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【発明の名称】 魚釣用スピニングリール
【発明者】 【氏名】柴田 崇

【要約】 【課題】仕掛け投擲時にロータをガタ付くことなく回転規制して、ベールの振り落ちを効果的に防止する魚釣用スピニングリールを提供する。

【解決手段】本発明の魚釣用スピニングリール1は、ベール3dを釣糸放出位置に回動したときに、ロータ3の釣糸巻取り方向への回転を規制するように、ロータ側規制体31と、リール本体側規制体50を設けている。ロータ3は、各規制体31,50の当接による正転防止作用と、転がり式一方向クラッチ20による逆転防止作用とにより、所定位置で回転不能に規制される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体に回転可能に支持され、一対の支持腕と円筒部とを具備するロータと、このロータの逆転方向の回転を防止する転がり式一方向クラッチと、この一方向クラッチを作動状態と非作動状態とに切換える切換え部材と、前記一対の支持腕に釣糸放出位置と釣糸巻取り位置との間で回動可能に取り付けられた一対のベール支持部材と、このベール支持部材の一方側に取り付けられ、リール本体に支持されたスプールに釣糸を案内する釣糸案内部と、前記一対のベール支持部材間に配されたベールと、前記ロータを駆動する巻取り駆動機構と、この巻取り駆動機構を駆動するようにリール本体に回転可能に支持されたハンドルとを有する魚釣用スピニングリールにおいて、前記ベールを釣糸放出位置に回動したときに、前記ロータの釣糸巻取り方向への回転を規制する回転規制機構を有しており、前記回転規制機構は、当接可能なロータ側規制体とリール本体側規制体とを備え、前記ロータを、前記各規制体による回転規制と前記転がり式一方向クラッチの逆転防止作用とで、所定位置で回転不能に規制可能としたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項2】 前記リール本体側規制体は、前記リール本体前部の所定位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項3】 前記両規制体の少なくともいずれか一方には、当接時における衝撃を吸収する衝撃吸収手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項4】 前記両規制体の少なくともいずれか一方には、当接時に、ある一定の負荷を超える力が両規制体間に作用したときに、ロータの回転規制状態を解除することが可能な規制解除手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項5】 前記リール本体側規制体は、前記リール本体とは別体で構成されて、リール本体に一体的に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣用スピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、魚釣用スピニングリールは、リール本体に前後動可能に支持され、釣糸が巻回されるスプールと、リール本体に回転可能に支持され、支持腕と円筒部とで構成されたロータと、前記支持腕の先端に回動可能に取り付けられ、前記スプールに釣糸を案内する釣糸案内部及びベールを支持したベール支持部材とを備えており、リール本体に取り付けられたハンドルを巻取り操作した際、スプールの周囲を回転する釣糸案内部を介して、前後動するスプールに釣糸を巻回するよう構成されている。
【0003】そして、仕掛けの投擲に際しては、前記ベール支持部材を釣糸巻取り位置から釣糸放出位置に回動して起立させ、釣竿をスイングすると共に、指でピックアップしている釣糸を所定のタイミングで開放する操作(キャスティング操作)が行なわれるが、釣竿スイング時の勢いで、不意にハンドルが回転してベール復帰機構が機能しベールが釣糸巻取り位置に復帰したり、ベールの位置する場所によっては振り落ち(ベールの釣糸巻取り位置への復帰)が発生することがある。
【0004】このように、仕掛け投擲時にベールが釣糸巻取り位置に復帰すると、急激に仕掛けの放出が止まってしまうため、糸切れ等が発生して仕掛けを紛失してしまったり、糸切れが発生する前に釣竿やリールを破損してしまうことがある。
