| 【発明の名称】 |
蛍養殖装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】梶岡 幹生
【氏名】守屋 節男
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】水槽1を階段状に段差を設けて配置し、一つ置きの水槽には一側に、その間の水槽には他側にパイプ3を設置し、パイプ出口より放出された水が下側に位置する水槽の水面に落下し、該水槽に設けたパイプ入口までの横方向の流れを生じさせて上段の水槽から下段の水槽までこの流れを繰り返す。蛍の幼虫と餌となるカワニナを入れた水槽内に幼虫の育成に適した水の流れを生じさせ、水の淀みをなくして水質悪化を防ぐと共に、水が落下するときの曝気により溶存酸素量を増加させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】階段状に段差を設けて配置される個々に独立した水槽と、上位置の水槽からその下に位置する水槽へ水を流す通水手段と、最上段の水槽へ水を供給するポンプとからなり、上記各水槽にはそれぞれ小石等を敷いて、蛍の幼虫とカワニナを入れることを特徴とする蛍養殖装置。 【請求項2】通水手段がパイプで水槽に取付けられ、下に位置する水槽の水面へパイプ端より水を放出させて落下させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の蛍養殖装置。 【請求項3】通水手段又はパイプを階段状に段差を設けて位置される水槽の一つ置きの水槽において一側に設けると共に、その間の一つ置きの水槽には他側に設け、一側の通水手段又はパイプから流入した水を他側の通水手段又はパイプから流出させることにより水槽内に横方向の水の流れを生じさせるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の蛍養殖装置。 【請求項4】最下段の水槽に水生植物を植生させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの請求項に記載の蛍養殖装置。 【請求項5】水槽を透明ないし半透明な屋根で覆うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの請求項に記載の蛍養殖装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、蛍を養殖する蛍養殖装置に関する。 【0002】 【従来技術】この種の蛍養殖装置として、実公平7−18284号には、長尺な飼育槽を仕切壁で等間隔に仕切って数個の区画室を形成し、各区画室内に火山灰層を設けると共に、仕切壁を上流側より下流側に向かって段階的に低くし、上流の区画室にポンプから水を注入し、その水位が仕切壁上端に達すると、次の区画室に水が仕切壁上端を乗り越えて流入し、これを順次繰り返すことによって上流側の区画室より下流側の区画室に水の流れを生じさせるようにしたものが開示されている。 【0003】この装置によると、各区画室内には仕切壁の高さに貯水され、蛍の幼虫をその餌となるカワニナ(蛍貝)と共に程よく分配して収容すると、各区画室内で蛍の幼虫は餌を十分に摂取して良好な育成が行われ、排泄物は上層の流水に吸い上げられて仕切壁上部に設けた網枠で捕捉されると共に、微小な汚物は火山灰層に吸着されることにより清浄な状態を保持し、火山灰層は幼虫の安住的領域となる、としている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述する従来の装置には次のような問題があった。 (1)飼育槽は一体もので長尺なため、組立、解体、移動が容易でなく、規模の拡大、縮小ができないこと、(2)各区画室で水の流れは表層部だけとなり、それ以下では水が淀んで水質が次第に悪化し、溶存酸素量も低下して蛍の幼虫やカワニナの生育に適さなくなること、等の難点がある。 【0005】本発明の第1の目的は、組立、解体、移動が容易で、規模の拡大或いは縮小が簡単にできる蛍養殖装置を提供しようとするものであり、第2の目的は、水質の低下や溶存酸素量の低下を防いで、蛍の幼虫やカワニナの育成に適した蛍養殖装置を提供しようとするものである。 