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【発明の名称】 微生物の増殖装置
【発明者】 【氏名】長野 洋士

【要約】 【課題】水槽や生け簀等の水中へ投入しておくことで、水中に微生物を増殖させ、アンモニアの分解等による水の一層の浄化に加え、魚類等の対象生物によって自然環境に近い餌を豊富に与えることができ、その対象生物の活性化を飛躍的に図ることができる微生物の増殖装置とする。

【解決手段】通水孔を備えたケ−シング内に濾材と共に微生物の増殖用フレ−ムを収納してあることとし、前記した濾材はゼオライトセラミックの塊状体とし、この塊状体を前記ケ−シング内に充填させてあることとし、前記したフレ−ムはコットン製の紐体、ロ−プとしたこととし、前記したフレ−ムには少なくとも糖分が含浸されていることとし、前記したケ−シングは対面をスナップ重合するプラスチック製のものとし、通水孔として複数のスリットを形成してあることとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通水孔を備えたケ−シング内に濾材と共に微生物の増殖用フレ−ムを収納してあることを特徴とする微生物の増殖装置。
【請求項2】 前記した濾材はゼオライトセラミックの塊状体とし、この塊状体を前記ケ−シング内に充填させてあることを特徴とする請求項1に記載の微生物の増殖装置。
【請求項3】 前記したフレ−ムはコットン製の紐体、ロ−プとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微生物の増殖装置。
【請求項4】 前記したフレ−ムには少なくとも糖分が含浸されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の微生物の増殖装置。
【請求項5】 前記したケ−シングは対面をスナップ重合するプラスチック製のものとし、通水孔として複数のスリットを形成してあることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の微生物の増殖装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微生物の増殖装置に関し、特に観賞用魚類の飼育や、食用魚の養殖のための水槽や生け簀に投入しておくことで、その水の浄化に加え、魚類等の餌として豊富に供給されることで魚類等の成育の活性化を図ることができる微生物の増殖装置に関する。
【0002】
【発明の背景】従来より、上記した飼育や養殖のための水槽や生け簀には、水の清浄性を保持するため、濾過装置が付設され、また、水中ポンプ等の使用により、水中に空気、特に酸素を常時送り込んでやることが行なわれている。
【0003】しかしながら、実際上はかかる補助手段のみでは自然環境と比べて条件的に不十分であり、魚類その他の対象生物が衰弱し易く、育成度も悪く、短期間で死んでしまうことも多かったところである。
【0004】そこで、近時は少しでも自然条件に近づける要素として、プランクトン、原生動物、好気性菌等の微生物を水中に繁殖させ、対象生物の活性化を図ることが行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この微生物の提供は多くの場合、魚類等の対象生物をショップで購入した際に、立ち上げ用の水としてそのショップから供給されるものの中に含まれていることになっているが、多くの場合、微生物に必要とされる十分な酸素が確保できず、その微生物は死滅してしまっているのが現状である。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明は上記した従来の実情、問題点に着目してなされたもので、かかる問題点を解消して、水槽や生け簀等の水中へ投入しておくことで、水中に微生物を増殖させ、アンモニアの分解等による水の一層の浄化に加え、魚類等の対象生物によって自然環境に近い餌を豊富に与えることができ、その対象生物の活性化を飛躍的に図ることができる微生物の増殖装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明に係る微生物の増殖装置は通水孔を備えたケ−シング内に濾材と共に微生物の増殖用フレ−ムを収納してあることを特徴とし、前記した濾材はゼオライトセラミックの塊状体とし、この塊状体を前記ケ−シング内に充填させてあることを特徴とし、前記したフレ−ムはコットン製の紐体、ロ−プとしたことを特徴とし、前記したフレ−ムには少なくとも糖分が含浸されていることを特徴とし、前記したケ−シングは対面をスナップ重合するプラスチック製のものとし、通水孔として複数のスリットを形成してあることを特徴としている。
【0008】
【作用】かかる構成としたことにより、濾材は水中の塵埃を濾過するのみでなく、アンモニアを吸着し、このアンモニアを微生物が分解することでより一層の水の浄化が図れ、また、微生物は対象生物にとって格好の餌となり、その対象生物の活性化が図れ、また、その微生物もフレ−ムに含まれる糖分を摂取することで十分に増殖され、常に好適な自然環境に近い状況を保持することができることとなるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明を実施した微生物の増殖装置を示す正面図、図2は同じく図1中のA−A線に沿った断面図である。
【0010】これらの図にあって1はケ−シングを示しており、このケ−シング1はある程度の弾性を保有したプラスチックで成形されている。このケ−シング1は一対の椀状をした部材1a・1bとより構成され、一方の部材1aの外周縁に形成された環状段部1cに対し、他方の部材1bの外周縁に形成された環状凹段部1dを密に圧嵌合することで全体として断面が略ラグビ−ボ−ル形状となるものとしている。
【0011】また、このケ−シング1を構成する部材1a・1bの表面側には略円錐台状をした膨出部2・2が一体に形成され、全体としての内部容積を大きなものとしている。そして、この部材1a・1bには膨出部2・2にかけて放射状のスリット3・3‥が通水用孔として形成されたものとなっている。
【0012】このケ−シング1内には濾材としてゼオライトセラミックの小塊物4・4‥が充填されており、この小塊物4・4‥の周囲にはフレ−ムとしてコットン製のロ−プ5がリング状態として収用されている。
【0013】このロ−プ5はフレ−ムとするため、微生物の餌となる糖分が含浸されているもので、この糖分は酸素と共に水に混入させ、その水にロ−プ5を浸した後、乾燥処理したものが使用される。
【0014】本実施の形態に係る微生物の増殖装置は上記のように構成されている。本実施の形態に示したケ−シング1に限定されるものではないことは勿論で、濾材とフレ−ムを収用でき、通水孔が形成されたものなら、その形状、形態は特に問うものではない。また、フレ−ムとしてのロ−プ5も紐のほか、布状態のものでよく、ゼオライトセラミックの小塊物4・4‥も天然物に限らず合成沸石でもよい。
【0015】ここで、この微生物の増殖装置の作用を説明すると、この微生物の増殖装置はケ−シング1ごと水槽や生け簀の水中へ投入され、スリット3・3‥を通って水はゼオライトセラミックの小塊物4・4‥やフレ−ムであるロ−プ5と接触し、流通することとなる。
【0016】ゼオライトセラミックの小塊物4・4‥は濾材として作用し、特にその特性である分子ふるい作用(モレキュラ−シ−ブ)によってアンモニアを吸着し、そのアンモニアは微生物が分解する。そして、微生物はロ−プ5をフレ−ムとして常時増殖し続け、絶えることはない。
【0017】そのため、微生物、特にシュリンプやワムシのプランクトンを主食とする魚類、例えばタツノオトシゴやイソギンチャクと共生するクマノミ等の飼育が難しかった海水魚やサンゴも自然環境に近い良好な状況で育成してやることが可能となる。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る微生物の増殖装置は上述のように構成され、作用する。そのため、有益な微生物を常時水中に存在させることができ、また、従来にも増した水の浄化作用も得られることとなり、自然環境に近い状況を対象生物に与えることができ、その活性化を図ることができるものとなっている。
【出願人】 【識別番号】394000792
【氏名又は名称】長野 洋士
【出願日】 平成13年3月29日(2001.3.29)
【代理人】 【識別番号】100081570
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰芳
【公開番号】 特開2002−281863(P2002−281863A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−95111(P2001−95111)