【0005】上記した不具合を解消するために、例えば、実用新案登録第2502727号、実用新案登録第2502728号等に開示されているように、リール本体に形成されたロータ後部の開口を閉塞するフランジ部に凹凸部を複数設け、ベールを釣糸放出位置に回動したときに、この凹凸部にロック部材を係合させることでロータの回転を規制する技術が公知となっている。
【0006】このような公知技術によれば、ロータの不用意な回転が規制されるため、仕掛け投擲時における釣糸のピックアップ操作が行い易くなり、かつキャスティング操作時にベールの振り落ちを防ぐことが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した公知技術によれば、ベールを起こした際に、規制部とロック部材との衝突によって、ロータが規制部間でガタ付くため、精密感を損なうと共に、異音も発生してしまい、キャスティング時に不快感となって、集中力を低下させる問題がある。
【0008】また、上記のように複数の凹凸部(規制部)を形成すると、ベールを起こす位置によっては、釣糸をピックアップし難くなる場合があり、また、指先の位置とベールの位置が重なってしまうと、サミング操作し難い位置でロータが規制されてしまうことから、かえって操作性が悪化するという問題もある。
【0009】本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、仕掛け投擲時にロータをガタ付くことなく回転規制して、ベールの振り落ちを効果的に防止する魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。また、本発明は、上記した目的に加え、仕掛け投擲時において、釣糸のピックアップ等、釣糸操作性に優れた魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体に回転可能に支持され、一対の支持腕と円筒部とを具備するロータと、このロータの逆転方向の回転を防止する転がり式一方向クラッチと、この一方向クラッチを作動状態と非作動状態とに切換える切換え部材と、前記一対の支持腕に釣糸放出位置と釣糸巻取り位置との間で回動可能に取り付けられた一対のベール支持部材と、このベール支持部材の一方側に取り付けられ、リール本体に支持されたスプールに釣糸を案内する釣糸案内部と、前記一対のベール支持部材間に配されたベールと、前記ロータを駆動する巻取り駆動機構と、この巻取り駆動機構を駆動するようにリール本体に回転可能に支持されたハンドルと、前記ベールを釣糸放出位置に回動したときに、前記ロータの釣糸巻取り方向への回転を規制する回転規制機構とを有しており、前記回転規制機構は、当接可能なロータ側規制体とリール本体側規制体とを備え、前記ロータを、前記各規制体による回転規制と前記転がり式一方向クラッチの逆転防止作用とで、所定位置で回転不能に規制可能としたことを特徴としている。
【0011】上記した構成によれば、仕掛け投擲時において、ロータは、転がり式一方向クラッチの逆転防止作用、及び回転規制機構の各規制体による正転防止作用によって回転不能状態に維持されるため、回転方向でのガタ付きが生じることはない。
【0012】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係る魚釣用スピニングリールの一実施形態を示す図であり、図1は、全体構成を示す図、図2は、主要部の構成を示した部分断面図である。
【0013】魚釣用スピニングリール1は、釣竿に装着するための脚部2aが形成されたリール本体2と、リール本体前方に回転可能に配されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に配されたスプール5とを有している。
【0014】リール本体2内には、ハンドル軸7が回転可能に支持されており、その突出端部には、巻取り操作されるハンドル8が取り付けられている。前記ハンドル軸7には、ロータ3を巻取り駆動するための巻取り駆動機構が係合しており、この巻取り駆動機構は、ハンドル軸7に取り付けられ内歯が形成された駆動ギヤ9と、この駆動ギヤ9に噛合し、ハンドル軸7と直交する方向に延出すると共に内部に軸方向に延出する空洞部が形成されたピニオン10とを備えている。ピニオン10は、軸受を介して回転可能に支持されており、その空洞部には、ハンドル軸7と直交する方向に延出し、先端側にスプール5を取り付けたスプール軸11が軸方向に移動可能に挿通、支持されている。