【0006】 【課題の解決手段】請求項1に係わる発明は、第1の目的を達成する蛍養殖装置に関するもので、階段状に段差を設けて配置される個々に独立した水槽と、上位置の水槽からその下に位置する水槽へ水を流す通す通水手段と、最上段の水槽へ水を供給するポンプとからなり、上記各水槽にはそれぞれ小石、砂利等(以下、単に「小石等」という)を敷いて、蛍の幼虫とカワニナを入れることを特徴とする。 【0007】本発明の蛍養殖装置においては、個々の水槽が独立しているため解体や移動が容易で、階段状に配置される水槽の数を増やしたり、減らすことにより規模の拡大や縮小が容易に行える。 【0008】水槽内に敷いた小石等には珪藻が発生付着して水の浄化がなされると共に、珪藻がカワニナの餌となるため、水の汚れの原因となる餌を与えなくてすむようになる。 【0009】本発明において用いられる通水手段は、水槽からその下に位置する水槽へ水を通すことができるものであれば、どのようなものでもよい。敢えて例示すれば、パイプ、漏斗、ガイド等が挙げられる。 【0010】本発明において用いられる水槽としては、水による腐食のおそれのない樹脂、好ましくは強度のあるFRP樹脂が好ましい。またその形態は、一般には長方形をなすが、台形、楕円形その他任意の形態をなしていてもよいが、好ましくは各水槽には同一形態で、同一サイズのものが用いられる。 【0011】好ましい発明では、水槽は横方向に複数列独立して配置される。水槽を各列によって独立させることにより、病害虫の発生やポンプ等の故障による不測の事故により、一系列の水槽で蛍の幼虫が死滅するようなことがあっても他の系列の水槽に影響を及ぼさないようにすることができる。 【0012】請求項2に係わる発明は、第2の目的を達成する蛍養殖装置に関するもので、請求項1に係わる発明の通水手段がパイプで、水槽の上部好ましくは中間部ないし下部に取付けられ、下に位置する水槽の水面へパイプ端より水を放出させて落下させるようにしたことを特徴とする。 【0013】本発明によると、水槽内の水は水槽に設けたパイプ入口への流れを生じ、水の吸込みや落下した水による混流を生じさせて水の淀みをなくし、水質の悪化を防ぐと共に、パイプからの水が水面に落下することにより曝気され、蛍の幼虫やカワニナに必要充分な水中の溶存酸素等が供給される。 【0014】請求項3に係わる発明は、請求項1又は2に係わる発明において、通水手段又はパイプを階段状に段差を設けて位置される水槽の一つ置きの水槽において一側に設けると共に、その間の一つ置きの水槽には他側に設け、一側の通水手段又はパイプから流入した水を他側の通水手段又はパイプから流出させることにより水槽内に横方向の水の流れを生じさせるようにしたことを特徴とする。本発明によると、自然の河川のような蛍の幼虫が好む流水が得られる。 【0015】請求項4に係わる発明は、請求項1ないし3に係わる発明において、最下段の水槽に水生植物を植生させることを特徴とする。本発明によると、蛍の幼虫やカワニナの糞による水の汚れが水生植物により吸収され、水質浄化されると共に、植物があることで緑豊かな雰囲気を醸し出すことができる。 【0016】請求項5に係わる発明は、請求項1ないし4に係わる発明において、水槽を透明ないし半透明な屋根で覆うことを特徴とする。本発明によると、透明ないし半透明な屋根を設置することにより水槽に適度な光が当たって珪藻の発生が促進さる。本発明の屋根には、好ましくは水槽を囲うカーテン状の覆いを垂れ下げて、トンボが入り込んで卵を産み付け、ふ化した幼虫のヤゴによる蛍の幼虫への被害を防ぐことができるようにされ、また光の照度や槽内の温度を調節することができるようにされる。 【0017】 【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係わる蛍養殖装置の一態様について示すもので、トレイ状の横に並ぶ一対のプラスチック製の水槽1がフレーム2に階段状に段差を設けて配置され、一つ置きの水槽1にはその一側に、その間の水槽1には他側に通水手段としてのパイプ3が横向きに回転可能に軸支され、各パイプ3の入口にはエルボ4が取付けられている。このエルボ4は、パイプ3を回転させることにより入口の向きが変わり、水槽1内の水位を変えられるようになっている。図3は、エルボ4の入口の向きを上向き、図4はパイプ3を半回転させてエルボ4の入口を下向きにした例を示す。