隙21を設けた。排泄物処理用コンベヤ装置70の駆動ローラ71及び従動ローラ72は、3cm径のものを使用し、33.9cmの距離M’をあけて配置した。コンベヤベルト73は、33cm程度のベルト幅W’を有するものを用いた。
【0030】かかるサニタリー飼育装置1の使用状態を説明する。飼育動物は、ケージ部材10と床用コンベヤ装置30の上側ベルトとによって規制された空間内で飼育されている。飼育動物の排泄物は、床用コンベヤ装置30のコンベヤベルト33の透孔を通過して、排泄物処理用コンベヤ装置70のコンベヤベルト73上に落下する。
【0031】コンベヤベルト73上に落下した排泄物は、排泄物処理用コンベヤ装置70の作動によって搬送され、上側ベルトの移動先側の端部において、掻取板93で掻き落とされて排泄物回収箱90内に回収される。一方、飼育動物の排泄物が、床用コンベヤ装置30のコンベヤベルト33の透孔を通過せず、ベルト面に残留或いは付着してしまった場合は、床用コンベヤ装置30を作動させて排泄物を搬送し、ケージ側壁部12の間隙21を通過させて、ケージ外へと排出する。
【0032】床用コンベヤ装置30のコンベヤベルト33のうち、床部として使用されていた部位(即ち、上側ベルト)は、移動先側の端部を通過した時点で、洗浄装置50によって洗浄された後、下側に移動する。かかる既使用部位の下側への移動に伴い、下側に位置していた洗浄済の部位が、床用コンベヤ装置30の上側に装置の長さ分移動し、新たな床部としてケージ内に供給される。この場合、床用コンベヤ装置の上側ベルトと下側ベルトとを反転する構成としても良いし、連続的に移動(即ち、連続回転)させてもよい。
【0033】コンベヤ装置30は、連続的な移動によって歩行器として機能させることもできる。例えば、飼育動物が医療実験用のネズミの場合は、平均1mm/秒の速度での5分間程度の連続移動が適する。これによって、格納状態のネズミに、適度な運動の機会が与えられる。尚、本実施形態のサニタリー飼育装置1において、飼育動物の生活サイクルに応じてプログラムされた操作方法、或いは回収された排泄物を監視し、その排泄物の状態に応じてプログラムされた操作方法によって、飼育装置の各部(即ち、給水装置18、床用コンベヤ装置30、洗浄装置50、排泄物処理用コンベヤ装置70等)を、自動的、或いはマニュアル的に作動させる構成としてもよい。
【0034】かかる構成は、例えば、図4に示すような飼育装置作動システム100によって可能となる。かかる飼育装置作動システム100は、排泄物回収装置110、排泄物検査装置120と、制御装置130と、スイッチ装置140と、を本実施形態のサニタリー飼育装置1に追加することによって可能となる。
【0035】排泄物回収装置110は、排泄物受け部90から排泄物回収管111を介して回収器113、115に排泄物を回収する構成である。排泄物回収管111には、スイッチ装置140が介装されており、スイッチ装置140により電磁バルブ114、116が作動されることによって、排泄物の性状(即ち、乾燥糞と汚水・汚物等)が分類され、夫々の回収排泄物がバキューム機構によって各回収器113、115内に収容される。
【0036】排泄物検査装置120は、回収された排泄物の量、性状、成分及び排泄の回数等を、目視や成分分析等によって監視し、その結果を制御装置130へと出力する構成である。排泄物の監視は、人間が行ってもよいし、測定機器によって自動的に行ってもよい。又、制御装置130への出力は、測定機器から自動的に入力されるものであってもよいし、オペレータが手入力するものであってもよい。
【0037】制御装置130は、検査結果入力部131と動作情報記憶部133と制御信号出力部135とを含んで構成され、排泄物の状態に応じてサニタリー飼育装置各部の作動を制御する。検査結果入力部131には、排泄物検査装置120からの検査結果Kが入力される。
【0038】動作情報記憶部133では、排泄物の回収目的や排泄物の状態に応じ、給水装置18、床用コンベヤ装置30、洗浄装置50、排泄物処理用コンベヤ装置70、排泄物回収装置110毎に、適切な動作をプログラミングした動作情報を、データベースとして保有する。制御信号出力部135では、検査結果入力部131に入力された検査結果Kに基づいて、動作情報記憶部133のデータベースの中から最適な動作情報を選択し、制御信号Sとして出力する。
【0039】スイッチ装置140は、サニタリー飼育装置1の各装置18、30、50、70、110と制御装置130との間に介装されており、制御装置130からの制御信号Sに基づいて各部を動作させる構成である。即ち、給水装置18や洗浄装置50に対しては給水用電磁バルブ141、142の開閉を行い、床用コンベヤ装置30や排泄物処理用コンベヤ装置70に対してはモータ装置36、76のスイッチングを行い、排泄物回収装置110に対しては回収選択用の電磁バルブ114、116の開閉等を行う。