【0015】また、前記ピニオン10には、スプール軸を前後動させるオシレーティング機構が係合している。このオシレーティング機構は、スプール軸と平行に延出するウオームシャフト12と、このウオームシャフト12の外周面に形成された螺旋溝12aに係合すると共に、スプール軸11の基端部にビス止めして取り付けられた係合子13とを有している。ウオームシャフト12の端部には、前記ピニオン10と噛合するギヤ15が取り付けられており、ウオームシャフト12が、ピニオン10及びギヤ15を介して回転駆動されることで、スプール軸11は螺旋溝12a内に案内される係合子13を介して前後動される。
【0016】前記ピニオン10はスプール側に向けて延出しており、その先端部において、ナット17を介して前記ロータ3が取り付けられている。また、ピニオン10には、その中間部分に転がり式の一方向クラッチ20が取り付けられており、リール本体2の外部に取り付けられている切換え部材22を回動操作することで、一方向クラッチを作動状態と非作動状態に切換えるように構成されている。この場合、切換え部材22を作動状態に切換えることで、ハンドル8(ロータ3)の逆転方向の回転が防止されるようになっている。
【0017】前記ロータ3は、スプール5のスカート部5a内に位置する円筒部3aと、一対の支持腕3bを具備している。各支持腕3bの前端部には、ベール支持部材3cが釣糸巻取り位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されており、これらベール支持部材間には、放出状態にある釣糸をピックアップするベール3dが配されている。この場合、ベール3dは、一方の基端部がベール支持部材3cに取り付けられており、他方の基端部がベール支持部材3cに一体的に設けられた釣糸案内部3eに取り付けられている。
【0018】前記スプール5は、スカート部5aとフランジ5bとの間に釣糸が巻回される巻回胴部5cを備えており、前記スプール軸11に、ドラグノブ25を介して取り付けられている。
【0019】上記した構成により、ハンドル8を巻取り操作することで、ロータ3が駆動ギヤ9およびピニオン10を介して回転駆動され、かつスプール5がピニオン10およびオシレーティング機構を介して前後動され、釣糸は、釣糸案内部3eを介してスプール5の巻回胴部5cに均等に巻回される。
【0020】上記した構成のスピニングリールにおいて、リール本体2及びロータ3には、ベール3dを釣糸放出位置に回動させた際に、ロータ3の釣糸巻取り方向への回転を規制する回転規制機構30が設けられている。以下、本実施の形態における回転規制機構の構成を、図3乃至図6を併せて参照しながら説明する。
【0021】なお、これらの図において、図3は、支持腕の外カバー3f(図2参照)を取外して、ロータ側規制体を露出させた状態を示しており、(a)は、ベールが釣糸巻取り位置に回動された状態を示す図、(b)は、ベールが釣糸放出位置に回動された状態を示す図、図4(a)は、図3(a)のA−A線に沿った断面図、図4(b)は、図(a)のC−C線に沿った断面図、図5(a)は、図3(b)のB−B線に沿った断面図、図5(b)は、図(a)のD−D線に沿った断面図、そして、図6は、スプールを取外した状態のリール本体の前部を示す正面図であって、(a)は、ロータ側規制体とリール本体側規制体が当接する前の状態を示す図、(b)は、ロータ側規制体とリール本体側規制体が当接した状態を示す図である。
【0022】回転規制機構30は、一方の支持腕3b内に配設され、上下方向に移動可能なロータ側規制体31と、リール本体2の前部に設けられ、ロータ側規制体31の一部が当接可能なリール本体側規制体50とを備えている。この場合、リール本体側規制体50は、リール本体2の前端面の外周部分(フランジ2b)に突出形成されたものであり、以下に述べるロータ側規制体の当接部が当接して、ロータの釣糸巻取り方向への回転を規制する規制部50aを備えている。
【0023】本実施形態におけるロータ側規制体31は、支持腕3b内に延出するように棒状に構成されており、その一端側には外側に向けてボス32が屈曲形成され、他端側には支持腕3bから円筒部3a内に入り込むようにしてボス(当接部)33が屈曲形成されている。
【0024】前記支持腕3bに回動可能に支持されたベール支持部材3cには、その回動支持部分の近傍に円弧状の長孔3gが形成されており、この長孔内にロータ側規制体31に形成されたボス32が配されている。また、支持腕3bの下端部には、上下方向に延出する長孔3hが形成されており、この長孔内にロータ側規制体31に形成された前記ボス33が配されている。
