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【発明の名称】 釣 竿
【発明者】 【氏名】苗木 芳弘

【要約】 【課題】軽量で操作性が良く、強度のある釣竿を提供すること。

【解決手段】釣竿Aは繊維強化プリプレグにより形成された中空竿管1前端に強化繊維で強化し先端に向かって小径となるテ−パ−状の中実竿杆2が固着され、中空竿管1は竿本体全長の30〜50%の長さに形成されている。中空竿管1前端に中実竿杆2を固着した固着部1aの前側には段差を埋めるシ−ト層3が繊維強化プリプレグで、その後側の中空竿管1外周には補強及び剛性調整シ−ト層4が繊維強化プリプレグで形成され、両シ−ト層を形成する繊維強化プリプレグの繊維の弾性率の差を±15×9.8×103N/mm2内とする。中実竿杆2の剛性の変化率は中空竿管1の剛性の変化率より大きく形成され、中実竿杆2の端部外側になる固着部1a外側の補強及び剛性調整シ−ト層4の外周には第1釣糸ガイド5が固定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】元部側にリ−ルシ−トを具備し繊維強化プリプレグにより形成された中空竿管前端に、強化繊維で強化し先端に向かって小径となるテ−パ−状の中実竿杆を固着すると共に、前記中空竿管は竿本体全長の30〜50%の長さを有し、第1釣糸ガイドを前記中実竿杆外側に配置することを特徴とする釣竿。
【請求項2】中実竿杆の剛性の変化率は中空竿管の剛性の変化率より大きいことを特徴とする請求項1記載の釣竿。
【請求項3】中空竿管前端に中実竿杆を固着した固着部前後に亘り繊維強化プリプレグを巻回することを特徴とする請求項1又は2記載の釣竿。
【請求項4】外側に巻回される繊維強化プリプレグの繊維の弾性率と、中実竿杆の繊維の弾性率の差は±15×9.8×103N/mm2内であることを特徴とする請求項3記載の釣竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先側が中実竿杆の釣竿において軽量で操作性が良く、強度のある釣竿の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中実竿杆を先側に設けた釣竿として例えば特開平10−210891号公報の構成は、強化繊維で強化したソリッド体の表面に、繊維強化樹脂プリプレグを巻装一体化させた中実竿杆によって釣竿の元部近くから竿先までを構成した釣竿であって、ソリッド体により細身で操作性がよい。しかし、中実竿杆の元側部を釣竿後端まで挿入固着させるため、釣竿全体として重く、ハンドル部の前部にのみ中実竿杆を挿入固着してその後方を中空にして軽量化も図れるが、ハンドル部には、グリップやリ−ルシ−ト等の部材が竿管に挿入固着され形成されるため、中実竿杆の固着部を上記位置に形成すると各部材の固着部が重合し、その重合により重量化するため更なる軽量化が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題点は、釣竿の元部近くから竿先までを中実竿杆としたので、釣竿全体として重くなることである。
【0004】本発明の目的は前記欠点に鑑み、軽量で操作性が良く、強度のある釣竿を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係わる本発明は、元部側にリ−ルシ−トを具備し繊維強化プリプレグにより形成された中空竿管前端に、強化繊維で強化し先端に向かって小径となるテ−パ−状の中実竿杆を固着すると共に、前記中空竿管は竿本体全長の30〜50%の長さを有し、第1釣糸ガイドを前記中実竿杆外側に配置することを要旨とするものである。
【0006】請求項2に係わる本発明は、中実竿杆の剛性の変化率は中空竿管の剛性の変化率より大きいことを要旨とするものである。請求項3に係わる本発明は、中空竿管前端に中実竿杆を固着した固着部前後に亘り繊維強化プリプレグを巻回することを要旨とするものである。請求項4に係わる本発明は、外側に巻回される繊維強化プリプレグの繊維の弾性率と、中実竿杆の繊維の弾性率の差は±15×9.8×103N/mm2内であることを要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1の本発明により、中空竿管1の部分が長く形成されるため、軽量化できる。また第1釣糸ガイド5が中実竿杆2の端部外側に固定されるため、大撓み時の第1釣糸ガイド5の足端による釣竿の応力集中による釣竿の破損が防止できる。請求項2の本発明により、第1釣糸ガイド5を有する竿先部となる中実竿杆2の剛性が竿元部となる中空竿管1の剛性より小さいので、竿先での撓みによる投擲操作ができ、仕掛けを目的位置に正確に投擲し易い。請求項3の本発明により、固着部1aの前後に亘り繊維強化プリプレグ14、15を巻回することで、固着部1aの強度が上がる。請求項4の本発明により、巻回される繊維強化プリプレグ14、15の繊維の弾性率の差を±15×9.8×103N/mm2内とすることで、端面部の剥離が防止できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を一実施例で図面に基づき説明すると、図1は釣竿の側面図、図2は釣竿の要部断面側面図と一部拡大断面側面図、図3は釣竿の成形時の説明図である。