またエルボ4の向きを斜めにすることにより、エルボ4の入口のレベルを図3と図4に示すレベルの間で変えることができる。また水槽1には図示していないが、小石等が敷き詰められ、蛍の幼虫のカワニナが適量ずつ入れられている。 【0018】最下段の水槽下には、ポンプ7を備え、かつ水生植物を植生した沈殿槽6が設置され、浄化した水がポンプ7よりホース8を介して最上段の水槽1へ送られるようにしてある。図中、9は水槽1上を覆う半透明な樹脂製の屋根で、屋根の周りには図示していないが、カーテン状の覆いが水槽1の周りに垂れ下げて取付けられ、開閉できるようにしてある。 【0019】本実施形態によると、各水槽1では一側より他側のパイプ入側のエルボ4に向かう流れを生じ、エルボ入口より吸い込まれた水はパイプ出口より放出されて、下側に位置する水槽の水面に落下する。上段の水槽から下段の水槽までこの流れを繰返し、ジグザグな流れを生じることにより、上段から下段の水槽までの水の流れの経路長を長くする。 【0020】また水槽は横方向に二列独立して配置されることにより、一列の水槽で、病害虫が発生したり、ポンプ等が故障して蛍の幼虫が死滅するようなことがあっても、別の列の水槽では、こうした影響を受けないで済み、養殖が支障なく行える。図示する形態では、水槽には同一形態の同一サイズのものが用いられているが、異なった形態のものや異なったサイズのものを用いることもできる。 【0021】 【発明の効果】請求項1に係わる発明によると、水槽が個々に独立し、一つ一つの水槽は全体が一体型のものに比べ、サイズも小さいため、取付け、取外しによる組付けや解体、持ち運びも容易となり、水槽の数を増減することにより規模の拡大や縮小も容易に行え、また養殖した蛍の幼虫を取り出す際には、水槽の隅々まで手を伸ばして幼虫の取り出し作業が行えるほか、水槽の清掃作業も容易に行えること、水槽内に敷設した小石等には、珪藻が発生付着して水の浄化がなされると共に、カワニナの餌となるため水の汚れの原因となる餌を与えなくてもすむようになるほか、蛍の幼虫が小石等の陰に隠れ、生息し易くなること等の効果を奏する。 【0022】請求項2に係わる発明においては、パイプ入口に水が吸込まれるときやパイプ出口より水面に落下した水による水の乱れを生じさせて水の淀みをなくし、水質の悪化を防ぐと共に、パイプ出口より水が水面に落下する間に曝気され、水中の溶存酸素量が増加して蛍の幼虫やカワニナが生息し易くなる。 【0023】請求項3に係わる発明においては、水槽内で横方向の流れを生じて水が淀む箇所を少なくすることができ、また上段の水槽から下段の水槽まで自然の河川のような蛍の幼虫が好む流れを生じ、しかもこの流れはジグザグな流れであることから、流れの経路長を長くすることができる。 【0024】請求項4に係わる発明においては、有機物が水生植物で吸収されることにより水質が浄化され、また水生植物により緑豊かな雰囲気を醸し出すことができる。 【0025】請求項5に係わる発明によると、屋根に覆いを設けることが可能で、これにより光の照度や温度を調節して小石等への珪藻の発生を促進させることができると共に、トンボなど蛍の幼虫に有害な昆虫の進入を防ぐことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501123640 【氏名又は名称】有限会社かじおか
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| 【出願日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079636 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 晃一
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| 【公開番号】 |
特開2002−281865(P2002−281865A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月2日(2002.10.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−89589(P2001−89589) |
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