【0025】上記した構成において、ボス32,33が形成されたロータ側規制体31と、各長孔3g,3hとは、以下のような位置関係、及び作動するよう構成されている。
【0026】図3(a)及び図4(a),(b)に示すように、ベール3dが釣糸巻取り位置に回動された状態にあるとき、ボス32は長孔3gの下側端部3mと係合し、かつボス33は長孔3hの上方に位置している。このとき、ボス33は、リール本体2に形成されたリール本体側規制体50と干渉しない位置、すなわち、ロータが回転しても、ボス33は、リール本体側規制体50の規制部50aと当接しないようになっている。
【0027】そして、ベール3dを図3(b)に示すように、釣糸放出位置に向けて回動すると、長孔3gの上側端部3nがボス32と係合し、ボス32(ロータ側規制体31)を下方に向けて押し下げ、最終的に釣糸放出位置に回動されると、下端側のボス33は、図5(a)に示すように、長孔3hの下方に位置するようになっている。このとき、ボス33は、図5(b)に示すように、前記リール本体側規制体50と干渉する位置、すなわち、ロータが釣糸巻取り方向に回転すると、ボス33がリール本体側規制体50の規制部50aに当接して、その回転が規制されるようになっている。
【0028】上記した構成において、ロータの回転を規制するリール本体側規制体50を形成しておく位置は任意であるが、図6(a),(b)に示すような所定位置、すなわち、仕掛け投擲時において、ベール3dを釣糸放出位置に回動した際、釣糸案内部3eが最上方領域で回転規制されるような位置(本実施形態では、脚部2aと反対側の位置)に形成しておくことが望ましい。
【0029】以下、上述したような回転規制機構を組み込んだ魚釣用スピニングリールの作用について説明する。仕掛けを投擲するに際して、ベール3dを図3(a)に示す釣糸巻取り位置から図3(b)に示す釣糸放出位置に回動すると、ロータ側規制体31は、ボス32に当て付く長孔3gの上側端部3nによって押し下げられ、図3(b)に示す位置に移動され、これによりボス33は、リール本体側規制体50の規制部50aと当接可能な位置に入り込む。
【0030】ロータ3は、転がり式の一方向クラッチ20によって逆転方向の回転が阻止されているため、ベール3dを釣糸放出位置に回動する際には、正転方向のみ回転可能となっているが、ロータ3を回転操作すると、ボス33が規制部50aに当接し、これにより、ロータ3は正転方向への回転も規制されてしまい、正逆転不能状態となる。
【0031】すなわち、仕掛けを投擲する際には、転がり式一方向クラッチ20の逆転防止作用、及び回転規制機構30の正転防止作用によって、ロータ3は、回転方向のガタ付きや異音が生じない状態で固定される。したがって、釣竿を勢い良くスイングしても、ロータ3(ハンドル8)は全くガタ付かないことから、振動等によってベール3dが振り落ちること、或いはスイング時の慣性等によってベール3dが振り落ちることが無くなり、キャスティングに集中でき、投擲距離を安定して伸ばすことが可能となる。
【0032】また、上記した構成では、リール本体側規制体50を所定位置、すなわちベール3dを釣糸放出位置に回動した際、図6(b)に示すように、釣糸案内部3eが最上方領域で回転規制されるような位置に形成していることから、ロータが、図6(a)に示すような任意の位置にあったとしても、必然的に図6(b)に示す位置で回転規制がなされるため、仕掛け投擲時において、釣糸を指でピックアップする操作が容易に行なえるようになる。
【0033】さらに、仕掛け投擲時においては、図6(b)に示すように、ベール3dが側方に位置した状態でロータ3が固定されるため、キャスティング時の指の操作を邪魔することが無くなって操作性の向上が図れると共に、ベール3dの振り落ち方向への力の作用を殺す位置にロータが固定されることから、キャスティング時にベールが振り落ちることをより効果的に防止することが可能となる。
【0034】そして、仕掛け投擲後に、ベール3dを図3(a)に示す釣糸巻取り位置に回動させると、図4(a),(b)に示すように、ボス33は、リール本体側規制体50と干渉しない位置に移動されるため、ロータ3は自由回転可能な状態となる。