【0009】釣竿Aは繊維強化プリプレグにより形成された中空竿管1前端に強化繊維で強化し先端に向かって小径となるテ−パ−状の中実竿杆2が固着され、中空竿管1は竿本体全長の30〜50%の長さL1 を有し、中実竿杆2は竿本体全長の70〜50%の長さL2 を有している。固着部1aとなる中空竿管1の前端内径及び中実竿杆2の後端外径は、後方に向けて大きくなるテ−パ−状に形成される。中空竿管1前端に中実竿杆2を固着した固着部1aの前側には段差を埋めるシ−ト層3が、その後側の中空竿管1外周には補強及び剛性調整シ−ト層4が形成されている。
【0010】中実竿杆2の剛性の変化率は中空竿管1の剛性の変化率より大きく形成されている。固着部1aの中空竿管1の前端内径及び中実竿杆2の後端外径が、後方に向けて大きくなるテ−パ−状に形成され、固着部1aの長さL3 は30〜100mmにすると、抜け難く強度が向上する。固着部1aの外側の補強及び剛性調整シ−ト層4の外径形状を上記中空竿管1の前端内径及び中実竿杆2の後端外径のテ−パ−状と同じにすると、曲がりのバランスが向上する。
【0011】中実竿杆2の端部外側になる固着部1a外側の補強及び剛性調整シ−ト層4の外周には第1釣糸ガイド5が固定されている。テ−パ−状の中実竿杆2の外周には複数の中間ガイド6が固定され、先端にトップガイド7が固定されている。中空竿管1の元部側外周にはグリップ付移動フ−ド8が取り付けられ、リ−ルシ−ト9と固定フ−ド10とグリップ11と端部に尻栓12が固定されている。リ−ルシ−ト9にはリ−ル脚13が装着される。
【0012】中空竿管1が成形される時は、テ−プ状の長方形に裁断された図示しないプリプレグシ−トが図示しない芯金に適宜回数巻回された後、その外側にテ−ピングが施され、加熱炉の中に入れられて常法に従って熱硬化処理で一体に形成されている。中実竿杆2は、強化繊維を概ね軸方向に指向させ樹脂を含浸し、常法に従って熱硬化処理で一体に形成されている。プリプレグシ−トは例えば炭素繊維やガラス繊維やアラミド繊維やアルミナ繊維やケプラ繊維及びその他の有機繊維、無機繊維などの高強度繊維を横方向に織り込んだシ−トにエポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性合成樹脂が含浸されて形成されている。
【0013】中空竿管1前端に中実竿杆2を固着した固着部1aの前方に段差を埋めるシ−ト層3と固着部1aの前後に亘り補強及び剛性調整シ−ト層4が形成される時は図3のように、中実竿杆2の外周に繊維強化プリプレグ14が巻回され、繊維強化プリプレグ14の端に重ねるように中空竿管1の外周に繊維強化プリプレグ15が巻回される。中空竿管1の外周に繊維強化プリプレグ15が巻回される時、中空竿管1の中に芯金16が挿入され、テ−プ状の長方形に裁断された繊維強化プリプレグ14、15が適宜回数巻回された後、その外側にテ−ピングが施され、加熱炉の中に入れられて常法に従って熱硬化処理で一体に形成されている。繊維強化プリプレグ14、15は例えば炭素繊維やガラス繊維やアラミド繊維やアルミナ繊維やケプラ繊維及びその他の有機繊維、無機繊維などの高強度繊維を横方向に織り込んだシ−トにエポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性合成樹脂が含浸されて形成されている。
【0014】中空竿管1の外側に巻回される繊維強化プリプレグ15の繊維の弾性率と、中実竿杆2の外側に巻回される繊維強化プリプレグ14の弾性率は約40×9.8×103N/mm2で、その差は±15×9.8×103N/mm2内のものが使用される。
【0015】前記のように釣竿Aが構成されると、中空竿管1の部分が長く形成されるため、軽量化できる。第1釣糸ガイド5が中実竿杆2の端部外側に固定されるため、大撓み時の第1釣糸ガイド5の足端による釣竿の応力集中による釣竿の破損が防止できる。第1釣糸ガイド5を有する竿先部となる中実竿杆2の剛性が竿元部となる中空竿管1の剛性より小さいので、竿先での撓みによる投擲操作ができ、仕掛けを目的位置に正確に投擲し易い。固着部1aの前後に亘り繊維強化プリプレグ14、15を巻回することで、固着部1aの強度が上がる。巻回される繊維強化プリプレグ14、15の繊維の弾性率の差を±15×9.8×103N/mm2内とすることで、端面部の剥離が防止できる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0017】請求項1により、中空竿管の部分が長く形成されるため、軽量化できる。また第1釣糸ガイドが中実竿杆の端部外側に固定されるため、大撓み時の第1釣糸ガイドの足端による釣竿の応力集中による釣竿の破損が防止できる。請求項2により、第1釣糸ガイドを有する竿先部となる中実竿杆の剛性が竿元部となる中空竿管の剛性より小さいので、竿先での撓みによる投擲操作ができ、仕掛けを目的位置に正確に投擲し易い。請求項3により、固着部の前後に亘り繊維強化プリプレグを巻回することで、固着部の強度が上がる。請求項4により、巻回される繊維強化プリプレグの繊維の弾性率の差を±15×9.8×103N/mm2内とすることで、端面部の剥離が防止できる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成13年3月28日(2001.3.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−281869(P2002−281869A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−93459(P2001−93459)