【0040】本飼育装置作動システム100によれば、排泄物の性状及び排泄回数等に応じて床用コンベヤ装置30や洗浄装置50を作動させてもよいし、排泄物から特定成分のものが選別回収されるように排泄物回収装置110を作動させてもよいし、回収された排泄物から飼育動物の健康状態を判断し、これに応じた速度及び時間で、床用コンベヤ装置30のコンベヤベルト33を連続移動(即ち、歩行器として機能)させてもよい。
【0041】特に、実験用動物や治療対象動物等、回収された排泄物等を研究や検査の為に使用する場合は、正確な判断及び操作を期するために、コンピュータによる制御システムとすることが好ましい。尚、本発明のサニタリー飼育装置は、上記実施形態にかかわらず、飼育動物の種類に応じ、その大きさ、生育環境、飼育目的、及び排泄物の状態に適するように構成するのが好ましい。
【0042】又、本実施形態においては、モータ装置によってコンベヤ装置を駆動させたが、駆動ローラに取り付けられた回転ハンドル等によって手動で動かしてもよい。又、床用コンベヤ装置にあっては、飼育動物の歩行によってコンベヤベルトが駆動する構成としてもよい。この場合、歩行によって床部に与えられる後方への蹴り上げ力によって、歩行方向後方にコンベヤベルトが移動する。かかる構成では、モータ装置等の駆動手段が不要であるという利点に加え、ケージ内に回転式玩具を装備したのと同様の効果が期待できる。
【0043】又、ケージの側壁部の間隙は必ずしも必要ではないし、或いは2箇所以上に間隙を形成してもよい。又、洗浄装置も、必ずしも必要ではないし、本実施形態とは異なる構成であってもよい。即ち、洗浄手段とは、多透孔帯状部材であるベルト面を清潔にすることができるものであれば如何なる構成であってもよく、例えば、汚れを擦り落とす手段(ブラシ等)であっても、汚れを洗い流す手段(洗浄ノズル等)であっても、或いは、洗浄に加えて乾燥・殺菌処理等を行う手段であってもよい。
【0044】洗浄装置の具体的構成としては、水はね防止用のカバーを回転ブラシの周囲に設けたもの、水分を含ませたスポンジ等をベルト面に押しつけたもの等、様々な態様が考えられる。又、排泄物受け部においても、本実施形態のものとは異なる形態でも良く、例えば、取り外し可能な受け皿として構成してもよい。
【0045】又、排泄物処理用コンベヤ装置は、床用コンベヤ装置のコンベヤベルトの環の内部に配置するのではなく、環の外部(即ち、下側ベルトの下方)に配置してもよい。但し、この場合は、床用コンベヤ装置の上側ベルトの移動元側の端部において、コンベヤベルトを洗浄する構成とするのが好ましい。更に、排泄物離脱手段は、必ずしも存在しなくともよいし、異なる構成(例えば、上記洗浄装置の如き構成)であってもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、動物格納室の床部を無端環状のコンベヤベルトの上側ベルトによって構成したので、既使用の汚れた床部(即ち、上側ベルト)を、未使用の下側ベルトに容易に取り替えることができる。又、飼育動物の活動時間に合わせて、動物格納室の床部を連続的に移動させれば、歩行器として床部を機能させることもでき、飼育動物に運動や遊びの機会を与えることができる。
【0047】又、床面部の透孔を通過した排泄物を排泄物受け部で受けるので、排泄物の処理が簡便である。これによって、排泄物の処理、動物格納室の床部の清掃等の手間が大幅に削減されると共に、飼育動物の健康的な飼育が可能となる。請求項2に係る発明では、既使用の床部を、動物格納室の外部で洗浄するので、ケージの床部の清掃が一層簡単になる。
【0048】請求項3に係る発明は、排泄物受け部を無端環状のコンベヤベルトで構成したので、その上側ベルトの移動先側の端部で排泄物を回収することができ、排泄物受け部の清掃が省力化される。請求項4に係る発明によれば、排泄物の有効な利用が促進され、排泄物の回収目的に応じた第1コンベヤ装置の操作が可能となる。これによって、動物格納室の自動搬送床部の清掃、排泄物の処理等を自動化することが可能となり、人員を大幅に削減することが出来る。
【出願人】 【識別番号】500350656
【氏名又は名称】株式会社宇宙船
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄 (外1名)
【公開番号】 特開2002−291365(P2002−291365A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−99040(P2001−99040)