【0035】図7は、上記した実施形態の変形例を示す図であり、ロータ側規制体31のボス33とリール本体側規制体50とが当接した状態を示す図である。この変形例は、両規制体31,50が当接する際に生じる衝撃を吸収するように、衝撃吸収手段を設けたものであり、具体的には、リール本体側規制体50の規制部50aに、ゴム等の衝撃吸収部材50bを取着したものである。
【0036】このような構成によれば、ベールが釣糸放出位置にある状態で、ハンドルの回転で勢い良くロータを回転させたときや、落下の衝撃によるロータの釣糸巻取り方向への回転力等の強い衝撃が生じても、衝撃吸収部材が両規制体の当接時における衝撃を吸収するため、両規制体の破損等を防止することが可能となる。
【0037】なお、このような衝撃吸収手段は、ロータ側規制体31と、リール本体側規制体50の少なくともいずれか一方に設けておけば良い。また、衝撃吸収手段については、例えば、両規制体の当接部分の間にバネ部材を配設して当接時の衝撃を吸収したり、あるいは、規制体31,50を当接方向に変位可能となるように支持して当接時の衝撃を吸収する等、種々変形することが可能である。
【0038】次に、図8乃至図10を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。これらの図において、図8は、スプールを取外した状態のリール本体の前部を示す正面図であって、(a)は、ロータ側規制体とリール本体側規制体が当接する前の状態を示す図、(b)は、ロータ側規制体とリール本体側規制体が当接した状態を示す図、図9は、支持腕の内部構成を示す図であって、(a)は、ロータ側規制体とリール本体側規制体が当接する前の状態を示す図、(b)は、図(a)のE−E線に沿った断面図、そして、図10は、支持腕の内部構成を示す図であって、(a)は、ロータ側規制体がリール本体側規制体を乗り越えている状態を示す図、(b)は、図(a)のF−F線に沿った断面図である。
【0039】なお、以下に説明する実施形態では、前記した実施形態と同様な機能を有する部分については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0040】本実施形態におけるロータ側規制体31aは、上記した実施形態のロータ側規制体31と同様な形状で構成されているが、リール本体側規制体と当接するボス33が、図10(a)に示すように、それ自体が弾性変形可能となるような材質(例えば、ピアノ線、バネ用鋼線等)で形成されている。
【0041】一方、リール本体側規制体60は、リール本体2とは別体で構成されており、固定ビス62を介して、リール本体2の前部に一体的に設けられている。この場合、リール本体2のフランジ2b部分に、リール本体側規制体60の両側縁が当て付くよう突部2dを形成しておくことが好ましく、このような突部を形成しておくことで、リール本体側規制体60に負荷が作用しても、その位置を確実に固定しておくことが可能となる。なお、リール本体2と別体で構成されるリール本体側規制体60については、樹脂で形成することが好ましく、それ以外にも、Al、BS、母材をMgとしたAlや樹脂等で形成することが可能である。
【0042】また、ロータ側規制体およびリール本体側規制体には、少なくともいずれか一方に、両者が当接した際、ロータの釣糸巻取り方向への回転規制が解除できるように規制解除手段を設けておくのが好ましい。本実施形態における規制解除手段は、上記したように、ロータ側規制体31aに弾性変形可能なボス33を設け、かつリール本体側規制体60にロータの回転方向に沿って上昇する傾斜面60aを形成した構成となっており、ボス33が所定の負荷以上でリール本体側規制体60に当接した際、図10(a),(b)に示すように、ボス33が弾性変形してそれを乗り越えるようにしている。
【0043】上記したような構成によれば、ロータ側規制体およびリール本体側規制体に、ある一定以上の力が加わると(例えば、ベールが釣糸放出位置にある状態で、ハンドルの回転で勢い良くロータを回転させたときや、落下の衝撃によるロータの釣糸巻取り方向への回転力等)、ロータの規制状態を解除するため、両規制体の破損等を防止することが可能となり、耐久性のより向上が図れるようになる。
【0044】また、リール本体側規制体60を、リール本体2と別体で構成し、これを一体的にリール本体に取り付けた構成としたことで、リール本体側規制体60が摩耗したり破損しても、リール本体の表面処理を痛めることなく、又、それ自身を交換するのみで初期性能状態に回復できるので、低コストでかつリール本体の耐用年数を格段に伸ばすことが可能となる。
【0045】なお、本実施形態は、例えば、以下のように変形することが可能である。
【0046】リール本体側規制体60については、図11(a),(b)に示すように、リール本体2と共に一体形成した構成、すなわち、リール本体2のフランジ2bと一体形成したものであっても良い。
【0047】また、上記した規制解除手段は、ロータ側規制体のボス部分が弾性変形可能となるように構成したが、ロータ側規制体は、例えば、図12(a),(b)に示すように構成することが可能である。
【0048】この変形例のロータ側規制体35は、上述した実施形態と同様、支持腕3b内を延出する棒状に構成されているが、その中間部分に、ロータ側規制体35の端部の変位を許容するための変位部37が形成されている。具体的には、ロータ側規制体35は、ボス32が形成された上方部材35aと、リール本体側規制体と当接するボスが形成された下方部材35bとを有しており、変位部37は、各部材の対向端部を収容するバネ収容部38と、各部材を離反する方向に付勢した状態に保持するバネ38aを備えて構成されている。
【0049】このような構成によれば、ロータ側規制体35に形成されているボスが所定の負荷以上で、図10(b)に示したような傾斜面を有するリール本体側規制体60に当接すると、図12(b)に示すように、下方部材35bはバネ38aの付勢力に抗して圧縮され上昇することができる。すなわち、下方部材35bに形成されたボスは、リール本体側規制体を、下方部材が圧縮されるという作用により乗り越えることができ、より衝撃の少ない状態で規制解除を行なうことが可能になる。
【0050】なお、このような実施形態の構成においても、規制解除手段に加えて、上述したような衝撃吸収手段を設けておいても良い。
【0051】図13は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、(a)は、ロータ側規制体がリール本体側規制体に当接している状態を示す図、(b)は、図(a)のH−H線に沿った断面図である。
【0052】この実施形態は、回転規制機構の内、リール本体側規制体が、上述した衝撃吸収手段としての機能と、規制解除手段としての機能を備えた構成となっている。
【0053】具体的には、リール本体2のフランジ2b部分に、一対の突部2eを形成しておき、ここに、リール本体側規制体として、ロータの回転方向に沿って山状に屈曲形成(ロータの回転方向に対して上下方向に弾性変形可能に形成)されたリーフスプリング70が固定ビス72を介して配設されている。
【0054】このような構成によれば、上述した第1の実施形態のようなロータ側規制体であるボス33がリーフスプリングに当接すると、図13(b)に示すように、そのバネ力により、当接時の衝撃を吸収しながら、ロータの釣糸巻取り方向への回転が規制される。そして、さらに、一定の負荷を超える力が作用したとき、リーフスプリング70が点線で示すように平坦状に弾性変形し、ボス33は、その表面を乗り越えて、回転規制が解除されるようになる。
【0055】なお、このような構成においては、上述した各実施形態のロータ側規制体の構成を適用することが可能である。
【0056】上記した構成によれば、衝撃吸収手段としての機能と、規制解除手段としての機能を併せ持った回転規制機構を簡単かつ容易に得られるようになる。
【0057】以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した回転規制機構については、ロータを、転がり式一方向クラッチによって、逆転方向への回転を規制した状態で正転方向への回転を規制するように構成されるものであれば、そのロータ側規制体と、リール本体側規制体の構成については、図に示した構造に限定されることはない。
【0058】
【発明の効果】以上、本発明によれば、仕掛け投擲時にロータをガタ付くことなく回転規制して、ベールの振り落ちを効果的に防止する魚釣用スピニングリールが得られる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【代理人】 【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司 (外1名)
【公開番号】 特開2002−281873(P2002−281873A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−144811(P2001−144811)